採用基準の決め方|具体的な設定方法や重視すべきポイントなどを解説

採用基準の決め方|具体的な設定方法や重視すべきポイントなどを解説
目次

採用基準は、自社で欲しい人材を採用する上で用いる、採用選考上の重要な指標の一つです。 

採用基準が厳しいと採用活動に時間がかかり、緩くなると採用後の教育コストが高くつくおそれがあるため、人事・採用担当者は適切な採用基準を設定する必要があります。

この記事では、自社で採用活動を進める際に不可欠な「採用基準」の決め方について、具体的な設定方法や重視すべきポイントなどを解説します。

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採用基準とは 何か

採用基準とは、自社にとって最適な人材を獲得(採用)するため、採用選考時に必要となる指標です。

もう少しかみ砕くと「自社のニーズにマッチした人材の採用条件」と言い換えられます。

以下、採用基準を定めることが、なぜ採用活動において重要なのか、3つのポイントをあげて解説します。

 

選考のスピードと質の両立

採用活動において、これだと思った人材を見つけたら、多くの採用担当者はできる限り迅速に採用したいと考えるでしょう。

その一方で、スピード感だけを優先して採用してしまうと、採用後にミスマッチが発生してしまうおそれがあります。 

採用基準を明確にすることで、選考において無駄なプロセスを省きつつ、重要なポイントを絞りやすくなります。

その結果、スピーディーかつ質の高い選考の実現につながります。


アンコンシャス・バイアスの排除 

面接官はそれぞれ違う人間であることから、何の対策もなしに面接に臨んでしまうと、主観が評価に混じってしまう可能性は避けられません。 

特に、個々の面接官が持つ「無意識の思い込みや偏ったモノの味方(アンコンシャス・バイアス)」は、自力でバイアスを取り払おうとしても難しい部分があります。

例えば、面接官がとらわれやすいアンコンシャス・バイアスとしては、次のようなものがあげられます。


種類概要
確証バイアス面接官があらかじめ抱いていた先入観に見合ったデータ・特徴のみで評価を下し、否定的な情報を無視する
※(経理を長年経験しているだけで「細かい仕事は得意そうだ」と評価するなど)
ハロー効果特に良好な点や目立つ特徴にイメージが引っぱられて、因果関係のない事項ごと印象で評価する
※(学歴や容姿・態度などをもとに評価するなど)
対比誤差“新しい面接に臨む直前”に面接をした候補者と比較して評価する
※(候補者Aが面接官にとって望ましいスキルを持っていて、候補者Bがそうでなかった場合に、本来の採用の目的から外れた評価をしてしまうなど)
慈悲的性差別男女の性差を善意で解釈し、結果的に偏見を生む
※(候補者が女性であるというだけの理由で、男性候補者にはない何らかのチャンスを与えようと考えるなど)

面接官が同じ採用基準を共有することで、これらのアンコンシャス・バイアスの影響を軽減し、客観的な評価を実現しやすくなるでしょう。

 

離職の防止

厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の離職状況(令和23月卒業者)」によると、平成31年における新卒者の学歴別の“就職後3年以内離職率”は以下の通りとなっています。

  • 中学卒:57.8%
  • 高校卒:35.9%
  • 短大等卒:41.9%
  • 大学卒:31.5%

学歴によって数字に差はあるものの、概ね新卒者の3割以上が3年以内に離職している計算になります。

よって、企業が人材を採用するにあたっては、離職防止という観点からも採用基準を設定することが大切です。


面接官が主観だけで応募者を評価した場合、社風に合わない・同僚や上司と馴染めないなどの理由から、早期離職につながってしまうリスクを無視することはできません。

各応募者が自社で力を発揮できそうか、すべての面接官がしっかり見極めるためには、主観に基づかない適切な採用基準を設定する必要があります。

適切な採用基準を設定できれば、人事・現場・役職者・経営陣それぞれがイメージする理想の人物像にギャップが生まれにくく、面接通過率も改善が見込めるでしょう。

特に、通過率が低い状況が続いている場合は、採用効率を高める意味でも採用基準を設定しましょう。

 

