良い人材に長く働き続けてもらいたい。だからエステティック業界の慣例にこだわらず、働きやすい職場環境を整えています。

良い人材に長く働き続けてもらいたい。だからエステティック業界の慣例にこだわらず、働きやすい職場環境を整えています。
目次

素肌新館株式会社
代表取締役 栗田裕子さま

こんにちは、ヒトクル事務局です。

華やかなイメージのあるエステティック業界。
けれども勤時間が長い、土日に休みがとりにくいなどの理由から、なかなか人材の定着が難しいようです。

そんな中、独自の手法で職場環境の改善を推進し、人材の確保や定着に成果を上げている、素肌新館株式会社 代表取締役の栗田裕子さんにお話を伺いました。


大手に属さず、スタッフの声を聞きながら、長く働き続けられる体制、環境づくりを推進


業界は華やかなイメージですが、職場としてはハードワークだという声をよく聞きます。

休みが少ない、給料が少ない、ノルマがきつい。確かにそういうサロンもあるのでしょうが、すべてがそうではないと思います。

私自身、大手のサロンで働いたことがなく、業界での「働きかた」はよく知らないまま「一緒に働くスタッフが気持ちよく働ける職場にしたい」という想いで環境を整えてきました。

最近は、働く側も雇用条件をしっかりと確認して応募してきますから、そういう面が整っていないサロンはますます人手不足になり、良い人材が採れなくなると思います。

当社が最も重視しているのは、人としても技術者としても優れている良い人材に長く働いてもらうことです。

エステティシャンは全員女性です。だから出産や育児、介護をする立場になっても、この仕事を辞めずに続けてもらいたい。それを常に念頭に置いて、スタッフの声を聞きながら社内体制や待遇を整えています。

待遇や職場環境の改善で特に意識しているのはどんなことですか。

給与は、できる限り満足してもらえる金額を設定しています。休日は、正社員の場合、毎月8~9日で連休あり、GWや夏季、年年始の長期休暇もあります。

当社では技術力を何よりも大切にしていますので、資格取得ための研修費用は全額会社負担とし、エステの基本からきっちり学んで確実な技術を習得してもらっています。

そして、産休・育休も整え、託児についても困っていることがあればサポートするなど、子育て中も仕事が両立しやすい環境づくりを進めています。

そういった取り組みの成果はいかがでしょう。

幸い、全店のスタッフにとても恵まれており、勤続年数も伸びています。どのサロンも良好な人間関係を保っており、お客様からも好評をいただいています。

働きやすい職場ならば文句も出ないし、変な派閥もできず、ごく自然に笑顔で仕事ができます。そんなスタッフのポジティブな気持ちがサロンの雰囲気を良くし、それが大勢のお客様の集客につながっていくのではないでしょうか。

先日求人広告を出した際は20名の応募がありましたが、採用したのは2名です。人手不足だからといって誰でもいいわけではありません。ピンとくる人に出会うまで採用はしません。

そうして採用した人は長く働いてくれるし、技術力も高くなっていきます。こういった採用のこだわりは、今後も大切にしていきます。

女性中心の職場ということで、特に注意していることはありますか。

以前、会社の規模が大きくなって国民健康保険から社会保険に切り替えた時、保険料を天引きしたらスタッフの手取り分が少なくなったことがありました。

私がそれについて丁寧に説明しなかったことが原因でトラブルになって退職した方がおり、お互いにモヤモヤした気持ちが残りました。それを教訓に、どんなに忙しくても時間を作って、スタッフと納得がいくまで話し合うことを心がけています。

また、各々の勤続年数やキャリア、家庭の事情などを考慮して、あの人ばかり休みが多いとか、新人なのに土日に休んでいるとか、そういう不満が出ないようにシフトの組み方も工夫しています。

経営者としては頑張って早く資格を取って欲しいと思っても、今は育児に集中したいから資格取得はその後で…という人もおり、個々の働き方やライフスタイルを、もっと考慮しなくてはいけないなぁと思っています。


美容業界で女性が生涯いきいきと働き続けられる環境づくりを


今後の経営ビジョンを教えてください


今後のエステのキーワードは、高齢化と世界の市場だと考えています。国内では、高齢化でシニア世代の方も美容への意識が高まっています。

当社では先進的な皮膚科医の先生たちと連携し、皮膚科レベルの技術や化粧品の提供を通して、リーズナブルな価格で結果の出るサービスを実践し、幅広い世代の女性たちの、美への憧れをかなえていきます。

そして高齢化は「働く側」にとっても重要なテーマです。

いつまでもキレイでいたい、キレイをサポートする仕事をしたいと願うスタッフたちが、歳を重ねても実力を十分発揮できるように、女性が生涯仕事を続けられるような職場環境も整えていきたいです。

また、日本の化粧品が世界中で人気を得ているように、日本のエステも十分に世界で通用する技術と品質を備えています。地元のお客様を大切にすると同時に広く世界にも目を向けて、美しく、いきいきと年齢を重ねることを目指す“総合美容&アクティブエイジングサロン”として、一歩一歩着実に前進していきたいと考えています。


美容師からエステティシャンに転職。以前よりプライベートの時間が増えて、ゆとりをもって働いています。


富士店店長の山中さんに、同社の職場環境についてお話を伺いました


富士店店長 山中葉月さん

以前は美容師として働いていました。美容師に憧れて入った世界ですが、残業が多く、休日も勉強会などでプライベートの時間がとりにくかったんです。それに手荒れがひどくなってしまったので、思い切って退職しました。

でも、好きな美容の仕事は続けたいと思い、HPでこの会社の求人情報を見つけました。社長のあいさつやお店のブログを見て働きやすそうな職場だなあと感じ、未経験ですが応募しました。

イメージ通りのとても明るい雰囲気の職場で、残業もなく、美容師時代より休日も増えました。

資格取得も全面的に会社がサポートしてくれて、無事に試験に合格。プロのエステティシャンとしての自信がつきました。女性の多い職場ですが、社長の人柄そのままに風通しが良く、各店の交流もさかんです。子育て中の方も無理なく働いているので、私もできる限り長く働き続けていきたいと思っています。

(取材日/2018年2月2日)

いかがでしたでしょうか?
大手に属した経験がない故に、経営も人材育成も独自の方法で開拓してきたという栗田さん。

忙しくてもスタッフとの対話を怠らず、人手不足でもその場しのぎをせず、本当に納得できる人しか採用しないという強い信念が、良い人材の確保につながっていると感じました。

栗田さん、このたびは取材にご協力いただきありがとうございました。

取材協力
素肌新館株式会社
本 店:静岡県沼津市寿町1-1-105
事業内容/エステティックサロン(静岡県内4店舗経営)
HP/http://www.suhadashinkan.jp/


ヒトクル編集部
記事を書いた人
ヒトクル編集部

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