経験よりも「共感力の高さ」や「あいさつ」を重視。パート面接に適性検査を実施し、社風マッチを点検。

経験よりも「共感力の高さ」や「あいさつ」を重視。パート面接に適性検査を実施し、社風マッチを点検。
目次

有限会社又一庵
西澤 佑梨さま

きんつば・和菓子製造・販売

有限会社又一庵は明治4年創業の老舗和菓子店で、静岡県磐田市に本店を構え県内6店舗を展開しています。

ヒトクル編集部は同社の店舗責任者の西澤佑梨様へ、未経験者採用をテーマにスタッフの面接や教育面で気を付けていることについてお伺いしました。

ますます人が採用しづらくなっている労働市場で、いかに未経験者を採用して育成していくかのヒントにしていただければ幸いです。


大事にしているのは「共感力の高さ」と「あいさつ」

●経験よりも大切だと考えることは何でしょうか?
大事にしているのは「元気で明るく素直」ということです。
面接などでお話していて、話が盛り上がるような方や、共感力の高い方は、教えていても気持ちがよいので、そういうところを大切にしています。

あとは、あいさつですね。面接する私だけでなく、他のスタッフへのあいさつや態度がどうなのかは気にしますね。当たり前のことが当たり前にできるということを大事にしています。


●未経験者採用のメリット、デメリットについて教えてください。
メリットは、すべてが初めてなので教わったことを素直に吸収してくれることでしょうか。どうしても他で働いていたりすると、癖がついていたりするので、そういう意味で教えやすいです。

デメリットは特に感じたことはありません。敬語が使える、あいさつがしっかりできる、明るい雰囲気があれば資格としては十分だと考えています。

以前「あんこが食べられない」という方を採用したこともあります(笑)。

もちろん和菓子が好きな方がベストではあるのですが、働いているうちに「うちのあんこだったら食べられる」といってくれるようになりました。そういう変化は本当にうれしいですね。


性格適性検査で社風とのマッチ度を重視

●経験を問わない採用をする際に気を付けていることを教えてください。
実は数年前から、面接でパート採用の時も含めて全員に「適性検査」を受けていただいています。当社の社風と合うかどうかをチェックする「性格検査」です。

初めは「面接で感じた印象」と「適性検査の結果」が違うことがありました。面接で非常に好印象だったのに、適性検査では当社とマッチしないといった具合です。

そういった方も面接での印象を優先して採用していたこともあったのですが、結局入社してから「雰囲気が合わない」と言って辞めてしまったり、他の従業員とうまくいかなかったり・・・・

ですので、今では適性検査は一定の合否の基準にするようにしています。

また、面接では普段のその方の素顔を知るために、ちょっとびっくりするような質問をしています(笑) どんな質問かは企業秘密です。

面接で聞かれる質問って、大体決まっていますよね。応募者の方も想定されている質問ばかりだと、素顔が見えづらいので、突拍子のない質問を入れることで、その方の本音を引き出すようにしています。


新人が一人にならないようにすることが大切

●スタッフの教育をする際に気を付けていることを教えてください。
分からないことを一つ一つ丁寧に教えていくことです。最初からすべてを覚えてもらうことは求めていません。

最初はお掃除・あいさつ・ラベル貼りなど、誰にでもできることからスタートします。そういう誰にでもできることが積み重なって仕事は成り立っていると思いますし、そういった仕事にも平等に価値があると思っています。

また、新人さんには教育担当を付けています。なるべく同じ人から教わった方が、その方も迷わないですしね。

もちろん、教育担当以外も教えますよ。
新人が一人にならないようにすることが大切ですので、みんなで声をかけるように心がけています。

当社は、30年・40年の社歴の方がおり、産休・育休をとって戻ってきてくれる社員もいるくらい、一度定着してしまうと長く働いてくれる方が多いです。

それは条件面ではなく、社員の人柄がよいからだと自負しています。お互い様と思いやる気持ちや人としてのつながりの部分を心地よく感じて、みんな働いてくれていると考えています。


「旅行どこ行ってきたの?」と一緒に笑いたい

●最後に、今後の目標について教えてください。
ずっと「もっと働きやすい環境を整えたい」と考えてきました。

いまは、スタッフが不足していてなかなかできないのですが、もっとシフトに余裕があれば希望したときに休みを取れる環境をつくりたいですし、頑張っている人の給与も上げてあげたい。

社名の「又一庵」は「またひとつ食べたい」とお客様に思っていただきたいという想いが詰められています。

同じ想いで当社が好きで働いているスタッフへしっかりと還元して、
「あ、旅行どこ行ってきたの?」という話をしたいと考えています。


(取材日/2022年12月6日)

ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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