広報のツール、プレスリリースとは?

専門家コラム

2018.06.01 / 名古屋

三ッ口 洋一

Team N+1 代表

中小企業の社外広報部を目指すTeam N+1の三ッ口です。
この数回は、求人に困らない会社を目指すために、私なりに社長のあり方を提唱してきました。それが『モテる社長になれば求人に困らない』という考え方でした。

モテ社長になろう
モテたい経営者は、子どもに学べ
人に困らない「ダサかっこいい社長」とは?

今回からはガラリと趣を変えまして・・・ノウハウ編です。

私は日々企業の広報を支援しているわけですが、「具体的に何をしている人なのかわからない」とよく言われます。業務は多岐に渡るのですが、そのうち今回は広報の強力な武器となりうる「プレスリリース」についてお話しします。


プレスリリースとは文書である


プレスリリースとは、一言で言えば『報道機関(プレス)に情報を流すための文書』です。

報道機関とは新聞社や放送局、雑誌社など。最近はネット上のみのニュースメディアも含まれます。新聞社にも全国紙とブロック紙と地域紙という分け方もあれば、総合紙と専門誌という分け方もあります。

同様にテレビ局も公共放送局、キー局、地方局とがありますし、ケーブルテレビやインターネット放送局もあり、それぞれ情報の扱い方に違いがあります。プレスリリースはこれらの報道機関に情報を提供する文書なのです。


何をどう書くのか?



文書とだけ言われてもわかりませんよね。サイズは原則A4判1枚です。内容は

①一行まとめ
②三行でポイント
③概要説明
④写真・図版
⑤問い合わせ先

とたったこれだけです。ですからA4判一枚に収まるのです。情報やものによってはチラシやサンプルを添付してもいいですが、ポイントを押さえて簡潔にまとめる必要があります。①から⑤までを1項目ずつ説明します。


いちばん難しい『①一行まとめ』


⾔いたいことの全部を⼀⾔で、⼀⾏⼀⽂で表現します。と⼝で⾔うのは簡単ですが、いちばん難しいので、⽂書を作る際にはいちばん最後にしましょう。伝えたいことを過不⾜なく1枚にまとめるのがプレスリリースの基本ですが、さらに『それを⼀⾔で⾔うと︖』ということです。新聞記事で言うところの『主⾒出し(記事の頭にいちばん⼤きな字で書いてある⽂)』です。

何と書いたらいいかわからないという方は新聞の記事表現を参考にしましょう。たった15から20文字くらいですから、全体を見通してから、削ぎ落とします。伝えたいことの全体や本質を掴んでいないとできません。

例えば「女性と製造業をマッチングするイベント開催」とか、「社員が希望する資格取得費用を全額負担」とか、「助成金を利用したおもてなし研修のモニター募集」というようになります。


『②3行でポイント』って、どういう意味?


1行を3行に展開して、もう少し詳しくします。

「女性と製造業をマッチングするイベント開催」の場合、
「製造業に関心を持つモノづくり女子を広く募集」
「キャリアセミナーや、先輩女性とのホンネトーク会など」
「7月1日、◯◯会館、□□ホールで初開催」

というようになります。

これも『一行まとめ』と同様、全体を短文にまとめることになりますので、全部の文章を書いてから考えるといいですね。パンフレットとか広告ではないので、キャッチフレーズとか、売らんかなにならないようにご注意下さい。

また『ドーンと展示』『バッチリ対応』というような擬音とか、『とてもかわいい』『恐らく世界最大級』とかあいまいな表現は避けて下さい。記者はたくさんのリリースに目を通して、取材する・しない、掲載する・見送るを決めるわけですが、ここで採用・不採用が決まるほど重要な段落です。


逆三角形の『③概要説明』とは?



