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人件費に影響大!2023年4月適用の「月60時間超え時間外労働の割増率1.5倍」の対応策は実施済ですか?

2021.12.07 / 愛知・岐阜

芦川 竜亮

株式会社アルバイトタイムス

こんにちは、アルバイトタイムスの芦川と申します。
今月から、求人に関わる法律やタメになる知識をご案内させていただくコラムを担当させていただきます。

採用ご担当者さまは採用活動にあたり、法令遵守はもちろん様々な対応が必要ですよね。
そんなご担当者さまに、少しでもお力添えができるような情報発信ができればと思っております。

今後ともどうぞ、よろしくお願いいたします。

月60時間超の時間外労働で法定割増賃金率1.5倍以上



さっそくですが、2023年4月から法定割増賃金率が一部変更になることをご存知でしょうか?

例えば「時間外(残業)割増率はいくつ?」と聞かれた際に、【1.25倍以上】とパッと思いつきますよね。実は上記の【1.25倍以上】以外にも賃金割増が多数存在していることはご存知でしょうか?

まず、22時~翌5時に労働した際に発生する「深夜割増の1.25倍」です。次に、法律で定められた必要な休日に労働を行った際に発生する「休日労働の1.35倍」です。その他にも「深夜労働+時間外労働の際は1.5倍の割増」や「休日労働+深夜労働の際は1.6倍の割増」などが労働基準法で定めれています。

●割増賃金



そして…あまり知られてない法定割増賃金率がもう一つあります。それが「月の時間外労働が60時間を超えた場合」です。

「月の時間外労働が60時間を超えた場合には1.5倍以上の法定割増賃金率」が法律で定められておりますが、現在このルールが適用されているのは大企業*のみとなっております。

中小企業においては、月60時間を超えても割増率は通常時間外割増と同等の1.25倍での運用が可能な猶予期間が認められております。

この法定割増賃金率は、本来大企業だけではなく、中小企業などを含めたすべての企業に適用される割増ルールになります。
あくまでも、現在は中小企業に関して猶予期間としてルールの適用が免除されているだけで、猶予期間終了後からは中小企業も大企業同様に60時間超えの時間外労働に対して1.5倍の割増賃金を支払う必要があります。

現行の時間外割増以上の割増賃金を支払う可能性があると、残業が多い企業さまは人件費で非常に頭が痛い内容だと思います。

*大企業…資本金5000万円~3億以上、従業員50人~300人以上の企業。(業種によって異なります)




では、この猶予期間はいつまでなのかというと…【2023年3月末】までです。
要は2023年4月からは大企業、中小企業関係なくすべての企業において、1.5倍の割増率が適用されます。

本記事執筆の2021年12月現在から、あと1年ちょっとでそこまで来ている…
ただ、考え方を変えればまだ1年あるわけですから、猶予期間終了までに対応を行うことでダメージを最小限に抑えることができます。


適用まであと1年。考えられる対応策とは?



いくつか考えられる対応策を上げさせていただきます。

1つ目は「労働時間の適正把握」です。

労働者の現状の労働時間が適正であるかを把握することが重要です。

業務内容・フローの整理、業務担当者の確認、部門別の労働時間を把握し、業務に偏りがある場合は是正するなど、時間外労働の見直し・平準化をしていきましょう。

それでも60時間を超える労働者が多い場合には、新たな雇用なども視野に入れ、最適な方法を検討していきましょう。

2つ目は「業務の効率化」です。
労働時間を減らすための一番の近道は業務効率の向上です。機械化や業務のマニュアル化などを行うことで時間外労働削減だけではなく、生産性向上にも繋がります。

ただ、設備投資などの費用負担もあるため、貴社の方向性や財務状況なども鑑みながらご検討いただくことをお勧めいたします。

3つ目は「代替休暇制の検討」です。
代替休暇とは月に60時間を超える時間外労働を行った労働者に対して、60時間を超えた時間外割増分の代わりに有給休暇を付与する制度です。

この制度により、60時間を超えた割増分の労働時間を有給化に返還し、人件費の抑制や労働者の健康保持への寄与が考えられます。

ただし、制度の利用には労使協定の締結が必要であること、労使協定を結んだからと言っても、代替休暇を取得するか否かの判断は労働者に委ねられるなど、不確定な部分や細かいルールがあります。

よって「代替休暇制度」は、1つ目、2つ目の策が難しい場合に検討する手段と考えていただく方が良いかもしれませんね…。



今回は、2023年4月に迫る「法定割増賃金率引き上げ」についてお伝えさせていただきました。今後も採用活動のお役立ち情報、求人時の注意点などをお伝えさせていただきます。

それでは、次回のコラムでまたお会いしましょう!

筆者プロフィール

芦川 竜亮
2012年に株式会社アルバイトタイムスに中途入社。
静岡エリアの求人営業を約4年担当後、2017年から社内規定などを管轄する広告審査室(現内部監査室)へ配属。企業様、求職者様に安心して利用できる求人媒体を目指し、日々精進中。

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