学生に求人広告の表現について聞いたら、「情緒的で主観的な情報」よりも「具体的で合理的な情報」が支持された件
こんにちは、ヒトクル事務局です。
弊社アルバイトタイムス主催で静岡の大学生の求人広告の表現についての受け止め方を確認するため、WEBにてグループインタビューを開催しました。そこで、大学生ならではの感度がうかがえる点がいくつかありましたのでご紹介いたします。
参加いただいたメンバーは静岡大学2年生Kさん(男性)、静岡大学4年生Mさん(女性)、常葉大学4年生Iさん(男性)、静岡文化芸術大学2年生Cさん(女性)、東京都内大学院修士2年生Nさん(男性)の5名です。
一般的に使われやすい求人記事の表現に対し、A・Bどちらの表現を好むかを判定してもらい、理由をうかがいました。
職場の人間関係、人との相性は人それぞれ、強調されても刺さらない?
Q1.キャッチコピーの表記で好感度が高いのはどちら?
表現A (0票)
未経験者大歓迎!
10~40代の幅広い年代が活躍中!
仲の良さなら何処にも負けない居心地の良いお店♪
表現B (5票)
学生バイトを応援!
学業と上手に両立ができるお店!
1週間ごとのシフト自己申告制。お休み取得しやすい♪週2日~OK!
【学生コメント】
Cさん:「アルバイトをやるのに仲の良さを求めていないです。」
Iさん:「Aの仲良くなれる、なれないの相性は人により異なりますよね。それよりもBのシフトの申告のしやすさなど仕事に直結する情報がありがたいです。」
Kさん:「コロナ禍でオンラインから対面の切り替えなど急な変更が入ることがあるため、Bの学生の環境に即した情報はうれしい。」
Nさん:「Bは学生に向けた情報と具体的な働き方がイメージできる。」
Mさん:「人間関係は気にするし、時給の額がすべてではなく、職場環境がいいから続けている友達も多い。ただ仕事を探す際には学生がいるのか、どんな働き方ができるかなどの情報に価値を感じる。
【総評】
Bが5票と学生向けに絞った方に軍配が上がりました。
「職場の人間関係や人との相性は人それぞれ」といったドライな意見がちらほら。主観的で情緒的な情報よりも、より合理的な情報に価値を感じている傾向があるようです。
友達探しじゃない、仕事に関連する情報が大事
Q2.アピールポイントの表現で好感度が高いのはどちら?
表現A(0票)
バイト終わりにみんなで飲み会。バイト同士が自然と仲良くなるお店。
1年以上のスタッフも、今年から入ったスタッフも分け隔てなく、みんな仲良しの雰囲気に自信があります♪
休憩中にゲームの話。バイト終わりにみんなで飲み会。
夏にはBBQで集まるなど、バイト同士が自然と仲良くなる。
そんな雰囲気のお店です。
表現B(5票)
シフト自由!テスト休み・帰省、旅行などバイト休みの相談ができるお店。
・週2日~OK
・テスト休みOK
・帰省、旅行などで出勤0週もOK
プライベートに支障がないように、出勤・休みの希望が出せるのが魅力♪
1週間ごとのシフト自己申告制!
学校行事とバイトの両立を、上手にできると学生に人気のお店。
【学生コメント】
Kさん:「仕事、勤務に関連する情報をしりたいのでBが良いです。」
Nさん:「職場の雰囲気が自分に合うかどうかはその人次第だと思います。Aはうさん臭い印象をもってしまうかも。」
Cさん:「Aはバイト先で都合よく、使われる印象を受けました。その点Bはシフトのことを具体的に書いてあるので、噓でないと思えました。」
Iさん:「Aはいざ入ったときに思ったのと違うのではないかとの印象を受けました。」
Mさん:「バイトを始めるきっかけとしては、働き方・柔軟性を求めたいです。その点Bに帰省などの表現があるのは良いです。」
【総評】
「みんな仲良し」といった表現に「うさん臭さ」を感じているようなコメントが出ています。この世代は、SNS世代のためか、リアルではない情報に敏感です。それよりも、具体的にシフトの融通などについて盛り込んだBに軍配が上がりました。
具体的な仕事内容の記載はやはり必要、あまり細かな人材像にはマイナス意見も
Q3. 仕事内容の表記で好感度が高いのはどちら?