 新卒採用・中途採用それぞれの採用基準について

採用基準を設定する際は、新卒採用・中途採用で異なる基準を設けることも大切です。

企業として新卒者・中途採用者に求める経験・スキルは異なるため、同じ採用基準を適用するのは無理があるからです。

以下、新卒採用・中途採用それぞれの採用基準を設定する際、注意すべき点について解説します。

 

新卒採用で重視するのは「基礎的な能力の高さ」

日本経済団体連合会(経団連)が実施した「2018年度新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、回答した597社が選考時に重視する要素は、ポイントが多い順に以下の通りとなっています(2019年入社対象)。


  • コミュニケーション能力(82.4%)
  • 主体性(64.3%)
  • チャレンジ精神(48.9%)
  • 協調性(47.0%)
  • 誠実性(43.4%)

上記の結果から、多くの企業が新卒者に求めるものは、社会人に不可欠な「基礎的な能力の高さ」と考えられます。 

アンケート結果を参考に自社で採用基準を設定する場合は、例えば次のような能力・適性を判断できるよう基準を設けるとよいでしょう。

  • 仕事に対する情熱
  • 上昇志向(向上心)
  • 「自分でやる」という積極性
  • 周囲と足並みを揃えられる協調性
  • 正直な人物だと判断するに足りる誠実性

また、コミュニケーション能力の高さを確認するためには、次のように「ビジネスで求められるコミュニケーションの要素」を分けて採用基準を設けるのも一手です。

  • 意思伝達力(自分の考えを明確に伝えられる)
  • 論理的表現力(筋道を立てて説明ができる)
  • 好感表現力(意識して相手に好感をもってもらえるような話し方ができる)
  • 対人調和力(相手の感情・意図を理解した上で、適切な形で配慮できる)

 

中途採用で重視しているのは「専門知識・スキル」

労働政策研究・研修機構が2017年に行った「企業の多様な採用に関する調査」によると、回答した4,366社が正社員の中途採用を行う理由としてあげた主な理由は、ポイントが多い順に以下の通りとなっています。

  • 専門分野の高度な知識やスキルを持つ人が欲しいから(53.9%)
  • 新卒採用だけでは補充できないから(35.3%)
  • 高度とか専門とかではなくてよいので、仕事経験が豊富な人が欲しいから(33.1%)
  • 高度なマネジメント能力、豊富なマネジメントの経験がある人が欲しいから(19.2%)
  • 顧客層に合った人材が欲しいから(12.6%)
  • 新卒の採用をしていない/募集したが採用できなかったから(12.4%)
    ※(2016年度に正社員の中途採用を実施していない企業を除く)

上記結果では、中途採用に求めるのは「専門的な知識やスキル」が多いことが分かります。

一方で、労働人口が減少している日本で、自社が求める知識やスキルをもつ人材を採用するのは、非常に難しいです。

・ターゲット人材がどのくらいいるのか?
・競合はどのくらいいるのか?
といった採用市場をふまえて、自社の採用基準を設定しましょう。

ポテンシャル採用とは?導入のメリット・デメリット・事例を紹介!    


採用基準を設定する方法

採用基準を設定するにあたっては、次の3点を意識することが大切です。

  • 欲しい人材のイメージを明確にする
  • 評価項目を決める
  • 評価基準を決める

以下、それぞれの点について解説します。

  

欲しい人材のイメージを明確にする

採用基準を設定するにあたり、最初に実施すべきことは、自社が「どんな人材を求めているのか」についてイメージを明確にすることです。

一口に人材を採用するといっても、その背景や課題は企業・職種などによって異なるため、まずは採用の目的を明確化することから始めましょう。

欲しい人材像を掘り下げていく際は、次のステップを踏むとスムーズです。

採用目的の確認自社にどのような課題があり、それを解決するためにどのような人材が必要なのか確認
採用予定の現場にヒアリング
  • 採用予定の現場で働くメンバーに、欲しい人材の要件をヒアリングする
  • 円滑な業務遂行に必要なスキル・知識を確認しつつ、一緒に働く上で不適切と考えられる要件についても聞き取りを行う
活躍している人材の行動特性確認
  • 自社や採用予定の現場で、活躍する人材に共通する行動特性(コンピテンシー)を明確にする
  • 募集する職種や役職などに応じて、業務遂行能力が高い社員にヒアリングし、成果を出している“思考”を洗い出す

