【画像&事例付き】ハローワークでの求人の出し方は?手続きの流れや注意点を解説

【画像&事例付き】ハローワークでの求人の出し方は?手続きの流れや注意点を解説
目次


求人といえばまずハローワークを思い浮かべる方が多いですが、どのように掲載すればよいでしょうか。
本記事では、ハローワークでの求人の出し方や手続きの流れ、求人票の書き方で注意するポイントについて例文を交えて分かりやすくていますので、ぜひ参考にしてください。

正しい使い方してますか?ハローワーク活用テクニック

「ただ出しているだけ」「まったく応募がない」という方へ向けて、ハローワークのポテンシャルを最大活用するテクニックについてご紹介します。


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ハローワークとは

ハローワーク(公共職業安定所)は、就職や転職を支援してくれる厚生労働省の機関です。

仕事の紹介だけでなく、企業への問い合わせや面接日の調整、応募書類の添削、面接指導、雇用保険に関連する手続き、職業訓練など、求職者・事業者に向けた幅広い業務を担っています。

ハローワークは全国500ヶ所以上にあり、どのサービスも無料で利用可能です。

現在はインターネットサービスが整備され、求人をスマホやパソコンから検索・応募できるなど、より身近なシステムとなっています。

ハローワークインターネットサービスとは?事業者にも求職者にも便利なツールを解説

インターネットサービスの月間アクセス数は6800万件以上で、就職面接会、会社説明会、見学会なども開催されています。

ショッピングセンターの一角などを中心に、より気軽に相談できる「ハローワークプラザ」、若い世代向けの「わかものハローワーク」、ママのための「マザーズハローワーク」、新卒向けの「新卒応援ハローワーク」など、働く年代や立場に応じたサービスも用意されています。

※ハローワーク以外にも「無料で利用できる求人サイト8選」
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ハローワークに求人を出すと費用はかかるの?

求職者が無料で利用できるハローワークサービスは、事業者が求人を出す場合も、すべて無料で利用できます。

ハローワークでの求人は、人材派遣会社や転職エージェントのように、求職者と事業者の間にスタッフが入ります。数多くの求人紹介に携わっているスタッフに、問い合わせや面接日時の決定業務など、無料で対応してもらえます。

2021年以降はオンラインサービスが拡充し、オンラインでの紹介やマイページを持つ求職者への直接アプローチも可能になりました。

これまでは電話やはがきを使用して、求人結果を求職者とハローワーク双方へ伝える必要がありましたが、これらの採用事務もオンラインで完結できます。

「ハローワークは面倒なイメージが強い」
という人事担当者も、現在は使い勝手が良くなっています。


求人にかかる費用を抑えたい場合は、わずらわしさが大きく低減されたハローワークサービスを活用してみましょう。

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ハローワークの求人の出し方(手続き方法)

ハローワークの求人の出し方には以下の2種類の方法があります。

1. ハローワークに出向き、紙の書類に必要事項を記入して窓口で手続きする
2.事前に会社のパソコンなどで仮登録し、ハローワークに出向いて本登録する

2021年9月21日からインターネット経由での登録ができるようになりました。求職者もオンラインで求人の検索が出来るようになっています。

【参考】2021年9月21日からハローワークインターネットサービスの機能がより便利になります!
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_20400.html


上記の2種類の手続き方法は記入する項目や必要書類は同じですが、手続きの流れが微妙に異なりますので注意しましょう。次のセクションで手続きの流れについて説明します。


求人手続きの流れ〜ハローワークに出向いて手続きする場合〜

ハローワークの求人手続きの流れを以下にまとめます。こちらはハローワークに出向いて手続きする場合です。

  1. 事業所を管轄するハローワークへ行く
  2. 事業所登録をする
  3. 求人申込書を書いて提出する
  4. 求人票を受け取る


1.事業所を管轄するハローワークへ行く

まず、自社の求人を出したい事業所が管轄されているハローワークへ行きます。

ハローワークは全国に544ヶ所あり、それぞれ管轄区域が決まっています。ハローワークのホームページで自社の管轄を調べてから行きましょう。

【参考】全国のハローワークの所在案内
https://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html


