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働く人の満足度は、衣食住を満たすことから自己実現へ。

2016.07.14 / 名古屋

瀧田 好久

株式会社ベネフィット・ワン 執行役員インセンティブ事業部長

人材不足は万国共通、世界的な和式福利厚生ブームがやってきた!?


人材不足は日本だけの問題ではなく先進国から発展途上国まで世界中の経営者を悩ませています。
人件費の高騰はもう限界。優秀な人材を採用し辞めさせないための戦略は当然のように福利厚生分野まで及んできました。

「福利厚生」といえばどんなものが思い浮かびますか?
社宅、社食、保養所、慰安旅行、運動会・・・
これらは法律で定めらてた年金や社会保険とあわせて日本企業の伝統的な制度。高度成長期からバルブ崩壊まで人材確保のために日本企業がこぞって拡大してきましたが、世の変遷とともにここ20年ほどでほとんど廃止されてしまいました。(若手社員のみなさんはピンとこないですよね。)

しかし、日本で役割を終えたこれらの制度ですが、今や中国、東南アジア、南米はじめ世界中の企業で「和食」ならぬ「和式福利厚生」がちよっとしたブームになっているんです。
ベトナムやタイでは家電やバイクを割賦、給与天引きで買える社販サービスが大人気。中国では社食が不味いことが社員の大量離職の理由になったり、慰安旅行に若手がこぞって参加したりしています。


働く人のモチベーションは物質的な欲求から精神的な欲求へ


一方、アメリカや日本のような先進国。
衣食住を満たすことが狙いの制度だけでは、もはや従業員満足度を満たすことは難しいですよね。日本の福利厚生も育児・介護・ヘルスケア・自己啓発等の支援へと時代のニーズにあわせて変化しています。(全てではないですが)食べるためだけに働く方が少なくなったのと合わせて働き方はどんどん多様化しています。

「仕事を通じてどんな経験・成長・自己実現・社会貢献ができるのか?」
「自分が必要とされたい。役に立ちたい」

このような価値観が仕事探しや働くことの目的になってきています。


つまり上の図のように、働く人のモチベーションや満足度の基準は物質的な欲求(外的な環境)から働く人自身(内的な環境)、すなわち「心」や「想い」といった精神的欲求へとシフトしています。


キーワードは「信頼」&「承認」


この変化にあわせ従業員の定着やモチベーションUPを支援する専門サービスが増えてきました。最先端を行くアメリカのサービスは、SNSやポイントをうまく活用しコミュニケーションを活性化させる面白いものがたくさんでてきています。共通しているのはどこもかしこも「エンゲージメント」と「リコグニション」と謳っていることです。

「エンゲージメント」とは直訳すると「約束」「婚約」等ですが、ビジネス分野「企業と社員の間における共感、愛着、信頼」という意味。
そして「リコグニション」ですがこれは「承認」「認知」という意味で、分かりやすく言えば「ほめる」「認める」ことを指します。
要は、外的な報酬よりも、お互い感謝して、認め合って、ご機嫌な職場にすることで精神的欲求を充足させることがモチベーションUPには大事だという考えです。


やりたくてもできない現状を打破するためには?


とはいえ職場では、こんな声が聞こえるのではないでしょうか。

・構ってくれない
・話しかけにくい
・仕事を細かく教えてくれない
・認めてくれていない
・任せてくれない
・困った時に助けてくれない
・ミスしたときだけ怒られる

これらは離職の理由として最近よく聞く声です。

しっかりコミュニケーションをとって、丁寧に指導をし、何でも相談に乗り、ほめて認めてあげるのが大事だということは、みなさんも頭では理解できていると思います。
しかし、これだけ人材が不足していると、マネージャーも店長もプレイヤー兼務ですので、実践したくてもできない、というのが現状ではないでしょうか。


企業理念の浸透によって変わった事例


では、この現状を打破するにはどうしたらよいでしょうか。

例えば、東京にあるITベンチャーのシンクスマイルさんという会社。
http://5smile.com/

この会社は、企業理念を浸透させることで、離職率を削減することに成功し、さらに採用力も向上したそうです。
企業理念の浸透、「なんだそんなことか・・・」「うちにもあるよ」「毎日朝礼で唱和してるよ」と思われたかもしれません。
ただこの会社は、ここへのこだわりが尋常ではないんです。

まず社名の由来ですが、
CINQ (サンク)フランス語で5という意味。
読み方は、考えるをイメージするシンクとかけています。意味は「いつも、5つの笑顔を考える。」ということだそうです。

その5つは、自分、家族、仲間、顧客、世界。

自分がいつも笑うこと
身近な人を笑顔にする
メンバーを笑顔にする
顧客を驚かせる
世の中の役に立っているか

というコンセプトでだそうです。シンプルでわかりやすく誰でも共感できますよね。
加えて「日本一ほめる会社」を宣言されています。

社内サイト上でバッジを贈り合うシステムを導入


では、この理念や行動指針をどのように浸透させ実践しているのでしょうか。

いかに楽しく実践するかを考えた結果、なんと自社でコミュニケーションシステムを作ってしまったそうです。
そのシステムでは、社内サイト上で大切にしているアイデア力や情熱、スピード等の価値感をバッジに変え、 互いに贈り合うことができます。

毎朝「お客様に驚きと感動を!」と全社で叫んでも具体的にどうすればいいのか分かりません。ですが、お客に良い提案をするなどして感動が生まれた際、皆からバッジが贈られれば、どうすれば顧客感動が生まれるのかを実感できます。

バッジを贈る際に必ずコメント欄に書き込みをするため、自然と社内のコミュニケーションも活発になるという仕掛けです。
(このシステムは外販されており大好評だそうです。http://lp.hooop.me/lp/hooop/hooop6?cp_top

朝は社員自らオフィスの清掃をされていますが、強制感や義務感は微塵もなく、眠そうにしたり、ダラダラしている方が誰一人いません。
朝からテンション高く、ワイワイ仲良く掃除しているのです。

これは、社名に込めた企業理念が対外的なものだけでなく、いちばん末端の社内清掃活動までしっかり浸透できることを象徴しています。
つまり「企業理念」×「ワイワイ楽しく」×「ほめる」=強いエンゲージメントの醸成となるわけです。

即効性が見えにくい理念浸透。これをいかに手間暇惜しまず、楽しみながら続けることができるか?
こういうことが大事な世の中になってきたことは間違いないようですね。

次回は、離職率を157%→38%と大幅に削減させたパチンコホールさんの事例をご紹介いたします。

筆者プロフィール

瀧田 好久
1996年株式会社ビジネス・コープ(現 株式会社ベネフィット・ワン)入社。創業メンバーとして大阪支店を立ち上げ。その後、関西営業グループ長、執行役員西日本事業部長、執行役員インセンティブ事業部長、ベネフィット・ワン タイランド取締役を歴任。社内ポイントサービス「インセンティブ・ポイント」を通じ、大手アミューズメント会社の離職率40%削減に成功する等、これまで300社の定着率向上や販売促進をサポート。2012年からアメリカ、中国、タイ等の海外へインセンティブ・ポイントを展開中。

株式会社ベネフィット・ワン https://bs.benefit-one.co.jp/

インセンティブ・ポイント https://bs.benefit-one.co.jp/incentivepoint/

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