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あなたのプレスリリースが採用されない3つの理由

2018.07.30 / 名古屋

三ッ口 洋一

Team N+1 代表

持ち込んだよ。でも反応がない


中小企業の社外広報部を目指すTeam N+1の三ッ口です。
前回、前々回と情報をメディアに向けて発信しよう、そのためにプレスリリースを作ろう、じゃあプレスリリースって何なの?どこへ持って行けばいいの?という記事を書きました。

広報のツール、プレスリリースとは?

プレスリリースのカギとなる記者クラブとは?


プレスリリースとは、新聞やテレビ番組、雑誌、ネットニュースメディアなどの報道機関(プレス)に情報を流すための文書です。作成にあたっては、前々回「広報のツール、プレスリリースとは?」を参考にしてください。きっと皆さん「私もやってみよう」と思われたことでしょう。

しかしながら、よしできた「持ち込んだぞ、でも反応がない」という話もよく聞きます。なぜ取り上げられないのでしょうか?


メディア側の目線


メディアは報道機関です。世界中で起こっている出来事を誰にもわかりやすいように編集して伝えるのが仕事です。

新聞は、昨日一日にあった出来事をコンパクトにまとめたものです。一日で情報を集めて、編集し、印刷し、宅配までできてしまうのですから、労働集約的なので昨今は前時代的と言われたりしますが、改めてすごい仕組みだと思いませんか?世界にも類がありません。

テレビは今起こっていることをリアルタイムに受信者数無制限で伝えることができます。ネットニュースには編集者はいても、記者(取材する人)がいないことも少なくないので、受け取った情報を審査してそのままアップすることも多いです。同時に大量かつ速報性という点ではテレビの生放送には敵いませんが、検索・保存できたり、複数の情報を比較できるところに価値があります。

そんなメディアの方々に送るアピール文書がプレスリリースです。受け取る側の記者たちは、どのような視点でプレスリリースを見るのでしょうか?


メディアはリリースに何を期待しているのか?



当たり前ですが、まず欲しいのはニュース(新規性・独自性)です。誰もやっていなかったことや、今までできなかったことができるようになる商品やサービス、新たな取り組み、ですね。

日本「初」、業界「最」安値とか、「初」「最」がつくとなおいいです。2番め3番めなら「東海地区初」「愛知県初」とエリアを狭めればいいですよね。ほかには話題・現象(◯◯の間で□□が流行っている)、データ(統計結果や分析)、イベント(ユニークなキャンペーン)などが求められています。

もちろん、ニュースなら来たものを何でも流すというわけにはいきません。限られた紙面や時間の中で、より多くの読者や視聴者に『伝えるべき情報(編集者も人の子なので、主観が入ることもありますが、客観的スタンスを忘れないようにしています)』が優先して絞られます。

その事件は社会的に関心が高いか、その政治経済の動きは大きな影響が出そうか、その情報は読者に有益か、その人(団体)の活動は応援すべきか、などです。

ですから、企業が自社の商品が売れるように「新製品出たのでよろしく」とか、「イベントやるから来てね」いうようなスタンスでは採用されないのです。


採用されない理由、チェックすべきポイントは3つ


採用されない理由1 わかりにくい → わかりやすいか?
採用されない理由2 誰の何の役に立つのかが不明確 → 課題解決型か?欲求充足型か?
採用されない理由3 自分都合になっている → 社会の役に立つか?


ポイント1 わかりやすいか?



メディアの記者には毎日何通もプレスリリースが届きます。記者は、ぱぱっと目を通し、ほぼ一瞬で採用・不採用・保留を決めます。不採用ですと即ゴミ箱行きです。

つまり本文をしっかり書いても、最初からは読んでもらえないということです。一所懸命書いたのにショックですよね。前々回にも書きましたが、最上段のタイトル1行、ポイント3行、これが最も重要です。

まずはこの4行で伝えたいことが過不足なく言い表されているかどうかです。どうやって書いたらいいかわからない、という方は新聞の記事を見てみましょう。同じことを繰り返し、言い回しを変えています。あるプレスリリースでは、このようになっています。

【タイトル】
楽天、スマホアプリ決済サービス「楽天ペイ」を石川近鉄タクシー(93台)に提供

【ポイント】
・楽天のスマホアプリ決済サービス「楽天ペイ(アプリ決済)」、石川近鉄タクシーの93台で利用可能に
・-石川県内のタクシーでQRコード決済を初導入-


【タイトル】アサヒ飲料、愛知県の八丁味噌のコクが加わった「カルピス+発酵BLEND 三河」を限定発売

【ポイント】
・「カルピス」×「八丁味噌」伝統と挑戦を感じさせるコラボレーション
・「カルピス(R)+発酵BLEND三河」限定販売!
・~「カルピス」が日本各地の発酵を巡る旅~第一弾

これだけで内容はだいたいわかりますよね。「わかりやすさ」にはインパクトも含まれます。「味噌味のカルピスって何だ?」とか思いますよね。でも「ああ発酵の旅なのね」と、企画の意図が汲み取れます。


ポイント2 課題解決型か?欲求充足型か?