表現A(1票)
ホールスタッフの募集!
・人と話すことが好きな方に最適!
・笑顔に自信がある!
・部活など、仲間と一丸となり、何かに取り組んだ経験がある。
そんな方にピッタリのお仕事です。
表現B(4票)
注文聞きやお料理のお運びなど。
・メニューは30種類(お料理・お酒)
・席数20席の動きやすいスペース。
お客様に笑顔で挨拶♪
写真ありのメニュー表を見せながら、注文をメモしたり、料理をお渡しする際に食べ終わりの食器の片付けをお願いします。
「オススメのお料理・お酒は何?」
「いつも笑顔でイイね」といったちょっとしたお客様との会話も楽しめます。
【学生コメント】
Kさん:「Bは具体的に表記されていて、どういうシゴトをするのかが想像しやすいと感じました。」
Nさん:「消去法でBです。Aは記載されているスキルに合致しないと自分は対象ではないのではと感じます。逆にBはやっていくうちに身についていくイメージが湧きやすいと感じました。」
Cさん:「ホールスタッフといえば内容がわかるのと、スキルがわかった方が分かりやすかったのでA。 Bは、事細かに説明し過ぎな印象、少し馬鹿にされている感じがした。」
Iさん:「丁寧に書いてあり、イメージしやすいのでB。Aは1つでも募集像に合致しない場合、応募しづらいのでは。」
Mさん:「Aのように人材像を出されると合わないと感じたらNG。合致しない場合でも、今はなくてもゆくゆく身についていけると感じられる広告にしてほしい。Bはホールの仕事が細かく書いてあり、イメージがしやすく、規模感とかもイメージがしやすい。」
【総評】
具体的な人物像の記載があるAよりも、仕事内容の具体的な表現のBに軍配が上がりました。初めから過度な期待をされるよりも、少しずつ慣れていけばよいといったイメージの方が応募しやすいようです。
勤務時間などの具体例は許容ラインの見極めの指標として安心材料に!
Q4. 時間・勤務日の表記で好感度が高いのはどちら?
表現A(4票)
17:00~22:00の間で応相談。
※週1日~、1日3時間~OK
※希望勤務日が合えば、週1日~も歓迎
【シフト1週間毎の自己申告制】
【出勤 シフト例】
・17:00~21:00×週2日
・17:00~22:00×週3日
・18:00~22:00×週3日
・19:00~22:00×週1日など相談可能!
表現B(1票)
17:00~22:00の間で応相談。
※出勤日数・曜日なども相談応じます。
テスト期間、学校行事を休みたいなど、あなたの希望を教えて下さい。
【学生コメント】
Kさん:「Aはシフト例があり、勤務イメージがしやすかった。最低ラインがある方がありがたい。」
Nさん:「Bは求められるラインが見えないので、Aの例示のように最低ラインが見える方が良い。」
Iさん:「バイトのシフト例があると、どの位の働き方ができるのか、申告しやすく優しさを感じる。」
Mさん:「Bは直観的な話だけど、冷たい印象があった。どういう相談ができるのか、最低ラインの記載があると学生からすると助かる。」
【総評】
シフト例が細かく記載されているAに軍配が上がりました。勤務時間などの具体例は、許容ラインの見極めの指標として安心材料になっているようです。
数字の説得力が高い!? 情緒への訴求に対しては乾いた反応も
Q5. 給与の表記で好感度が高いのはどちら?
表現A(5票)
時給1000円以上
※高校生/時給900円以上月収例)
■大学・短大生の場合
週3日→
時給1000円×4h×12日=4万8000円
■Wワーカーの場合
週2~3日→
時給1000円×3h×10日=3万円
表現B(0票)
時給1000円以上
※高校生/時給900円以上
ご希望の収入を教えてください。
頑張り次第で給料UP!
