【生産性向上に必須?】心理的安全性の効果やメリット、高めるための方法や注意点を解説!

【生産性向上に必須?】心理的安全性の効果やメリット、高めるための方法や注意点を解説!
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「心理的安全性」はチーム内において対人関係を気にすることなく、安心して自分の意見を言える状態を指します。心理的安全性が高い職場であると、上司や他メンバーからの嫌悪や否定などの心配がないため、個々の社員が自由に考えを述べられるメリットがあるとされます。

では、職場で心理的安全性を高める方法はあるのでしょうか。そこで今回は企業や組織内において心理的安全性を高める方法やメリット、マネジメント手法や注意点についても解説していきます。

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心理的安全性がチームに与える効果とは

まずは心理的安全性がチームに与える効果を確認してみましょう。主に下記の3つの効果がありますので確認してみてください。


効果① 新たなアイディアが生まれやすくなる

心理的安全性が高まるとコミュニケーションが活発化します。するとチーム内では様々な意見が交換されますので、新たなアイディアが生まれやすくなります。

逆に心理的安全性が低い職場では、部下から上司への提案などは出にくいため注意しましょう。

心理的安全性が高い職場であれば、非難や否定される心配がないため、通常は立場の弱い部下やメンバーであっても意見を口に出しやすくなります。

したがって、これから新たなイノベーションやアイディアを創出して革新的な企業を目指すのであれば、心理的安全性を高めることは必須と言えるでしょう。


効果② 問題やミスの早期発見につながる

企業にとって致命的なミスや問題の発生を防ぐには、チームメンバーの互いのチェックや指摘が不可欠です。

心理的安全性が高いチームでは、関係性の悪化を気にすることなく相手へ意見を述べられますので、発見したミスや問題も迅速に伝えられる効果があります。

しかしながら、心理的安全性の低い職場では関係が悪くなることを恐れて、他メンバーのミスや誤りに対する指摘を行えません。

そうなると、ミスや問題の発見が遅れてしまい、企業にとって致命的な損害が発生する要因にもなりかねません。


効果③ 個人の生産性向上や離職防止になる

コミュニケーションが活発な職場だと、当然ながら他の社員の考え方や仕事の方法を学べるため、個人としても生産性向上の期待ができます。

逆に心理的安全性が低い職場であると、聞きたいことも聞けずに非効率な仕事をするしかありませんので、生産性も悪くなります。

また、他の社員と話しやすい職場では、自分の悩みや問題も相談しやすくなります。したがって、悩みを自分だけで抱えることも減るため、離職防止の効果も得られるでしょう。


心理的安全性の高い職場にはどのようなメリットがある?

次に心理的安全性の高い職場をつくるメリットについて確認しましょう。主なものとしては下記のような要素があります。

・新たなアイディアが生まれ企業価値も向上するため、業績拡大につながる 

・情報共有がされやすくなり、社員一人ひとりのスキルや能力が向上 

・多様性のある人材が働く企業となり、ダイバーシティ経営の促進となる 

・風通しの良い企業であるイメージが拡がり、より多くの人材が集まる 

・長期渡って勤務する社員が増えるため、売上の安定な創出につながる 

・離職率の低下で採用コストや人材募集の負担減少につながる 

いずれも企業にとって大きなメリットとなりますので、覚えておきましょう。


心理的安全性の不足による影響

逆に心理的安全性が不足すると、働くメンバーにはどのような影響が出るのでしょうか?具体的には下記のような状態になることが予想されます。

・分からないことや不明な点を聞けないためスキルが向上しない 

・失敗やミスをすると無能だと思われると感じ、隠ぺいなどの不正行為をしてしまう 

・どうせ発言しても変わらないと思い、主体的な行動や考えをしなくなる 

・できないと思われたくないため、自分のミスや誤りを認めようとしない 

・自分の意見を相手に伝えられないためストレスが溜まる 

・経営方針や事業の方向性に納得できなくなり離職してしまう

こうした事態を発生させないためにも、心理的安全性を高めていく必要があります。


心理的安全性を調べる方法とは?

では、自社内における心理的安全性を確認する方法はあるのでしょうか。心理的安全性を提唱したハーバード大学の学者のエイミー・エドモンドソン氏によると、下記の7つの質問をすることで心理的安全性の測定ができるということです。

① チーム内でミスをすると非難されることが多いか 

② チームメンバーは課題や問題などを指摘し合えるか 

③ チームメンバーは異なる意見を拒絶することがあるか 

④ チーム内でリスクを取った行動ができるか 

⑤ チーム内の他のメンバーに助けを求めるのが困難であるか 

⑥ チームメンバーから自分の業務を邪魔されたと感じることがないか 

⑦ 自分の個性やスキルがチームメンバーから認められていると感じるか

上記の質問に対して、「強く思う」「そう思う」「どちらでもない」「あまり思わない」「そう思わない」の5段階で回答します。

①、③、⑤の質問は、「そう思わない」に近ければ心理的安全性が高くなります。逆に②、④、⑥、⑦の質問は、「強く思う」に近い状態だと心理的安全性が高い環境ということになります。


