名古屋・三河の店長・人事担当者のためのお役立ちサイト【ヒトクル】 > 専門家コラム > 【製造派遣特集:第6回】製造派遣企業の課題解決のヒント~後編~

【製造派遣特集:第6回】製造派遣企業の課題解決のヒント~後編~

専門家コラム

2017.08.23 / 名古屋

ヒトクル事務局

こんにちは、ヒトクル事務局です。

ヒトクルでは製造派遣業界にフォーカスし、求人市場の推移、企業調査、求職者調査から業界の課題を解決するヒントを探る全6回のシリーズでお届けしています。

【愛知 製造派遣特集:第1回】求人広告件数 推移【2015年5月~2017年5月】
【愛知 製造派遣特集:第2回】時給推移【2015年5月~2017年5月】
【製造派遣特集:第3回】製造派遣企業の3つの戦略タイプと課題
【製造派遣特集:第4回】求職者調査レポート~派遣就業者の本音~
【製造派遣特集:第5回】製造派遣企業の課題解決のヒント~前編~

今までのレポートで、製造派遣業界共通の課題として以下の6つを挙げました。


第5回は、「派遣という働き方の啓もう」と「自社サイトを活用した集客手法の確立」について具体的な解決策を提示しました。

第6回は、残りの4つの課題について派遣会社20社のご担当者さまのヒアリングと、独自で調査した求職者の情報を元に、私たちヒトクル事務局が考える具体的な解決策をご提示いたします。

少しでも参考にしていただければ幸いです。


派遣登録者データベースの活用(リピート促進策)



派遣登録者のリピートを促進するために、それぞれのフェイズにおいてどんなコミュニケーションをとっていくのが望ましいでしょうか?
ここで、一度あるべき姿について確認してみましょう。

【あるべき姿】



まずは、派遣登録スタッフと面接をしたときに、しっかりと情報を収集し、それをPCなどのデータベースに落とし込みます。

このデータベースが基本となるので、スタッフが現在どんなステイタスにあるのか、どんな経験があり、どんな希望があるのかが随時更新されていることが大事です。

例えば、登録スタッフ情報としてほしいのは以下のようなことが挙げられます。

・仕事内容のマッチングに関わる情報(職歴、希望職種、得意分野、苦手分野など)
・本人の条件に関わる情報(時間、勤務地、給与、待遇など)
・将来の希望に関わる情報(正社員志向、他に夢があるなど)
・次のアクションに関わる情報(契約満了時期、次回いつアクションをとるかなど)

そのため誰もが簡単に登録、更新ができるデータベースの構築が必要です。

第5回の記事でもご紹介いたしましたが、採用管理システムで応募管理からその後のフォローまで一括管理できるものがありますので、そういったものを導入するのもいいでしょう。

またエクセルベースで登録スタッフ情報を管理している企業も多いと聞いています。その場合は、エクセルを元に継続的にコミュニケーションをとるフローを決めます。

具体的なコミュニケーション手法としては、以下のようなツールがあります。

【SNS】
FacebookやLINE@、Twitterなどのコミュニケーションツールがあります。
この方法では、ターゲット別のセグメント配信は難しいですが、継続的なコミュニケーションをする場合に有効です。
あまりメールを利用しないと言われる若年層や主婦層など、気軽に接点を持つことができます。

例/社内のBBQの様子、キャンペーン告知、スタッフの日常など



【メール】
一斉に多数の方に送るメルマガを運用する場合は、メール配信サービスを利用するのが一般的です。

先ほどの登録スタッフ情報のステイタスを入れることで、そのステイタスに応じたセグメント配信が可能になるので、具体的なお仕事情報などリピート促進をする場合に有効です。

このサービスでは、エクセルでの登録スタッフ情報のインストールも簡単にできるのがメリットです。ただし、メールを普段利用しない層に訴求することは難しいでしょう。

例/静岡市で9月からスタートできる組立作業を●名募集、など


※メール配信サービスを利用すると、●●には自動で宛名が入ります。


同業界内でのアライアンス



第4回の求職者調査で「一度雇用された派遣会社に、次の案件も紹介してもらいたいと思いますか?」という設問に「はい」と答えた方は、「手間を省きたい」「次の就業までに、期間を空けたくない」という要望がありました。

