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2017年9月1日、外国人の在留資格に「介護」創設。4タイプの雇用を紹介。

専門家コラム

2017.06.19 / 名古屋

横山 晋

ベリーベスト法律事務所 行政書士

1.在留資格「介護」の創設について


出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律(以降、「改正入管法」と言います。)が、2016年11月28日に公布され、外国人の在留資格に新たに「介護」が創設されることになりました。

施行日は、2017年9月1日と決まっていますが、施行日までの間も、特例措置が実施され、すでに外国人が介護の業務に従事することができるようになっています。

また、労働力の確保という観点からは趣旨が離れますが、改正入管法の成立と同時に、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図る目的で、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」、いわゆる「技能実習法」も新たに成立しました。

技能実習法では、発展途上国の人材育成を使命としている技能実習制度の対象となる職種に、「介護」も追加されることとなりました。



外国人の介護スタッフですが、これまでは、留学生が介護の分野を勉強して、介護系の大学(短大)や専門学校を卒業しても、ヘルパーなどの介護の業務に従事するための就労ビザの取得は、認められませんでした。

また、日本は2008年からEPA(経済連携協定)に基づき、フィリピン、インドネシア、ベトナムの3か国のみ、外国人の介護スタッフの受け入れをスタートしました。

今後は、国籍に関係なく、介護専攻の学校を卒業し、介護福祉士の資格を取得した場合、介護職に就くためのビザを取得することが可能になります。


2.法改正の背景



http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000088998.html
介護分野における人材不足への対策

厚生労働省が発表した需給推計※によると、団塊の世代が75歳になる2025年度には介護スタッフの供給の見込みは約215万人であるところ、需要人員数は約253万人とされています。

つまり、その差約38万人の介護スタッフが不足する見込みだといわれています。
少子高齢化が急速に進行し、介護現場の人材不足が顕著となっている介護業界において、その担い手としての外国人の増加が期待されています。


3.介護分野における外国人労働者雇用4タイプ



今回の新制度開始により、外国人の介護スタッフを雇用する場合には、4つのタイプに分けられることになります。企業側としては、それぞれのスタッフがどのタイプなのかを正確に把握することが大切です。それぞれのタイプを見ていきましょう。

1.永住者タイプ
就労制限のない永住者、日本人の配偶者、定住者などの在留資格を持っている外国人。
就労制限は一切ないので、日本人を雇用するのと同じように考えられる。

【メリット】
・介護学校の出身者である必要もなく、介護福祉士の資格を持っていなくてもOK。

・ビザ更新ができなかったり、期限が来たら帰国させなければならないということもない。

【デメリット】
・日本人と同様に、求人への応募が少ない。

・介護の専門者ではないため、一から指導しなければならない。

・職場への定着性も低い。

2.EPAタイプ
EPAの介護福祉士候補。

【メリット】
・介護を学ぶために来日した高い意識のある方々が多い。

【デメリット】
・フィリピン、インドネシア、ベトナムの3か国に限定されるため、人数そのものが少ない。

・4年以内に介護福祉士試験に合格しなければ、帰国しなければならないという制約あり。

3.技能実習生タイプ
今回新たに加わることになった、技能実習生。

【メリット】
・比較的低コストで受け入れられる。

【デメリット】
・まだ導入前のため未知数ではあるものの、実習生は来日して日も浅く、十分な教育を受けていないため、日本語の習熟度が低く、現場の即戦力として活躍してもらうまでには、時間と労力を要する。

・技術習得後、本国へ帰国することが決められているので、最長でも5年しか更新ができない。

4.介護ビザタイプ
「介護」の在留資格を取得した方々です。

【メリット】
・国籍による制限も、年数制限もなく、ビザの更新の制限もない。

・その外国人の配偶者や子には、「家族滞在」の在留資格が付与され得ますので、家族を帯同して日本で生活することもでき、より日本で定着してくれることが期待できる。


・日本で、介護系の大学(短大)や専門学校等の介護福祉士養成施設で2年以上修学し、介護福祉士の国家資格を有している、介護の専門家です。

【デメリット】
・留学から来日する外国人を想定していますので、養成までに時間がかかる。

現在過渡期にあり、まだ人材が世に出ていない。


以上4つのタイプがあることがお分かりいただけましたでしょうか。

その外国人の方がどのタイプかを把握した上で、どのようなポジションに配置していくのか、中長期的なキャリアプランを立てていく必要があります。

というのも、通常は別のタイプへの転換はできない仕組みになっているからです。例えば、「技能実習生タイプ」であれば、途中から、「介護ビザタイプ」への転換はできないということを意味しています。この点は、注意する必要があります。


4.まとめ



日本が抱える、超高齢化社会、人口減社会は多くの業界に変革を求めています。とりわけ介護業界は、その最前線といえるでしょう。

外国人労働者を雇用する上で、気をつけるべき点が多いのも事実です。高齢者とのコミュニケーションをとる上での、語学力、文化の違いを始め、賃金体系、評価基準なども改めて考えるべきポイントです。

しかしながら、超高齢化、人口減社会は避けて通れない日本の構造的な課題です。

外国人労働者の活用は、時代の流れに沿った経営戦略と言えるでしょう。
今回創設される「介護」ビザ(在留資格)を活用する事で、業界全体の課題である人材不足が大きく改善の方向に向かうかもしれません。

ビザに関しては専門的な知識が必要になります。「介護」ビザをご検討される際は、ビザの専門家である行政書士にご相談することをお勧めします。

筆者プロフィール

横山 晋
東京学芸大学卒業、中国・雲南省昆明市 雲南民族学院(現 雲南民族大学)修了
東京都行政書士会所属。中国語とエスニック・マイノリティーの文化を学び、辺境の地で少数民族やミャンマー人、タイ人、ベトナム人と交流を図る。平成25年全国で24人しか取得できなかった高度人材(高度経営・管理)のビザを申請して許可取得するなど、高い許可率を誇る。

中国語と英語を得意とし、本人自身が対応します。お客様が本当に望んでいることを理解し、解決方法をともに考えていくことを心がけております。

弁護士法人ベリーベスト法律事務所 https://www.vbest.jp/visa/
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