あなたは今年、何を約束する?

専門家コラム

2018.01.09 / 名古屋

三ッ口 洋一

Team N+1 代表

今さら何を?


中小企業の社外広報部を目指すTeam N+1の三ッ口です。
年末年始、皆さんはお仕事や年越しの準備にお忙しくて、考えごとをする余裕はなかったかもしれませんが、改めて伺いますね。

「2018年、あなたは顧客に何を約束しますか︖」
これまであなたが顧客と築いてきた信頼関係こそが、あなたの何よりの財産であることは間違いないですよね。

それを今年さらに深めるにはどうすれば良いのでしょうか︖


「One more thing」


この言葉でApple社のCEOであった故Steve Jobs氏を思い出す方はよほどのAppleマニアです(私がそうです)。

Jobs氏は開発者やメディアを前にした新製品の発表会で、プレゼンテーションをひと通り終えた後、

「あ、そういえばもう一つ・・・」

と言って、あたかもサプライズであるかのように「本日の目玉」を発表していました。もったいぶって最後の最後に持ってくるわけですね。

これがウケたので(?)、毎回の恒例になっていて、開発者会議の直前には、マニアたちが「今回は何を出すだろう?」と勝手な予想をネットにアップするのも恒例になっていました。

もちろん、予想通りのときも、残念なときもありましたが、期待をいい方向へ裏切ると、ものすごいリアクションが起きます。iPod、MacBook Air、iPhone、iPadなど、画期的な製品が出てきたときの世間の反応は皆さんもよくご存知でしょう。


もう一つ小咄(ばなし)を



古典芸能の落語と言えばどんなものであるか、特別なファンでなくともだいたいご存知ですよね。

庶民の娯楽として江戸時代初期からありますし、時事問題・国際問題を取り込んだものなど新しい噺(はなし)もあります。でもやはり醍醐味は古典でしょう。

庶民の日常が変化しているので、『長屋の熊公』とか言っても通じにくくなって今風にアレンジされたりもしていますが、同じ話を何回聞いても笑えるということは、とてもすごいことだと思いませんか?

プロの噺家さんが日々、芸を磨いているのですから当然といえば当然なのですが、オチはわかってる、なのに笑えるんですよ。何百年もです。


「お約束」なんです


⼤事なことは、Jobs⽒が毎回何かを出すのも、落語のオチも同じ「お約束」だということです。水戸の御老公は番組開始後何分で必ず印籠を出します。出したり出さなかったりしたら、あんなに人気も出なかったかもしれません。偉大なるワンパターン、でもそれが安心感を生みます。決して顧客の期待を裏切りません。

それが品質保証=ブランドなんです。ブランドとは元々、牧場のオーナーが、他の牧場の家畜と区別するために、⾃分の家畜に焼印を押したことに由来すると⾔われています。

「焼印をつけること」を意味する「brander」というノルウェーの古ノルド語から来ているのだそうです。『ウチの素晴らしい牛をよその牧場のと一緒にするな』ということなのでしょう。


あなたも「もう一つ」を作りませんか


あなたの会社やお店では、お客様に商品やサービスを選んでいただいています。理由はそれぞれでしょうが、何らかの「選ばれる理由」があり、顧客の期待を裏切ることなく、応え続けられているから、ずっとお付き合いいただけているわけですね。

これは素晴らしいことです。当たり前なんかじゃないですよ。でも今回の私からのご提案は、「お約束をいい意味で裏切ろう」「期待を超えよう」ということです。

顧客はあなたの会社やお店に何を期待しているのでしょうか?あるいは期待はしていないけれども、こんなことが起きたら喜んでいただけるのでは?ということはなんだろうと考えてみませんか?何でもいいし、1つでいいから「お約束」や「One more thing」を作りませんか?


たとえば・・・



先日、オープンしたてのあるベーカリーストアに行ってきました。お店はきれいだし、店員さんも一所懸命。価格はそこそこのお値段でしたが、立地を考えると妥当だと思いました。

パンはおいしいし、イートインスペースには、高級そうなトースターが何台も置いてありました。ただお客さんの立場から見ると、お店としてできることがもっともっといっぱいあるなあと感じたのです。

ランチタイムでランチメニューにはコーヒーがついていましたが、周囲には何軒もカフェがありました。バッティングせずに、野菜スープとかにすると良いのではと思いました。女性には十分な量かもしれませんが、男性にはちょっとボリューム不足かなとも思えました。

そこでランチ注文時に『追加のパンはどれでも1個100円チケット』をお渡しすれば、客単価が上がるかもしれません。『3時のおやつにもう一個100円チケット』でもいいですね。

食パンがおいしかったので、買って帰りたかったのですが、そのあと交通機関で移動して会議の予定があったので断念しました。

食パンがすっぽり入り、潰れない・香りが外にもれないように工夫されたワインの手提げ紙袋のようなもの(食パンは英語でWhite Breadですから『White Bread Tote』でしょうか。日本だから風呂敷でもいいかも)があるといいと思いませんか。

折りたたみ可能で何度でも使えるようにして、ロゴマークをあしらえば、お店の宣伝にもなりますね。

初来店特典でLINE@か何かにユーザ登録して頂けたらプレゼントしてもいいですね。登録ユーザーにはトーストのレシピを配信したり、登録していただいた顧客だけがモーニングサービスが受けられて、パンのおまけにコーヒーがつく(あれれ?)とか、工夫の余地はいくらでもあります。さらにこのトートバッグは途上国で生産して社会貢献に・・・・。

というように、私はこういうことをいくらでも考えられるので、今の仕事をしているわけですが、もしここにいくつか挙げたことを実践していただいたら『パンを作って売るお店』から、『パンと暮らす生活を提案するお店』になれるんです。


ブランドとは従業員の誇りでもある


「あなた何屋さん?」と聞かれて「パン屋でパンを売ってます(作ってます)」と答えるより、

「パンのある暮らしを提案してます」
「おいしい朝食をプロデュースしてます」
「途上国の子供のために学校を作ってるパン屋です」

と言えたほうがかっこいいと思いませんか?

「俺と一緒にパンを焼かないか」と誘われるより「俺と一緒に日本の朝食をデザインしよう」と誘われた方が嬉しいですよね。

従業員が知人友人に胸を張って「私はこういう仕事をしてるんだ」と言えるようなブランドになるためには何をすればいいか、顧客との関係から見つめ直してみて下さい。

年も改まったことですし、いい機会です。初詣に出かけて、昨年一年の無事を氏神さまとお客さま、従業員、ご家族に感謝して、さらに「私は今年、◯◯を□□します。精一杯がんばりますので、温かく⾒守っていてくださいね」と誓いを⽴てて下さい。

必ず良い一年にしましょう。今年もよろしくお願いします。

筆者プロフィール

三ッ口 洋一
1961年名古屋市生まれ。プロトコーポレーションと中部経済新聞社で、雑誌編集、経済部記者、ビジネスセミナー開催、広告営業、フェイスブックページ運営などを手がける。約30年間のメディア業界で得たノウハウと2万人を超える人脈とで「中小企業のための社外広報部」というニーズに応えるべく2014年独立。2016年には名古屋女子広報チームNPR48B(Nagoya Public Relations 48 for Business)発足。中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」登録専門家。メルマガ「不定期ビジネスニュース」管理人。起業家支援イベント「N-1グランプリ」実行委員。
【Team N+1】http://hitouch0520.wix.com/team-nplus1
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