もはや昭和ではない

専門家コラム

2017.10.06 / 名古屋

三ッ口 洋一

Team N+1 代表

今は21世紀、来年は平成30年です


中小企業の社外広報部を目指すTeam N+1の三ッ口です。

今年は2017年。21世紀に入ってずいぶん経ちます。平成は来年で30年になろうとしています。

私たちおっさんが子供の頃、「21世紀」とは「科学と平和による夢あふれる未来」を意味していました。ところがどこをどう間違ったか、私たちは未だに地域紛争に形を替えた戦争や、貧困への不安から抜け出せず、わが国においても平和でモノに不自由しなくなったはずなのに、幸福を実感できない人がたくさんいます。

総務省が毎年発表している消費者物価指数の推移を見ると、物価は90年代前半まで上がり続け、近年はバブル崩壊やリーマンショックなどで一時的に下落したものの、⼤規模災害などで少し上昇したのち、⼩康状態が続いていましたが、消費増税などにより再びじわじわと上昇を始めています。

また、国税庁の統計によれば、サラリーマンの平均年収は平成7年の457万円と比較すると平成26年は415万円と1割近く減っています。リーマンショックの翌年に大きく下がって以来(平成20年430万円→平成21年406万円)なかなか増えていません。

企業の収益力や国際競争力が下がっているのでしょうか?人の能力の活用ができていないのでしょうか?

将来に向けての重要な技術、たとえば宇宙船、電気⾃動⾞や⾃動運転、人工知能(AI)、IoT(Internet of Things︓通信機能とセンサーを備えたモノ同⼠が相互に情報交換するような仕組み)などは、ことごとく他国企業の後塵を拝しています。

「ものづくり立国」を自負していた私たちなのに、あの業界もこの業界もおいてきぼりにされてしまうのでしょうか?いつから新しいことに挑戦する情熱を失ってしまったのでしょうか?

厚生労働省は「働き方改革」をうたいますが、企業も社員も改革せねばならないような働き方をしているということですよね。長時間労働とか生産性とか、差別とかを是正するのは当然ですが、それ以上に働く意欲を削ぐ職場環境の問題が大きいかもしれません。


まだ、お給料頂いてないんですけど


お恥ずかしいというか悔しいことに、私は全くお酒が飲めないのですが、決して『飲みニケーション』は嫌いではありません。

同僚のいつもと違った一面を発見して親近感が湧いたり、異業種交流会では驚くような出会いや情報が得られたり、と仕事にもプライベートにも役立つことが少なくありません。

だからといって、強制はいけません。ある会社のある職場では、それが毎月のように常態化していました。全員ではないかもしれませんが、嫌々ながら参加している社員も多いそうです。

新入社員は初回こそ「歓迎会」として参加費は負担しなかったそうですが、その後は「4月から」「参加させられ」ました。4月と言えば、まだ一度もお給料をもらっていないわけですよね。


女性の敵は女性


その会社は製造業です。製造現場も営業マンも男性が圧倒的に多いです。

だからといってモノを作る人だけが偉いわけでも、男性の方が偉いわけでもありません。なのになぜか女性社員は飲み会にかり出され、さらには男性社員と同じように会費を払っているのに「お酒を注いで回りなさい」と言われます。

しかもそれを言うのが先輩女性社員というひどさです。女性読者の皆さん、こんな職場で働きたいと思いますか?



待遇はほんのきっかけに過ぎない


この会社で働くある女性社員は、ある日自社の賃金カーブを見て愕然として、退職を決めました。男性とは異なっていたからです。「女性は◯◯年働いてこれだけ?」。

社内で労働組合による婚活パーティが企画されます。女性社員が少ないため最初から参加者の頭数に入っています。先ほどの女性は「ウチの会社の人とだけは絶対に結婚しない」と思っているそうです。

この会社の男性たちは、いったい女性を何だと思っているのでしょうか?私はこの話をいろいろな経営者にしますが、皆さん一様に「ひどい」「あり得ない」「訴えたら?」という反応です。

このグループで何年以上働いたことがあるというだけで、グループ他社からオファーがあるそうですが、「そういう理不尽に耐えられる女性」という意味だそうで、もう確信犯ですよね。

社員が1,000人以上いて、売り上げも数百億円というようなグローバル企業がです。当然、女性社員は順次辞めていきます。でも何も変わりません。むしろそれを望んでるのかと勘ぐりたくなるほどです。

女性の戦力化が盛んに言われるようになりました。そんな時代にこんな人の使い捨てのようなことで大丈夫なんでしょうか?経営者の皆さん、どう思われますか?

何度も⾔いますが、今は企業の奴隷のようになって働けば、処遇が保証された昭和のような時代ではありません。一人ひとりが持つ個性、創造力や発想力、創造力など、⼈ならではの能⼒を振り絞って、グローバル企業やAIと戦っていかなければならない時代に、時代遅れのシステムを維持するのに汲々としているようではお話になりません。

今回はあえて、反面教師をご紹介しましたが、ここまでひどくなくても、人が来ない、すぐ辞める、採用経費がかさむと感じていらっしゃる方は、女性社員や若者に限らず、社員の気持ちに少し耳を傾けてみて下さい。

意外なところに課題やヒントが見つかることでしょう。先輩らが築いた自社のブランドを守るつもりが、逆に毀損しているのは実は自分自身かもしれないのです。

筆者プロフィール

三ッ口 洋一
1961年名古屋市生まれ。プロトコーポレーションと中部経済新聞社で、雑誌編集、経済部記者、ビジネスセミナー開催、広告営業、フェイスブックページ運営などを手がける。約30年間のメディア業界で得たノウハウと2万人を超える人脈とで「中小企業のための社外広報部」というニーズに応えるべく2014年独立。2016年には名古屋女子広報チームNPR(Nagoya Public Relations)48発足。中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」登録専門家。セミナー情報サイト「名古屋セミナーポータル」運営。フリーペーパー「名古屋セミナー通信」編集人。メルマガ「不定期ビジネスニュース」管理人。起業家支援イベント「N-1グランプリ」実行委員。
【Team N+1】http://hitouch0520.wix.com/team-nplus1
【NPR48】https://npr48.webu.jp/
【名古屋セミナーポータル】http://www.seminar-portal.org/
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