マネージャーがチームの心理的安全性を高めるために行うべきこと

心理的安全性が低いことが分かった場合に、高める方法はあるのでしょうか。主には管理職やマネージャーが下記のようなコミュニケーションを取り入れることで高められます。


その① 相手と向き合い積極的に聞く姿勢をとる

まずは積極的に相手の話を聞くことが大事です。自分のパソコン画面を見ながらではなく、必ずアイコンタクトを取りながら部下やメンバーの話は聞きましょう。

うなずきや身振り手振りなどのボディランゲージも含めて聞く姿勢を取ると、相手も真剣に聞いてくれていると感じ信頼してくれます。

特に管理職やマネージャーの場合、自分の意見や主張を押し通しがちですので、相手から学ぼうという意識をもって聞くことも大切です。そのため、質問も積極的にして相手を理解する姿勢を示すことも必要でしょう。

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その② チーム全体での情報共有や意見交換を行う

チーム内で情報共有を行っておくことも心理的安全性を高める上で欠かせません。

チーム内で一人だけ情報を知らない事態が起こると、当人からすれば疎外感を感じてしまい、心理的安全性も低下してしまいます。新しく決めたルールや取り決めがある場合、必ず全員で情報を共有しましょう。

さらに心理的安全性を高めたい場合には、チーム全体で意見交換を行うのも効果的です。その際には、マネージャーや上司が一方的に話すのではなく、発言の機会を均等に与えて意見を聞きます。

前述したルールや取り決め、業務の進め方なども全員の考えを聞いて決定すれば、「自分の意見が活かされている」と感じ、心理的安全性も高まるでしょう。


その③ 互いを認め合う協調性の高い職場環境をつくる

最後は互いを認め合えるような協調性の高い職場環境をつくることです。

そのためには、日常でのメンバーとの会話においても真摯に聞く姿勢を見せ、相手を否定したり責めたりしないようにしましょう。また、成果を出した社員がいる場合には、その努力や姿勢を評価し認めることも大事です。

あとは日常業務以外でもメンバー同士が関われる機会を設けるのも良いでしょう。

交流会や飲み会、1on1ミーティングなどを実施して、お互いの理解を深めることで協調性も築けます。積極的に対話し信頼関係を構築できれば、心理的安全性の向上になりますので試してみましょう。


Googleが行う心理的安全性を高めるマネジメントについて

心理的安全性はGoogle社が2015年にチームの生産性を上げるために有効であると発表して以降、注目されている概念です。では、Google社では心理的安全性を高めるためにどのようなマネジメントが行われているのでしょうか。

その内容は下記の4つとなります。


手法① 1on1ミーティング

1対1による部下との対話を行います。部下の考え方や価値観、キャリアや悩みなどについて知り、一緒に考えるスタンスで対話を進めるコーチングをします。

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手法② OKR

企業の目標に沿ってチームやメンバー個人の目標も決めます。メンバーそれぞれが企業のビジョンを把握し行動することが大事です。


手法③ ピアボーナス

メンバーお互いが日常の業務や行動に関して認め合い、ボーナスを贈り合うようにします。Googleでは1万5,000円のボーナスを社員が贈り合えるようにしています。


手法④ 雑談

仕事以外の話題で適度な雑談も行います。プライベートなども含めた会話を行い、チーム内でのコミュニケーションを活発化させます。

相手と積極的に対話する、情報共有や意見交換を大切にして「心理的安全性」を高めようとしている意識が上記の習慣にも表れています。


心理的安全性の向上で気を付けたい注意点とは

【生産性向上に必須?】心理的安全性の効果やメリット、高めるための方法や注意点を解説!

それでは、最後に心理的安全性を高める上での注意点も確認しておきましょう。心理的安全性の向上においては下記の点について注意する必要があります。


注意点① 馴れ合いの状態にならないようにする

心理的安全性が高いということは、アットホームな職場で楽に仕事がこなせるということではありません。また、メンバー同士の馴れ合いが常態化した環境では、生産性も高まりませんので注意しましょう。


注意点② 組織の目標やルールを守る

リラックスして仕事に取り組める環境は必要ですが、適度な緊張感やメリハリは生産性を高める上で大切です。心理的安全性を高めることを意識しすぎて、あまりにも緊張感のない職場にしてしまうと、ミスや失敗も頻発しますので気を付けましょう。


概念を理解した上でコミュニケーションを活発化させましょう!

心理的安全性の効果やメリット、心理的安全性を調べる方法や高め方、注意点などの解説でした。意識すべきことは、心理的安全性の概念について理解を深め、チームの各メンバーが適度な緊張感をもって働けるようにすることです。そして、いざという時は相談や意見交換ができるよう、チームの環境を整えておきましょう。

ぜひ、本記事を参考にしながら自社の心理的安全性を高める施策を取り入れてみて下さい。

ヒトクル編集部
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ヒトクル編集部

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