2. 事業所登録をする

ハローワークに着いたら事業所情報を登録をします。事業所登録には以下の2枚の書類に記入する必要があります。事業所登録及び求人申込書の登録は、ハローワーク内のパソコンで登録することもできます。


● 事業所登録シート①
● 事業所登録シート②(事業所PR情報)※任意


事業所登録シート①に記入する項目は以下の通りです。

登録した内容は、「求人票」に共通して掲載され、求職者に提供されますので、わかりやすく正確に記入しましょう。

  • 企業基本情報 
  • 事業所基本情報
  • 事業内容、会社の特徴 
  • 従業員数、加入保険、年金などの細かい情報 
  • 就業場所の情報

事業所登録シート②(事業所PR情報)に記入する項目は以下の通りです。
登録した内容は、「求人票」には掲載されませんが、ハローワークインターネットサービス、ハローワーク内に設置されたパソコン(検索・登録用端末)を通じて公開されます。

  • 代表的な支店・営業所・工場等 
  • 福利厚生・研修制度
  • 両立支援の内容 
  • 障害者に対する配慮に関する状況

事業所登録をするのは最初の1回のみです。2回目からは登録の必要はありません。ただし、登録情報に変更があった場合は変更手続きをしないといけません。


3. 求人申込書を書いて提出する

事業所登録が出来たら求人申込書を書いて提出します。初めてハローワークを利用する際には事業所登録と一緒に求人申込書も書いて渡します。3枚も書類を書くのはなかなか大変ですが、書類の充実度に応じて求職者の反応も変わりますのでがんばって書きましょう。


求人申込書に書く項目は以下の通りです。

  • 求人区分(フルタイム、パートなど) 
  • 仕事内容や職種 
  • 賃金や手当 
  • 労働時間 
  • 保険・年金・定年など 
  • PR情報 
  • 選考方法

書けたらハローワークへ提出します。
このとき、メールアドレスがあれば求人者マイページのアカウントも窓口で発行されるので、一緒に手続きをしてしまいましょう。


4. 求人票を受け取る
ハローワークで求人票が出来たら、それを発行してもらえますので受け取ります。受領した求人票は、同じものがハローワーク内の情報端末、掲示板、インターネットサービスなどで公開されます。求職者の応募を待ちましょう。


求人手続きの流れ〜インターネットで事前手続きをする場合〜

会社などのパソコンからインターネットを通じて仮登録する場合には以下の流れで行います。事業所登録と求人情報の入力を事前に登録してから、ハローワークで本登録する方法です。

  1. ハローワークインターネットサービスにアクセスする
  2. 求人者マイページのアカウント開設をする
  3. 事業所登録をする
  4. 求人情報を入力する
  5. ハローワークに出向き本登録をして、求人票を受け取る


1.ハローワークインターネットサービスにアクセスする

以下のサイトがハローワークインターネットサービスです。まず、こちらにアクセスしましょう。

【参考】ハローワークインターネットサービス

https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html


2. 求人者マイページのアカウント開設をする

インターネットから手続きするには先に求人者マイページのアカウント開設が必要です。トップページの「事業所登録・求人申込み」をクリックし、以下の情報を入力して開設をしましょう。

  • メールアドレス
  • パスワード

【参考】求人者マイページ開設方法
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/enterprise/ent_establish.html


3. 事業所登録をする

企業の基本情報と事業所の基本情報を登録します。登録する項目は以下の通りです。

  • 法人名、所在地、設立年、資本金などの基本情報 
  • 事業内容、会社の特徴、社会保険、定年制、育児休業制度など、企業の詳細情報 
  • 事業所の就業場所についての情報 
  • 事業所のPR情報(主要取引先や年商など)
  • 事業所の外観や仕事中の写真など 



4. 求人情報を入力する
次に以下の通り求人情報を入力します。

  • 求人区分(フルタイム、パートなど) 
  • 仕事内容や職種 
  • 賃金や手当 
  • 労働時間
  • 保険・年金・定年など 
  • PR情報 
  • 選考方法 