 上記のステップを踏んだ後は、欲しい人材の経験・スキル・性格といった要素を「採用ペルソナ」として具体化します。

 例えば、経理職でマネジメント経験者・有資格者を募集する場合、そこから連想される人物像や暮らしぶりまで踏み込んでイメージします。

具体的には、応募者の経理実務経験年数・保有している資格・転職に臨む理由などを詳細に決めていきます。

採用ペルソナの設定について、より詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

採用活動は「ペルソナ」で成否が決まる|重要性や設計の流れなどを解説

 

評価項目を決める

欲しい人材のイメージ(採用ペルソナ)が明確になったら、次は評価項目を決めていきます。

評価項目を決める際、項目を増やし過ぎてしまうと選考の見極めが難しくなるため、採用ペルソナから逆算して優先すべき項目を厳選しましょう。

ただし、自社のニーズに合うスキル・実務経験だけで評価しようとすると、社会人として不可欠な能力を見落としてしまうおそれがあります。

この点に関しては、経済産業省が仕事に必要な能力として「人生100年時代の社会人基礎力」を提唱しているため、そちらを参考に評価項目を決める方法があります。

社会人基礎力は、3つの能力と12の能力要素に分かれており、それぞれの構成は以下の通りです。

<前に踏み出す力(アクション)>

主体性物事に進んで取り組む力
働きかけ力他人に働きかけ巻き込む力
実行力目標を設定し、確実に行動する力

<考え抜く力(シンキング)>

課題発見力現状を分析し、目的・課題を明らかにする力
計画力課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
実行力目標を設定し、確実に行動する力

<チームで働く力(チームワーク)>

発信力自分の意見を分かりやすく伝える力
傾聴力相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性意見・立場の違いを理解する力
情況把握力自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
規律性社会のルールや人との約束を守る力
ストレスコントロール力ストレスの発生源に対応する力

直接業務遂行に関連しない評価項目については、社会人基礎力の要素を考慮して項目を検討するとよいでしょう。

 

 評価基準を決める

評価項目が決まったら、それぞれの評価項目ごとの評価基準を定めます。

面接官の質問に対する回答を“レベル別”に評価して、採用ラインを定められるよう、評価の尺度を明確化しましょう。

一例として、アメリカなどで学習評価のために設けられている「ルーブリック評価」を使うと、どのような条件を満たしていれば一定のレベルに達しているのか、明確かつ定量的に評価が可能です。

<ルーブリック評価の一例(Excelの操作能力)>

レベル1所定の時間内に、セルに必要なデータを入力することができる
レベル2SUM・AVERAGEなど、簡単な数式が使える
レベル3VLOOKUPなど、やや複雑な数式が使える
レベル4マクロもしくはVBAにより、簡単な作業の自動化ができる

  

採用基準を決める際の重要ポイント3選

採用基準においては、自社にマッチする人材を獲得するために、決して抜け落ちてはならない要素がいくつか存在します。

以下、採用基準を決める際、特に重要なポイントを3つご紹介します。


カルチャーフィット

最初に考慮すべき重要なポイントは、求職者の価値観と企業の文化が適応している、いわゆる「カルチャーフィット」が実現できる基準かどうかです。

一昔前の採用活動で主流だったのは、個人の能力・スキルに焦点を当てた「スキルフィット」に重きを置くスタンスでした。

しかし近年では、カルチャーフィット・スキルフィットの両方が高い人材を雇用する方向にシフトする企業も増えてきています。 

候補者一人ひとりは、それぞれ違う人生を生きているため、必ずしも持っている価値観・人間性が自社とマッチするとは限りません。

実際のところ、個の能力がどれほど高かったとしても、自社のカルチャーからかけ離れた考えをしている人材に対して、企業が居場所を与えるのはなかなか難しいでしょう。


カルチャーフィットを見極めるには?

