店内派閥 解体のススメ

専門家コラム

2016.06.14 / 名古屋

中谷 一郎

トリノ・ガーデン株式会社
代表

派閥が起こりやすいオペレーション

入店から半年以内に退職したスタッフにヒアリングし続けると「店内の人間関係がぎくしゃくして雰囲気が悪い」や「人間関係に馴染めなかった」という理由が多いです。せっかく精力的に求人・採用したにも関わらず、店内の人間関係を理由に辞められてしまっては、穴の空いたバケツに水を汲み続けるようなものです。特に「派閥」と呼ばれる人間関係が存在する店舗では、人間関係を理由に、新人が辞めることが慢性化しています。「派閥をどうしたら解体できるか」「派閥を未然に防ぐには、どうしたら良いか」をオペレーションという視点でアプローチし、派閥解体に成功した事例をご紹介します。


派閥が発生しやすい店舗オペレーションの特徴


派閥とは、何かについての意見や主張が過度に対立し、その主張に賛同する人間で形成されたグループのことを指し、グループ形成後は論理的な検証を行うことなく、ことあるごとに意見を対立させてしまい、組織の推進力を奪うことが特徴です。下記項目に当てはまる店舗は派閥が起きる黄色信号です!!

<派閥が起きる店舗オペレーションの特徴>
・時間帯(昼・夜)、ボジション(キッチン・ホール)間で、スタッフの移動・交流が少ない。

・教育のガイドラインが明確でなく、同じ作業でも複数の流派(やり方)が存在する。

・スタッフで目指す目標やKPIが存在しない、もしくは不鮮明である。

・スタッフの気づきや意見を吸い上げる仕組み・場がない。


「派閥を作るエネルギー」とは何か


派閥をつくる行動の裏には、何かしら共通の話題について、お互いが共感することにより、人間関係を安定させたいという心理があります。その、安定化させようとするエネルギーそのものを削ぐことは難しく、むしろ、その共通の話題として焦点を充てる対象を変えることが、派閥を解体した店舗の特徴です。

特に「早番と遅番」「キッチンとホール」「〇〇派と●●派」など、二項対立しやすい分かりやすい敵を作ることで派閥が助長されます。つまり「共感しやすい共通の話題」と「共通の敵」を店舗側で、予め設定・コントロールすることが「派閥を防ぐ」方法なのです。例えば、芸能人や身近にいる人の悪口などを話題にするのは、それ以外に、お互い共通に話す話題が無いからともいえます。


「共通の話題」「共通の敵」をどのように作るのか



歴史上、優れたリーダーに、自分たちが倒すべき「敵」をつくることに長けている人が多いのは、組織の内向きの対立(派閥)ではなく、対外的な敵にエネルギーを注ぐことで、組織の求心力を高めることが出来るからと言われております。つまり、派閥解体の手法としては、ライバル店か、系列の他店舗か、店長の上司(エリアマネージャー、SV)か、本部か、はたまた自分(店長)なのか、意図的に敵を作ることをまず始めましょう。

次に、共通の話題として「目標」や「KPI」を常に共有・議論することです。ある「お奨め商品の販売目標」と、今の出数を10分に1度スタッフへフィードバックし続けると、1週間後には、バックヤードの会話が劇的に変わりますので、是非試してみて下さい。

以上、派閥解体に成功した事例を参考にしてみて下さい。

筆者プロフィール

中谷 一郎
鳥取県鳥取市生まれ。北九州市立大学経済学部卒業。

2005年(株)ベンチャー・リンク入社後、中華居酒屋、定食、居酒屋などの外食チェーンの立上げ・全国展開の事業に携わった経験を元に、2010年にサービス業の科学的なオペレーション構築・改善事業を開始。職人から受け継いだ立ち食い蕎麦店を、同分野における東京での口コミNo.1にするなど、科学的な視点での業態開発を得意とする。2013年「店舗オペレーション研究所」を立上げ、2015年にはWi-Fiなどの、センサーを活用した来店客の来店回数・前回来店日や、人の流れ・滞在時間を自動測定するサービス「Flow-Cockpit(フローコックピット)」を開発し、全国に推進中。

トリノ・ガーデン株式会社:http://tollino-garden.com/
Flow-Cockpit(フローコックピット):http://flow-cockpit.jp/
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