5. ハローワークに出向き本登録をして、求人票を受け取る
仮登録が終わったら本登録のためにハローワークに出向きます。窓口で入力した内容の確認と手続きをします。求人票が出来たら、それを発行してもらえますので受け取ります。求人票は受領したものと同じものが公開されます。求職者の応募を待ちましょう。

正しい使い方してますか?ハローワーク活用テクニック

「ただ出しているだけ」「まったく応募がない」という方へ向けて、ハローワークのポテンシャルを最大活用するテクニックについてご紹介します。


求人申込書の項目と書き方

ハローワークの求人申込書は、細かく項目が設定されています。たくさんの応募につなげるためにも、書き方を覚えて、求職者の興味を引き出す内容にしましょう。

それぞれの項目別に、書き方を解説します。

募集要項の書き方を解説|求職者が魅力を感じるポイントとは


職種

職種はできるだけ細かく、業務内容が分かるように記載します。
「営業」
「販売員」
「施設スタッフ」
といった漠然とした書き方ではなく、

「食材キット販売のルート営業」 
「高級紳士服ブランドの販売員」 
「アミューズメント施設の受付スタッフ」

このような形で、どのような作業が待っているのか、想像できる書き方にしましょう。


業務内容(仕事の内容)

業務内容は、求職者がもっとも気になる部分です。できるだけ細かく、詳しく書き込みましょう。

「一般事務」
「各種機械操作」
「教育に携わる業務全般」
「指定エリアの営業販促活動」

など、内容が分からない求人票では、応募をためらってしまいます。

仮に事務員を募集する場合、

「データ入力・管理」 
「officeソフトを利用した書類作成」 
「メールや電話での問い合わせ対応」 
「書類のコピー・ファイリング」 
「発注書や納品書の送付」 
「オフィス用品の購入・在庫管理」

など、該当する職員が担っている仕事を細かく書くと、希望に合っているかどうか一目で判断できるため親切です。

箇条書きにすると分かりやすいですが、

「簡単な事務仕事ですので未経験でもスタートできます」 
「用品購入時など、社用車(AT車)の運転業務があります」 
「研修制度があるため、仕事内容をしっかり覚えられます」 

といった短い文章でのアプローチも有効です。

必要なPCスキルの部分は、どのようなパソコン作業を予定しているのか、明確にしておきましょう。

「Wordを利用した文書作成」 
「Excelでの売上データ管理」 
「PowerPointを使用したスライド作成」 
「自社システムによるかんたんな発注・管理業務」 