候補者が自社とカルチャーフィットを実現できるかどうかを見極めるためには、面接において次のような観点から評価項目を決めるとよいでしょう。

<評価項目の一例>

コミュニケーション能力
  • 面接官の話を正しく理解しているか
  • 回答は面接官が理解できるものか(的確か)
誠実性
  • 主張は一貫しているか
  • 自分の現在の実力を見誤っていないか
主体性
  • 志望動機は明確か
  • 自社でやりたいこと・やるべきことを把握した上で応募しているか

“これから一緒に働く可能性のある”面接官が聞いたことに対して、適切な回答ができない人材は、採用後にコミュニケーション上の齟齬が生じるおそれがあります。

主張が場面でころころと変わったり、職務経歴書からは読み取れない実力以上の発言をしたりするような人材は、重要な仕事を任せるには不安を感じるでしょう。

応募書類の記載事項や面接のやり取りの中で、自社に応募した意図が感じられない人材は、そもそも自社についての理解・意欲が浅いか、何か勘違いをしている可能性があります。

本記事であげた例以外にも、候補者の価値観を把握する上で適切と考えられる評価項目があれば、必要に応じて盛り込むことをおすすめします。

なお、カルチャーフィットの導入について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【早期退職の防止に!】カルチャーフィット導入のステップや人材の見極め方を解説!


スキルフィット

カルチャーフィット・スキルフィットの両方が高い人材を雇用するのは、企業にとって理想といえます。 

そのため、カルチャーフィットを重視しつつも、最低限備えていて欲しいスキルに関しては、スキルフィットを実現できるような基準を設ける必要があります。

もちろん、スキルだけを重視しないよう、バランスを考慮して評価項目をまとめることが大切です。 


スキルフィットを見極めるには?

候補者が自社とスキルフィットを実現できるかどうかを見極めるためには、面接において次のような観点から評価項目を決めるとよいでしょう。

<評価項目の一例>

実行力
  • これまでの仕事における努力の方向性は、目標達成につき正当なものか
  • 努力が誇るに足る実績に結びついているか
計画力
  • 課題を正しく把握しているか
  • 厳しい状況をどのように乗り越えたか
チームワーク
  • 自分1人の実績だけでなく、チームであげた実績を述べられるか
  • チームで働くことの方が得意と感じているか

上記のほか、具体的な資格等も踏まえて評価項目を検討するのであれば、資格で得られる知識・スキルを実務ベースで照らし合わせて項目をまとめるのもよいでしょう。

 比較的分かりやすい例としては、会計業界において税理士試験の科目合格者を募集するケースがあげられます。

一般企業の会計・税務に携わるのであれば、所得税法・消費税法などの科目に合格した人材を採用した方が、実務でも活躍が期待できるでしょう。

相続関連の案件やクライアントが多いのであれば、相続税法の科目合格者を採用したいと考える会計事務所が多いはずです。


コンピテンシー

コンピテンシーの考え方を取り入れることも、評価項目を考える上では重要です。

具体的には、周囲の評価が高く、自社で成果を出している人材に共通する行動特性・思考傾向をモデルにし、どんな考え方が自社での成功につながっているのか分析する必要があります。

可能であれば、複数の成功例を抽出し、それぞれに共通するポイントをまとめることも大切です。

思考パターンに成功例との共通性が多い人材は、入社後に活躍することが期待されます。


コンピテンシーを採用基準作りに活かすには?

コンピテンシーを採用基準作りに活かすためには、各コンピテンシーをリスト化した「コンピテンシー・ディクショナリー」を作成する方法が知られています。

コンピテンシー・ディクショナリーとは、アメリカ・マックバー社CEOのライル・M・スペンサー氏とシグネ・M・スペンサー氏によって提唱されたコンピテンシーモデルのことです。 

コンピテンシー・ディクショナリーは、コンピテンシーを次の6領域・20項目に分類しています。

コンピテンシー項目
①達成・行動
  • 達成志向
  • 秩序・品質・正確性への関心
  • イニシアチブ
  • 情報収集
②援助・対人支援
  • 対人理解
  • 顧客支援志向
③インパクト・対人影響力
  • インパクト・影響力
  • 組織感覚
  • 関係構築
④管理領域
  • 他社育成
  • 指導
  • チームワークと協力
  • チームリーダーシップ
⑤知的領域
  • 分析的思考
  • 懸念的思考
  • 施術的・専門職的・管理的専門性
⑥個人の効果性
  • 自己管理
  • 自信
  • 柔軟性
  • 組織的コミットメント

 これらの項目につき、自社の企業理念・事業戦略をベースに、必要なものを評価項目として選ぶイメージです。

コンピテンシーとは?活用方法、導入するメリットや注意点を解説!    


