経験よりも大切なのは「コミュニケーション能力」と「目的が明確であること」。未経験者採用を成功させる秘訣とは?

経験よりも大切なのは「コミュニケーション能力」と「目的が明確であること」。未経験者採用を成功させる秘訣とは?
目次

アクアスやいづ
クラブ長 朝比奈恭子さま

健康増進施設

焼津市にある「アクアスやいづ」は、フィットネス、介護予防、タラソテラピーなど幅広い年代に利用されている健康増進施設です。

今回ヒトクル編集部では、同施設のクラブ長 朝比奈恭子さまへ、未経験者採用をテーマにインタビューをさせていただきました。朝比奈さまが、未経験のスタッフを採用するにあたり、面接や教育面で気を付けていることなどを伺っています。

経験者が採用しづらくなっている市場の中で、いかに未経験者採用をしていくかのヒントにしていただければ幸いです。


「ここで何をしたいか」を聞くようにしています

●現在働かれているスタッフさんの構成について教えてください。

アクアスやいづは、「フィットネス」「介護予防」「タラソテラピー」の3つのセクションに分かれています。アルバイトも含めて社員は20人くらいです。
社員の年齢は、下は大学生から上は介護教室で働かれている70代の方まで幅広く活躍しています。


●経験よりも大切だと考えることは何でしょうか?
入社するほとんどの方が未経験からのスタートです。新卒採用も行っているので、未経験から育成するための研修プログラムが充実しており、社員は3カ月間みっちりと研修をしています。

経験よりも大切だと考えていることは二つあります。
一つ目は、コミュニケーション能力です。
利用されるお客様は、シニアの方が多く、みなさんトレーニングをしにきているというよりも、当館にきてスタッフや仲間と楽しく過ごすことを価値として考えている方が多いです。

そのため、お客様と他愛ない会話を楽しむことができるかどうか、というのはとても大事な要素です。

加えて、スタッフ同士のコミュニケーションも非常に重要です。

シフト制で運営しているので、引継ぎが大事です。

例えば「今日、●●さんが欠席なのでお迎えは不要です」といった連絡が漏れてしまうと、送迎スタッフが迎えに行ってしまう、といった無駄が増えてしまいます。

そういった意味で、しっかりとコミュニケーションができるかどうかを面接の際に見させていただいています。

二つ目は、「ここで何をしたいか」が明確なことです。

特に社員で入社される方は、「将来パーソナルトレーナーになりたい」「プールの指導をしたい」といった明確な目的があるとよいですね。

目的がある方が、研修でも積極的で覚えが早いし、長く続く傾向があります。


職種名を具体化して、入社後のギャップを解消

●未経験者採用のメリット、デメリットについて教えてください。
まずメリットは、これは当社に限ったことではないと思いますが、変に知識が入っていないので、こちらが教えたことを素直に吸収してくれることです。

経験者の場合、教える方も、教えられる方も遠慮してしまい、今いるスタッフと溝ができてしまうといったこともあるので、そういう心配は未経験の場合は少ないです。

デメリットとしては、やはり初めてのことなので「入社してからイメージと違う」といって辞めてしまう可能性があることでしょうか。
仕事内容はそれほど難しくはないと思いますが、初めに会員の種類など、覚えることが多いので、そこで挫折してしまったりします。

ただ、そういう場合の救済策として、プールの監視を多くしたり、介護の方に行っていただいたり、その方の特性に合わせて業務をお願いするようにしています。
これは、いろんな仕事がある当館だからできることでしょうね。


●経験を問わない採用をする際に気を付けていることを教えてください。
採用側の私たちとしては、入社するほとんどの方が未経験の方です。
一方で、応募してこられる方や採用された方は、初めての仕事に不安や緊張をしているはず。

ですので、「みんな未経験から始めている」ということをお伝えして、不安な気持ちを和らげるようにしています。

あとは、ありきたりですが、上から目線でモノを言わないことでしょうか。採用担当と応募者、雇用主と従業員という関係で、役割や経験値は異なるかもしれませんが、基本的には対等だと考えています。

一緒に施設を盛り上げていく仲間としてお互いに尊重することを忘れないようにしています。


●反応創出のために工夫しているポイントについて教えてください。
ポイントは大きく3つあります。

まず一つ目は、アルバイト・パートの勤務時間の表記です。

営業時間が長いのでシフト制にしていますが、勤務時間は1日3時間から曜日応相談など、融通が利くようにしています。

そのおかげで主婦の方や、夜間だけのWワークの方、学生さん、シニアの方など、それぞれの方に合った働き方ができると考えています。

二つ目は、教育体制です。特に正社員はインストラクター業務があり、未経験者は不安があると思います。

そのため「現在のスタッフも大半が経験のないところからスタートしています。また当社はインストラクターの養成も行っており、教育には定評がございます。」といった記載をして、少しでも不安を払拭するようにしています。

あと三つ目ですが、最近職種名を変更しました。

以前は「スポーツジムのスタッフ」だったのを「スポーツジムのフロント受付・プール監視」と詳細な仕事の内容を記載するようにしました。

「スポーツジムのスタッフ」だと、フィットネスジムだけをイメージする方が多く、入社後のギャップにつながっていたので、それを解消する狙いです。

変更したところ、うれしいことに「プール監視」の経験のある方から応募がありました。
分かっていると思っていても、知らない方や未経験の方には分からないということを前提に、今後は求人原稿をチェックしたいと思います。



●最後に、今後の目標について教えてください。
当館は、保育園の年長さんから通えるプール教室もあり、シニアの方の介護予防の教室もあります。

でも実は、中学生・高校生だけぽっかり空きがある。なので、その年代の方とも接点を持てるような企画を考えて、どんなライフステージでもご利用いただけるようにしたいと考えています。

まさに、一生涯通っていただける施設にするのが私の目標です。

(取材日/2022年11月16日)

ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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