採用担当者420名に聞いた!シニア(60歳以上)人材活用の実態をレポート

採用担当者420名に聞いた!シニア(60歳以上)人材活用の実態をレポート
目次

高齢化社会が進行する日本において、慢性的な人手不足が年々深刻になっています。その人手不足を補う方法として、期待されいるのが「シニア人材」です。

そこで今回、静岡・愛知で採用活動をしているご担当者さまに「シニア(60才以上)人材の活用に関するアンケート」を実施いたしました。東海エリアの企業でシニア人材は積極的に採用されているのでしょうか?その実態についてレポートいたします。

調査時期:2019年4月9日~2019年4月16日
調査方法:インターネット調査
対  象:静岡・愛知でアルバイト・パートの採用活動をされている採用担当者
回答人数:420名


58.1%の方が「シニア人材を積極的に採用している」


●御社では、シニア(60才以上)の採用をしていますか?

シニア(60歳)以上の採用について、「以前から積極的に採用している」が54.8%、「今年から積極的に採用している」が3.3%で合計して58.1%の方が「シニア人材を積極的に採用している」と回答しました。

また「今後積極的に採用したい」と回答している企業と合わせると67.4%にのぼり、すでにシニア人材を積極的に採用している実態が浮き彫りとなりました。


「シニアが活躍できる職場だから」「年齢にこだわらず採用」が多い


●前問で①~③と答えた方にお伺いします。なぜ、シニアを採用しているのか(採用していきたいのか)、その理由について教えてください。
「現在もシニア層が働いており、シニア層が活躍できる職場だから」「年齢にこだわらずに採用している」という回答が最も多い結果となりました。前問ですでにシニア層が活躍しているという実態からもうかがえます。

また「若年層の採用が難しいから」という市場環境の要因も2割程度と一定数の回答がありました。
このことから、採用担当者が若年層の採用が難しい状況下において、比較的採用がしやすいシニア層に目を向けて採用をしている実態が見えてきました。

加えて、シニア人材を採用しているポジティブな理由として挙げられたのが「真面目で経験が豊富だから」「短い時間でもOKで、シフトに融通がきくから」という回答です。


「頑固で融通がきかない面がある、新しいことを嫌う」という傾向あり


●シニアの採用で困ったこと、困っていることがあれば教えてください。

フリー回答をグルーピングして集計したところ「頑固で融通がきかない面がある、新しいことを嫌う」といった内容の回答が17,3%で最も多くなりました。ついで「健康面での不安」「体力面で不安」といった内容の回答が多い結果となりました。

「頑固で融通がきかない面がある、新しいことを嫌う」
・人生経験が豊富で自分の信念をお持ちの方が多く、変化を好まない傾向が多い。
・自分の経歴や年下の者に指示や指摘をされることに嫌悪感を持つ方が多い
・面接希望の電話で横柄な態度を取られることがよくある。

「健康面での不安」
・身体的な障害(腰痛や病気等)を持っている方が多め
・病気、体調不良や労働災害の確率が高い

「体力面で不安」
・立ち仕事なので、やっぱりきついといってやめる人が多い
・実際に勤務してみて、想像と違う点があって離職につながる(体力面で特に)。


大きく「応募・面接」「教育・定着」「仕事内容・勤務条件」で工夫


●シニアの採用や受け入れで工夫していることがあれば教えてください。

大きく「応募・面接」「教育・定着」「仕事内容・勤務条件」の各シーンに応じて工夫しているポイントがありました。

【応募・面接】
・面接時に必ず「年下の上司になるが大丈夫か」との声かけは行っている

【教育・定着】
・教育に時間を要するため、長い目で様子を見ながら教育・指導を行うようにしている。
・メンター制度で年齢の近い経験豊富な者をお世話役として組んでいただき慣れやすくしている。
・シニアを孤立させない職場作り(同世代が同じ職場にいる環境)
・電話やメールだけでなく、面談を通じて直接会って話(説明)をすること。また配布文書もフォントサイズが大きめのものを別途準備する。
・積極的に健康診断を随時実施し、費用補助をするなど健康維持に努めている

【仕事内容・勤務条件】
・シニア層のみの簡単な作業を取り決め、その作業を担当してもらっている。
・キャリアを活かした業務に担当
・通勤日数や勤務時間帯に柔軟に対応
・短時間労働も可能な現場を進める。働き方の希望により、フルタイムにて採用。


「活躍している」が76.7%


●現在、シニアの方が活躍していますか?

「活躍している」が76.7%という結果となり、「積極的に採用している」と同様に高い割合でシニアの方が活躍しているという結果となりました。


「軽作業」がもっとも多く、ついで「介護」「送迎」「清掃」


●前問で「活躍している」と答えた方にお伺いします。どんなお仕事で活躍していますか?
フリー回答をグルーピングすると、「軽作業」が22.1%ともっとも多く、ついで「介護」「送迎」「清掃」と続きました。
そのほかにも、「営業」「接客」などのお仕事も一定数の回答がありました。


「なんとなく知っているが詳細は分からない」が半数以上


●政府で高年齢者の雇用促進するための施策として、様々な助成金を用意していることを知っていますか?


「なんとなく知っているが詳細は分からない」が51.9%と半数以上が回答し、あまり認知されていないことが分かりました。「知らない」も3割と決して少なくない割合です。高齢者の雇用促進のため、助成金活用の促進が期待されます。

いかがでしょうか?静岡・愛知で採用活動をしているご担当者さまに「シニア(60才以上)人材の活用に関するアンケート」を実施いたしました。

ヒトクル編集部
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ヒトクル編集部

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