MUST・WANT・BETTER・NEGATIVEの優先順位をつける 

評価項目となり得る複数の項目があり、どれを取り入れるべきか迷っている場合は、人材要件を以下4つの要素で具体的に言語化した「人材要件フレームワーク」を取り入れてみましょう。

  • MUST(必要条件):求職者に求める必須スキル・経験
  • WANT(十分条件):求職者が持っていると自社にとってプラスに働くスキル・経験
  • BETTER(歓迎条件):求職者が持っていると自社にとって大きくプラスに働くスキル・経験
  • NEGATIVE(不要条件):自社にとってマイナスとなる求職者の特性・経験

上記の要素をもとに評価項目をまとめる場合、例えば次のような例が考えられます。

<法務職の中途採用者向け評価項目の一例>

MUST(必要条件)
  • コンプライアンスの実務経験あり(5年以上)
WANT(十分条件)
  • 英文報告書・レターの読解・作成が可能で、顧客とのスムーズなコミュニケーションが可能な英語力
BETTER(歓迎条件)
  • 労務もしくは内部通報対応の経験
NEGATIVE(不要条件)
  • TOEIC600点未満
  • 主導的な立場での施策立案・企画等の経験がない

フレームワークに沿って評価項目をまとめることにより、自社としてどのような人材を必要としているのかが具体化でき、求人において最も重要な点が明確になります。

最低限「MUSTを満たしてNEGATIVEを満たさない人材を探す」と決めるだけでも、採用活動を円滑に進めることにつながります。


採用基準を決める際の注意点 

自社全体のことを考えて人材を採用する以上、採用基準を決める際は、やるべきこと・やってはいけないことがあります。

以下、具体的な注意点をいくつかご紹介します。


現場の声を無視しない

それぞれの募集職種において、採用された人材が実際に働くのは“現場”です。 

その現場の声を無視して人材を採用してしまうと、それだけミスマッチのリスクは高まります。

実際、経営陣がイメージしている理想の人材像と、現場側がイメージしている理想の人材像に、何らかのズレが生じていることは珍しくありません。

例えば、専門性の高いスキルに関しては、経営陣よりも現場担当者の方が正しい判断ができる可能性が高いでしょう。

この点を踏まえ、人事・採用担当者は現場担当者からのヒアリングを実施し、現場のスタッフが採用活動にも積極的に参加してもらえるよう働きかけましょう。


自社の経営方針を考慮する

採用基準を決めるにあたっては、人材面での理想だけを追い求めるのではなく、自社の経営方針を考慮することも大切です。

どれだけコストをかけて優秀な人材を迎え入れようとしても、その人材が経営方針に馴染まないのであれば意味がないからです。

自社の人材育成計画・将来のビジョンに合致する採用基準を設けていれば、応募者に対して自社の社風・任せる業務内容などを明確に説明しやすくなります。

その結果、ミスマッチを未然に防げるだけでなく、人事・現場責任者などが経営陣を説得する上でも有利に働くことが期待されます。


就職差別をしない 

就職差別とは、採用差別・就活差別とも呼ばれ、性別や年齢・身長・体重など“応募者の努力ではどうにもならないこと”を理由に採用・不採用を決定することをいいます。

厚生労働省は、公正な採用選考の基本として次の2点を掲げています。

  • 応募者の基本的人権を尊重すること
  • 応募者の適性・能力に基づいた基準により行うこと

    ※出典元:厚生労働省|公正な採用選考の基本

原則として、応募者本人の資質・能力・適性に関係なく採否を決めることは認められないため、採用基準を決める際は次の点に配慮する必要があります。


本人に責任のない事項を採用基準に含めないこと

出生地・家族・住宅状況・生活環境・家庭環境などに関することは、基本的には本人に責任のない事項であり、応募者の適性や能力を反映する事項とはいえません。

よって、これらの事項を採用基準に含めないよう注意しましょう。


思想・信条に関わる事項を採用基準に含めないこと

思想・信条に関わることは、本来その人の自由であるべきことであり、応募者の適性や能力を反映する事項とはいえません。

よって、以下のような事項を採用基準に含めてはいけません。

  • 信仰している宗教
  • 支持政党の有無
  • 個人の人生観や生活における信条
  • 尊敬している人
  • 思想
  • 労働組合の加入状況や活動歴
  • 学生運動・社会運動に参加していたかどうかの確認
  • 購読している新聞や雑誌・愛読書の確認 など