など、求めるレベルを具体的に書いておくと、ミスマッチを低減できます。


賃金・手当

賃金部分は基本給や残業といった基本以外の部分もしっかり埋めておきましょう。特に重要なのが、自由に書ける「その他の手当等付記事項」という部分です。

労働にたいしてどのような手当てが用意されているのか、昇給のタイミング、平均月収例などを記しておくと、応募者が検討しやすくなります。


労働時間

就業時間や時間外労働の有無、休憩時間、シフトなどを細かく記入します。

若い世代を中心に、残業時間を気にする求職者が少なくありません。時間外労働の月平均時間をしっかり記載しましょう。

36協定における特別条項を有にする場合は、忘れずに条件を書いておいてください。


保険、年金、定年等

パート・アルバイトの雇用時など、事業者情報に登録した内容と違う制度を適用する場合は、この欄に記載します。特に変更がない場合は、何も書かずに提出してOKです。


求人PR情報

自社の魅力や入社するメリットをかき込めるフリーのメッセージ欄です。障害者への配慮例やサポート体制も記載できます。

PR情報は求人票に記載されないため、省略してしまう人事担当者が多いのですが、インターネットサービスや、求人・事業所PRシートで閲覧できる部分です。

企業理念や求める人物像、入社社員の待遇、残業や休日の考え方、独自の福利厚生、賞与実績、企業の売上や将来の展望、やりがいなど、良い部分をしっかり書きましょう。

広く欄が用意されていますので、すべてを埋めるつもりでメリットを伝え、応募者へアピールしてください。

求人PRで書ききれない内容があれば、申込書の最後にある、「求人に関する特記事項」にも記載できます。上手に活用して、伝え漏れがないようにしましょう。


選考方法

今回の選考方法を記載します。

書類選考からスタートするのか、面接からなのか、どこで面接をするのか、面接に必要な持ち物、応募書類の取り扱い、担当者情報などを、間違いのないように書き入れます。

この欄を見ながら、ハローワークスタッフが選考方法に沿って対応してくれます。
選考について、特別に伝えたい内容がある場合は、「選考に関する特記事項」に記しましょう。

「担当者の連絡先を明記せず、ハローワーク経由で連絡を受けたい」
という場合は、該当部分を空欄にした上で、ハローワークのスタッフへ該当情報を伝えてください。


求人申込書を書く際のポイント

求人申込書の内容が優れていれば、良い人材に出会いやすくなります。ポイントを抑えて、出会いたくなる求人申込書にしましょう。

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ポイント1:どこよりも詳しい情報を載せる

求人を成功させるには、ライバル企業に勝てる求人申込書が必要です。

同業他社がどのような内容で求人を出しているのか、しっかりリサーチした上で、ライバル企業以上のくわしい内容、待遇で求職者を迎えましょう。

休日や賃金、就業場所など、他の企業がテンプレート的に書いているのであれば、差をつけやすい部分です。

応募者目線で比較した時に、こっちの会社の方が良い! と感じる内容を意識しましょう。


ポイント2:年齢などの希望は現状で知らせる

求人には申込書には、年齢や差別につながる表現を記載できません。

ですが、子育てママ向けの抱っこアイテムを販売する企業の募集に、高齢男性の方が来てしまった、という場合、トレンドへの理解や時代に合ったアイデアが得られるかどうか、不安になるでしょう。

年齢や住まいなどの希望がある場合は、メッセージ欄を活用して、

「子育て世代が多く活躍している職場です」 
「書籍を取り扱うため、重い荷物を運ぶ作業があります」 
「都心を中心に転勤があります」 
「遠方の場合、テレワーク出勤(週1出社)可能です」

このような形で、企業としての希望ではなく、現状を伝える文章を添えましょう。


ポイント3:会社の雰囲気や魅力を伝える

この会社に入社したらどんなメリットが得られるのか。どのようなキャリアプランや未来が待っているのか。会社の福利厚生や社風はどうか。

など、会社の雰囲気や入社後にできることは、求職者にとって非常に興味深い部分です。これまでに就職・転職した社員がどのような成長を遂げているか。応募者にとって理想のキャリアを築けているのか、といった部分にも触れてみましょう。

企業に入社した後の未来が見える求人申込書を作成して、働きたい気持ちを引き出してください。


ポイント4.:ワークライフバランスをアピールする

特に昨今の若い人材は出世や高額な賃金よりもワークライフバランスを重視する傾向が強いです。つまり、私生活を犠牲にしてたくさん働いてたくさん給料をもらうよりも、給料はほどほどでよいから家族を大事にしながら楽しく働きたいと感じている人が多いのです。

若い人材を集めるためには働き方の多様さや社内制度をアピールしましょう。
例としては以下のようなものがあげられます。

  • テレワーク 
  • フレックスタイム 
  • 育休 
  • 年間休日の多さ 
  • 残業時間・休日出勤の少なさ


ポイント5: 客観的根拠を盛り込む

優秀な求職者を集めるためには、求人票でのアピールが非常に大事です。しかし、客観的根拠のない、証明のしようがないようなアピールの仕方では、逆にうさんくさく見えてしまいます。例えば、

「アットホームな職場です」

この文言は求職者から嫌われる求人票の代名詞のように言われています。なぜなら、アットホームかどうかは個人の感じ方の問題であって、客観的に判断しようがないからです。
求職者もそのへんの違和感はすぐに見抜きますので、客観的根拠のあるアピールをしましょう。例えば職場の雰囲気が良好であることをアピールしたいならば以下のように書くとよいでしょう。

