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もしあなたの会社が従業員に訴えられたら?【労働紛争の流れ】

2018.02.20 / 名古屋

田中 悠介(たなか ゆうすけ)

ベリーベスト法律事務所 弁護士

こんにちは、ベリーベスト法律事務所の田中です。

2月は法律事務所に労働相談を多く頂く時期です。企業の人事担当者の方々からすれば、労働問題の対応に追われる時期ということになります。

そこで、今回は、懲戒解雇した元従業員から突然解雇無効で争われたという事案をもとに、それぞれの労働紛争の流れについて説明したいと思います。

【目次】
 1.当事者間の交渉
 2.労働審判
 3.訴訟
 4.まとめ


1.当事者間の交渉



解雇した元従業員から突然弁護士を通じて、解雇無効の通知が届きました。通知書には、2週間以内に会社側の回答をするように記載され、期限までに回答がなければ、法的手段をとると記載されていました。

この場合、会社としては、通知書の内容を吟味し、回答期限までに、どのような回答をすべきかについて、調査、検討する必要があります。弁護士に依頼しようとしても、顧問弁護士がいない場合には、弁護士を探すところから始まります。2週間という回答期限では、弁護士選びに時間をかけることは困難です。

また、回答内容によっては、相手方の主張を認めたものと判断されるなど、今後労働審判や訴訟となったときに、会社側の不利な証拠として用いられる場合もあります。

反対に、交渉の進め方によっては、早期の解決が図れることもあり、労働審判や訴訟まで発展してしまったケースに比べて費用が抑えられる可能性もあります。
したがって、回答内容には、細心の注意が必要となります。そこで、回答内容について一度は、弁護士に相談されることをお勧めします。




2.労働審判


この事案では、当事者間の交渉では、問題が解決できなかったため元従業員から労働審判が申立てられました。



まず、原則申立てから40日以内の日に第1回期日が裁判所より指定されます(労働審判規則13条)。
第1回期日は、会社側の都合とは無関係に決定されます。


そして、通常、会社側は、第1回期日の1週間前に申立書に対する会社側の認否、主張を記載した答弁書を提出する必要があります。答弁書の提出期限を遵守しないと審判員の心証に悪影響を及ぼす可能性もあり、期限は遵守しなければなりません。

さらに、労働審判は、3回以内で審理を終結させるため、答弁書に会社側の主張を書き尽くす必要があります。 

会社側としては、答弁書提出期限までの極めて短い間に担当者への聞き取りや、書類を集めるなどして事案を調査して、その調査結果を踏まえて方針検討し、その方針に沿った証拠収集等を行っておく必要があります。

弁護士への相談が遅くなればなるほど、依頼された弁護士としても非常に短い期間の間に準備をしなければならないことになります。したがって、労働審判をなるべく有利に進めるには、早めに弁護士に相談することが重要となります。



3.訴訟


労働審判に対して、その内容に納得がいかないときは、審判書の送達又は労働審判の告知を受けた日から2週間以内に裁判所に対し、書面で異議の申立てをしなければなりません(労働審判法21条1項)。異議を申し立てると事件は、訴訟に移行します。

例外的な場合を除いて、この2週間を経過すると異議申立てが認められなくなるので、限られた時間で審判の内容を検討し訴訟をすべきか検討する必要があります。

ここで重要なのは、訴訟となり最終的に判決で解雇無効の主張が認められた場合には、多くの場合、解雇時から復職時までの未払賃金(バックペイ)を支払う必要があります。

訴訟の平均審理期間は、約1年4か月と言われていますので、会社側が負ければ、元従業員は働いていないにもかかわらず約1年4か月分の賃金を支払う必要があります。

そのため、会社側が敗訴する見込みが高い事案であれば、紛争を長期させるのは得策ではないと言えます。したがって、早期に弁護士に相談し、見通しを確認しておくことが大切です。





4.まとめ



上記のように労働問題は、紛争になった時点で迅速な対処が必要であり、労働問題が起きたらすぐに弁護士に相談することをお勧めします。また、日頃から会社の問題を相談できる顧問弁護士がいれば、会社の状況も把握しているため、より迅速な対応が可能です。

さらにいえば、予防法務として、雇用契約書や就業規則、解雇などについて、事前に弁護士へ相談し、労働問題を未然に防ぐことも重要です。
ご興味があれば是非ご相談ください。

筆者プロフィール

田中 悠介(たなか ゆうすけ)
【経歴】
2016年弁護士資格を取得し、現在、ベリーベスト法律事務所に在籍中。
一般民事事件、企業法務など幅広く担当。

【コメント】
誠心誠意をモットーに依頼者が納得する解決を目指します。
労働問題にも積極的に取り組んでおり、依頼者のニーズに合ったアドバイスや弁護活動を心がけています。
困ったときは是非ご相談ください。

ベリーベスト法律事務所 https://www.vbest.jp/

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