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【実例】「おもてなしの心」で売上150%増。ある企業のV字回復ストーリー。

2016.08.22 / 名古屋

瀧田 好久

株式会社ベネフィット・ワン 執行役員インセンティブ事業部長

売上150%超という驚異的な成長、そして離職率120%減のパチンコホールの事例


前回のコラム「働く人の満足度は、衣食住を満たすことから自己実現へ」にて企業理念浸透による定着率成功事例をご紹介しましたが、今日はさらにすごい事例をご紹介します。

愛知県内で『APAN21』、『RAINBOW』の屋号で展開しているパチンコホールの株式会社遊都さんのお話です。(http://yout.co.jp/) パチンコホール業界は規制強化等の影響もあり20年前と比べ遊戯人口が約70%減、市場規模も約40%減という厳しい環境におかれております。

そんななかでも売上150%超という驚異的な成長、そして離職率120%減という劇的なES(従業員満足度)向上を同時に実現されています。 そんな遊都さんですが、 6年前の2010年に売上の継続減、離職率157%という圧倒的な危機に陥ったそうです。そこからどうやってV字回復されたのでしょうか?

危機的状況からのV字回復でおこなった施策とは?


当時、新店進出に失敗し27億円もの借金を背負うほど経営状況が悪化しました。このタイミングで経営を担うことになられたのが都筑益惠社長(現代表取締役会長)です。

後に、先代がお店を創業した地に本社を移転することになりました。ここは都筑社長ご自身が生まれ育った場所。子供の頃からの歴史を振り返るなか、1枚の小さくて古い写真と出会ったそうです。


それは昭和30年当時の先代が創業したお店「僕のAパン」の写真(上写真)です。

昭和の懐かしさを感じる写真、お店の前に並ぶたくさんの自転車。ここにシートがかけてあります。
このシートは、お客様の自転車が「(暑い日は)サドルとハンドルが熱くならないように」「(雨の日は)自転車が濡れないように」という心配りから先代が実施されていたそうです。

この写真と出会い「経営や売上だけではなく、先代から自身が受け継がなければならないものは、お客様への心配り=おもてなしである」と強く感じた都筑社長は、この「おもてなしの心」を従業員一人ひとりに伝えていく施策に真っ先に取り組むこととなりました。


「おもてなしの心」と「お互いを褒め合う文化」を軸に策定された経営目的、経営方針、行動規範、経営理念。「おもてなし」は流行語になるぐらいよく聞きますが、遊都さんはこんな風に定義されています。

  おもてなし。
 それは、自分が大切だと思う人は何が好きで、
 どうすれば喜んでくれるかを考え、実践すること。
 とてもシンプルな考えですが、それが仕事の原点だと思っています。

 そして当社ではこの考えを行動規範とし、
 全スタッフが行動と判断の基準にしています。
 お客様の喜びを、自分たちの喜びに。
 遊都に集まる仲間をもっと増やし、「おもてなし」の輪を広げ、
 「活気あふれる場」を築くことが私たちの目的、使命です。


シンプルですが誰でも共感でき、心に響くコンセプトですよね。

「OMOME(おもめ)制度」と、「ハッピースター制度」


そしてこの理念浸透のために立ち上げた制度が、おもてなしの実践内容や考え方を共有する「OMOME(おもめ)制度」と、おもてなしを実践した行動を評価するスタッフ投票による「ハッピースター制度」です。

●「OMOME(おもめ)制度」
・・・"おもてなしメモ”の略称。日々実践したおもてなしを専用メモ用紙OMOMEに記入し、各店舗・全社で共有。このOMOMEは、代表取締役も必ず目を通す。一年に一度の全員投票で、共感を集めたトップ3の実例が「OMOME OF THE YEAR」として再現ドラマ化され語り継がれている。

●「ハッピースター制度」
・・・スタッフがおもてなしを実践しているスタッフに投票。獲得票数に応じてハッピースターバッジを贈り、6個獲得すれば殿堂入りとして模範スタッフとして活躍の場が広がる。ハッピースターバッジの獲得者はハッピースターセレモニーに招待され、表彰とプレゼントを受ける。



「OMOME制度」は全員毎日書く、毎日共有される、社長も必ず見られているそうです。おもてなしの共感を集め、おもてなしを実践している人が認められ、スポットライトが当たるようにすることにこだわっています。

まさに「信頼」と「承認」を体現した制度ですね。仕組みを作るだけでも大変ですが、浸透まで徹底して手間を惜しまないところに情熱、熱意を強く感じます。

定着率UPの近道とは?


「おもてなし」や「経営理念」が大事と世の中のほとんどの会社が認識はしていますが、多くが経営者の自己満足や形式だけで終わってしまっています。

「楽しい」「うれしい」「感動」が社内、店舗内に溢れる職場になっているか?従業員が主役になっているか?理念浸透に情熱と決意があるか?

一見、抽象的で即効性がないように見えますが、「企業理念」×(「ワイワイ楽しく」×「ほめる」)仕組み=強いエンゲージメント=売上UP、定着率UPの近道です。

時間や手間を惜しまず一度向き合ってみてはいかがでしょうか?

筆者プロフィール

瀧田 好久
1996年株式会社ビジネス・コープ(現 株式会社ベネフィット・ワン)入社。創業メンバーとして大阪支店を立ち上げ。その後、関西営業グループ長、執行役員西日本事業部長、執行役員インセンティブ事業部長、ベネフィット・ワン タイランド取締役を歴任。社内ポイントサービス「インセンティブ・ポイント」を通じ、大手アミューズメント会社の離職率40%削減に成功する等、これまで300社の定着率向上や販売促進をサポート。2012年からアメリカ、中国、タイ等の海外へインセンティブ・ポイントを展開中。

株式会社ベネフィット・ワン https://bs.benefit-one.co.jp/

インセンティブ・ポイント https://bs.benefit-one.co.jp/incentivepoint/

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