イベントは広報・採用メディアだ!

2018.11.09 / 名古屋

三ッ口 洋一

Team N+1 代表

イベントを採用・広報の切り口から考えてみよう


中小企業の社外広報部を目指すTeam N+1の三ッ口です。
前回と前々回の2回にわたって、SNSによる広報や採用を考えるということで、FacebookとLINE@を取り上げました。

【Facebookは採用の役に立つか?】
http://hitokuru.atimes.co.jp/post_detail?id=653
【LINE@、求人に生かしてますか?】
http://hitokuru.atimes.co.jp/post_detail?id=677&r=nagoya

広報と一口に言ってもやり方やツールはいろいろです。「今はインスタ使わなきゃ!」「これからはZoomでしょ!」「メルマガなんてもう古い!」「バズるの難しいよ!」とかいろいろ騒ぐ人がいますが、全部「手段」の話です。何かを使えば、あるいはどこかに広告を出せば、人が来たり、物が売れる、というような単純な時代はすでに終わりました。

お客様にも求職者にも「企業としてのスタンス=あり方」が問われています。

でも難しいことではありません。

うちの会社は・・・
・「誰」を喜ばせる(楽しませる、困りごとを解消する、幸せにする)ために、
・どんな「スタッフ」(従業員、仕入先、パートナー企業)と、
・どんな「商品」(サービス)を提供しているのか。
ということです。

広報の基本は、上段の「誰」にそれを「どうやって伝えるか」です。皆さんの提供する商品のことを知らせるのに、どのツールがふさわしいかを考えます。ツールは「誰」の目に触れ、最終的には購入というアクションをして頂くための手段の一部に過ぎないので、必ずしも流行りすたりに振り回される必要はありません。

さて今回は「イベント」をテーマに考えます。

イベントと聞けば、まず採⽤のための合同企業展のようなものが思い浮かぶかもしれませんが、これについてはすでに語り尽くされていると思いますので、専⾨家にお任せします。それ以外のイベントとして、企業展、市⺠まつりのようなアピールイベントを採⽤・広報の切り⼝から考えてみます。




可能な限り露出、が基本


イベント出展には費用と人手がかかりますから、むやみやたらに出ればいいということではありませんが、可能な限り出展したいものです。商品やブランド名、社名をアピールする良い機会で、商品の拡販だけでなく求人にも有効です。就職先として、あえて知名度のない会社を選ぶ人はいないからです。

大掛かりなものですと、東京ビッグサイトで何日も開かれ、出展料だけで何十万円というような国際見本市もありますし、小さなものだと自治体や商工会が開く市民まつりのような展示商談会なら数万円で出展できたりします。大規模イベントには大規模ならでのメリットがありますが、今回は比較的規模が小さめの展示商談会を想定しています。


戦略設計が必要



戦略なんて言うと大げさかもしれませんが、出展の目的を明確にします。

・認知度向上(社名、ブランド名、商品・サービス名)
・直接セールス(ターゲットは来場者か、他の出展者か、その両方か)
・リサーチ(自社商品に対する評価や、潜在ニーズなどを探る)
・見込み客リストづくり(名刺、メルマガ・SNS登録など)
・求人(新卒、中途採用、パート・アルバイトその他)

いろいろできるからと、欲張って全部やろうとすると大変ですから、絞りましょう。

設計などと言うのは、入り口から出口までをスマートにつなぐ必要があるからです。ブースのデザインのことではありません(これも大事ですよ)。

ブースでチラシを配って、そこに印刷されたQRコードからLINEの友だちになってもらって、もれなくクーポンを進呈、来店すると特典が受けられる、とか、スタッフが調査票を持ってブースを訪問して名刺交換、回答してくれた方にノベルティを差し上げて、翌日お礼のメールを送って、一週間後にアポイントの電話、とかですね。

相手は人間ですからこちらの思惑通り動いてくれるかどうかわかりません。売り込まれたいなんて思っている人は誰一人いませんからね。ですから自分たち都合の強引な設定にならないように、自社の商品を購入した相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら作戦を練りましょう。


重要な目標設定


次に目標設定です。名刺を何枚いただく、とかノベルティを何個配る、とか売上はいくら、とかです。出展にかかる費用と成果が大きく乖離しては意味がありません。

わかりやすい数値目標を立てて、臨時雇いのアルバイトスタッフであっても、徹底したいところです。特に重要なのは、イベント終了後です。イベント当日、300人の名刺交換、冷やかしの100人を除いた200人に、イベント終了後14日以内に全員に電話。20人にアポイントをとり、3件の受注につなげる。こんな具体的な目標設定をするといいと思います。


