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派遣法改正で高まる「機密情報漏えいリスク」。対策は万全ですか?

専門家コラム

2017.10.24 / 名古屋

前田 啓吾(まえだ けいご)

弁護士法人ベリーベスト法律事務所 弁護士

2015年に労働者派遣法が改正されました。施行から2年が経過しましたが、各社の対応状況は様々なようです。

今回、改正の取り組みをされている派遣会社様に向けて、「派遣労働者による機密情報漏えい」のリスクについて弁護士の観点からご紹介させていただきます。

派遣法改正で2018年に起こると予想される労働問題


法改正から3年が経過する2018年に、期間満了の3年目を迎える派遣労働者があらわれます。改正後の「雇用安定措置の義務化」により、正社員として派遣先企業に雇用されるか、次の派遣先企業へ移るなどの判断をする時期となります。

ここで予想される労働問題として、派遣労働者の雇用止め、機密情報漏えいが挙げられます。特に、機密情報漏えいは企業への損害が大きいため、リスク管理をしっかり行うことが求められます。

「機密情報漏えいリスク」とは?


機密情報とは、企業にとって重大な秘密情報のことで、特定の企業を識別できる情報です。

具体的には、在庫や顧客情報、給与情報、人事異動に関する情報、研究報告書、仕入先リスト、マニュアル、企画書、営業計画書、設計した図面などが該当します。

今回の法改正で3年を経過した後、同業他社に異動することも予想されます。派遣労働者に悪意がなくとも、うっかり従前の勤務先の秘密を漏えいしてしまうことがあるかもしれません。機密情報漏えいへの対策はしっかり行う必要があります。

派遣労働者による機密情報漏えいは実際に起こっている


2014年、通信教育の最大大手企業であるベネッセホールディングスのシステム開発・運用を行っているグループ会社の派遣労働者が、約3,504万件分の顧客情報を不正に取得し、名簿業者へ売却したという事件が起こりました。それにより同企業は、顧客への謝罪として200億円を準備することとなりました。

また、2015年には、りそな銀行の派遣労働者である女性が、来店した有名人の免許証をコピーし持ち帰り、それを聞いた娘が、その情報をTwitterにあげるという事件が起こりました。

りそな銀行は、謝罪とともに事実関係を調査すると発表。従業員への守秘義務等に関する研修を行い、全社員から誓約書の提出を受けるとしました。顧客からの信頼を大きく損ねた出来事となりました。

ひとりの派遣労働者により多大な損害を被る「情報漏えいリスク」について、派遣会社として真摯に取り組むべき課題です。大手企業のように顧客情報が多くなればなるほどリスクも高まります。派遣労働者を管理する派遣会社としても、管理の徹底や意識を高めることで、未然に防ぐことが求められます。

3つの取り組み


顧客である派遣先企業の「情報漏えい」を未然に防ぐ対策は、当然ながら最大限に取るべきことです。そのために派遣会社として取り組むべきは「契約管理」と「従業員教育」です。



情報漏えいに関する企業の意識は非常に高く、派遣労働者へも同様の意識レベルを求めていると思われます。派遣業界としては、「顧客に選ばれる派遣会社」として尚一層の信頼構築に取り組む意味でも、機密保持への取り組みを積極的に推進されてはいかがでしょうか。

まとめ


2015年に労働者派遣法が改正されて、今年で2年になります。期間満了を迎える2018年より、雇止めや機密情報漏えいリスクが高まると予想されます。法改正への取り組みとあわせて、情報漏えいリスクに対し、この1年間をしっかり対策に充てる期間として取り組みましょう。

自社の情報漏えい対策が万全かどうかを簡単に確認できるチェックシートをご用意いたしました。ぜひ、ご活用ください。

労働者派遣法の改正についての専門的な相談をご希望の方は、ベリーベスト法律事務所までご相談ください。

筆者プロフィール

前田 啓吾(まえだ けいご)
京都大学法学部、卒業。京都大学法科大学院を卒業後、
弁護士法人ベリーベスト法律事務所に在籍中。

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