プレスリリースのカギとなる記者クラブとは?

2018.07.02 / 名古屋

三ッ口 洋一

Team N+1 代表

プレスリリースはどう打つの?


中小企業の社外広報部を目指すTeam N+1の三ッ口です。
前回、情報をメディアに向けて発信しよう、そのためにプレスリリースを作ろう、じゃあプレスリリースって何なの?という記事を書きました。

広報のツール、プレスリリースとは?

プレスリリースとは『報道機関(プレス)に情報を流すための文書』でしたね。新聞や番組、雑誌、ネットニュースメディアなどに取り上げてもらいやすくするために伝えたいことを文書に整理して提供するわけです。

今回は「わかりました、文書にすればいいんですね。はい、作りました。で、次はどうするんですか?」ということです。


どこへ持っていけばいいの?


プレスリリースは各社一斉に、が原則です。あなたの街を担当するメディアの担当者に向けて行います。

6⽉19⽇と⾔えば、⼤阪で⼤きな地震が起きた翌⽇、サッカーのワールドカップで⽇本チームが強豪コロンビアチームを下した⽇です。みなさんもきっとご記憶でしょう。この⽇、加計学園が『電撃的に』『岡⼭市の本部で』職員の不祥事に対する謝罪記者会⾒を開いたのですが、地元メディアだけを対象にして、全国ネットのテレビ局の記者らを締め出したことが批判されました。

開始2時間前(!)に各社に連絡した、というのが『電撃的に』と表現したゆえんですが、これでは真意はどうあれ『取材に来て欲しくない』とか、『他の大きな話題に紛れて扱いを小さくしたい』『記者会見はやったというアリバイを作りたい』と受け取られても仕方ありません。

広報の視点から見れば、日本大学が危険タックル問題の会見で犯したミス(あの時も2時間前でした)を、そこだけ倣ってどうするんだと思いますが、対応一つでイメージやブランドは簡単に毀損されます。逆もまた然りなので、この2つのケースからは大いに学びたいところです。

さて、話が逸れました。各社一斉に流すにはどうすれば良いのでしょうか?

最も効果的なのは一日で各社の取材拠点を回って直接訪問することですが、現実的ではないかもしれません。配信の方法は、他にもメール、ファックス、郵送などが考えられます。もちろんそれらもいいでしょう。もう一つが『記者クラブ』を利用する方法です。


『記者クラブ』ってどこにあるの?



およそ自治体で「◯◯市」とつけば、市役所の中に「◯◯市政記者クラブ」というような名前の部屋があります。その市の取材を担当するメディア各社がクラブの加盟社となり、会費を負担して一室を借りているのです。

一人の記者が複数の自治体を担当することも多いので、記者が常に駐在しているわけではありません。
主に行政担当者が情報(プレスリリース)、記者会見の案内などを持参します。市民団体や企業が持ち込むこともあります。大都市になりますと、市役所のほか、国の省庁や県庁、商工会議所、証券取引所、企業にもそれぞれ記者クラブがあります。

残念ながら、町役場や商工会の中にはないことが多いです。情報の内容によって持ち込み先が変わりますが、企業の場合、おおむね市役所か商工会議所になります。


『記者クラブ』を利用するには?


それぞれのクラブごとにルールがあります。まずは訪問するなり、お電話するなりして、手順を確認しましょう。ズバリ「メディアの皆さんに情報を流したいのですが、どうすればよろしいでしょうか?」と聞けばいいと思います。市役所の場合、秘書課、広報課、公聴課あたりが窓口になっていることが多いです。

「資料を◯◯部ご用意頂き、いつでもお持ちください」という好意的なクラブが多いのですが、電話問い合わせに対する「?」な回答としてはこんなものもあります。

「うちの市のPRにつながるようなことしかお受けできません(市内の企業なのに応援してくれないの?)」
「ホームページに各社の連絡先を載せていますので、直接ご連絡ください(じゃあ、何のためにあるの?)」
「発表の48時間以上前にファックスでお申し込みください(メールじゃダメなの?)」


プレスリリース申し込み時の注意



申し込み時に「レクはありますか?」と聞かれます。「レク」とは「レクチャー(説明)」のことです。プレスリリースには「レクあり」と「レクなし」があります。

「レクなし」とは資料を持参して配布だけをお願いします。

「レクあり」では記者からの質問に責任ある回答ができる人がリリースを行う際にクラブを訪問し、発表内容を補足説明します。必ずしも代表者である必要はありませんが、広告代理店や私のようなPR会社など、当事者ではない人がレクチャーを行うことはできません。

最初のうちは「レクあり」で申し込むのが良いと思います。レクありで申し込んで、気負って行っても誰も来てくれなかったなどということもあるでしょうが、ここは代表者自らが企業姿勢を見せたいところです。一度や二度は外すこともあると思っておいてください。

リリースの日時については、こちらの要望を伝えます。他の発表と重ならなければ受け付けていただけます。時間は15分から長くても30分程度に収めてください。月ー木の午前11時から遅くとも14時くらいまでの間で申し込みましょう。もちろんランチタイムは避けてくださいね。

土日はもちろんですが、金曜日はなぜ避けるのかおわかりでしょうか?新聞とは、前日の出来事をまとめて翌日の早朝にお届けするものです。金曜日の翌日は土曜日。当たり前ですが、お仕事が休みの方も多く、より多くの人に伝えたいビジネス情報を流すのには不向きです。そのことを逆手に取って『不祥事の発表は金曜日に』と言われたりします。

テレビでは逆に日曜日のニュースが不足しがちです。週末のイベントと言えば金曜日や土曜日に始まり日曜日に終わるものが多いため、何か仕掛けるのに日曜日は採用・紹介のチャンスかもしれません。


申込み受け付け後の流れ


申し込みが受け付けられると、事務専任者がいる比較的規模の大きい記者クラブではクラブ室内に日程が掲示されたり、メディア各社に案内を流してくれたりします。

規模だけではなく、広報担当者の熱意やクラブとしてのスタンスには温度差があって、残念ながらそうでないところも少なくありません。

また、連絡をしてもらえたとしても、「◯◯の件(発表者)」となるので、話を聞きたいとか伝えたいと思う内容でなければなりません。◯◯の件名がとても重要なんです。件名が記事や番組に採用されるかどうかを決めると言っても過言ではありません。

当日は申し込みの時間に絶対に遅れないように余裕を持って出かけましょう。

企業の決算発表が集中する毎年5月と11月には15分刻みで記者発表が行われ、ピーク時には2つも3つもの部屋で別々の企業が同時発表などということもある業界ですので、遅刻は企業イメージを損ないます。絶対に避けて下さい。

次回は、メディアに取り上げられやすいプレスリリースを解説しますね。

筆者プロフィール

三ッ口 洋一
1961年名古屋市生まれ。プロトコーポレーションと中部経済新聞社で、雑誌編集、経済部記者、ビジネスセミナー開催、広告営業、フェイスブックページ運営などを手がける。約30年間のメディア業界で得たノウハウと2万人を超える人脈とで「中小企業のための社外広報部」というニーズに応えるべく2014年独立。2016年には名古屋女子広報チームNPR48B(Nagoya Public Relations 48 for Business)発足。2018年から多目的スペースOSpace管理人。中小企業庁未来企業サポート「ミラサポ」登録専門家。メルマガ「不定期ビジネスニュース」管理人。起業家支援イベント「N-1グランプリ」実行委員。
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