名古屋・三河の店長・人事担当者のためのお役立ちサイト【ヒトクル】 > 【倍増】6ヶ月で売上486万円が、1005万円に!

【倍増】6ヶ月で売上486万円が、1005万円に!

2016.05.19 / 名古屋

白岩 大樹

アップ・トレンド・クリエイツ
代表

それは9年前、「壺カルビ」の新規事業に携わった時のこと


はじめまして。汗を流すコンサルタント白岩 大樹と申します。

飲食店の現場に入り、働くスタッフと接し、彼ら彼女らの気持ちを盛り上げることで、現場を動かし確実な収益をアップさせるコンサルティングを実践しています。

この度、そういった経験を活かした記事を執筆させていただくこととなりました。読者のみなさまのお役に立つことはもちろん、分かりやすく楽しい情報を配信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて今回は、私が携わった最も「劇的な事例」を、ご紹介いたします。今から9年前の2006年~2007年にかけて、1店の売上が半年間で486万円から1005万円へと倍増した事例です。

現在はコンサルタントとして独立していますが、その当時は飲食店のコンサルティング会社に勤めていました。そして、そのコンサル会社で「壺カルビ」業態の新規事業に関わっていました。「まずは直営店を成功させ、やがてはフランチャイズ(FC)展開をして100店舗を目指す」というビジョンの元、私は販売促進(販促)と広報を担当することとなりました。


売上が「うなぎ登り」に上がった半年間


一般的に、直営店を成功させてからフランチャイズ(加盟による)展開をしていくというのは、飲食業界における「王道パターン」といってよいと思います。今も多くの飲食チェーンがフランチャイズシステムによって、加盟店(他社)の資本を募ることで、スピーディーな店舗展開を果たしています。

ただ、これには当然ながら直営店の成功が、大前提となります。直営店が成功することなく、他社が出資することはないからです。そこで私を含む、この事業に携わったメンバーは、「必ず、この事業を成功させなくてはならない!」と、不退転の覚悟で「壺カルビ」直営店の成功に臨みました。販促と広報担当だった私も、その役割を果たすべく、あらゆる手段を駆使しました。その結果、東京にあった直営店(33坪46席の規模)が驚異的な売上増を果たすこととなったのです。


こちらが「壺カルビ」事業(33坪46席)の半年間の売上推移です。





<壺カルビ事業(33坪46席)の売上推移>
2006年 ※11月5日OPEN
・11月度…486万円
・12月度…604万円|前月比124%

2007年
・01月度…558万円|前月比92%
・02月度…668万円|前月比120%
・03月度…717万円|前月比107%
・04月度…921万円|前月比129%
・05月度…1,002万円|前月比109%


飲食店で、短期間にこれほどの売上上昇を示した事例を私は見たことがありません。この数値は、まさに「劇的」といってよい結果でした。当時、私だけでなく、所属していたコンサル会社の社員全員がこの驚異的な業績アップに熱狂しました。

では、具体的にどのような手段を駆使したことで、このような結果となったのか?ここで、販促と広報担当であった私が行った取り組みについて、ご説明していきましょう。


販促・広報担当の私が実施した取組みの一覧


「壺カルビ」事業の販促と広報を担当した私は以下の活動を実施しました。

<壺カルビ事業における販促・広報活動の一覧>
①近隣企業・商店への「外回り(訪問)営業」
②近隣企業・商店への電話によるFAXDM営業
③オートコール(自動音声電話)による
 近隣企業・商店への営業
④毎朝、駅前でのチラシ配り
⑤Youtubeへの店舗CM動画の掲載
⑥プレスリリースサイトへのリリース掲載

これらの活動を、ほぼ「ローラー作戦」的に実施していきました。もちろん私も、外回り営業や、電話営業、早朝のチラシ配りを自ら実践しました。

当時の一日の業務は、このような流れでした。

早朝…駅前でチラシ配り
   ↓
午前…事務所で電話営業
   ↓
午後…店舗近隣への外回り営業
   ↓
夜…事務所に戻り、翌日配るチラシ制作
   ↓
深夜…動画を制作、Youtubeへのアップ
   プレスリリースの作成と配信

(※随時)メディアからの取材対応


このような毎日を繰り返していました。「絶対に壺カルビ事業を成功させなくてはならない!」―その一心で業務に没頭していました。


絶大な効果だった、プレスリリースによるメディア露出


これらの手段を実施したわけですが、その中で絶大の効果を示したのが「⑥」のプレスリリースサイトへの掲載でした。メディア露出を狙っての活動だったのですが、これが見事に「当たった」のです。

まず、取材依頼があったのは新聞社でした。その後を追うように、テレビ番組からの出演依頼が舞い込みました。テレビ番組は、ニュース、バラエティ、ドキュメントの露出に成功しました。今、振り返っても意外だったのは、様々な番組に露出したのですが、最も顕著に集客へと直結したのが、ドキュメント番組だったことです。「壺カルビ」という商品にではなく、この事業を成功に導くべく奔走する(私が所属していたコンサル会社の)社長に焦点を当てた番組内容が、思いのほか集客へと繋がりました。

