「メモを取る」「まとめる」「確認する」を習慣化【主婦パート・アルバイト育成ノウハウ(3)】

「メモを取る」「まとめる」「確認する」を習慣化【主婦パート・アルバイト育成ノウハウ(3)】
目次

今回のコラムを担当します、株式会社エスエスブレーンの関 美分と申します。

このコラムでは、主婦パートの「教育」「戦力化」「定着」について、現場ですぐに実践できるノウハウや主婦パート育成で押さえておくポイントなどを具体的な事例を用いて、解説させていただきます。

前回のコラムでは、2週間の価値観研修(新人研修)で最初に伝えている基本行動の1つ①反応についてご紹介しました。
主婦パート育成ノウハウ「返事ひとつで関係が変わる」

今回は他の3点について具体的にお話しさせていただきます。


まずはメモをとることを習慣化させる


記憶に頼らず記録に取ること!まず教わることはメモを取って記録に残すことをお願いしています。人は聞いた直後はよく覚えていますが、時間がたてば記憶は薄れます。

しかし、メモにとって記録に残していれば、後でいくらでも見直すことができます。上司や先輩は自分の時間や仕事を割いて教えてくれているので、何度も同じことを聞くことがないようメモにとることを徹底しています。

実は、こちらからの情報提供に対して何も言わなくてもメモがとれている人は意外に少ないのです。

ですから、研修の最初にメモを取ること、記録に残すことを伝え、もしメモに残してほしいところで手が止まっているようであれば、「メモ忘れてるよ!」「メモ取って!」と繰り返し伝え、メモに取ることを習慣になるように促していきます。

最初に伝えて終わりではなく、実行できるように目を配り、サポートすることが大事です。


メモを取った内容をまとめる


メモに取ったものを、空き時間や自宅で別ノートにまとめ直すことをお願いしルールにしています。

数日まとめてノートにまとめることがないよう、必ずその日に教わったことは、その日のうちにまとめることを義務付けています。出来るだけ記憶が新しいうちに復習をして定着させていくことが目的です。

多くの新人はまとめてきてくれますが、中には別ノートにまとめられない方もでてきます。
例えば、
関「昨日の内容はどのようにまとめましたか?」
新人「実は帰ると忙しくて、なかなかまとめる時間がないんですけど…」という具合です。

というのも、私共では主婦をパート採用しているので自宅に帰ると家事や子供の面倒に追われて、なかなかまとめる時間が取れないという理由です。

もし、このまま「忙しいよね!それじゃ~仕方がないよね、じゃ~いいよ」と言って放置してしまえば、イレギュラーな事例を作ることになり、やってくる人とやらない人と確実に能力に差がついてしまいます。

そこでとった方法は短時間で区切ることを提案し、まとめることを必ずやってもらうことでした。

「●●さん、15分ならどこか時間はとれますか?」と聞くと、ほぼ全員が「15分なら大丈夫です!」と答えてくれます。

「では、15分だけでいいので、時間をとってまとめてみてください。それ以上はやらないでいいですよ」と伝えやってもらうのですが、15分と時間を区切ったことでかなり集中することができ、思いのほか皆さんまとめることができています。

もしかしたら、時間を掛けないとまとめられないと思い込んでいたり、やたらと時間をかけてまとめていたのかもしれません。

現在では時間を意識してまとめるよう新人の方には伝えています。このことは、新人研修が終わって実務を教わる段階になったときにさらに活かされることになります。

大事なのは、個人のやれない理由でルールを安易に変えてしまわないことです。できるようにするにはどうしたらよいか考えて努力することが大事だと思います。


翌日、不明な点を確認する


別ノートにまとめていると、「これどういう意味だっけ?」「この手順でよかったのかな~?」というように、メモに書き留めたことが不明確でよくわからないこともでてきます。その時は、翌日早い段階で質問をするようにお願いしています。

「●●さん、おはようございます。まとめていて不明な点が2点あるのですが、今お聞きしてもよろしいですか?」
という具合に自分から声をかけ、不明な点を確認することです。



以上の4つの基本行動を新人研修の最初に伝え、うちの会社で求めている仕事の取組み姿勢のベース固めを行うことで、上司・先輩とのコミュニケーションギャップを解消することができ、主婦パートの戦力化につなげていくことができると考えています。

いかがでしたらでしょうか。
今回は、2週間の価値観研修(新人研修)で最初に伝えている基本行動について最後までご紹介いたしました。
御社で新人研修をされる際の参考にしていただければ幸いです。

次回は、「仕事の取組み姿勢」について具体的な事例を用いてご紹介したいと思います。

関 美分
記事を書いた人
関 美分

静岡県浜松市生まれ。高校卒業後銀行へ就職。窓口や新人の研修トレーナーを担当した後、当時としては数少ない女性営業として活躍し、その実績を認められ、31歳で預金課長に抜擢される。出産を機に退職し、平成6年に同社にパート社員として入社。

研修トレーナーの実績を活かし、入社後から講師を担当する。現在は年間94日研修を担当する。

今までの職歴を活かし、その豊富な具体例を盛り込んだ研修内容でリピート率が非常に高い。単に研修を行なうだけでは、現場の課題は解決できないことから、事前の打合せや事後の報告など、きめ細やかな対応を行うことで、経営者・人事担当者から信頼を寄せられている。自社のパートスタッフの教育担当者として、『利益を生み出す主婦パートを育てるすごい方法』を鈴木と執筆。パート活用を事業として展開中である。

株式会社エスエスブレーン:https://ss-brain.com/