  • 3年以内の離職率10%以下です 
  • 月に1回ランチミーティングを開催しています。費用は全額会社持ちです 
  • セクハラやパワハラ防止のため相談窓口の設置と社内研修を実施しています

このように、データや実際に行っている対策などは誰が見ても客観的に明らかになる事なので、書くと説得力が増します。


【注意!】求人票に書いてはいけないこと


労働者は各種労働法で保護されており、その規制は求人票にも及びます。つまり、求人票に書いてはいけない事項が存在するという意味です。それは主に以下の4つです。

募集要項とは?書いてはいけない表現などを知っておこう!


1.性別の制限や性差別表現


特定の性別のみを募集したり、性別ごとに採用枠を設けたりするのは男女雇用機会均等法で禁じられています。以下は全て違法な事例です。

  • 男性10名、女性5名募集(男女に枠を分けて募集する) 
  • 女性限定(特定の性別のみを募集する) 
  • 男性は基幹業務、女性は補助業務を担当していただきます。(男女で業務が異なる) 
  • 女性は未婚であること、子どもがいないこと(特定の性別のみに条件を課す) 
  • 「身長175cm以上」「体重70kg以上」(特定の性別のみに不利な条件) 
  • 「ウエイター募集」「セールスレディ募集」(特定の性別のみに該当する表現) 


ただし、職務の内容から特定の性別でなければならない合理的な理由がある職種については性別を限定しての募集が認められています。具体的には以下の職種です。

  • 演劇などの表現の分野(例:俳優、ファッションモデル) 
  • 防犯上の観点から男性が望ましい業務(例:警備員、守衛) 
  • 宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上、その他の業務の性質上、特定の性別でなければできない職業(例:巫女、女性更衣室の係員など) 
  • 法律により特定の性別による業務遂行が禁止されている職業(例:深夜業、坑内業務、危険有害業務、助産師) 
  • 海外で勤務する場合で、その国の文化により特定の性別でなければできない職業(例:イスラム諸国では女性の就労が制限されている場合がある)


2.年齢制限

求人の年齢制限については、原則的には認められません。ただし、以下の場合に限っては例外として認められています。

  • 定年年齢を上限とした無期雇用契約の場合 
  • 法律の規定により年齢制限がある場合 
  • 無期雇用契約の場合で、長期のキャリア形成を目的として若年層を雇用する場合
  • 技術やノウハウの継承のため、特定の年齢層の人材を雇用する場合 
  • 演劇などの役柄に合わせた年齢層の人材を雇用する場合 
  • 国の政策により特別の雇用促進の対象となる年齢層を雇用する場合(就職氷河期世代、シニア)

求人募集・採用時の年齢制限は原則NG|例外的に認められるケースも含め解説


3.差別につながる表現

求人は特定の属性だけを差別する表現は禁じられています。業務上の必要がある場合でも差別的にならないように表現を工夫する必要があります。

【NG例】

  • 人種、国家、国籍|「日本人限定」 
  • 性格|「明るい方」 
  • 身体的特徴|「容姿端麗な方」 
  • 出身地、居住地|「東京都内の方」 
  • 家庭環境|「帰国子女歓迎」など
禁止表現の内容禁止される表現の例許可される表現の例解説
人種、国家、国籍日本人限定
国籍不問
日本語が話せる方
中国語が堪能な方
能力の話に置き換えて書く
性格明るい方明るく接客対応ができる方性格の話から取り組み方の話に置き換えて書く
身体的特徴容姿端麗な方笑顔で接客対応ができる方身体的特徴の話から取り組み方の話に置き換えて書く
出身地、居住地東京都内の方地元で働きたい方歓迎地名を特定せず地元と表現する
家庭環境帰国子女歓迎バイリンガルの方歓迎能力の話に置き換えて書く
上記居合の本人に責任がない事項や、本来自由である事項〇〇党支持の方(支持政党)
〇〇がモットーの方(思想信条)
好きなことで生きていたい方(人生観)
記載不可上記も含め、これらは面接などで尋ねるのも不可