・携帯代+遊び代
・毎月新作の洋服をGETしたい
・生活費の足しにしたい
・友達と旅行に行くため稼ぎたい等
【学生コメント】
Kさん:「収入が具体的に示されていたのが良かった。このくらい稼げるとイメージがしやすい。」
Nさん:「消去法。収入を稼ぐ理由、プッシュが刺さっていない。」
Cさん:「それぞれの立場での例があるので、信ぴょう性を感じられた。」
Iさん:「稼ぐ目的で推察されているイメージ。頑張り次第で給与UP、稼ぎたい」
Mさん:「Bに惹かれなかった。バイト先に使い道よりも、働く時間と収入がどのくらいあるのかが気になった。頑張り次第で給与UPよりも、今給与があがる方がいい印象だった。」
【総評】
数字が入っているAを全員が支持しました。使い道について推測されるよりも、具体的な収入例の記載の方がリアルに感じてもらえるようです。
個人店でのオーナー、店長さんなどの思い、人柄が伺える情報は関心高し!
Q6. 職場・お店紹介の表記で好感度が高いのはどちら?
表現A(1票)
【バイト仲間の紹介】
10~20代が活躍中!
・大学・短大・専門 8名
・高校生 3名
・主婦 3名
・フリーター 1名
・Wワーカー 1名
(男女比4:6)
表現B(4票)
【お店から一言】
40代の夫婦で営む居酒屋。九州の美味しいものを静岡の方々にも知って欲しい。そんな思いで、5年前にOPENしました。
常連のお客様が多く、お客様とバイトさんも友達のような関係で、ワイワイと賑やかな雰囲気
【学生コメント】
Kさん:「Aはどういう人が働いているのか、具体的に書いてあったので良く、Bも店主がどんな方か書いてあった点は良かったが、僅差でA。」
Nさん:「オーナーさんの人となりのイメージが湧くBが良い。これらの情報はチェーン店では不要だが個人店は情報がないから助かる。」
Cさん:「経営されている方の情報があったからBがよかった。」
Iさん:「お店の方の想いがわかり、働くイメージが湧いた。バイト仲間の情報もいいが、実際はシフトに入るときのシフトにより異なるから、ざっくりでOK。」
Mさん:「Aはバイト仲間の紹介が割合とかではなく、属性だけでなく雰囲気を書いて欲しかった。Bはお店がどんな思いで、経営されているのかイメージが湧きやすく、個人経営だと選ぶ基準になった。
【総評】
経営者のお店への思いを盛り込んだBの指示が多い結果となりました。個人店でのオーナー、店長さんなどの思い、人柄が伺える情報は関心が高いようです。
募集する側だったら、求人記事に入れる内容は?
最後に学生の皆さんに聞いてみました。「もし募集をする側であったら、求人記事にいれる内容は?」
「学業を優先してください他、シフトの融通が気軽にできるなどの表記を入れたい」大学生なのでやはり、授業への出席が第一、そこへの理解が融通が利く、安心感につながるので入れたいとの意見が多かったです。
同様に「まずはお店に来てください」などの表記は敷居が高くなく、気軽に相談できるといった安心感を感じられるといった意見も。
今回のグループインタビュー全体に通じる大学生募集についてのエッセンスとしては「安心感」だった気がします。特にコロナ禍で、大学のスケジュールも流動的といった要素もあるのかもしれません。
シフトの融通、勤務時間、仕事の内容など求人記事においては、安心感の裏付けとなる具体的な表記を求め(Ex.シフトの例示、収入例)、スタッフ間の交流よりもまずは仕事に関連する情報を求め、求人記事全体の表記、またお店からのメッセージなどから、安心感につながる募集主の人格(優しさ、丁寧)を読み取ろうとする意識があるように感じました。
今回は、5名の学生さんに参加いただいたグループインタビューですので、大多数の意見というわけではありません。
ただし、大学生をターゲットに求人をかけられる場合にはヒントになるのではないかと思います。
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