不適切な採用選考プロセスを含めない 

選考にあたり、身元調査や合理的・客観的な観点から必要性が認められない健康診断を実施することは、必ずしも応募者の適性や能力を反映する事項とは言い切れません。

採用選考時にこれらの不適切なプロセスを含めることで、最悪の場合、自社の対外的な評価を下げることにつながりかねないため注意しましょう。


評価項目を明確にする 

評価項目は、具体的かつ明確にしなければ、質の高い採用を実現することは難しくなります。 

例えば「コミュニケーション能力が高い」という評価項目を作成した場合、何をもってコミュニケーション能力が高いといえるのか定義しなければ、ミスマッチにつながるおそれがあります。

傾聴力を求めるのか、それとも理路整然と自分の考えを述べられる人材が欲しいのか、ニーズは企業によって変わってきます。

評価項目を決める際は、行動や態度をできる限り具体化して落とし込むことを意識しましょう。


PDCAを回す

採用基準は、企業の進化にともない常に改善が求められるものです。

よって、効果を定期的に検証しつつ、PDCAサイクルを回していく必要があります。

安定して優秀な人材を確保したいのであれば、採用活動時点において適切な基準となっているか、採用結果が企業の目標達成につながっているかどうかを確認しながら、改善点を見つけることが大切です。


採用基準をもとに欲しい人材を見極める には

採用基準が固まったら、次はそれを元に欲しい人材を見極めていきます。

以下、書類選考・適性試験・面接それぞれのフェーズにおいて、採用基準をベースに人材を見極める方法を解説します。


書類選考での見極め

書類選考時は、通過率を極端に下げず可能性の幅を広げるため、まずはMUST(必須項目)とWANT(十分項目)の2種類に絞って選考するとよいでしょう。 

中途採用者の場合は、職務経歴書のフォーマットを指定するのも一つの方法ですが、プレゼン能力を把握したい場合は、あえて指定しない選択肢も検討しましょう。


適性試験での見極め

適性試験に関しては、以下の2種類の能力を数値化することで、採用基準に合致する人材かどうか短時間で判断できるでしょう。

  • 言語分野(国語など)
  • 非言語分野(数学など)

適性検査の種類は数多く存在しているため、確認したい項目が絞り切れている場合を除いては、受検者数が多い検査を採用した方が安心です。


採用面接での見極め

採用面接においては、評価項目・評価基準をまとめた「面接評価シート」を作成し、面接官が主観で判断する場面を減らすことが大切です。

面接時間を短縮して、限られた時間でより多くの候補者を選考することが期待できるだけでなく、公平な選考にも繋がります。

なお、上記内容を実施しても、応募率増加・離職率低減に繋がらない場合、選考基準の見直しが必要かもしれません。

選考基準の決め方・見直し方について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

選考基準はどう決める? 重視するべき項目やポイントを解説!


近年ポテンシャル採用に注目が集まる理由は? 

少子高齢化が進み、採用市場で人材不足が深刻化する中、近年は若手を確保するため「ポテンシャル採用」に注目する企業が増えてきています。 

ポテンシャル採用とは、応募者が持つ潜在能力・将来性に着目した採用方法で、多くの場合は新卒・第二新卒を中心とした30歳以下の人材が募集対象となります。 

ポテンシャル採用の実施は、意欲的・多様な人材を採用しつつ、年齢構成を刷新することにつながります。

しかし、採用後は業界知識の教育の機会を設ける必要があり、人材によっては能力を開花できず再転職してしまう可能性もあるため、以下の記事を参考にポテンシャルを見抜く仕組みを構築しましょう。 

ポテンシャル採用とは?導入のメリット・デメリット・事例を紹介!


まとめ

採用基準が適切な形でまとまっていれば、自社の採用活動をより効率的に進められます。

募集職種ごとに、自社が本当に欲しい人材のイメージをできる限り具体化し、採用基準に落とし込みましょう。

採用基準がまとまった後、それをどのように求人記事として反映させるべきかお悩みの企業担当者様は、株式会社アルバイトタイムスの「ワガシャ de DOMO」をご検討ください。

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ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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