【セミナーレポート】活躍人材の採用効率を高める 人材の見える化×採用ターゲティング

【セミナーレポート】活躍人材の採用効率を高める 人材の見える化×採用ターゲティング
目次

2030年には644万人の労働力が不足するといわれる日本において、人材の「採用」はもちろん、今いる社員に長く活躍してもらう「定着」も非常に重要なテーマです。

株式会社アルバイトタイムスでは、
「活躍人材の採用効率を高める”人材の見える化×採用ターゲティングの重要性”」をテーマに、ターゲット人材の採用だけでなく、その後の育成・定着の観点についてウェビナーを開催しました。

ゲストには、人事DXにおいて業務効率化だけでなく、タレントマネジメントによる「社員の成長」をご支援されているOne人事株式会社様をお迎えしました。

今回はセミナーレポートとして、その中でも特に重要な点をピックアップしながらセミナーの様子を紹介していきます。

【プログラム】

1.採用ターゲティング
講師:中山裕之|株式会社アルバイトタイムス

2.活躍人材の採用効率を高めるための人材の見える化
講師:田中 幸史|One人事株式会社 HRテックアカデミー長


第一部 採用ターゲティング

第一部は、株式会社アルバイトタイムスの中山裕之から、採用ターゲティングについて解説しました。


採用効率を高める採用ターゲティングとは?

人材採用のシーンでよく聞かれる「採用ターゲティング」とは、そもそもどのような意味を表す言葉なのでしょうか。

採用ターゲティングとは、自社が求める人材のスキルや人柄、指向性などを具体的に定めることを指します。

求人広告で効果的にアプローチして訴求力を高めるほか、選考の評価基準を明確にして採用担当者同士の認識を統一することが、採用ターゲティングの主な目的です。


売り手市場の今、ターゲットに合わせた採用手法を取ることが重要

現在の採用市場は、求人広告を出しただけで応募者を集めることは困難な状況になっています。
2023年の有効求人倍率は1.31倍となっており、2024年はさらに上昇傾向にあると見込まれています。

売り手市場になると、応募者が集まらないほかにどのような問題が起こり得るのでしょうか。

まず一つ目に、採用後にミスマッチが起こりやすくなります。

これは、求職者側が企業分析やキャリアの棚卸しを十分に行わないまま応募してしまうだけでなく、応募者が少ない中、企業側も人物選定をしっかりせずに採用してしまうことが原因です。

次に、売り手市場によって、求職者の仕事探しが長期化します。
実際に、仕事探しをしている人の中で、急いではいないという人が60%を占めているというデータもあります。

仕事はたくさんある状況なので、「よいところがあれば転職したい」と考えている人が多いようです。
仕事の探し方も多様化しており、ターゲットやペルソナに合わせた採用手法を取ることが重要になります。


採用ターゲットとペルソナの違い

ターゲットやペルソナというワードは、マーケティング領域でよく使われる言葉です。
まず、それぞれの違いについて確認しておきましょう。

ターゲットとは、自社が求める人材要件を満たす層のことを指します。
年齢・職業・業界などの特定の属性や条件で分類された中で、スキルや人柄、指向性などが自社のニーズに合う集団です。

一方、ペルソナは、その中から年齢や家族構成などの条件を細かく設定し、具体的な1人をイメージしたものです。


採用ターゲティングによる戦術立案

採用ターゲティングでは、ターゲットに合わせて以下のPDCAを回すことが成功の鍵になります。

採用ターゲットを決める際のポイントとしては、以下の4点が紹介されました。

  • 採用目的を明確にする人材に求める要件を洗い出す
  • MUST・WANT・NEGATIVEを整理する
  • 採用ペルソナの設計

現在は、万人受けする表現を使った求人広告より、具体的なターゲット層に対して自社の魅力をPRする訴求方法の方が、高い効果を得られます。

そこで重要になるのがペルソナ設定です。

また、採用者とのマッチ度など、採用結果についてもしっかり確認する振り返り作業も必要になります。

採用ハードルが高くなっているようなら、MUSTやWANT条件などを見直す必要もあるでしょう。

その上で、ペルソナに対して訴求できる広告内容だったのかを振り返りながら、次の採用計画や戦術立案に活かしていくことが重要です。

また、採用戦術から求人作成のフェーズでの重要なポイントとして、以下の3点が紹介されました。

  • 中・長期軸での採用活動
  • 訴求点の整理・言語化
  • 詳述性の高い求人作成


ターゲットを絞った戦術で応募数UPにつなげよう

求人広告を打つ際は、露出量の多さや検索性の分かりやすさなどを意識するだけでなく、閲覧数や応募数を高める要素が盛り込まれているか確認しておくことが大切です。

閲覧数や応募数が少ない場合は、条件の緩和や、ターゲットの働く価値観に応じた訴求の修正も必要になります。

ブランド力や仕事内容だけでなく、職場の環境や雰囲気なども含めて自社の魅力をPRしていくことがポイントです。

その魅力を、採用ターゲットの価値観に合わせたより具体的な情報として言語化していけば、応募者数のUPにも繋がるでしょう。


第二部 人材の見える化

第二部は、One人事株式会社の田中氏から「人材の見える化」をテーマとしてお話をしていただきました。


採用市場の現状と課題とは?

