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「カイゼン」×若手×シニア 業務の見直しと多様な人材活用で経営課題を解決

2018.09.21 / 名古屋

ヒトクル事務局

有限会社キタガワビジネスサービス
取締役 北川信央さん

こんにちは、ヒトクル事務局です。

創業から80余年を数える北川グループは、木材加工と人材サービスを主軸に複数の事業を展開する静岡市清水区の老舗企業。

経営者の世代交代を機に旧態然としていた経営の改善に取り組み、残業ゼロ、シニアや女性社員の活躍という大きな成果を上げています。平成29年度には「女性の活躍応援事業所大賞」を受賞し、働き方改革やダイバーシティ推進の好事例としても注目されています。

同社取締役の北川信央さんに、残業の削減やシニア、女性活用をどのようにして成功に導いたのか、具体的な取り組みについてお話を伺いました。


世代交代を機に経営状況の見直しをはかる


経営の課題解決に取り組まれたきっかけを教えてください。

2007年、私が大学生の時に先代社長の父が他界し、しばらくは母が後を継いで経営を担っていました。私は大学卒業後、公認会計士として東京で仕事をしていたのですが、5年前の2013年に静岡に戻り、事業を継承するために当社に入社しました。

当社グループの原点でもある木材加工は、完全なOEM生産のため利益を上げるためにはコスト削減が不可欠です。そのためにはどうしたらいいのか?を日々考えました。

私自身、入社するまで製造業とは無縁だったのですが、経営の課題を見つけるにはまず会社の業務をすべて把握しなくてはと考え、入社してから2~3年間はほぼ毎日工場に入り、原材料の仕入れから製造工程、機械の操作など、モノづくりの現場を身をもって体験しました。

だんだんとモノづくりの面白さにハマってしまい、現場にいる期間が当初の予定より長くなってしまったのですが(笑)


作業の細分化で、シニアや女性でもできる仕事が増えた


実際に現場に入って見えてきた課題とは?
オペレーションの問題が生産効率の妨げになっていたことに気づきました。木材加工は昔からベテランの男性社員に頼っている部分が多く、一人で様々な工程を担うために生産効率が低かったのです。

そこでオペレーションの煩雑さや無駄をなくすために、業務の整理、細分化、再統合を徹底しました。

「これはすべて男性の熟練者が一人でやるべき作業なのか?」
「ここからここまでは初心者でもできるのではないか?」
「いくつかの工程に分ければ簡略化できるのでは?」

と、ひとつずつ丹念に検証していきました。

例えば材料をラインの近くに置くようにして、社員の移動距離を減らす。一つ一つ手作業で材料をセットしていた工程を、自動的に材料がセットできるように改善する。重い材料を体力がない人でも運べるように工夫する。

そういうことの積み重ねをしてくうちに、シニアや女性社員でもできる仕事が増えて分業が進み、生産効率も上がってきました。また、「未経験でもできる簡単な仕事です」と謳うことで、シニアや女性の採用もしやすくなりました。

ここ数年でシニアや女性の社員比率がどんどん上がり、現在は製造請負部門においてパートも含めると女性が全体の36%、60歳以上のシニアが56%を占めています。人材難の時代にシニアや女性を戦力にできるのは当社にとって大きな強みであり、今後もシニアや女性の採用を積極的に進めたいと考えています。


   変化していく環境に適応できる組織作りを標ぼうしている



業務の細分化や「カイゼン」の積み重ねで残業ゼロに


残業がほとんどなくなったのも大きな成果ですね。
細分化、再統合と並行して業務の「カイゼン(改善)」を徹底しています。これはトヨタの生産方式として有名ですが、現場の作業者が中心となって知恵を出し合い、生産現場の作業効率や安全性の向上をはかる活動です。

数年前までは夜8時頃までの残業が当たり前でした。ひとつの仕事に対して専任の社員がやるしかなかったので、遅くなっても仕方ない、と。しかし現在は仕事の細分化が進んで仕事の分担が可能になり、定時にほぼ全員退社できるようになりました。残業がなくなって家事や育児との両立がしやすくなったと、特に女性社員たちに喜ばれています。

私は「毎日ひとつの改善を」と社員に提唱しています。ほんの些細なことでも、自分たちで気づいて変えていくことが大切なんです。


経営者自らが動いて社員たちの理解を得る


従来のやり方の見直し、刷新に異論はなかったのですか?

