構造化面接とは?導入するメリット・デメリットや導入方法を解説!

構造化面接とは?導入するメリット・デメリットや導入方法を解説!
目次

構造化面接は、事前に選定した質問項目や評価項目によって、採用の可否を決定する面接方法で、Google社が積極的に取り入れて注目を集めています。

米国政府の連邦人事管理局が「政府機関の職員採用に構造化面接を実施すべき」と奨励されているなど、海外を中心に注目を集めています。

※「Google/構造化面接を実施する」
https://rework.withgoogle.com/jp/guides/hiring-use-structured-interviewing/steps/introduction/

構造化面接とは、どのような採用方法なのか。
メリット・デメリットや取り入れ方、おすすめ質問例や注意点まで、詳しく解説いたします。

※面接ドタキャン、採用辞退を防ぐ!応募・面接ノウハウBOOK
無料ダウンロードはこちら


構造化面接とは?


構造化面接は、事前に選定した質問項目や評価項目によって、採用の可否を決定する面接方法です。面接の際は、候補者すべてに同じ質問を実施し、社内の採用基準に従って合否判定が行われます。

採用に慣れていない人事担当者であっても、基準が明確化されているため、評価が決まっている点です。採用担当者の直感や好き嫌いが反映されない点も、構造化面接の特長です。

※面接ドタキャン、採用辞退を防ぐ!応募・面接ノウハウBOOK
無料ダウンロードはこちら


構造化面接のメリット・デメリット

構造化面接には取り入れるメリット・デメリットがあります。どのような良い点、悪い点があるのか事前に確かめておきましょう。

メリットデメリット
誰が面接を担当しても同じ結果がでる質問を作成するのが難しい
面接人数が多い場合、効率の良い採用活動ができる質問が機械的になりやすく、企業の温かみを感じづらい


構造化面接のメリット

構造化面接が持つ最大のメリットは、誰が面接を担当しても、同じ結果が出る点です。
採用基準をクリアしている人材を短時間で見つけやすいことから、面接人数が多い場合にも最適です。

採用のIT化、システム化を進めている企業の場合は、より効率の良い採用活動になります。
面接のコストや面接官の負担を抑えたい場合は、構造化面接法を取り入れてみましょう。


構造化面接のデメリット


構造化面接のデメリットは、質問を作成するのが難しい点です。
せっかく構造化面接を取り入れても、効果的な質問ができない場合、思うような採用につながりません。

質問が機械的になりやすく、企業の温かみを感じづらいという部分もデメリットです。
対話以外の部分への配慮で、悪印象を与えないように配慮しましょう。


構造化面接の導入方法

構造化面接を成功させるために、正しい手順で導入を進めましょう。
効率よく進めるための順序を紹介いたします。


採用したい人材像を決定する

構造化面接の質問を設定するために、どの部署へどのような人材が欲しいのか、まず人物像を決定します。より的確な質問項目、評価項目を策定できるように、候補者に欲しいスキルや考え方を詳しく検討しましょう。


質問内容を決定する

採用したい人材像が決まったら、その人材を見抜くためにどんな質問が有効か、内容を決めていきます。団結力を求めている場合は、
「誰かと協力して成功した体験はありますか?」
といった質問をすると、採用するべき人材がみえてきます。

構造化面接に向いている具体的な質問例を、この後紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。


採用基準を決定する

質問内容に対して、どのような回答であれば採用を検討するのか、きちんと基準を決めておきましょう。求めている答えにより近いかどうか、5段階評価で数値化しておくとスムーズに検討できます。


構造化面接を実施する

質問項目と採用基準が決定したら、いざ構造化面接を実施しましょう。
質問の回答で良い部分、より話を聞き出したい部分がある場合は、より掘り下げて構いません。
業務との適性をしっかりチェックしましょう。


採用判定

全員の面接が終わったら、採用基準に照らし合わせて、もっとも評価が高かった採用するべき人材を決定します。1次面接は集団の構造化面接、2次面接は個別の自由面接など、段階的に進めていくのも良い方法です。


構造化面接に取り入れたい質問例

構造化面接の質問内容で迷ったら、相手の適性を見抜きやすい質問例から選ぶのがおすすめです。多くの企業が実際に使っている、質問例文をみてみましょう。


行動から評価する場合

行動からの評価は、

・時間をかけて大きな成果を残した経験はありますか? 
・どのような計画で成果につなげましたか?
・成功の理由はどこにあると思いますか?  
・成果に対してどのような評価が得られましたか?