この要望に応えるための一つの手法として「アライアンス」を組むことを課題として挙げています。

派遣スタッフを紹介する側は、自社で雇用している質の高い人材に紹介する仕事がない場合、少しでも早く就業できるように支援することができます。そのことによって、その派遣スタッフが他社に移ったとしても良い印象を残すことが可能です。
またそこで紹介料をいただくことが可能です。

一方、スタッフを紹介してもらう側にとっては、採用コストをかけずに質の高い人材を確保でき、派遣先からの要望によりスピーディーに対応することができます。

上記が、アライアンスを組むことのメリットです。

実際に、すでにアライアンスを組んでいる企業では、個別に業務委託契約を結んでいることが多いようです。また戦略的にアライアンスを組んでいる企業は比較的少なく、うまくそれを活用できている事例も少ないようです。

なぜならアライアンスが成功するためには、紹介する側・紹介される側が双方Win-Winの関係になっていなくては成立しません。そのためアライアンス企業は、派遣先がかぶらないこと、または業務領域が少しずれている必要があります。

そういったパートナーを見つけるのは、実際のところなかなか難しいというのが実態なようです。

一方、まだ実際の事例としてはありませんが、派遣会社でない第三社がとりまとめをして複数の派遣先とアライアンスを組むという方法もあります。この場合は、第三者がスキームを組むことでより公平なルールを作ることができるという利点があります。

またアライアンスにあたっては、派遣スタッフにきちんと個人情報に関するパーミッションとるなどの注意が必要となります。

マッチング率・定着率を高めるための工夫・改善


求職者の集客・マッチングも非常に大事ですが、製造派遣業界に関わらず人材採用に関わる企業全てにおいて課題となっているのが、定着率を上げることです。

いくら蛇口の水をひねっても、バケツに穴が開いていたらどんどん水は減っていくように、いくら頑張って採用をした人も、すぐに辞めてしまってはその労力は水の泡となってしまいます。

そうならないために製造派遣業界では、派遣会社への帰属意識や、派遣スタッフと派遣先とのマッチング率を高め、長期にわたって活躍してくれる人材を育成する施策が必要です。

第4回の求職者調査で、「製造・軽作業系で働いてよかったと思いましたか?」の設問で下記のようなコメントがありました。

「職場の雰囲気もアットホームな感じで楽しく仕事ができたから」
「決まった時間で休憩があり、帰れたから」
「派遣先の正社員が、見下した態度や言動があった」
「真夏の日にクーラーもない倉庫作業で大変だった」
「手先を動かすことが好きな自分自身に合っていたから」
「自分の現在のスキルで働けた」
「期間が選べたこと。派遣担当者が丁寧だったから」

上記の求職者のコメントから、マッチング率・定着率を高めるためにすべきポイントは2つあることが分かりました。



この2つの課題を解決するためには、一例として以下のような解決策が挙げられます。

まずは、「現場の人間関係やコミュニケーションのあり方・労働環境の整備」についてです。

まず非常に重要なのが、担当者と派遣先との信頼関係を築くことです。

日頃から派遣先からの依頼にスピーディーに対応する、地元の市場や求職者についての情報提供をするなどをすることで、派遣先との信頼関係を醸成し信頼関係を築くことが、前提条件となります。

・派遣先の担当者に改善を提言する
派遣社員が定着しない、すぐ辞めてしまう現場は決まっている、という話は多々聞かれます。
派遣スタッフからそのような話を聞いた場合、実態を確認した上で派遣先にそのことを伝え、改善していただくことが必要です。

そのとき、例えばこの半年間でどれだけの派遣スタッフが早期離職しているかなど、実態が分かる根拠データを提示するとより説得力が増します。

そうすることで、派遣先の担当者に事実を正確に認識してもらうことが改善のための第一歩となります。
また、他社の改善事例や運用方法などを紹介することで、より改善への近道となるかもしれません。

客室清掃を行うパートさんの定着が、とてもよいホテルの事例については、こちらの記事でご紹介しています。

次に、「求職者のスキルや性格を見極め、最適な仕事をマッチングさせること、また就業後の丁寧なサポート」についてです。

・面接時のしっかりとしたヒアリング
登録面接時に、ある程度の時間をかけたヒアリングをおこない、今までの経験や適正、志向などを把握することが重要です。早期離職を防ぐための面接の方法については、面接で自社を盛る?面接のスタンスで早期離職を防ぐ、その方法とは?の記事でもご紹介をしています。

