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【実例】埼玉にある、スタッフ全員が主婦の美容院

専門家コラム

2017.02.03 / 名古屋

平井 伸幸

株式会社レボル 取締役 副社長

育児をしながら働ける環境のお店

こんにちは、株式会社レボルの平井です。当社では、直営のモデル美容室を13店舗経営しており、そのノウハウをもとに全国でコンサルティングをしております。

当社の直営美容院「マリーチェ」は、OPEN当初から主婦が働くお店という方針のもと、以下のような営業形態をとっています。



出産によるスタッフの離職を防ぐために、育児をしながら美容師が働ける環境のお店をつくりました。この取り組みは、平成25年に埼玉県の「多様な働き方実践企業」の認定を受けました。


3人体制でOPENして6年経ちますが、おかげさまでスタッフを増員し、今では5人体制で営業しています。
ある統計では、一般企業でも出産で70%の女性が退職しています。せっかく身につけたスキルを捨てることは、本人も会社にとっても大きな損失です。

独身の若いスタッフは、育児のことが理解できない


美容師は産休後復帰できない理由として

 ・ 土日祝日が休めない
 ・ 終わる時間が遅い
 ・ ミーティング、練習会、勉強会が営業時間後の夜が多い
 ・ 社会保険を含めた福利厚生制度がない

が大きいと思います。
さらに、マリーチェを出店した理由の一つでもありますが、隠れた退職理由として「独身の若いスタッフが育児のことを理解できない」ことがあります。

悪気はないのですが、育児を経験していない若いスタッフは、育児中のスタッフの「急に子どもの体調で休む」「土日に出勤できない」「朝礼・終礼に出ない」ことに不満を持ちます。育児中のスタッフも、他のスタッフに迷惑をかけているという遠慮や罪悪感を持つようになります。

結果として、お互いに不満がたまり退職というのはめずらしくありません。

そこで、「それなら主婦だけを集めてお店をやってみよう」と考えました。結果、マリーチェのスタッフは主婦ならではの悩みを共有でき、チームワークで助け合いながら営業できています。また主婦ならではの気配りや同じ目線でのスタイル提案がお客様にも満足いただき、常連のお客様がとても多くなっています。

経営的にも、美容師1人当たりの売上が業界平均で45万円ですが、マリーチェでは69万円。客単価も業界平均が6,400円なのに対し、ほぼ2倍の12,700円と十分な利益が出ています。これから2号店・3号店を出していく構想もあります。


地元の保育園と契約して、事業所内保育園として利用できるように

また、最近ですが地元の保育園に相談した結果、事業所内保育園として利用できるようになりました。といっても、単独で保育園運営をするわけではなく、所属している地域の複数企業で運営される全く新しいタイプの保育園です。

運営負担金を少額ですが負担すれば、系列の保育園に優先的に、または確実に社員の子どもを入れることができます。契約をした保育園は、保育料も安く、また土日や夜8時までも安く預けることが可能でした。

それには、行政が待機児童対策で、事業所内保育園の設置・運営を後押している背景があります。みなさんの会社の近隣にもこのような保育施設が地域にないか、チェックするのをおすすめします。

いくら本人が復帰したくても子どもが預けられない、または認可外の保育料が高すぎ、あきらめて退社というパターンがあります。今後ますますこのような保育施設が増えていくことで、産後女性が復帰しやすい環境が整うと良いと思います。

定着率や採用率も向上

美容院の就職ガイダンスに参加すると、最近の傾向として応募者から以下のような質問が増えてきました。

 ・ 結婚、出産後働いている先輩がいるのか
 ・ 育児休暇や有給休暇がとれるのか
 ・ 独立以外のキャリアパスはどのような例があるのか

採用難のこの時代に、美容業界に限らず会社がいかに本気で仕事と育児の両立問題に取り組むのか、これが採用や定着につながり、安定した会社経営につながっていくと考えています。

筆者プロフィール

平井 伸幸
2007年 株式会社レボル入社。

2010年 取締役就任。店舗運営本部、管理本部の責任者として経営に従事。

2016年 取締役副社長(現職)就任。

完全週休2日制、残業なし正社員制、評価システム導入、スタイリストデビュー短縮(1年半)など社内体制の改革を起こし、美容師の定着・育成を成功させ、直営美容室を3店舗から11店舗まで拡大させた。同時にそのノウハウをもとに、全国各地のサロン様にコンサルタントとしても活躍中。
1店舗の小規模サロンから、スタッフ数250人以上の大手サロンまで多くのオーナーに熱く経営指導を行う。直営美容室を自社で経営しているからこそ、机上論ではなく実体験としての具体的指導ができることで、多くのオーナーから支持されている。

株式会社レボル:http://revol.co.jp/
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