4.実態と異なる好条件

賃金や福利厚生などの労働条件が良いほうが、求職者が集まりやすいのは事実です。しかし、だからといって実態と異なる好条件を提示して集めてはいけません。
例えば、以下のような表記は不正競争防止法や景品表示法に抵触する可能性があります。

  • 他社と比較して優位性を誇示する表現 
  • 根拠のない最上位表現(No.1、業界トップ、最高の、○○1位、日本一) 
  • 根拠のない起源の表記(唯一の、世界最初の)
  • 根拠のないシェア表記(業界シェア80%)

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求人票掲載後の流れ

ハローワークに求人票が掲載された後は、以下のような流れで採用活動を進めていきます。


1. 面接希望者の紹介

求職者が応募してくるとハローワークの担当者から自社の担当者へ連絡があります。それから面接日時などの打ち合わせをします。

応募してきた求職者にはハローワークから必ず紹介状が渡されるため、成りすましを防げます。


2. 採用面接

面接日時が来たら面接を実施します。ハローワークの紹介状を持っているか確認しましょう。

面接は基本的人権を尊重したものでなければなりません。求職者の人格を否定するような過度な圧迫面接は好ましくないので注意しましょう。ハローワークは厚生労働省が運営する公共サービスです。好ましくない面接を行った事実はハローワーク側にも伝わる可能性が高いです。


3. 採否結果の連絡

採否結果の連絡は、求職者とハローワーク、両方に行わないといけません。求職者は結果を待っているので、電話などの速い手段ですみやかに連絡しましょう。

ハローワークへは求職者が持ってきた紹介状に採否通知書が付いているので、それに結果を書いて郵送かFAXで連絡します。


ハローワークに出した求人が掲載される場所

ハローワークに出した求人は、「ハローワーク」「ハローワークインターネット」「Indeed」の3ヶ所に掲載されます。

ここからは、どこでどのように掲載されるのかを具体的に解説します。


ハローワーク

ハローワークに求人を出すと、ハローワーク内に求人情報が掲示されます。

施設にある求人情報端末や掲示板などに公開され、求職者から見られるようになります。


ハローワークインターネット

ハローワーク内に加えて、ハローワークインターネットサービスにも求人情報が掲載されます。

 ハローワークインターネットサービスは、スマホやパソコンで求人情報を検索できるオンラインサービスです。

求職者はハローワークに行かなくても好きな場所から利用できるため、求人情報を見てもらえる可能性が高まります。 

ハローワークインターネットサービスとは?事業者にも求職者にも便利なツールを解説


Indeed

ハローワークに出した求人は、ハローワーク以外に求人検索エンジンの「Indeed」にも掲載されます。

 Indeedは、インターネット上にある求人情報をまとめて検索できる無料サービスで、幅広い層の求職者から利用されています。

ハローワークインターネットサービスだけでなく、Indeedにも掲載されることで、求職者の目に留まる機会がより増えやすくなります。 

※Indeedへ掲載する方法をカンタン解説|直接投稿する方法や応募を増やすポイント[1] 

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ハローワークに求人を出すメリット

ハローワークには、活用するべきメリットがあります。ハローワークで得られるプラスの部分をチェックしてみましょう。


求人内容に適した応募者に出会える

ハローワークのスタッフは、事業所の求人申込書に書かれた内容をチェックの上、募集要項に適した応募者のみを紹介してくれます。

求人内容を応募者とスタッフが一緒に確認した上で、面接へ進めるため、

「必要な資格やスキルを持ち合わせていない」
「就業時間などを理解していない応募者が来てしまった」

といったトラブルを未然に防げます。

不採用になった場合も、理由をハローワーク側へ伝えるため、次回はより適した求職者と出会える可能性が高い点もメリットです。

「職種や業種と合っていない応募者対応に追われている」という場合は、ハローワークを利用すると人事担当者の負担を減らせます。


求人全般の相談ができる

ハローワークを利用している事業者は、ハローワークのサポートが受けられます。

地域の傾向や求人の動向を知る担当者が、
「求職者から希望の多い職種が知りたい」
「欲しい人材に届く、魅力あふれる求人票がつくりたい」
といった質問や相談に応えてくれます。

