求人採用は口コミが大切! 人事が取り入れるべきクチコミ対策をチェック

求人採用は口コミが大切! 人事が取り入れるべきクチコミ対策をチェック
目次

就職活動をしている求職者の多くが、口コミを参考にしています。

採用を有利に進めるなら、求職者が参考にしている口コミ内容の確認や、口コミ対策が重要です。

企業側にも、口コミサイトの仕組みや口コミ評価の上げ方を知って、自社で働く魅力やメリットを伝える施策が求められています。

採用を有利に進めるために、人事が取り入れるべき、口コミ対策やテクニックをチェックしておきましょう。

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約6割が企業の採用ホームページの情報が物足りないと感じている|採用HPに関する求職者調査

 

就活生・転職活動している人が口コミをチェックする理由

就職活動や転職活動をしている人材は、なぜ口コミサイトなどをチェックするのでしょうか? 求人サイトや求人ページに加えて、口コミ情報を閲覧する理由、重要視している部分を事前に知っておきましょう。


口コミをチェックしている求職者の割合

2024年、「エン・ジャパン」が社会人4500名を対象に実施した「転職時のクチコミ閲覧」についてのアンケートでは、半数にあたる50%の社会人が、「社員クチコミを見る」と回答しました。

出典:エン・ジャパン

 また口コミを見た人の約7割が、口コミの影響で「応募や選考、内定を辞退したことがある」と回答するなど、口コミには応募・採用結果を変える力があります。 

出典:エン・ジャパン

社会人4500人に聞いた「転職活動時のクチコミ閲覧」実態調査ー『エン転職』ユーザーアンケート

また新卒採用では、「株式会社インタツアー」が22卒、23卒を対象に実施した「就活におけるクチコミの活用状況調査」によると、就活生の93.5%が「就活中にクチコミを見た」と回答しています。 


出典:株式会社インタツアー

応募先を決定するだけでなく、「どの様な目的で見ますか?」という質問には、68.1%がESの参考にするため、37.7%が志望動機などの参考にするため、と回答するなど、就職活動をスムーズに進める目的でも、口コミが閲覧されています。

出典:株式会社インタツアー

 株式会社インタツアー/『22・23卒生対象 就活におけるクチコミの活用状況調査』


求職者が口コミをチェックするのはいつ?

「エン・ジャパン」の調査によると、「社員クチコミを見る」と回答した求職者のうち、91%が応募前にチェックする、と回答しました。

出典:エン・ジャパン

 応募前だけでなく、応募後~一次面接前は30%、選考中~最終面接前は14%、内定承諾前は10%が口コミを閲覧しており、それぞれのタイミングで、口コミ情報が求められている事実が分かります。

 

求職者は口コミのどこを見ている? 

口コミを見て応募をやめた、選考辞退した人のうち、最も多かったのが「給与・賞与の不満」です。 

次に「人手不足・人が辞める」「従業員の士気の低さ・人間関係の悪さ」が続いており、実際にどのくらいの収入が得られるのか、仕事量ややりがい、人間関係はどうか、企業の求人ページや求人サイトでは見えづらい部分を、口コミでチェックしているようです。

出典:エン・ジャパン

また口コミをみて応募をやめた、選考を辞退したと答えた回答者のうち、口コミの内容について企業に質問したかどうか、という質問では85%が「いいえ」と回答しています。 

出典:エン・ジャパン

口コミで気になる部分があった場合も、事実かどうか確かめる前に、応募や入社を控えるケースが多いという結果になりました。

応募率、内定率を上げるために、不安な点をいつでも質問できる窓口づくりなどの対策が重要といえます。

求人の応募率とは? 応募率を上げる3つのコツを解説

 

求職者はどこで口コミをチェックしている? 

一昔前は、口コミという名の通り、企業を知る知り合い、元従業員などを中心に、企業の情報が伝わっていました。しかし現在は、企業クチコミサイトと呼ばれるWebサイトが多く存在しています。

クチコミサイトの仕組みや、どのような口コミが投稿されているのか、チェックしてみましょう。

 

企業口コミサイトとは

企業口コミサイトは、求人サイトを運営している企業を中心に運営されています。クチコミを投稿しているのは、対象の企業へ求人応募したことがある人材や、実際に働いた経験がある人材です。元社員だけでなく、現役社員の投稿もあります。

多くの口コミサイトがありますが、すべての情報が事実とは限りません。登録した求人サイトで実際に応募した企業、採用された企業に限って口コミを投稿できる信頼性が高いサイトもあれば、誰でも自由に投稿できるサイトもあります。 

企業についての意見や感想だけでなく、選考を通過したESや選考の体験談、レポートなどを閲覧できたり、企業の特長や価値がスコア化されていたり、というサイトもあります。

就職活動や転職活動が有利になる情報が多いことから、応募前に口コミをチェックする人材が増えています。

 

どんな口コミが寄せられているの?