「放送中から問い合わせの電話がひっきりなしにかかってきて営業がストップしてしまった!」
―このような店長からの苦情があったのもドキュメント番組への放送時でした。取り扱われた時間(尺)の長さもあったかもしれませんが「視聴者は物より人に強い関心を抱く」という大衆心理を身をもって知りました。

しかし、これだけで終わりませんでした。メディア露出したことで、他の販促活動の反応も目に見えて高まっていったのです。結果的に、露出による「面のアプローチ」と、訪問や電話、チラシ配りによる「点のアプローチ」、この2つが見事にマッチしたことで、急激な集客効果をもたらすこととなったのです。


<転機>売上倍増の先に待ち受けていた想定外の事態




メディアへの露出や直営店の業績アップに伴い、FC加盟への問い合わせも急増しました。FC加盟についての説明会を全国各地で開催することとなり、私はその関連業務に追われました。直営店が成功して、FC加盟によって各地で新店がオープン。全ては順風満帆と思っていました。

しかし、その陰に隠れて、実は恐ろしい事態が起きていたのです。最も大きかったのは、先の業績を上げた直営店の疲弊でした。半年間で売上倍増、といえば数字的には驚異的ともいえるでしょう。
しかし、そもそも飲食業は完成品を作り置き(=在庫)とすることができません。来店したお客様のオーダーを受けて、調理しなくてはなりませんので、仕込み業務が膨大な量になっていました。料理長や調理スタッフは、お店を閉めてから明け方まで仕込み業務に追われていました。

接客スタッフも、毎日行列をなすお客様への対応に疲れ果て、笑顔は完全に消えていました。お客様からのクレームも頻発し、店長はその対応に追われ続けました。一人辞め、二人辞め、在籍スタッフの数も足りなくなっていきました。売上倍増の陰で、先の直営店はこのような状態に陥っていたのです。そんな状態になってしまえば、これ以上の売上が望めるわけがありません。最高売り上げを記録した2007年5月から、売上は急落していきました。


フランチャイズによる店舗展開が"仇"となる


直営店の業績急落。

時を同じくして、各地に出店したFC店への対応にも追われました。当初の計画通りに業績が上がらなかったのです。もしこれが直営店であれば「店を閉店する」という選択肢もあったことでしょう。
しかし、他社の資本を受けての出店でしたので、そう簡単に出した店を閉めるわけにもいきません。
私も各地を回り、FC店の販促や広報の業務に着手することになりました。ただ、これも対処療法のようなもので、結局のところは、その場しのぎにしかなりませんでした。

一時期は熱狂していた社内の雰囲気も一変。気が付けば社内は焦燥感、あるいは悲壮感の溢れるムードとなっていきました。実は「壺カルビ」事業は、コンサルティング事業のみでは存続が困難となっていた状況下での「起死回生の一手」だったのです。08年3月11日、私が所属していたコンサルティング会社は民事再生を申請。事実上の経営破たんとなり、驚異的な業績アップを出した先の直営店も結局は閉店。まさに「劇的」といってよい結末を迎えたのでした。


<まとめ>この事例から学ぶべきこと


今回、このような事例を挙げたことには理由があります。それは、業績(数字)のみに着目してしまうと、時に相応の「しっぺ返し」を食らうことになる、ということです。この痛みを伴う失敗を胸に刻んだ1年後の2009年に、私はコンサルタントとして独立しました。

今では、売上の「量(=金額)」だけでなく、売上の「質(=内容)」に強くこだわっています。
売上の「質」というのは、お客様の満足度であり、スタッフのやりがいであり、その双方の継続による「現場の成長」に他なりません。質の高い営業をすることで得られる質の高い売上は、確実にお客様の印象に残り、それは必ず未来の売上へと繋がります。

そう考えると、オーダーを受けてから「出来立て」の商品を提供し、その商品が「消費される」までスタッフが見守る飲食業において、あまりに急激な業績アップはもしかしたら適していないのかもしれません。

緩やかながらも、現場の成長スピードに合った確かな業績の右肩上がり(アップ・トレンド)。
私は今後も、この創造(クリエイツ)を自らの支援における「大前提」としていきます。

筆者プロフィール

白岩 大樹
1976年熊本生まれ。中央大学卒業後、板前として「なだ万」に勤務。2000年より「牛角」のスーパーバイザーを務め、2004年より、OGMコンサルティングにて集客コンサルタントとして活躍。2009年アップ・トレンド・クリエイツ設立。「汗を流すコンサルタント」として、飲食店アルバイトをメインにコンサルティングを展開中。現場を直接動かすスタイルで数々の収益向上を実現している。

公式ホームページ:http://upt-c.jp/

あわせて読みたい