ビジネスは大別すると、課題解決型か欲求充足型の2つにわかれます。

課題解決型とは『お困りごとの解消ビジネス』です。例えば、パソコンと同等かそれ以上の性能を持ったスマートフォンは、それまで通話プラスアルファしかできなかった携帯電話のあり方を変え、いつでもどこでもネットを使った様々なサービスを利用できるようになり、業務の効率が飛躍的に上がったり、オフィスレスを実現した人も多いでしょう。

ロボット掃除機は、外出時に自動的に掃除をしてくれるようになり、主に働く主婦の負担を軽減できたのではないでしょうか。

欲求充足型とは『欲望の実現ビジネス』です。美味しいものが食べたい、かわいい服が着たい、かっこいい時計が欲しい、夢の国で遊びたい、というような欲望を解消するものです。

テーマパーク、レストラン、映画館、エステ、宝石店、いくらでも挙げられますね。いずれにしても『誰の何の役に立つのか』を明確にする必要があります。


ポイント3 社会の役に立つか?



商品やサービスが購入したり利用するユーザにメリットがあるのは当然ですが、第三者にメリットはありませんか?

有名な近江商人の教えに『三方良し』というものがあります。『売り手よし、買い手よし、世間よし』といって、そのビジネスが社会に与える影響を問うています。『売り上げの何%を被災者義援金に』とか『この商品は生産を授産施設で行っており、障害者の雇用を生んでいます』というようなことです。

単なるボランディアや寄付ではなく、ビジネスの構造を社会貢献型にすることで、恒常的に誰かを支援することになり、素晴らしいアイデアならメディアも応援しよう、参考にしてもらおうという気持ちになります。

このとき、どういう背景から、事業化や商品化に至ったのか、にあなたの会社ならではストーリーがあると良いですね。全国紙への掲載も夢ではありませんので、とりわけ中小企業におすすめです。あなたの会社でもきっと何かできることがあるはずです。

2018年6月末から7月初旬にかけて起こった集中豪雨「西日本豪雨」に対し、アパグループが被災地向けに義援金1億円と「アパ社長カレー」1万食を日本赤十字社を通じて寄付したそうです。

このことに対して「売名行為だ」という批判も出ましたが、私は「大いに結構、業界内でどんどん売名競争して下さい」と思いました。この記事を書いている7月下旬現在、多くの旅館が被災者に無料でお風呂を開放しています。


プレスリリースにチャレンジしてみよう


前回の繰り返しになりますが、メディアに取り上げられたからと言って、必ずしも商品が爆発的に売れたり、求人が殺到するわけではありません。

それでも特に新聞やテレビ番組に取り上げられることは、自分たちの仕事はこんな人たちの役に立ってるんだと、従業員の士気が高まったり、自信や誇りを持つことにもつながります。

ホームページやSNSでお知らせしたくなりますから拡散効果も大きく、より多くの顧客や仕入先、金融機関、社員さんの家族などに伝わることでしょう。会社名の認知度向上は求職者の応募意欲に影響があります。ぜひチャレンジしてみて下さい。

筆者プロフィール

三ッ口 洋一
1961年名古屋市生まれ。プロトコーポレーションと中部経済新聞社で、雑誌編集、経済部記者、ビジネスセミナー開催、広告営業、フェイスブックページ運営などを手がける。約30年間のメディア業界で得たノウハウと2万人を超える人脈とで「中小企業のための社外広報部」というニーズに応えるべく2014年独立。2016年には名古屋女子広報チームNPR48B(Nagoya Public Relations 48 for Business)発足。2018年から多目的スペースOSpace管理人。中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」登録専門家。メルマガ「不定期ビジネスニュース」管理人。起業家支援イベント「N-1グランプリ」実行委員。
【Team N+1】http://hitouch0520.wix.com/team-nplus1
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