人を育てる「ほめ方」「叱り方」

専門家コラム

2018.05.21 / 名古屋

岩本 留里子

ビジネスフードアドバイザー

こんにちは、ビジネスフードアドバイザーの岩本留里子です。

ここ数年、人材育成で「人を叱ってはいけない、ほめなさい」とよく言われています。

実は、人間界だけではなく犬の教育においても同じだそうです。子犬の教育でトレーナーさんから「信頼関係築くまでは叱ってはいけない」と言われたことがあります。

人も同じですね。相手との信頼関係が保てるようになってからだと思います。

人を「ほめる」「叱る」ということはとても大事なことです。

ちょっとしたことでもほめることが大切です。ただし、日ごろから意識していないとなかなかできないことです。
また、注意の仕方を失敗してしまい、アルバイトさんが辞めてしまった苦い経験をお持ちの方もいるかもしれません。

今回は、スタッフの育成において必要不可欠な「ほめ方」「叱り方」のコツについて解説したいと思います。

マズローの欲求段階説


人から認められたい、ほめられたいという欲求は誰もが持っている基本的欲求のひとつです。

有名なマズローの「欲求段階説」によると「人間の欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低階層の欲求が満たされると、より高次の階層の欲求を欲するとされる」と言われています。



マズローの「欲求段階説」
高次元 ・自己実現→能力を発揮したい
    ・自我の欲求→認められたい。尊敬されたい
    ・社会的欲求→愛情が欲しい。仲間が欲しい
    ・安定の欲求→安定したい。危険を避けたい
低次元 ・生理的欲求→生命を守りたい。休息。食欲


「自我の欲求」「社会的欲求」は誰もが持っているといわれています。ほめられることによって「私はこの会社に必要なのだ」と感じることができるのです。


「ほめ方」3つのポイント


スタッフの育成において「ほめること」の効果は2つあります。



そして「ほめ方」には、3つのポイントがあります。

①誰に対しても公平にほめる
無意識に特定の人だけをほめていませんか?誰に対しても公平にほめることが重要です。

②その場でほめる
思ったとき、聞いたとき、感じたときにほめる癖をつけましょう。

③成果だけでなく、その過程や努力もほめる
まだ具体的な成果が出ていなくても、一生懸命に努力する姿勢をほめましょう。


これであなたもほめ上手!ほめ方事例



「ほめるのがどうも苦手で・・・」

普段ほめ慣れていない方は、急に「ほめる」と言われてもすぐには出来ないかもしれません。
ここでは、どのように表現したらよいかほめ方の事例をご紹介いたします。

小さなことでも具体的にほめる
完璧を求めてしまっては、ほめることができなくなってしまいます。
小さなことでもほめたり、感謝したりしてみましょう。

自分の心と言葉、体全体を使ってほめる
「何が?」「どのように」と具体的にほめましょう。
「○○さん、いつも入口でお客様に気が付いてくれて本当にたすかるよ!!」
時にはジェスチャーを加えるなどをしてバリエーションを加えると良いでしょう。

次の課題や改善点を示しながらほめる
まずは良いところをほめてから、次の課題を示しましょう。
「〇〇はよくできたね。次は〇〇をしてみよう」

手段を使い分ける
メモ・メールなどでほめる、、人を介してほめる、物品を与えてほめる、など時と場合によって手段を使い分けてみましょう。

人前で褒める演出を工夫する
朝礼や会議などでほめると効果的です。ここぞというときに工夫してみましょう。

期待、激励、感謝の言葉で奮起させる
「ありがとう」「感謝してるよ」「ご苦労様」など、相手の個性や状況に応じたきめ細かな激励の言葉を入れてみましょう。


「叱り方」3つのポイント


次に、「叱り方」について解説していきます。

叱ることの目的は、本人に誤りを気づかせ、反省を促し、改善努力をさせることです。


「怒る」とは明らかに違います。ただ感情的に腹立たしい気持ち、怒りの気持ちをぶつけては全く意味がありません。

目的は、相手を凹ませることではありません。たまに「叱ったのにケロッとしている」と怒る方がいますが、それはおかしなことです。叱ることで本人が正しい方向に修正ができれば目的は達せられているからです。

目的をしっかりふまえた上でポイントをおさえましょう。叱り方には3つのポイントがあります。

①理由を明確にして、筋道をたてて冷静に叱る
何がいけないのか、具体的な理由をあげて叱りましょう。

②短い時間で叱る
ダラダラと長い時間をかけて叱るのは逆効果となります。

③叱った後は、どうしたら良いかを一緒に考える
やり方などを一緒に考え、励ますことが信頼関係を築くことができます。



これだけはNG!叱り方事例



叱りかたを一歩間違えると、一気に信頼を失う場合があります。ここでは、「これはやってはいけない」NGな叱り方についてご紹介いたします。

人格を否定する
「君の性格は、接客に向いていないから、もっと明るくお客さまに挨拶をしよう」
間違いを指摘するのは良いですが、人格を否定するのはNGです。

過去のミスを引っ張り出して叱る
「あの時もそうだった」「この前も・・・」など、別のミスについても一緒に叱るのはNGです。

お客様やスタッフの前で叱る
見せしめのように人前で叱るのは、NGです。

他人と比較して叱る
「●●さんはできているのに、なんで君はできないの?」など他人と比較して叱るのはNGです。

相手の言い訳をきかない
「確かに今日はお客様が多くて大変だったよね。こういう時は・・・」
叱るときは相手を追い詰めずに、逃げ道を作ってあげましょう

性格的、家庭的、容姿的批判
当たり前のことですが、パワハラになりますのでご注意ください。


いかがでしたでしょうか。
今回は、スタッフの育成において必要不可欠な「ほめ方」「叱り方」のポイントについて解説しました。
「ほめる」「叱る」で悩んでいる方に、少しでも参考になれば幸いです。

筆者プロフィール

岩本 留里子
長崎県出身。静岡の短大を卒業
大手ファストフード企業に7年間勤務、店長・スーパーバイザー、サービスマネージャーを経験。その後、飲食業界で、業態開発、人材育成・接客指導、商品開発などフィールドを広げる。
飲食業界での現場の経験は15年間に及ぶ。現在は飲食分野を得意とした経営コンサルタント・接客研修・店長教育・メニューアドバイザーとして活躍するほか、幼児・小学生を対象にした食育レッスン「しょく感教室」を開催。
経営専門誌の「飲食店経営」「食品商業」などに執筆。
趣味は、車が大好きで旅行に行くとそこで食べ歩きする事を楽しんでいます

岩本 留里子 公式HP:http://www.iwamoto-ruriko.com/

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