 企業口コミサイトには、実際にどんな口コミが寄せられているのでしょうか?

就職サイト「ブンナビ!」の調査によると、2024年卒の求職者から、男女ともに人気1位企業に選ばれたのが「伊藤忠商事」です。

人気企業には、どのような口コミが集まっているのか。この後紹介する、代表的な口コミサイトの一つ「OpenWork」に寄せられた、「伊藤忠商事」の口コミを例にみてみましょう。

 ※東洋経済ONLINE/「1.4万人の就活生」が選んだ人気企業ランキング


働きがい・成長

出典:OpenWork

「現職社員からの口コミです。人気企業ですが、配属先によっては働きがいを感じられない可能性があること、部署が合わなくてもキャリアチェンジのチャンスがあることが分かります」

 

企業分析(強み・弱み・展望)

出典:OpenWork

「現職社員からの口コミです。個性を大切にできる企業風土がある一方で、女性や海外スタッフにとっては不利な点があると分かります」

  

退職検討理由 

出典:OpenWork

「退社済み社員の口コミです。このように退社理由もチェックできるのが、企業クチコミサイトを利用するメリットです。商社とメーカーの違い、商社での経験が転職で活かされたこと、といった意見を踏まえて、応募するべきか検討できます」

 

利用者が多い企業口コミサイト3選

今後の採用活動に役立てるためにも、自社がどのような評価をされているのか、企業口コミサイトをチェックしておくと安心です。次に、利用者が多い口コミサイトとそれぞれの特長を紹介いたします。

 

OpenWork 


https://www.openwork.jp/

「OpenWork」は、国内最大級の口コミ数を誇る、企業口コミサイトです。

多くの利用アカウント数を誇るサイトだからできる、約1,660万件の社員、元社員の口コミが掲載されています。

口コミは8つにカテゴライズされており、企業の雰囲気や将来性、人事評価などをチェックできます。スコアとして可視化されているため、自分が必要な情報を絞りやすい点もメリットです。

  

転職会議

https://jobtalk.jp/

 「転職会議」は、12の項目から口コミをチェックできます。職種や雇用形態、性別で口コミ情報を絞り込めるシステムのため、知りたい内容に早くたどり着けます。口コミだけでなく、業績や年収などの分析ページもあり、多角的な評価ができるサイトになっています。

口コミ評価を良い順、悪い順に並び替えられたり、イラストで評価者の性別が分かりやすかったり、という点も「転職会議」の魅力です。投稿日が古い場合は、注意書きが入るなど、利用者思いのサービスになっています。


enライトハウス

https://en-hyouban.com/

「enライトハウス」は、年間5,600万人のユーザーが利用する、企業口コミサイトです。平均年収や月の残業時間目安が分かりやすく掲載されていること、8つの項目でスコア化されていることから、読みやすさに定評があります。

評価者の納得度がゲージで表わされる、似た企業を選ぶだけでかんたんに比較できる機能があるという点も、利用するメリットです。

 

 応募率・採用率を増やす6つの口コミ対策法

応募率や採用率を大きく左右する口コミ評価は、待っているだけでは上がりません。人事担当者や採用担当者が主体となって、口コミの評判をチェックしたり、新しい制度を導入したりすると、人材採用を有利に進められます。 

ここでは、6つの口コミ対策法について紹介します。

  • 対策1:口コミサイトの情報を集める
  • 対策2:口コミを自社で分析する
  • 対策3:企業の良い部分を積極的に伝える
  • 対策4:求職者への対応を強化する
  • 対策5:働く社員の待遇を改善する
  • 対策6:口コミ内容を逆手に取る

求人募集の採用率とは? 計算方法・採用率アップの手法を解説

 

対策1:口コミサイトの情報を集める 

現社員や元社員が自社にどのような印象を抱いているのか、まずは口コミサイトの情報を集めるところから始めましょう。先ほど紹介した3つのサイト以外にも、たくさんの企業口コミサイトがあります。 

何に不満を感じているのか、どこが低評価につながっているのか、理由を知ることで、マイナスをプラスに変える施策を取り入れられます。


対策2:口コミを自社で分析する

数多くの企業口コミサイトがあるなか、自社だけで情報を集め、管理・分析するのは至難の業です。このような場合は、口コミを分析できるサービスを利用してみましょう。

口コミやレビューを自動で集めて分析してくれるツール、SNS上の口コミを収集できるツールなど、さまざまなツールが開発されています。 

分析結果をもとに、社員や元社員の本音に寄り添いながら、新しい採用方法、企業体制を構築していきましょう。

  

