人で動くお客様、物で動くお客様

専門家コラム

2016.11.18 / 名古屋

白岩 大樹

アップ・トレンド・クリエイツ
代表

郊外型とんかつ店でのお話


こんにちは。汗を流すコンサルタント白岩大樹と申します。
日々、飲食店の現場に入りながら、働くスタッフの成長と、その先にあるお店の繁盛を実現することで、確実な収益アップを実現する支援をしています。

今回は、1631件の送付に対して、168件(反応率10.3%)の戻りを記録した、お礼状について考察しましょう。
東海地方にある席数が約80席の郊外型とんかつ店でのお話です。

こちらは、スタッフを家族のように想う店長と、その想いに引っ張られて頑張るスタッフさんがいるという素晴らしい条件が揃っていたこともあり、私の支援がスタートしてから約5ヶ月間で2,979枚のアンケートを取得することに成功しました。

ひと月あたりで595.8枚ですので約600枚。
1日あたりに換算すれば平均20枚を毎日、取得し続けられた計算になります。
また、このアンケートのうち、お客様の住所と名前の個人情報が記されたものが1,631枚(54.7%)もありました。
半年足らずで1600件以上の顧客リストが集まったわけですから、これは凄い成果と言って間違いないでしょう。
これもひとえに、先に述べました通り、店長とスタッフとの強い信頼関係が根底にあってのことでした。

戻りを信じてお礼状を続ける


さらに、この店では個人情報の記入があったお客様へ手書きのメッセージを添えたお礼状を送っていました。
またメッセージと共に「次回の来店時に、このハガキをお持ちいただけましたら『お楽しみデザート』をサービスします」という一文でサービス特典と、その下には特典の有効期限の記入欄を設けました。
そのお礼状を先の1,631件へ、キッチン・ホールといったポジション関係なく、手分けしながら毎日、書き続けました。

もちろん、すぐに目に見えて効果(=再来店)には表れません。
お礼状を送り始めてから、戻りのない日が続きました。
しかし、こちらの店長が諦めることはありませんでした。
戻ってくることを信じ、自身の心の焦りを抑え、スタッフの気持ちを盛り上げ、活動をし続けたのです。

その努力と忍耐は2ヶ月を過ぎた9月頃から、徐々に「戻り」という結果となって表れ始めました。



その結果、11月末までの累計戻り件数は168件(反応率10.3%)を記録しました。
こちらの平均組単価は3,000円ですので、約50万円の売上増に繋がりました。
ただ、話はこれで終わりません。
このお礼状の戻りハガキを大切に保管していたことで「お礼状を持ってこられたお客様のリスト」ができました。

特典のインパクトを抑えた理由


お礼状に記載した特典は、先にお伝えしました「お楽しみデザート」として、あえて明記はしませんでした。これをインパクトを強めにして「お食事50%OFF!」としていれば、もっと戻りがあったかもしれません。

ただ、そうはしませんでした。
なぜなら、お礼状を持って再来店したお客様がいた場合、それが



このA・Bどちらが影響して再来店していただけたのか?この区別がつけられないからです。
ちなみに、Aのお客様は「人(心)で動くお客様」であり、Bのお客様は「物(金)で動くお客様」です。「物で動くお客様」によって売上が構成されるようになると、そのお店は割引し続けなくては売上が確保できない苦境に陥ってしまいます。

しかし、「お楽しみデザート」と特典内容のインパクトを抑えれば、手書きのメッセージに心打たれた「人で動くお客様」であることが分かります。
この判断が、スタッフにとっても良い結果を生みました。
自身が書いたメッセージによって、お客様が再来店することにやりがいと楽しさを感じてくれたからです。

みなさんのお店では、どちらのお客様に来てほしいですか?その時の状況にもよりますが、「どういったお客様に来てほしいのか」ひいては「どういうお店にしたいのか」によって、特典を何にするかを考えてみてはいかがでしょうか。

次回は、お礼状で得たリストを元に年賀状を送った事例(【衝撃】年賀状を送って20万円売り上げた、その方法とは?)について、ご紹介したいと思います。

筆者プロフィール

白岩 大樹
1976年熊本生まれ。中央大学卒業後、板前として「なだ万」に勤務。2000年より「牛角」のスーパーバイザーを務め、2004年より、OGMコンサルティングにて集客コンサルタントとして活躍。2009年アップ・トレンド・クリエイツ設立。「汗を流すコンサルタント」として、飲食店アルバイトをメインにコンサルティングを展開中。現場を直接動かすスタイルで数々の収益向上を実現している。

公式ホームページ:http://upt-c.jp/
簡単メルマガ登録はこちら
Facebookでシェア
Twitterでシェア
記事クリップ

あわせて読みたい