など、応募者の回答へ質問を重ねていくパターンです。

主体性を求めるなら、
「リーダーとして人を率いた経験を教えてください」
コミュニケーション力を求めるなら、
「イベントを企画・成功させた経験はありますか?」
といった切り口で、その時の行動を掘り下げていきましょう。


状況から評価する場合

「このような場面でこう動ける人材が欲しい」そう考える機会が少なくありません。
この場合は、仮定の状況から考え方を引き出しましょう。

「一人では業務時間内に仕事が終わりそうにありません。しかし納期は明日に迫っています。どのような対処法を考えますか?」

こちらは、危機管理能力や対応力を読み解く質問例ですが、想定される答えは多岐にわたります。

①「周囲の協力を得て、なんとか終えられるように努力します」
②「お客様のために、自宅に持ち帰って翌日までに作業を完了させます」
③「終わらないと分かった時点で先方へ連絡を入れ、指示を仰ぎます」


①の場合は、協調性やコミュニケーション力が高いことが分かりますし、②の場合は責任感の強い人材であると推察できます。③の場合は、相手への迷惑を極力減らすための行動力があるといえます。

いずれの場合も、応募者が答えやすい質問が重要です。
少し考えれば答えを出せる質問内容で、候補者の適性や考え方を見抜きましょう。


構造化面接導入の際の注意点3つ

構造化面接を成功させるために、覚えておきたい注意点があります。
3つの注意点を確認の上、入念な準備で進めていきましょう。


注意点1:情報漏洩の恐れがある



同じ質問を繰り返している場合、先に面接を受けた人間から、質問内容が漏れる場合があります。このような場合は、質問の方向性を変えてみましょう。

「時間をかけて大きな成果を残した経験はありますか?」

 「コツコツ努力して成功した経験はありますか?」

 「一人では業務時間内に仕事が終わりそうにありません。しかし納期は明日に迫っています。どのような対処法を考えますか?」
 ↓
 「14時の来客対応のため準備していたところ、30分前にお客様が到着されました。どのように対応しますか?」

など、質問で重要な部分はそのままに内容を変えると、候補者の本音を引き出せます。
同じ系統の質問を複数用意して、臨機応変に使い分けるのがおすすめです。


注意点2:面接以外で企業の雰囲気を伝える



機械的になりやすい構造化面接は、候補者へ冷たい印象を与える可能性があります。

この問題は、

・面接会場までていねいに案内する
・面接後に応募者へ、笑顔でお礼の言葉を述べる
・候補者向けのパンフレットを用意して、普段の雰囲気を知ってもらう


など、ちょっとした配慮でクリアできます。

面接が事務的になってしまうからこそ、別の部分で応募者の気持ちを和ませて、働きがいあふれる企業をアピールしましょう


注意点3:構造化面接にこだわりすぎない



構造化面接は、候補者の能力を見抜きやすい採用手法です。
その一方で、構造化面接にこだわり過ぎてしまうと、企業が本当に知りたい部分を見逃す場合があります。

「構造化面接中に、質問項目とは関係のない部分で聞きたい内容がでてきた」
というような場合は、面接官の判断で、質問を追加して構いません。


最低限のルールは必要ですが、企業にとって重要だと感じた質問・確認は、採用担当者の判断で実施しましょう。


構造化面接とその他手法との違い

構造化面接以外にも、面接にはさまざまな手法があります。導入を検討する前に、それぞれの特徴をチェックしておきましょう。


非構造化面接

非構造化面接は構造化面接とは逆に設問を用意せず、自由な対話で人柄や能力・意思を確かめる面接手法です。応募者の答えによって、問いかけるべき質問が変わるため、面接担当者の手腕が問われます。

候補者の想いや素の部分を知りたい場合は、非構造化面接が向いています。


半構造化面接

構造化面接と非構造化面接の良い部分をミックスさせたのが、半構造化面接です。
決まった質問への回答を確かめた後、自由に質問する時間を持ち、構造化面接だけでは読み解けない魅力を探ります。