対策3:企業の良い部分を積極的に伝える

求職者が情報を集めているのは、口コミサイトだけではありません。企業ホームページの情報、SNSアカウントの内容などもチェックしながら、応募先企業を選択しているため、積極的に発信しましょう。

口コミ評価で不安に感じた部分を、企業アカウントや問い合わせから気軽に聞ける、繋がれる、といった体制を整えておくのも良い方法です。口コミはあくまでも一人ひとりの意見であり、すべてが正しいわけではないと求職者も理解しています。

公式の情報を広く伝えて、口コミサイトとは別のルートからの信頼獲得を目指しましょう。

中小企業に採用サイトは必要? 掲載コンテンツや作成のポイントを解説!

 

対策4:求職者への対応を強化する

 口コミを寄せるのは、自社に入社した社員だけとは限りません。採用の段階で選考から漏れた人材、内定を出したけれど他社を選んだ人材も含まれます。

 このような人材から悪い評価をもらわないように、電話応対や面接、不採用の場合のメール内容など、つねに丁寧な対応を心がけましょう。

初めて面接官を務める際の心得|役割・適性・選考時のポイント等を徹底解説

 

対策5:働く社員の待遇を改善する

働く従業員がやりがいを感じられる企業、給与や待遇に満足できる企業であれば、口コミ評価はおのずと高まります。現役社員や退職社員が求人サイトを利用する際に、良い口コミ評価を入れてあげたい、そう感じられる企業運営を目指しましょう。

日ごろから社員に対して困っていることはないか声をかける、コミュニケーションを大切にする、といった行動もおすすめです。口コミサイトが不満のはけ口にならないように、何でも話せる風通しの良い会社を目指しましょう。

 

対策6:口コミ内容を逆手に取る

自社へ悪い口コミが寄せられている場合、応募にいたった求職者の多くが、口コミが本当なのか、不安を感じています。口コミを理由に、第二志望、第三志望になっている可能性も考えられます。 

また先ほど触れたとおり、求職者側の多くが口コミについて、直接確認しません。このような場合は、口コミを逆手に取って、会社説明会や面接時にあえて悪い部分に触れてみましょう。

「弊社は残業が多いという印象がありますが、現在は働き方改革に取り組んでおります。その結果、2年前までは月20時間あった残業が、10時間程度になっています」 

など、悪い評価を受け止めより良く改善しようとしている姿勢が見えれば、企業への印象が大きく変わります。働きやすい環境にするため、取り組んでいる事由がある場合は、積極的にアピールしてみましょう。

  

企業口コミサイトに寄せられた悪い評判への対処法3つ

企業口コミサイトには、自社にとってマイナスとなる、悪い評判が書き込まれるケースもあります。このような場合、企業としてどう対応するべきか、3つの対処法を解説いたします。

対処法1:悪い口コミがないか調査する

口コミサイトの情報は、日々新しく更新されています。分析・管理ツールの導入も視野に入れながら、悪い評価を見逃さないように、定期的なチェックを心がけましょう。

悪い評価のうち、すぐに改善できる点は速やかに対処して、同じような評価が続かないように注意します。社内報や社内メールなどで、改善をアピールするなど、変わったことを社員へ伝える取り組みも必要です。

  

対処法2:口コミへ返信する

企業口コミサイトや求人サイトによっては、寄せられた口コミへ企業から返信できます。返信機能がついている場合は、寄せられた口コミへの御礼や今後の改善策、必要に応じた謝罪などの言葉を伝えましょう。 

この時、返信がけんか腰になってしまわないように、低姿勢で感謝の気持ちを伝えるのがポイントです。これから応募を検討している人材に向けて、悪い評価へも真摯に向き合っている姿を届けてください。

 

対処法3:運営サイトへ削除の相談をする

口コミの内容が、採用活動や企業経営の中で、実際に起きたことであれば、潔く認め、改善を図るべきです。ですが中には、根も葉もない噂や、間違っている情報、企業の価値を損なう誹謗中傷といったケースもあります。 

このような場合は、口コミサイトを運営している企業へ連絡して、削除の相談をしてみましょう。あまりに悪質な場合は、警察や弁護士へ相談するという方法もあります。

  