⽂章構成は、5W1H型とか、起承転結型、叙述型など様々なかたちや考え方がありますよね。

例えば叙述型が「序論」「本論」「結論」の順であるのに対し、新聞記事やニュース番組を改めて読んでみますと、最初に何がどうしたという「結論」が来て、なぜそうなったか背景や経緯が「説明」され、最後に今後の展開などの「補足」が来る、という「逆三角形型」と言われる構成となっています。

そのほうが伝えたいポイントがわかりやすいためです。プレスリリースもそれに沿って書くのが良いでしょう。

「結論」
・・・誰がどこで何をどうした(どうする)という『現在』

「説明」
・・・なぜ今それをした(する)のかという目的、背景、経緯、商品やサービスの説明などの『過去』

「補足」
・・・今後の展開、展望、予測、予定などの『未来』

というように、現在、過去、未来という3ブロックを3〜4段落で書きます。


『④写真・図版』はほどほどに


資料として、写真や図の説明があった方がわかりやすいものは添付します。企業の場合は代表者の写真(バストアップ)や会社案内などもつけます。

それぞれの写真にはキャプション(何の写真なのかわかる簡単な説明)を添えましょう。気をつけていただきたいのは『資料はたくさんあった方が、より理解してもらえる』という誤解です。

著書を持参される⽅がたまにお⾒えになりますが、その⽇のうちに記事を作成しなければならない記者にとって、(もちろんお気持ちは嬉しいし、そんなおつもりがないのはわかりますが)『今日中にこれを読んどけ』という嫌がらせに近い仕打ちとなってしまいます。


『⑤お問い合わせ』のポイント


『本件のお問い合わせ先』として、
・社名
・所在地
・ホームページアドレス
・代表者名
・担当者名
・電話
・メールアドレス
を載せます。

このうち大きなポイントは、ホームページアドレスと電話番号です。記者は取材前にホームページを必ず見ます。

ちゃんと存在している会社なのか、紹介に⾜る事業内容なのか、などを判断するためです。肝⼼な情報が得られなかったり、業務内容がうさん臭かったり、⻑く更新がされていないと『この会社、紹介して⼤丈夫かな︖』と思われてしまうんですね。そうなるとボツの可能性が高くなりますので、避けたいところです。

立派なページを作る必要はなく、最低限の内容で結構です。他者に見せて恥ずかしくないデザインで用意しておきましょう。

電話番号は、代表番号に加えて、担当者の可能なら携帯電話の番号が良いです。メディアの記者は情報を受け取ったらその日の夜までに記事を作成するのが原則ですから、リリース文書に疑問点が生じた時に、すぐ問い合わせをしたいのです。

何度かお電話をしても不在、あるいは折り返しご連絡をいただけない場合、記事が作成できないため、時間切れでボツ、ということになりかねません。


なぜ今プレスリリースなのか?



メディアに取り上げられたからと言って、必ずしも商品が爆発的に売れたり、求人が殺到するわけではありません。しかしながら、ネット全盛の時代でも、取り上げられる事自体が嬉しいですし、つい人に話したくなりませんか。

「この間ウチの会社が新聞に載ってね・・・」。今どきメディア各社は、直近の記事情報なら必ずネット上で見られます。

読者や視聴者への伝達、二次的な口コミ拡散効果、それが顧客や仕入先、金融機関、社員さんの家族などに伝わると、社員さんの自信や誇りにもつながります。

「ウチの息子は新聞で取り上げられるような企業で働いているのよ」という感じでしょうか?採用の際のイメージアップにも有効だと思いませんか?しかも費用はかからないのです。

次回は、作成した文書をどのように「リリース」するのかを解説します。

筆者プロフィール

三ッ口 洋一
1961年名古屋市生まれ。プロトコーポレーションと中部経済新聞社で、雑誌編集、経済部記者、ビジネスセミナー開催、広告営業、フェイスブックページ運営などを手がける。約30年間のメディア業界で得たノウハウと2万人を超える人脈とで「中小企業のための社外広報部」というニーズに応えるべく2014年独立。2016年には名古屋女子広報チームNPR48B(Nagoya Public Relations 48 for Business)発足。中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」登録専門家。メルマガ「不定期ビジネスニュース」管理人。起業家支援イベント「N-1グランプリ」実行委員。
【Team N+1】http://hitouch0520.wix.com/team-nplus1
【NPR48】https://npr48.webu.jp/
【名古屋セミナーポータル】http://www.seminar-portal.org/

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