必ず回答してほしい質問があるけれど、柔軟な対話時間も求めているという場合は半構造化面接を採用してみましょう。


行動面接(STAR面接・状況面接)

STAR面接、状況面接とも呼ばれる行動面接は、想定された特定の場面でどう対応するのかをみる面接手法です。

「重要な仕事でミスしてしまいました。どうカバーしますか?」
「こちらに非がないにもかかわらずお客様が怒っています。どのように対応しますか?」

など、職種に応じた質問に回答してもらい、考え方を探ります。
どのような答えの人材を採用したいのか、事前に決定した上で、質問を投げかけましょう。

行動面接の設問を、構造化面接の質問項目に採用する場合もあります。


履修履歴面接(リシュ面)

履修履歴面接は、これまでの履修履歴や成績表の結果をもとに、質問を進める面接手法です。
履歴という結論が先に出ているため、候補者の嘘や誇張表現を防止できる点がメリットです。

なぜ履修したのか、なぜこの成績だったのかという部分を通じて、努力する姿勢や興味関心に触れられます。「成績が良い=良い人材」という評価ではない点に注意して進めましょう。


リクルーター面接(リクルーター面談)

本面接の前に、リクルーターと呼ばれる社員が面接・面談を実施する面接手法です。
堅苦しくない雰囲気の中、20~30代の社員とざっくばらんな会話を通じて、選考の参考となる情報を引き出します。

年齢の近い社員との対話で、本音をチェックしやすい点がメリットです。


集団面接(グループ面接)

集団面接は、複数の候補者を同時に面接する手法です。
質問は構造化面接と同じ決まった内容が多く、一人ひとり順番に回答します。

質問以外に自己PRの時間を設ける例が多く、質問の答えが採用基準を満たしているか、自己PRに魅力を感じられるか、この2点で合否を判定します。


個人面接

個人面接は一人の候補者に対し、複数の面接官が質問を投げかける面接手法です。
面接担当者によって質問内容が違うため、さまざまな角度から応募者の良い部分を探れます。

一人につき10~20分程度時間がかかることもあり、最終面接などで多く使われます。


電話面接

電話面接は、直接顔を合わせて面接するべき人間かをチェックするため、事前に実施される面接手法です。応募者へ足を運んでもらう必要がない、短時間で必要な情報が得られるといった点がメリットです。

知り合いからの紹介など、電話面接のみで完了するケースもあります。


Web面接

新型コロナウイルスの影響もあり、面接をWebへ切り替える企業が増えています。

遠方の候補者でも面接を実施しやすい、面接会場の準備が必要ないといった点がメリットです。

Web面接と構造化面接を組み合わせれば、より効率よく採用活動を進められます。


AI面接

AI面接は、面接官の仕事をAIが担います。

採用担当者の負担を減らしたり、平等な判断を下せたりといった点が特徴です。
AIの精度が年々良くなっていますが、最終的な判断は採用担当者が担います。


まとめ

「採用した人材のレベルが均一ではない」
「つねに一定の基準を超えた人材を採用したい」
「面接にかかる時間や人員コストを削減したい」

このように考えている企業には、構造化面接が向いています。

採用したい人物像を明確にし、適切な質問項目を用意した上で、実施してみましょう。

自由な意見も聞きたい場合は半構造化面接。
リクルーター面接の質問内容を構造化面接にして内容を分かりやすくする。
など、企業に合った取り入れ方ができるのも、構造化面接の魅力です。

企業の雰囲気、温かさが伝わる配慮を添えて、もっとも良い人材との出会いにつなげましょう。

※面接ドタキャン、採用辞退を防ぐ!応募・面接ノウハウBOOK
無料ダウンロードはこちら


ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

「ヒトクル」は、株式会社アルバイトタイムスが運営する採用担当者のためのお役立ちサイトです。

「良いヒトがくる」をテーマに、人材採用にかかわる方々のヒントになる情報をお届けするメディアです。「採用ノウハウ」「教育・定着」「法務・経営」に関する記事を日々発信しております。各種お役立ち資料を無料でダウンロ―ドできます。

アルバイトタイムス:https://www.atimes.co.jp/