正直、最初は社員の反発も多かったです。「長年このやり方でやってきたのに、どうして変えるんだ?」と。そういう時は理論だけでは納得してもらえないので、相手の感情を大切にしながら、提案を受け入れてもらえるように努力しました。

そして、自分が実際に動くことを心がけました。とはいっても、当初は反対されては再び提案する…の繰り返しでした。そのうちに少しずつ作業が楽になり生産効率が上がってくると、社員たちも意欲的に「カイゼン」に取り組んでくれるようになりました。


シニア×若手で社内が活性化。数字に見えない部分を大切に


シニアスタッフの活躍でどんな効果が生まれていますか?
また、北川さん自身が気づいたことは?


   「昔からおばあちゃん子だったんですよ」と言う北川さん

当社はシニアにこだわるというより、社員の多様性を大切にしています。年齢も性別も偏るのはよくない。多様な人たちが共存し、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら、誰もが自分の力を発揮できる会社がこれからの時代に求められているからです。

そこで、若手とシニアがうまくタッグを組めるしくみを考えました。工場のチームリーダーを20代の若手に任せ、彼らが生産管理やチームのシニアスタッフのマネジメントも行っています。当初は「大丈夫かな」と不安な顔をしていたベテランやシニアの社員たちも、彼らをあたたかく見守りアドバイスをしてくれるようになり、若手たちも年々大きく成長しています。

当社には世代の断絶はなく、若者とシニアが楽しそうに雑談している姿をよく見かけます。シニア世代は勤労意欲が高く、仕事への感謝や礼節、整理整頓など、今の日本人が忘れかけている大切なことを、私たちに教えてくれます。和やかな雰囲気や円滑なコミュニケーションというのは数字には出ないのですが、会社の活性化のために非常に大切なことです。

私自身、会計士という前職でPL、BSなど数字を読んで課題解決する仕事でしたが、数字には見えない部分に課題解決の大きなヒントが含まれているという事例が多くありました。今後もそういった部分を大切にしていきたいと改めて感じています。

(取材日:2018年9月4日)

取材を終えて

公認会計士ならではのロジカルな視点をベースとしながら、実際に製造の現場に入って業務をすべて見直すことから、課題解決の糸口を見つけた北川さん。

将来は、会計士として培った起業支援や経営課題解決のノウハウをを活かして、自社だけではなく、静岡のさまざまな企業の活性化をサポートしていきたいと夢を語ってくださいました。
その第一歩として来春には、育住接近型のコワーキングスペースを静岡市葵区安東にオープンの予定。これからも多方面での活躍を楽しみにしています。

北川さん、本日はお忙しい中、取材にご協力いただき、ありがとうございました。


いかがでしたでしょうか。
今回は、静岡県静岡市で木材加工と人材サービスをしている会社で、経営の課題解決に取り組み、残業ゼロ、シニアや女性社員の活躍に成功した事例をご紹介いたしました。

今後明らかに、若年層の人材確保はますます厳しくなることが予想されます。シニア、女性の活用ができる職場に、今から舵をきることが経営基盤の強化につながっていくと言えるのではないでしょうか。

ヒトクルでは、シニア・女性採用に関するお役立ち情報を今後も配信してまいります。


取材協力
北川グループ/北川木材工業株式会社 有限会社キタガワビジネスサービス 有限会社巴川加工所 有限会社北川エンタープライズ
静岡県静岡市清水区東大曲町9-10
事業内容/木材加工、人材ビジネス
HP/http://www.kitagawa-group.jp/kitagawa_bs/index.html

筆者プロフィール

ヒトクル事務局
東海地域の店長・人事担当のみなさまのお役に立てるよう、日々様々な情報を収集・配信しているサイトです。地域のトレンド情報やノウハウ、採用成功事例や各種データなど、配信コンテンツは多岐に渡ります。また、月に1回程度のペースで、セミナーを実施しています。この採用難の時代を乗り切るべく、少しでも多くの方々のお悩み解消につながれば幸いです。

「ヒトクル」は、株式会社アルバイトタイムスが運営しています。

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