飲食店の業界用語をスタッフに教えよう

専門家コラム

2018.08.07 / 名古屋

岩本 留里子

ビジネスフードアドバイザー

こんにちは、ビジネスフードアドバイザーの岩本留里子です。

どこの業界でもそうですが、飲食店にも「業界用語」なるものが存在します。
業界歴が長い店長さんや採用の担当者の方は、普段自分は業界用語を使っているという認識がないかもしれません。

でも、新しく入社したスタッフからしたら
「ノーゲ?え?何のこと?」
「兄貴から使ってって?どういう意味?」
と思っているかもしれません。

もちろん徐々に慣れていくのでしょうが、できるならば入社時研修の時に簡単に説明してあげられると不安な気持ちを少し取り除いてあげられるかもしれませんね。

今回は、新人スタッフの方に説明する際に使っていただけるように、業界の専門用語を一部ですが分かりやすくご紹介いたします。店長さんは新しいアルバイトさんが入店した時は、ぜひこの記事を見せながら専門用語を教えてあげてください。


なぜ、業界用語を使うとよいのか?



そもそも、どうして業界用語を使った方がよいのでしょうか。新人スタッフには、そこから教えてあげるとよいでしょう。業界用語を使った方がよい理由は、大きく3つあります。

その1、短い言葉で短縮することによってスピーディに対応することができる

その2、お客様に聞かれると不信感や嫌な思いをさせないために使う
兄貴使って→古いものから使って
3番行ってきます→トイレ行ってきます。

その3、業界用語を使うことで仲間意識が出てくる


まずは、挨拶の仕方 なぜ?いつでも「おはようございます」???



飲食店でシフトに入ったときは、昼でも夜でもいつでも「おはようございます」と挨拶をします。

通常であれば朝は「おはようございます」、昼間は「こんにちは」夜は「こんばんは」ですが、飲食店の場合は、入店時はいつでも「おはようございます」と言います。

飲食店の営業時間は例えば【11:00~23:00】【17:00~2:00】【24時間営業】など様々なため、シフトに入ったときが1日の始まり、ということで「おはようございます」なのです。

最初は戸惑うと思いますが、夕方からのシフトでも元気よく「おはようございます」と言いましょう。帰るときは他のスタッフが働いている時は、「お先に失礼します」と言うようにします。


業界用語



バッシング
バッシングとは、お客様の食べ終わった食器類を下げ、テーブルをきれいにすることを指す業界用語です。
使用例/「3番テーブル、バッシングお願いします」「3卓、バッシングOKです」

中間サービス
中間サービスとは、お客様に快適に過ごしていただくためのサービスです。
【中間サービスで行う業務の一例】
・灰皿は吸い殻が3本以上の場合は交換。
(交換時に吸っている最中のタバコがある場合はそれが吸い終わったら交換)

・滞留2時間を目安におしぼりの交換
時間は目安であるので交換が必要と感じた際は適時交換する

・大きなお皿に刺身一切れとかわずかの場合は小さい器に盛りかえる提案などを行い
おテーブル環境を綺麗にする様に心掛ける
また、中間バッシングをすることで最終バッシングの時間を短縮することもできます。

使用例/「3卓提供の後中間サービスできないか見てきてね」」

シルバー
食器類の中でも、ナイフやフォーク、スプーンなどは「シルバー」と呼ばれます。
使用例/「シルバーの数が足りないからすぐに持ってきて」


ダスター
「ダスター」というのはテーブルの上を拭く布巾やぞうきんのことです。直接的な掃除用品の言葉は不快感を感じさせてしまう場合があるため、この名称で呼ばれています。※ダスターは、用途に応じて使い分けてください。
使用例/「ダスター交換をお願いします」

カスター
飲食店のテーブルには、塩コショウなどの調味料やつまようじ、などがセットになったものが置いてあります。それらのセットを「カスター」と言います。
使用例/「カスターチェックして、補充お願いします」

○○番
番号を隠語として用います。多くの飲食店では、「1番=昼休憩などの休み」「3番=トイレ休憩」といった使い方がされています。
ただし、店舗によって番号だったり色を使ったりするので自分が働く場所のルールを確認しておきましょう。
使用例/「1番(休憩)入ります。/3番(トイレ)行ってきます」

キャッシャー
「キャッシャー」とは、お客様がお会計をする場所および、会計をする係のことを指す用語です。飲食店では取り扱う金額が高額になるため、その日のキャッシャーを決めている場合が多いです。
使用例/「今日キャッシャーお願いね」

デシャップ
「ディッシュアップ(Dish up)」という言葉が語源と言われています。調理場から完成した料理が配膳される前に置かれる場所のことを言います。また、伝票と料理を確認しホールに運ぶ仕事のことを言います。
使用例/「今日は、デシャップお願いね」

兄貴・弟
生鮮食品を多く使う飲食店では、仕入れた食品は「先入れ先出し」が鉄則です。入ってきた食品を先に使ってしまうと、いつまでも古いものが処理されず傷んでしまいますよね。そんな食品の管理に使われるのが「兄貴(アニキ)」という隠語です。

この言葉は「古い食材」という意味で兄貴。「新しい食材」は「弟」と呼ばれています。お客様に「古いのから使って」なんて聞こえたら嫌な気持ちにさせてしまいるので、こうした隠語を利用します。
使用例/「野菜、兄貴から先に使ってね」

山/川
「山」はその商品が品切れ、という意味で、反対に「川」はその日のおすすめ商品という意味で使われます。
使用例/「○○山になったから注文受けないでね」

アイドル/アイドルタイム
どの業態でも共通して「来客の少ない比較的暇な時間帯」という意味です。アイドルタイムを使って、次のピーク前の準備や清掃を行います。
使用例/「アイドルタイム入ったから、先に1番行ってきて」

ノーゲス
お店によっては「ノーゲ」などとも言われたりします。言葉通りお客さんが店内にいない状況を指しています。
使用例:「17時までノーゲスでした」

トレンチ
「トレンチ」はもともと、飲み物を運ぶ銀色のお盆を指す言葉で、現在では使用するトレイ全般を指す言葉になりました。
使用例:「必ずトレンチを使ってね」

いかがでしょうか。今回は、新人スタッフの方に説明する際に使っていただけるように、業界の専門用語を分かりやすくご紹介いたしました。ぜひ、入社時研修などにご利用いただければ幸いです。

筆者プロフィール

岩本 留里子
長崎県出身。静岡の短大を卒業
大手ファストフード企業に7年間勤務、店長・スーパーバイザー、サービスマネージャーを経験。その後、飲食業界で、業態開発、人材育成・接客指導、商品開発などフィールドを広げる。
飲食業界での現場の経験は15年間に及ぶ。現在は飲食分野を得意とした経営コンサルタント・接客研修・店長教育・メニューアドバイザーとして活躍するほか、幼児・小学生を対象にした食育レッスン「しょく感教室」を開催。
経営専門誌の「飲食店経営」「食品商業」などに執筆。
趣味は、車が大好きで旅行に行くとそこで食べ歩きする事を楽しんでいます

岩本 留里子 公式HP:http://www.iwamoto-ruriko.com/

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