面接や電話対応時など、求職者とトラブルになってしまった場合も、ハローワークの職員に相談可能です。公的機関での相談・サポートで、安心の採用活動をはじめましょう。


助成金や給付金を活用できる

ハローワークのサービスを通じて人材を雇用する場合、各種助成金や給付金の対象になります。雇用にかかる費用を抑えたい場合は、自社で活用できる助成金や給付金があるかどうか確認の上、積極的に活用してみましょう。

ハローワークオンラインを見て直接応募した場合、オンライン自主応募を利用した採用の場合は助成金・給付金の支給対象にならないため、注意して進めてください。


ハローワークに求人を出すデメリット

無料で利用できるハローワークですが、デメリットもあります。事前に確認の上、検討しましょう。


利用者数が減少している

無料で利用できる転職サイト、転職エージェント、検索エンジン、ダイレクトリクルーティングなど仕事探しの方法が多様化する中で、ハローワークを活用する利用者は減少傾向にあります。

厚生労働省の統計によると、おけるハローワークの新規求職者数は令和元年は392万人でしたが、令和4年度には382万人と、ハローワークの新規求職者数は年々減少傾向にあります。

それに伴い、就職件数も年々減少している状況です。


元年度2年度3年度4年度
新規求職申込件数(万人)392.8385.5385.9382.1
就職件数(万人)147.4122.5124.3122.6

※一般職業紹介/一般(パートタイム含む)

【参考】令和5年 厚生労働省 「公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績」
https://www.mhlw.go.jp/content/000935626.pdf


求職者も事業者も、すべてのサービスを利用するためにはハローワークへ出向く必要があること、ハローワークが近くにない求職者や事業者が多いことも、利用者数減の原因になっていると考えられます。

利用者数が少なければ、採用につながる確率も下がってしまいます。利用してみたけれど手ごたえを感じられない場合は、別の方法も取り入れてみましょう。


採用率が低い

ハローワークを利用して就職した求職者は、全体のおよそ3割程度です。

登録者数、利用者数が圧倒的に多いサービスですが、その中から自社に合った人材と出会う確率は、決して高いとはいえません。

中には、失業保険を給付してもらうために、あまり乗り気でない求人に応募する求職者もいます。

特に若年層は、ハローワークを利用しない傾向が強いです。
「現役で働いている転職希望者を募集したい」というような場合は、転職に特化した求人サイトを利用した方が、採用率アップの可能性を高められます。


採用までに時間がかかる

求職者がハローワークを利用する場合、ハローワーク受付表を作成したり、ハローワークへ足を運んで就職相談をしたり、といった手続きがあり、時間がかかりがちです。

また利用者が減っているとはいえ、ハローワークで求人を探す人はまだ多く、長時間待たされるケースもみられます。求職者がテンポよく活動できなければ、入社までの期間も遅くなってしまいます。

急ぎで人材を雇用したい場合は、求職者とすぐにつながれるサービスを検討してみてください。


まとめ

ハローワークは年間400万人以上の求職者が応募する公共の求人サービスです。無料で掲載できるため、他の媒体と併用してうまく活用すれば効率的な採用活動ができます。まずは無料で求人をしたいと考えるならば、ハローワークに行き、事業者登録と求人申込書を出してみましょう。

もしハローワークで希望する人材から応募がない場合、中小企業向けの採用サービス「ワガシャ de DOMO」がオススメです。自分で求人記事を作成することなく、プロが魅力的な記事を作成、応募効果を高めるための運用をして応募効果を最大化します。

ご興味のある方は、まずは応募単価シミュレーションでどのくらいの実績がでるかを試してみましょう。



ヒトクル編集部
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ヒトクル編集部

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