採用活動に目を向けた広報対策(後編)

2019.02.04 / 愛知・岐阜

三ッ口 洋一

Team N+1 代表

あなたの会社は何のために存在しているか?


中小企業の社外広報部、Team N+1の三ッ口です。

前回、愛知・岐阜・三重各県のよろず支援拠点の共催で、『「働き方改革」を活用して人手不足時代を乗り切るセミナー』、というものに講師の一人としてお招きいただいたときのお話をしました。主に働き方改革の捉え方と助成金の活用がメインのセミナーでしたが、私の担当はその中では少し異質な「採用活動に目を向けた広報対策」でした。

※採用活動に目を向けた広報対策(前編)

当日、お伝えしきれなかったことを含めて、私が中小企業の経営者や人事部門の皆さんにお伝えしたいことを書きますね。

「あなたの会社は何のために存在していますか?」

いきなり本質を突く質問ですが、「ちゃんと」答えられるでしょうか?あなた自身が理解しているかどうかではなく、あなたの言葉で他者に説明できますか?それを聞いて子供でも理解できますか?従業員の誰に聞いても同じような答えになるでしょうか?

「私たちは企業活動や仕事を通じてこういうことがしたいんだ」それだけです。でも一言で表現するのはなかなか難しいかもしれませんね。でもこれがないと欲しい人は採れないと言っても過言ではありません。採れたとしてもそれはたまたま運が良かったか、すぐ辞めてしまうかもしれません。

あなたにとって最もよいお客様は誰か?



もし、うーむと悩んでしまったら、こう考えてみて下さい。
「私たちは誰を喜ばせたいのか?」

企業活動はすべからく、社会の課題解決をしています。深刻だったり、大げさな話ばかりではなく、たとえば娯楽ビジネスは「余暇を充実させたい」という誰かのお困りごと(ニーズ)に応えています。

でもお客様は年齢も性別もいろいろですし、自社の商品やサービスを買ってくれれば誰でもいいんだと思われるかもしれません。ただ皆さんにとって「一番いいお客様」が誰なのかを知ることは重要です。

何度も買ってくれたり、人にすすめてくれるようなお客様です(難しい言葉でロイヤルカスタマーなんて言います)。その方たちが喜んでくれるような商品やサービスを提供すれば、ビジネスはうまくいくはずですよね。お客様も皆さんもそれが嬉しいと思います。

ですから、その方たちの喜ぶ姿を常にイメージして欲しいのです。顔が浮かんできましたか?それをメッセージに乗せましょう。私たちはこんなあなたのお役に立ちたいと。キーワードや言い回しをいろいろ変えて、コピーをひねります。経営理念、社是、社業の目的、キャッチフレーズ、スローガン、合い言葉、そういうものができあがるはずです。


伝えましょう



皆さんは会社やビジネスの目的を達成するために、人材を必要としています。どんな人が私たちの仲間にふさわしいのか?先ほどのロイヤルカスタマーをイメージするのと同じことです。

高学歴で実務経験が豊富、明朗・健康・独身で年齢は若いほうが・・・そんな人をイメージするなとは言いませんが、失礼ながらあなたの会社の待遇とマッチするでしょうか?そのあたりも含めてリアルなイメージをして下さいね。

「挫折経験のある者に、うちの会社に来て才能を開花させて欲しい」とおっしゃる経営者にお会いして、感動したことがありますよ。

そして「私たちと一緒にこういうことをやりたい人はいないか?」とメッセージを送ります。手段は何でも構いません。ウエブサイトでもSNSでもグーグルマップでもメッセージは送れます。もちろん既存の求人媒体がより強力であることは言うまでもありません。


「宣伝をしない」という選択の意味



「前編」では伝える手段としてメディアとSNSの活用についてお伝えしました。ほかにも宣伝やアピールをする方法は無数にあります。予算も含めて、どの組み合わせが最適かを考えるのが私たち広報コンサルタントの仕事です。広告費をどれだけかけるかではありません。ご自身で研究して、無料サービスを組み合わせれば見た目の費用はかかりません。ただ勉強して、試行錯誤する間の時間を消費します。

また、全く宣伝をしない(ウエブ上に情報がない)ということは、自社の店舗、商品、サービスが存在していないことを宣伝しているのと同じことです。ブランドネームやよほどの商品力がない限り、これは就職先を選ぶ人からすれば致命的だと言えるでしょう。就職先を考えるのに、わざわざ名前も聞いたことのない会社を選ぶ人はいないと思いませんか?


会社は社員と顧客を幸せにするためにある



ビジネスはお金儲け、企業は利益出してナンボ、と考えていらっしゃる方も多いかもしれません。間違いではありませんが、今どきの若者の多くは豊かな時代に育った世代です。物欲より人間関係や承認欲求を重視する傾向にあるように感じます。

本気でお金を稼ぎたいなどと思っている人や行動力や才能がある人は、会社勤めなどせず、さっさと起業するでしょう。そういうことが難しくない時代になりました。

甘ったれるなと言われるかもしれませんが、従業員は「自分を幸せにしてくれる組織」を会社に期待しています。そういう時代になってしまったのだとしたら、応えてあげようではありませんか。

こんな顧客を笑顔にしよう、私たちにはそれができる。そのことに私たちも幸せを感じよう。いま共感できるような人を求めているんだ。大変なこともたくさんあるが、嬉しいこともたくさんある。一緒にやらないか。

こんな感じでしょうか?

いくら顧客を喜ばせられても、それが従業員の過度な負担により実現していては意味がありません。社員を不幸にするような会社は社会が必要としません。いま業績がどれだけ良かろうが、いずれ退場は必至です。

皆さんの会社の商品やサービスの存在を未だ知らず、でも心待ちにしている人がたくさんいるように、皆さんの仕事を一緒にやりたいという人はたくさんいるはずです。未来のお客様、未来の仲間に向けてメッセージを発しましょう。

筆者プロフィール

三ッ口 洋一
1961年名古屋市生まれ。プロトコーポレーションと中部経済新聞社で、雑誌編集、経済部記者、ビジネスセミナー開催、広告営業、フェイスブックページ運営などを手がける。約30年間のメディア業界で得たノウハウと2万人を超える人脈とで「中小企業のための社外広報部」というニーズに応えるべく2014年独立。2016年には名古屋女子広報チームNPR48B(Nagoya Public Relations 48 for Business)発足。2018年から多目的スペースOSpace管理人。中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」登録専門家。メルマガ「不定期ビジネスニュース」管理人。起業家支援イベント「N-1グランプリ」実行委員。
【Team N+1】http://hitouch0520.wix.com/team-nplus1
【OSpace】https://hitouch0520.wixsite.com/ospace
【名古屋セミナーポータル】http://www.seminar-portal.org/

関連するワード

あわせて読みたい