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【従業員が会社のファンになる②】知的資産を整理して、会社の強みを知ろう

専門家コラム

2017.06.06 / 名古屋

丹所 美紀

アステル行政書士事務所 代表

中小企業のための魅力を活かした会社づくりを一緒に目指すアステル行政書士事務所の丹所美紀です。

前回【従業員が会社のファンになる①】会社の隠れた魅力「知的資産」発掘のススメの記事で、会社の隠れた魅力である「知的資産」を積極的に伝え、会社のファンとなる従業員を増やしていきましょう、とお伝えしました。

では、会社の隠れた魅力である「知的資産」にはどのような種類があるのでしょうか?知的資産には、「人的資産」「構造資産」「関係資産」の3つの種類があります。



見落としがちな「人的資産」を丁寧に探そう


まずはじめに「人的資産」と呼ばれるものについて見てみましょう。

人的資産とは従業員や経営者個々人に帰属する資産のことをいいます。例えば個々人が築いてきた人脈、経験、職人技、カリスマ性、分析力、判断力、育成能力、営業力などです。

この人的資産は、個人に帰属しているため、これらを有している経営者や従業員が会社を退職すると、その人に帰属する人的資産は会社から失われてしまうのが特徴です。


中小企業や小規模事業者の場合、経営者や役員の人的資産、中でも人脈、経営判断力、営業力などが会社経営に大きな影響力を及ぼしています。そのため従業員の人的資産を見落としがちです。

しかし、例えば同じ機械設備を導入しても、その機械を扱う技術者のスキルによって製品の精度が変わったり、機械のメンテナンス方法によって機械の寿命が変わったりします。

また、電話対応の善し悪しにより会社のイメージが変わることもあります。このように経営者や役員のみならず、従業員個々人に帰属する人的資産も会社経営にとって必要不可欠なものなのです。

そのため、そのため、日常業務の中に隠れている人的資産を丁寧にみつけ、それを適切に評価していくことは、従業員が更なるやる気を持ち、会社のファンとなることを助け、その結果、将来的な業績向上につながっていくと考えます。


「人的資産」は「構造資産」に変えることが大事


次に「構造資産」と呼ばれるものについて見てみましょう。

構造資産とは会社に帰属する資産のことをいいます。例えば経営理念、社内のルール、マニュアル、人材育成システム、知的財産権などです。この構造資産は、会社に帰属しているため、経営者を含めて従業員が会社を退職しても会社に残っているというのが特徴です。


中小企業や小規模事業者の場合、経営者や役員に帰属する人的資産の割合が非常に大きくなっています。

そのため、経営者や役員が急病になった場合などに会社が機能しなくなるケースもあります。こうした事態に備え、経営者や役員しか接する機会のない取引先リストや緊急事態の際のマニュアルなどを整備し、何かが起きても会社がうまくまわっていくシステムを構築しておくとよいでしょう。

また、高度な技術を有する特定の職人の技が会社の強みとなっている場合は、その職人技を伝承していく人材育成システムを構築していくとよいでしょう。

このように、経営者や従業員一人一人の人的資産を構造資産化することで、会社がより強くなっていきます。

例えば・・・



しかし、人的資産を構造資産化する際、各従業員に対して自分の行っている作業や自分独自の工夫などをリスト化・マニュアル化するよう求めてもうまくいかないかもしれません。それは人的資産の中には各従業員が自分の評価をアップさせるために様々な工夫を重ねて築いてきたノウハウ等もあるからです。

そのため、人的資産を構造資産化する際は、各従業員が気持ちよく自分の知識・経験・ノウハウ等を会社へ情報提供する仕組みづくりや、評価方法も必要かもしれません。



このように、人材の力を会社の力に変えていくことで、社内で情報交換する機会が増え、将来を見据えた経営方針を立てたり、経営目標にみんなで向かっていったりすることが期待できます。


「関係資産」は会社への信用や評価


最後に「関係資産」と呼ばれるものについて見てみましょう。

関係資産とは会社外部との関係における強みのことをいいます。例えば取引先との良好な関係、顧客満足度、メインバンクとの関係、地域との関係、業界団体との関係などです。この関係資産は、一言で表すと外部から会社に対する評価や信用といえます。


中小企業や小規模事業者の場合、経営者や役員に対する評価や信用が関係資産に大きく関わってきます。しかし会社の信用はそれだけで構築されていくものではありません。

例えば地域社会との関わり、顧客満足度、取引先との関係なども関係資産の1つです。日常業務の中で各従業員が関わる人たちと良好な関係を築いていくことが望ましいでしょう。

まとめ


上記で述べたとおり、知的資産には人的資産、構造資産、関係資産という3つの種類があります。まず、社内にどのような人的資産と構造資産があるのかを整理し、どの人的資産を構造資産化していくのかなど、人的資産と構造資産のあり方を検討してくことが重要です。

その上で、会社内に存在している人的資産と構造資産がどのような関係資産とつながっているのか、より良い関係資産を構築するために何が必要なのかなどを検討していくことは、対外関係を強化していくために重要です。

では、社内にある知的資産をどのように探せばよいのでしょうか?
この点については次回詳しくご紹介いたします。

筆者プロフィール

丹所 美紀
中小企業のための魅力を活かした会社づくりを一緒に目指しています。

名古屋市生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。平成21年12月行政書士登録。
行政書士登録前から現在の日本知的資産経営学会の前身である関西知的資産経営研究会へ参加
保有資格:行政書士・知的資産経営認定士(中部地方では第1号)、二級知的財産管理技能士など
所属団体:日本行政書士会連合会、愛知県行政書士会、日本知的資産経営学会、著作権法学会、NPO法人中部知財コンサルティング、愛知商工連盟協同組合、名古屋商工会議所など
専門家登録:中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」、名古屋商工会議所「エキスパートバンク」、愛知商工連盟協同組合
講師歴:日本行政書士会連合会、三重県行政書士会、岐阜県行政書士会、愛知商工連盟協同組合ほか多数

事務所案内サイト:http://office-astel.com/
知的資産経営専門サイト:http://chitekisisan.com/
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