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社員の不祥事!トラブルを防ぐ正しい対応方法。

2016.06.26 / 名古屋

品川 菜津美

ベリーベスト法律事務所 弁護士

※2016年7月18日に公開した記事を、2017年6月26日に更新しました。

もしもスタッフが不祥事をおこしてしまったら!?



近年巷では、不祥事や不正行為を伝えるニュースが数多く流れています。

芸能人や政治家だけの問題ではありません。SNSで簡単に拡散できるからこそ、もしスタッフが不祥事を起こしてしまった場合に、会社としてどう対処すべきかについて考えておく必要があります。

もしスタッフが

「お店のお金を横領した!」
「痴漢をして逮捕されてしまった!」

などの不祥事を起こしてしまったら・・・
事業への影響を最小限におさえるため、次の3つの手順で対応をしましょう。



まずは、事実関係の調査をしましょう。
不祥事が発生した場合には、パソコンや携帯電話を確認して資料を収集したり、関係者にヒアリングをしたり、証拠を集めたりして、事実関係をしっかり調べましょう。


横領でも懲戒解雇は認められない?!



次は、スタッフの懲戒処分や、損害賠償請求、刑事告訴を検討します。

では、懲戒処分にはどんな種類があるでしょうか?


戒告や譴責(けんせき)といった軽い処分から、懲戒解雇という重い処分まで様々なものがあり、どのような処分を下すべきか迷うこともあるでしょう。

(財)労務行政研究所の企業調査によれば、直近1年の懲戒処分の発生件数・処分内容を尋ねたところ、戒告・譴責(けんせき)が221件(61社)、減給が97件(36社)、出勤停止が63件(18社)、降格・降職が38件(22社)、諭旨(ゆし)解雇(懲戒解雇を少し軽減した処分。)が48件(24社)、懲戒解雇が40件(19社)でした。

このように、ケースバイケースで色々な懲戒処分がなされています。(「労政時報 第3829号」((財)労務行政研究所2012年9月14日発行)。

しかし、必要な環境整備なく解雇や懲戒処分をすると、あとでスタッフとトラブルになりかねません。そのような紛争はよくおきていますが、裁判所は、懲戒処分を簡単には認めてくれません。




懲戒処分の実行は慎重に。



このように、懲戒処分にあたっては、原則として、就業規則に懲戒について記載しておく必要があります。
また、事実関係や懲戒処分が妥当かどうかは、とくに争われやすいポイントとなります。

例えば、1回だけ遅刻したスタッフを、何ら指導や処分をせずに、いきなり懲戒解雇にすれば、それは重すぎる処分であり、無効となる可能性が高いでしょう。

ほかに、懲戒処分をするために必要な手続がとられたかもよく問題となります。例えば、「スタッフに弁明の機会があったか」や、「就業規則に記載された手続がとられていたか」などが判断のポイントになります。

会社は、もし解雇が無効となれば、原則としてスタッフに解雇後の賃金を支払わなければなりません。裁判になると争いが長くなることが多く、会社にとって大きな金銭的負担が発生しかねません。また、裁判のため本業に集中できない、という事態も避けたいところです。

そのためには、前例とのバランスも考えながら、どのような処分が妥当かどうかよく考えながら判断することが必要です。

再発防止策を行う



最後のステップとして、今後このような不祥事が起きないように再発防止策を講じることが重要です。

例えば、不正経理であれば、経費申請のときに領収書の添付を求めたり、決済権者を2人以上にする。また、従業員教育を徹底し、刑事責任の重さや他に与える影響等を認識させるなど、です。

またこの機会に、「不祥事の際に、必要な処分ができるように」就業規則を見直してみましょう。
※就業規則に関しては【無料診断付き】法律のプロが語る!「就業規則を一度作って終わり」が最も危険な理由の記事もご参照ください。

いかがでしたでしょうか。
社員が不祥事をおこしてしまった場合にとる、3つの手順についてご紹介しました。

不祥事の対応は、一歩間違えるとスタッフとの争いに発展しまったり、かえって社会から信用をなくしてしまったりすることがあります。そのようなことがないよう、迅速に正しい対応をしていきましょう。

それでも、もしスタッフの不祥事でトラブルが起きてしまった場合は、ぜひ早めに弁護士などの専門家に相談してください。

筆者プロフィール

品川 菜津美
法科大学院卒業後、九州大学大学院法学研究所にて助教として学生に労働法を教えたり、社会法判例研究会に参加するなど、労働法について研究。その後ベリーベスト法律事務所に入所、名古屋支店長。

お客様のお話を丁寧に聞くことで、ニーズを的確に把握し、最適な手段を選択すること、最後まであきらめずに最善を尽くすことを心がております。
【担当アシスタントより】とても気さくな先生で、話しやすい雰囲気を作ってくださいます。弁護士としてでなく母としても日々頑張っていらっしゃるパワフルな先生です。

弁護士法人ベリーベスト法律事務所:https://www.vbest.jp/

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