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副業時代が到来?副業のメリットや解禁時の注意点とは?

2018.08.27 / 名古屋

熊本 健人(くまもと たけひと)

弁護士法人ベリーベスト法律事務所

こんにちは。ベリーベスト法律事務所・弁護士の熊本健人です。
今回のテーマは「副業、兼業」です。

最近、ニュースなどで頻繁に出てくるワードですね。なぜ副業、兼業がいま話題になっているのでしょうか。

背景には、人口減少、終身雇用の終焉、個人が主役の時代の到来など様々な要因がありそうです。政府が働き方改革で副業、兼業を推進していることからも、今後は多様な働き方が増えていくことが予想されています。


副業希望者は、就業者の5.7%



副業、兼業を希望する人は年々増加傾向にあります。
2012年時点のデータですが、副業、兼業希望者の就業者全体に占める割合は、20年間で1.3%増加し全体の5.7%です。


その理由は、やりたい仕事である、十分な収入を確保したいなど様々です。

労働者にとっての副業、兼業のメリットは、先が読めない時代におけるリスクヘッジ、自己実現の追求、所得の増加などでしょう。
企業にとっては、人材育成、優秀な人材の獲得・流出防止、オープンイノベーションの促進、つまり、新たな知識・顧客・経営資源の獲得などがメリットとして挙げられています。

他方で、実に85.3%の企業が副業、兼業を認めていないというデータもあります(中小企業庁委託事業「平成26年度兼業・副業に係る取組実態調査事業」参照)。


そもそも勤務時間外の過ごし方は労働者の自由ですから、副業、兼業を全面的に禁止する就業規則の規定等は無効とされてしまう恐れがあります。

もっとも、競業や情報漏えいの恐れがある場合、本業への支障や労働者の健康上の問題を生じさせる恐れがある場合、本業の社会的評価を下げてしまう恐れがある場合などには、副業、兼業を制限することも許される場合があるでしょう。

働き改革のもと副業、兼業の促進がなされている時代の流れからすると、企業は今後、副業、兼業を解禁する方向にシフトせざるを得ないかもしれません。


副業解禁時の注意点



副業、兼業についての気になる法律問題について少し触れておきます。

その1、残業代の支払いについて
まず、残業代は誰が払うのかという問題があります。

例えば、事業主Aのもとで1日6時間働き、事業主Bのもとで4時間働いた場合の残業代は、どちらが支払うことになるのでしょうか。

答えは、事業主AとBのうち、後から労働者と労働契約を締結した者です。
その理由は、後から契約を締結する事業主は労働者が他の事業主に雇用されていることを確認したうえで契約を締結すべきという考えによります。

その2、社会保険適用の問題
次に、社会保険の適用の問題があります。

社会保険の適用要件は事業所毎に判断されるため、複数の事業所の労働時間を合算して適用要件を満たしていても適用されません。これは労働時間を合算する残業代の問題とは異なることになりますね。

その3、税金の問題
最後に、税金の問題です。

副業、兼業を行って20万円を超える副収入がある人は、企業による年末調整ではなく個人による確定申告が必要になりますので、これは注意が必要です。

この他にも法律問題はありますが、厚生労働省のHPに副業、兼業の留意点を示したガイドラインモデル就業規則がありますので、副業、兼業を考えている人や企業の労務担当者は参考にしてみてはいかがでしょうか。

副業、兼業は、やり方次第では個人にも企業にも良い影響をもたらします。
重要なことは、個人と企業の間でしっかりとコミュニケーションを図り、重要な事項について取り決めを行うことです。

今後、副業や兼業などの多様な働き方によって、より良い社会になっていくことを願うばかりです。

筆者プロフィール

熊本 健人(くまもと たけひと)
神戸大学法科大学院修了後、司法試験に合格。
現在、弁護士法人ベリーベスト法律事務所に在籍中。
共著に、「こんなときどうする製造物責任・企業賠償責任Q&A」。

労働法務に関する問題は、近年、多様化・複雑化しており、
企業が抱える問題は様々です。
時代の流れを常に把握し、各企業の実情に応じた
最善のリーガルサービスをご提供いたします。


弁護士法人ベリーベスト法律事務所 https://www.vbest.jp/

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