現在の採用市場は、求人倍率が2.08倍と過去最高の水準に達しており、中小企業においては2.5倍を超えています。

人材獲得競争が激化する中で、多くの中小企業が「応募者数の減少」「内定辞退率の上昇」「採用活動にかかる時間とコストの増加」などの課題を抱えているのが現状です。

また、2023年度の中小企業の大卒3年以内離職率は40%以上に達しており、採用後の定着率の低さも課題になっています。

定着率の低さは、優秀な人材不足による競争力の低下・従業員のモチベーションや生産性の低下・企業イメージの悪化によるさらなる採用難などの悪影響をもたらします。

企業の成長や採用活動の効率化のためにも、早期離職を防止し、定着率を高める人事施策に取り組むことが重要です。

2020年以降、人事を取り巻く環境は大きく変化しており、現在では以下のような施策が注目されています。

  • 人事DXの推進
  • 働き方改革
  • 人材の可視化・分析
  • 多様性への対応


人材の見える化によって人事の課題を解決

人材の見える化には3つのポイントがあります。

  • 人材情報の収集と整理
  • 人材の可視化
  • 人材データの分析活用

人材情報の収集と整理では、以下のような情報を収集します。

  • 基本情報:氏名・年齢・性別・学歴・職歴など
  • スキル・経験:保有資格・職務経歴・スキルシートなど
  • パフォーマンス :目標達成度・評価結果・KPIなど
  • ポテンシャル:適性検査結果・キャリアプランなど

収集した情報から人材を可視化するには、「組織図」「スキルマップ」「人材ダッシュボード」などの手法を活用します。

これらの手法を活用することで、どの部署にどんなスキルや資格を保有している従業員がいるのかを可視化できます。

更に、管理職やリーダー候補者の人数や、資格別に見た人員配置などを網羅的に確認できるようになります。

可視化した人材データを分析することによって、人事の様々な課題解決が可能になります。

例えば、社員のスキルやポテンシャルが可視化されると、適材適所の人材配置や個々の従業員に合わせた育成開発プログラムの作成などが可能になります。

また、採用活動においても、人材データを活用して採用案件やペルソナを効率的に設定できるというメリットがあります。

更に、貢献度なども可視化されるため、人事評価の結果も納得されやすく、従業員エンゲージメントの向上にも繋がるでしょう。


人材の見える化を成功させるための進め方

人材の見える化を成功させるには、以下のステップで進めることがポイントです。

  1. 目的と目標の明確化
  2. 人材情報の洗い出し
  3. 人材情報の収集方法
  4. 人材データの分析
  5. 人材情報の活用

例えば、スキルを見える化するためには、まず社内に足りないスキル情報を認識することが必要です。

その後、従業員へのアンケートや1on1などでのヒアリングによって、全社員のスキル情報の収集と可視化を行います。

更に、スキルを分析した結果をデータベース化し、採用案件や採用計画に活用していくという流れです。


タレントマネジメントツールを活用して効率的な人材管理を!

人材の見える化を効率的に進めるために重要となるのが、タレントマネジメントツールの活用です。

人材データベース・スキルマップ・人材分析ツール・エンゲージメントツールなどのタレントマネジメントツールを活用することで、効率的な人材管理が可能になります。

近年、人事関連のサービス市場の成長は目覚ましく、タレントマネジメントツールを提供している企業が増えています。

比較的低コストでの導入が可能で使いやすく、セキュリティー対策がしっかりしているサービスもたくさんあります。

更に、昨今では、採用面接・人事評価・退職分析などの分野でAI技術を活用したサービスも登場しつつあり、近い将来これらが標準的なツールとなる可能性もあるでしょう。


中小企業の持続的成長を実現するには、人材の見える化から始めよう

最後に、あるエンジニア会社様がOne人事株式会社のタレントマネジメントツールを活用し、従業員のスキル情報を一元管理した事例が紹介されました。 

従業員のスキルや資格などの情報を収集し、部門・人員構成・勤続年数などのマトリックスで可視化したデータを、部門間異動や採用の効率化に役立てています。

人材を見える化すると、採用活動の効率化や定着率向上につながります。
中小企業の競争力を高め、持続的な成長を実現するためには、人材の見える化から着手することをおすすめします。

まとめ

売り手市場の中で、中小企業にとって重要となるのが、採用ターゲティングや人材の可視化です。

採用活動や人事周りの業務の効率化を目指す企業のご担当者様は、セミナーの内容を参考にしてそれぞれの取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

株式会社アルバイトタイムスでは、複数サイトへの求人広告を一括掲載できる「ワガシャde DOMO」というサービスを提供しています。

長期間の求人活動を低コストで行えるので、ご活用を考えてみてはいかがでしょうか。

また、One人事株式会社が提供する「One人事」は、労務管理から勤怠管理・給与計算・タレントマネジメントまでをワンストップでできるシステムです。

専任のカスタマースタッフがマンツーマンで運用までをサポートしますので、タレントマネジメントツールの導入をご検討の企業様は、ぜひチェックしてみてください。


 

ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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