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新米エリアマネージャーがIoTを使うと… 客数が減る店舗で何をすべきかが識別できる

専門家コラム

2017.04.05 / 名古屋

中谷 一郎

トリノ・ガーデン株式会社
代表

間違った経営情報を元に正しい経営判断を行い衰退してきた飲食業

エリアマネージャー「お客さんの満足度はどうなんですか?」

店長 「常連さんは、変わらず来店してくれていますよ。」

エリアマネージャー「今の営業内容にお客様が満足しているのであれば、新規集客の販促を打てば客数は純増するはずだから、ネット販促の特別プランの予算を承認します」

店長 「よろしくお願いします!」

会議や臨店でよく問答される風景です。しかし、販促を打つことで、一時的に客数は伸びるものの、その後また低迷し、上記のような問答が繰り返される現場を皆さんも体験したことはありませんでしょうか?

これまで飲食をはじめとしたサービス業の多くは、経営判断を誤って失敗するケースよりも、間違った経営情報を元に正しい経営判断を行って露頭に迷う会社が多いのが現状です。

例えば、お客様の満足度は「5回目以上来店頂き顔を記憶できるお客様の推移」ではありません。2回目、3回目など店長が記憶出来ない、リピーターの定着具合こそ正しい経営情報です。


飲食店におけるIoTの役割は何か



ところで、最近巷で飛び交っている「IoT」で、一体飲食業の本部運営の何が変わるのでしょうか。IoT=モノのインターネット化。設備や機材にインターネットで通信させる概念ですが、よく「IoT=インターネットを使ったスマホなどの販促施策」と誤認されていることを多く見聞きします。

「IoT = 目に見えない事象をデータ化(構造化)する道具」と捉えると、前述のエリアマネージャーの活動は大きく変わります。

例えば、前述の店長のリピーターについての報告は、店長の記憶や印象という非常に曖昧な経営情報であり、その情報を元に経営判断を行っていましたが、センサーにインターネットを装備させたIoTツールを導入することにより、より精度の高い経営情報を得ることが出来ます。


IoTで、経営判断に必要な経営情報収集するコストを大幅に削減する



店長の報告以外にも、お客様の満足の度合いを測る術として、これまでアンケートやクーポン券、最近だと販促アプリを導入することにより、お客様のリピート率や来店頻度という経営情報を得てきました。

しかし、アンケートやクーポン券に協力頂けるお客様というのは、全体の客数のわずか数パーセントに過ぎず、お客様に告知するスタッフの労力、集計の労力から中々お店で運用し続けることは難しいのが実情です。

ところが、お客様の持っているスマートフォンから発せられている固有の電波信号をキャッチするIoTセンサーを導入すると、お客様の手を煩わせることなく、スタッフの手を煩わせることなく、お客様の来店回数・前回からの日数を取得することが出来ます。


新米エリアマネージャーでも、販促を打っていい店舗とタイミングを判断できる



お客様がそもそも接客か商品に満足していないうえに、販促で一時的な新規集客を行うと「やっぱり、このお店ないな・・・」とネガティブな口コミを広げアンチファンを増やしてしまい、新規集客し続けないと客数が増えないお店になってしまいます。

言わば「穴の開いたバケツに水をくみ続ける」ような販促中毒症状の店舗は毎月の販促掲載費が一向に減りません。

一方で、ある程度のリピーターが定着しているお店では、販促で呼んだ新規客をしっかりと掴むため、販促を打たなくとも集客できる営業構造を作り上げることができます。

ある居酒屋チェーンでは、入客数に対し、リピート率を20%以下の店舗で販促を行うとしばらくして客数は減るが、リピート率30%以上の店舗では、販促しても客数が減らないというKPIを策定しました。



そうすることによって、着任1ヶ月目の新米エリアマネージャーでも「この店舗は、販促・商品・オペレーションのどこを改善すべきか」という判断を行うことが出来ています。

IoTについてお問い合わせを販促・広報部から頂くことが多いですが、IoTは毎月の経営資源(販促費・人件費)を判断する営業部にこそ必要な概念であり、特に人材不足・採用難の本部おいては、店舗の業績を早期に改善しなければいけないエリアマネージャーに必要な道具となっていくでしょう。

筆者プロフィール

中谷 一郎
鳥取県鳥取市生まれ。北九州市立大学経済学部卒業。

2005年(株)ベンチャー・リンク入社後、中華居酒屋、定食、居酒屋などの外食チェーンの立上げ・全国展開の事業に携わった経験を元に、2010年にサービス業の科学的なオペレーション構築・改善事業を開始。職人から受け継いだ立ち食い蕎麦店を、同分野における東京での口コミNo.1にするなど、科学的な視点での業態開発を得意とする。2013年「店舗オペレーション研究所」を立上げ、2015年にはWi-Fiなどの、センサーを活用した来店客の来店回数・前回来店日や、人の流れ・滞在時間を自動測定するサービス「Flow-Cockpit(フローコックピット)」を開発し、全国に推進中。

トリノ・ガーデン株式会社:http://tollino-garden.com/
Flow-Cockpit(フローコックピット):http://flow-cockpit.jp/
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