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「農家で働く」をもっと身近に。JAグループ静岡が取り組む、Webを活用した新しいアプローチに迫る。

店長のDNA

2018.05.14 / 名古屋

ヒトクル事務局

静岡県農業協同組合中央会 担い手支援部
(写真左から)日吉さん 嘉茂さん 宮崎さん

こんにちは、ヒトクル事務局です。

どの業界でも重要な課題となっている「人材の確保」ですが、最近になってその課題が顕在化した業界があります。それは、「農業」。

今までは労働力を家族経営で賄ってきたのが、高齢化や後継者不足により人材不足が表面化してきました。
そのような状況下で、今回ご紹介するのは静岡県のJAグループの採用支援に関する取り組みです。

今回取材したのは、JA静岡中央会・担い手支援部の宮崎さん、嘉茂さん、日吉さん。

求人への取り組みが薄かった「農業」が、どのようにして求職者へその仕事の魅力を伝えていくか、その取り組みの過程についてお話を伺いました。



これまで「農業」は、求人への取り組みが薄かった



取組の背景について教えてください。
農業の雇用確保への課題が顕在化したのは、ここ数年のことです。今まで農業は家族経営が基本で、人手が足りないときは家族・親戚・近所の方で賄ってきました。

それが、ここ10年くらいで農業者の高齢化や法人化による規模拡大が広がったことで、労働者の確保が課題として挙がってきました。

でも、いざ求人活動をしようにも今まで取り組みが薄かったため、どこに課題があるのかも分からない状態でした。

そこでわたしたちJAグループでは労働力支援研究会を立ち上げ、雇用確保をするための検討をスタート。株式会社アルバイトタイムスに依頼し、以下のような調査を実施しました。

【農家で働くことに興味がある】


【興味を持つ理由】


【農家の仕事に興味を持たない理由】


【農家の仕事へのプラス・マイナスイメージ】



<調査名> アルバイト・パートに関するアンケート
<調査期間>2018年02月16日(金)~2018年02月19日(月)
<対象者> 静岡県在住で直近2年以内にアルバイト・パートの仕事を探したことのある方:114名
      大学生:22名、フリーター:34名、専業主婦:29名、パート主婦:29名


まずは「農業」について伝えていくこと



そこから見えた課題について教えてください
先ほどお伝えした通り、農業の労働力不足が顕在化したのは最近のことです。そのため、農業は他の業種に比べて求人活動への取り組みが薄く、そのために以下のような課題が見えてきました。


① 「農業」のお仕事をどう伝えるか

今までも無料職業紹介所で求人をしてきたのですが、例えば、仕事内容に「いちごの調整作業」と紹介していました。

「いちごの調整作業」というのは、いちごを出荷する際のパック詰めのことです。
私たちにとっては当たり前に使っていたのですが、実際に農業未経験の方にとっては専門用語だということが分かり、非常に驚きました。

業界内にいると分からないことを、丁寧に伝えていくことの重要性に気が付きました。


② 「農業」の職場環境をどう伝えるか

前述した調査から、一般の方の「農業で働くこと」に対するプラスとマイナスのイメージが分かりました。
そこには、その通りのこともありますが、実態が分からないがゆえの誤解が含まれていました。そこを払拭していくことが必要です。

③ 採用する「農業者」側の意識改革・環境整備

この取り組みを始めて実感したのが、農業者の方の中には求人募集を出すことに対して少なからずハードルを感じているということです。

今までは、家族や近所の方など、ある程度農業に携わってきた方に手伝ってもらっていました。
広く一般に求人情報を出した場合、まったく農業を知らない方に一から教えていくことが必要です。また、労働環境も今までのようなわけにはいかず、しっかりと整備をしなくてはなりません。


コンテンツを作り、プロモショーンをかけ、数値を把握する

実際に行った取り組みと得られた成果は何でしょうか

●求人誌・求人サイトに「農業のお仕事紹介」「農家で働く方のインタビュー」を定期掲載


【農業のお仕事紹介ページ】
各農家の方に、お仕事の詳細や魅力について紹介。
「農家の仕事をもっと知りたい!」 http://domonet.jp/shizuoka/c/ja-nouka

【農家で働く方のインタビューページ】
就農1~2年目の方にインタビュー。
パートで働く主婦の方や正社員として働く方に、「どうして農業で働き始めたのか?」「どんなところに魅力を感じるか?」「大変だったことは?」などの生の声を掲載しています。
「ぶっちゃけ農家で働くのってどんな感じ!?」 http://domonet.jp/shizuoka/c/ja-nouka/about/