また、求職者へのヒアリングからさらに一歩踏み込み、求職者がまだ発見できていない自分の強みや能力を発見することができるとなお良いでしょう。

そうすることで、自分のキャリアを見つめなおし、自分の強みや能力を活かした案件を紹介することが可能になります。

こういったマッチング能力は、先輩からそのスキルを学んだり、キャリアコンサルタントの資格取得をすることで向上させることが可能です。また適正診断を導入するというのも一つの方法です。

・就業後のきめ細かいフォロー、定期的な面談
就業して1ヵ月は、まめに派遣先へ顔を出してフォローをしましょう。仕事や職場に慣れていないこの時期が一番離職のリスクが高いです。派遣先で分からないことを知らせたり、人間関係を円滑にするために取り持つなど、不安を少しでも払拭してあげることが大切です。

また、定期的な面談をすることで、派遣先への不満を吸い上げたり、本人の状況を確認しておくことで、次の案件の紹介を計画的に行うことが可能になるでしょう。



【番外編】製造派遣求職者の志向3タイプ


ここからは番外編として、うまく製造派遣の仕事にマッチングしている求職者のタイプについて言及していきたいと思います。

求職者に最適な仕事をマッチングさせるにあたり、第4回の求職者調査の結果からヒントがありました。
製造派遣経験者には「安定志向型」「ステップアップ重視型」「楽天志向型」の3パターンの志向が出てきました。



初めの面接時はもちろん、派遣スタッフとして採用してからも定期的な面談をして、どのような志向を持っているかを随時ヒアリングしていくことが大事です。

初めは気軽な気持ちで派遣スタッフとして働き始めた「楽天志向型」が、いろんな職種にチャレンジしてみたいという「ステップアップ型」に変化していくこともあります。

その変化を見逃さずに、スタッフのステイタスに応じたマッチングをすることで、長期的に活躍する人材を育てていくことが可能になるかもしれません。

とある企業では、「楽天志向型」が最終的に正社員として登用される傾向がある、というお話も伺いました。


顧客の課題を解消するコンサルティング機能の強化


現状の競合ひしめく業界で明確な優位性を築くためには、自社の業務領域を拡大するという方向性もあります。具体的には、既存の「期日までに、必要な人数の人を送る」というビジネスから、「人材リソースに関する顧客課題解消のスペシャリストになる」という拡大です。

ここで大事なのは、顧客の「人材」に関する悩みの根本的な問題がどこにあるのかを突き止め、それに向けた具体的な解決策を提示することです。

例えば、工場長であれば

採用できない
生産性・歩留まりを上げる 
在庫を減らす 
どれだけ短納期にするか 
ミス率を下げる

といった悩みが挙げられます。

そこに対し、求職者市場をしっかり把握したうえで、求人の募集時間・条件を変えるなどの労働環境の改善の提案をすることができるでしょう。

さらに、現場を熟知し他社の改善事例をふまえて、生産ラインや人員配置を変えていくという、より本質的な問題を解消をする提案をしていくこともできます。

「派遣スタッフを増やすこと」で売上を上げている派遣会社には逆説的に聞こえますが、顧客である派遣先の課題を共有し、その課題を解消することが、結果的に派遣先のインナーシェアを高める早道になるかもしれません。

将来的に、そういった方向を検討してもいいのではないでしょうか。

いかがでしたでしょうか?
今回、製造派遣業界にフォーカスし、求人市場の推移、企業調査、求職者調査から業界の課題を解決するヒントを探る全6回のシリーズでお届けして参りました。

ぜひ、今後の企業活動の参考にしていただければと思います。

なお、名古屋・三河の採用に関するトレンド情報について知りたい方は、こちらからご登録が可能です。

筆者プロフィール

ヒトクル事務局
東海地域の店長・人事担当のみなさまのお役に立てるよう、日々様々な情報を収集・配信しているサイトです。地域のトレンド情報やノウハウ、採用成功事例や各種データなど、配信コンテンツは多岐に渡ります。また、月に1回程度のペースで、セミナーを実施しています。この採用難の時代を乗り切るべく、少しでも多くの方々のお悩み解消につながれば幸いです。

「ヒトクル」は、株式会社アルバイトタイムスが運営しています。
簡単メルマガ登録はこちら
Facebookでシェア
Twitterでシェア
記事クリップ

関連するワード

あわせて読みたい