口コミ評価をアップする2つの方法

口コミの評価をアップできると、採用面でも企業の信頼面でも良い影響が期待できます。良い口コミを寄せてもらうために、やっておくべき施策をみてみましょう。

 

1:社員や退職者と交流の時間を持つ

人事担当者や幹部、経営者と、社員・退職者の距離を近づけておくと、良い口コミが入りやすくなります。

企業口コミサイトによっては、企業風土や文化、経営者や社長への意見・魅力といった項目があるため、日ごろのコミュニケーションを密にして、印象を良くしましょう。

退職者向けに御礼の気持ちを伝えたり、社員が退職した後もアフターサポートできる体制を整えたり、再雇用のシステムを構築したり、といった配慮もおすすめです。

一人ひとりの社員、携わった人材を大切にして、高評価を目指しましょう。

 

2:口コミ改善のチームや部署を作る 

人事部などを中心に、悪い口コミ改善に取り組むチーム・部署があれば、問題を早期解決できます。自社で難しい場合は、社内環境改善に繋がるサービス導入を検討する、という手段も有効です。

すぐには対処が難しい問題も、企業として改善に取り組む姿勢、体制を整えられると、働きやすい企業になり、評価の改善が見込めます。

求職者と接する機会が多い、人事部の働き方を見直すのも良い方法です。現状の状態では難しい、という場合は、人事情報を提供の上、人事管理システムや人事評価システムを取り入れてみてください。

人事の仕事が楽になれば、社員サポートに割く時間が増えたり、手厚い採用活動ができたり、口コミ改善へ速やかに取り組めたり、といったメリットがあります。

「One人事株式会社」「人事プロパートナーズ」「人事評価ナビゲーター」など、さまざまなサービスがありますので、自社に必要な内容を検討してみましょう。

 

企業の魅力が伝わる3つのテクニック 

自社の魅力を伝えるのに重要なのは、口コミだけではありません。採用を有利に進めるために、求人サイトや求人ページ以外からのアプローチを始めてみましょう。

 求職者や商品・サービスの利用者に会社の魅力が伝わると、企業成長に繋がり、採用にも良い影響が出ます。その結果、口コミ評価のアップにも繋がるため、導入できるテクニックがあれば、取り入れてみてください。

 

1:採用オウンドメディアから発信する

採用に特化したオウンドメディアを運営する企業が増えています。求人サイト上には載せきれない企業の雰囲気や制度、待遇、働いているスタッフの声などを、分かりやすく伝えられるツールとして役立てられます。

人事だけでなく、社員に記事を書いてもらったり、採用したスタッフに応募の決め手を聞いたり、活用の自由度が高いのもオウンドメディアの特長です。

ターゲットに刺さるデザイン、内容を意識しながら運用すると、企業口コミの評価アップが期待できます。

オウンドメディアリクルーティングとは?メリット、注意点、始め方を解説

 

2:SNS発信を検討する 

企業の情報をサイトではなくSNSで集める若い世代が増えています。SNS運用が遅れてしまうと、情報がターゲットに届かない恐れがあるため、活用していない場合は、導入を検討してみましょう。 

運用のコツは、選ぶSNSによって変わります。新入社員向けに情報を届けたい場合は、若い世代が活用しているInstagramやTikTok、転職組をターゲットにするならTwitterなど、まずは相手に適したSNS選定から始めましょう。

それぞれのSNSの特長、バズるコツなどを調べて、上手に活用してください。 

SNS採用の活動のポイント|狙える効果やメディア別の活用事例も紹介

 

3:Googleマイビジネスからアプローチする

地域の情報を検索、閲覧するのに多く使われるGoogleマイビジネスですが、求職活動にも利用できます。企業口コミサイトのように、事業所の口コミを掲載できるため、その内容をチェックしている求職者が少なくありません。

Googleマイビジネスで自社情報を管理すると、企業の情報を公開できるだけでなく、口コミへの返信が可能になります。口コミの削除申請も可能ですが、消せない場合も企業の声として返信できるため、ていねいな回答が印象アップにつながります。

 

まとめ 

企業の口コミサイトを参考に、応募先企業を決定したり、内定の決め手にしたり、といった求職活動が、今後も続いていくと予測されます。

誰もが自由に発信できる時代だからこそ、企業の評判を下げない取り組み、好感度をアップできるシステムの導入などが必要です。 

採用活動をスムーズに進めるために、社員や退職者から悪い口コミを寄せられないように、できる方法を取り入れながら、悪い口コミの改善を図りましょう。

マイナスの口コミが、企業をより良く変えるチャンスになる場合もあります。低評価にこそきちんと耳を傾けて、魅力アップを目指してみてください。





ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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