●JAグループ求人サイト「静岡の農業を働こう」を開設


https://mydomo.domonet.jp/shizuokaken-nogyokyodokumiai/
県内の農業の求人情報を一挙に集めた専用サイトを開設しました。
また、ただお仕事情報を掲載するだけでなく、前述の農家のお仕事紹介や、就農者インタビューを盛り込み、応募につながりやすい仕掛けをしています。

【得られた成果】
今までは、折込みチラシを利用するケースが多く、応募者の年齢も高かったのですが、Webで求人をかけることで若年層からの応募が増加しました。

また将来的には外部の求人サイト(ハローワークや無料職業紹介所)との連携も視野に入れ、日々更新していくことで、魅力的なサイトづくりを継続していく予定です。


●Webプロモーションでコンテンツを訴求
上記のようなコンテンツを作成だけではなく、ターゲットを「農家で働くことに関心のある顕在層」と「農業で働くことを視野に入れていない潜在層」に分けてWebで広告を配信しました。
【ターゲットについて】


【WEB広告実施の流れ】



「農家で働くことに関心のある顕在層」へは、農業が好きな方へダイレクトに訴求し求人サイトへ誘導、応募の最大化を狙いました。

一方「農業で働くことを視野に入れていない潜在層」へは、先輩就農者の体験談を見てもらうことで興味を喚起し、求人サイトへの誘因を計りました。

いずれも訴求内容を数パターン用意し、どのターゲットにどの訴求内容がクリックされるかを見ていきました。

【得られた成果】
顕在層向けの配信結果から分かったのは、
メインキャッチコピーに「静岡・しずおか」および「産後復職」「定年後」「田舎暮らし」のクリック率が高くなりました。また、写真は「人が写り農業を想起させるデザイン」のクリック率が高くなりました。

上記のことから、
・「静岡、地元で働きたい人」が多くいること
・「定年退職したシニア」「育児休業中の主婦」の就業希望者が存在していそうなこと
が分かりました。


潜在層向けの配信結果から分かったのは、
反応比率は、アクティブシニア>主婦>若年層となり「主婦層、シニア層」へのリーチが最大化できました。
また、農業初心者に向けたインタビュー記事を訴求することで、「はじめて農業」に携わる求職者に就農の選択肢を打ち出すことができることが分かりました。

加えて、Webプロモーションをしたことで数字として結果が出るので、どこをターゲットにすると有効なのか、どこに課題がありそうなのかが明確になったことが今回の取り組みの非常に良かった点です。


やっと最初の一歩を踏み出せたところ



今後おこなっていきたいことについて教えてください
今回の取り組みで、やっと求人募集をすることの最初の一歩をふみだしました。
今後は、そこで得られた課題をどうやって解消し、より支援を促進していけるかが重要です。

すでに農業者の方への雇用環境整備のための勉強会の開催、農業の仕事を動画で紹介する、シニア層にどう訴求していくか、など新しいアイデアがたくさん出ています。

人材の確保に、農業の未来がかかっていると言うと大げさかもしれませんが(笑)私たちはそのつもりで、今後も農業の人材確保の支援を継続していこうと考えています。


(取材日/2018年4月4日)

いかがでしたでしょうか。
本格的に求人への取り組みをスタートした「農業」。お話を伺ってJAのみなさんの農業への熱い想いが伝わってきました。

どこの業界においても「業界内」にいることで、かえってその仕事の魅力に気が付かないことがあると思います。
今回、調査やWEBプロモーションを通じた取り組みで、「農業で働く」ことが「誰にとって」「どんな魅力」があるのかが再発見できたのではないでしょうか。


取材協力
静岡県農業協同組合中央会
静岡県静岡市駿河区曲金3丁目8-1 静岡県農業会館4階
HP/http://group.ja-shizuoka.or.jp/

筆者プロフィール

ヒトクル事務局
東海地域の店長・人事担当のみなさまのお役に立てるよう、日々様々な情報を収集・配信しているサイトです。地域のトレンド情報やノウハウ、採用成功事例や各種データなど、配信コンテンツは多岐に渡ります。また、月に1回程度のペースで、セミナーを実施しています。この採用難の時代を乗り切るべく、少しでも多くの方々のお悩み解消につながれば幸いです。

「ヒトクル」は、株式会社アルバイトタイムスが運営しています。

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