そしてスケジューリングとシフトです



準備段階でいつまでに何をやるか、特に出展することを誰にどうやって伝えるかを考えなければなりません。ホームページ、メルマガ、プレスリリース、DM、SNSなど、利用可能なあらゆる手段を使って出展することを伝えたいですね。展示物を用意するのは当然として、チラシやお手紙ひとつ作るにも誰がいつまでに作っていつまでに出すというスケジューリングが大事です。

当日は誰が何をやるかという役割分担をします。可能なら全体を統括するマネージャーを一人置きたいものです。あらかじめどこに何人でと役割分担をしても、来客数や対応状況が当初の想定と異なったときなど、臨機応変にやり方や人員配置を変更したりします。またスタッフの問い合わせやトラブルを一手に引き受ける責任者でもあり、全体を監督します。

そして最も重要かつ忘れがちなのが、イベント終了後のフォロー体制です。これは必ず事前に決めておきます。当日回収したアンケートの集計や名刺のリスト化は誰がいつまでにやるのか、それを誰がいつまでに最終的な購入につなげるのか、というようなことです。

イベントは文化祭的なノリで準備は大変ながらも楽しく、やり遂げたときには達成感があるので、終わると燃え尽きてしまうことも少なくありません。しかしながら、当初の目的を思い出してください。

⽬的はイベントの運営を成し遂げることではなかったはずです。あくまで最終的なアクションをいつまでに、でしたよね。よく伺うのは、いただいた名刺を机の上に積み上げたまま放置、誰も⼿をつけることなく賞味期限切れみたいな話です。ですから事前に担当と期限を決めておくのです。これは商品のPRでも採⽤イベントでも同じですね。


そして何をアピールするか?これが一番重要


くどいですが、繰り返します。あなたの会社は

・「誰」を喜ばせるために、
・どんな「スタッフ」と、
・どんな「商品」を提供しているのか。

伝える相手は「誰」です。そのほかは必要ないくらいの気持ちで割り切ります。「誰」が気になるキーワードや「誰」が目を止めたくなる工夫が必要です。インパクトのあるコピーや展示を考えたいです。商品で言えば、あなたのお困りごとをうちの商品はこんなふうに解決できますよ、わたしたちはあなたにこんなことをして喜んでいただけるはずです、こんなことがこんなコストで実現できたら良くないですか、という感じのメッセージです。

求⼈の場合は対象は上段の「スタッフ」ですね。こういう⼈が欲しいんだということを明確にする必要があります。うちに来ればこんな仕事ができるぞ、こんな人たちのお役に⽴てるんだ、こんな環境を⽤意してあなたを待っているぞ、⼀緒にこういう仕事をしないか、あなたを待っている社⻑や仲間はこんな⼈たちだ、というようなことを伝えたいですね。


従業員教育にも有効



こうしたイベント出展は臨時の社内チームのプロジェクトとして取り組むと良いです。社内コミュニケーションのトレーニングになるでしょうし、意外な?逸材の発掘にもなることもあります。

小さな成功体験が従業員の自信をつけ、成長につながると思います。小さなものからで良いので挑戦してみませんか?目には見えないかもしれませんが、得られるものは大きいです。

知名度向上、商品アピール、採用、市場調査、従業員教育など、さまざまな広報メリットがあるイベント出展。イベントそのものがメディアなのです。秋はたくさんの○○フェア、○○メッセ、○○産業まつりが各地で開催されますので、地元で開催されるいくつかのイベントの会場に足を運んで、ぜひ自社が出展するとしたらどんな感じになるかなとイメージを膨らませてみてください。

筆者プロフィール

三ッ口 洋一
1961年名古屋市生まれ。プロトコーポレーションと中部経済新聞社で、雑誌編集、経済部記者、ビジネスセミナー開催、広告営業、フェイスブックページ運営などを手がける。約30年間のメディア業界で得たノウハウと2万人を超える人脈とで「中小企業のための社外広報部」というニーズに応えるべく2014年独立。2016年には名古屋女子広報チームNPR48B(Nagoya Public Relations 48 for Business)発足。2018年から多目的スペースOSpace管理人。中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」登録専門家。メルマガ「不定期ビジネスニュース」管理人。起業家支援イベント「N-1グランプリ」実行委員。
【Team N+1】http://hitouch0520.wix.com/team-nplus1
【OSpace】https://hitouch0520.wixsite.com/ospace
【名古屋セミナーポータル】http://www.seminar-portal.org/

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