Z世代とは?採用や育成をスムーズに進めるポイントを解説!
テレビやインターネットなどで、Z世代というワードを多く耳にするようになりました。
一般的には2022年現在で10歳~26歳くらいまでをZ世代と呼び、従来の考え方や手法が通用しないといわれています。
今回は、そのZ世代の採用をスムーズに進めるために覚えておきたいZ世代の傾向や特徴、採用・育成のポイントを解説いたします!
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Z世代は何歳から何歳まで?
Z世代(ゼット世代)という言葉は、アメリカで誕生しました。
ジェネレーションZと呼ばれる、1990代半ばから2012年までに生まれた人をZ世代と呼びます。
ジェネレーションZの範囲は諸説ありますが2022年現在、10~26歳くらいをZ世代に定義するのが一般的です。
海外で生まれた言葉ですが、2020年に発刊された「Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?」という原田曜平氏の著書によって、日本にもZ世代という言葉が急速に広まりました。
2021年の新語・流行語大賞のトップ10に入るなど、トレンドワードになっています。
Z世代と他の世代と違いをチェック!
10代~20代の若者がZ世代と呼ばれるのは、それ以前の年代の呼び方が関係しています。
その他年代の呼び方や特徴も、合わせてチェックしてみましょう。
Y世代(ミレニアル時代)
Z世代の一つ前の世代はY世代です。ジェネレーションYに続く世代という意味から、現在若年層をZ世代と呼んでいます。
1980年代から1995年代までに生まれたY世代は、西暦2000年前後に社会進出を果たしている背景から、ミレニアル世代とも呼ばれます。
バブル崩壊後の不況の中で育ったことから、仕事やお金へ慎重に向き合うという特徴があります。
学生時代からパソコンや携帯に触れている年代でもあり、インターネット検索やオンラインショッピングを使いこなしはじめた年代です。
ワーク・ライフ・バランスを重要視し、プライベートを大切にする傾向があります。
そのため、当時の採用現場では、
「収入は安くても、残業が少ない方がいい」
「飲み会や転勤が多い職場では働きたくない」
といった希望を持つ若者が多くみられました。
X世代
Y世代の一つ前をX世代と呼びます。1965年~1970年代生まれまでが、この世代です。
新人類世代、バブル世代、団塊ジュニア世代、就職氷河期世代と呼ばれる層は、すべてX世代に含まれます。
生まれた時からカラーテレビが自宅にあり、マンガやゲームなど娯楽への関心が高い点が特徴です。
高度成長期である新人類世代、バブル期に社会に出たバブル世代は、長時間勤務に抵抗がなく、残業や接待が当たり前の時代でした。
景気の良さから一転、バブル崩壊後の就職氷河期時代は、仕事が思うように見つからず、給与も安いという期間が長く続きました。非正規雇用が増えたのも、この頃からです。
α世代
Z世代よりも後に生まれた世代を、α世代(アルファ世代)と呼びます。
2010年代~2020年代半ばまでに生まれたα世代は、幼いころからスマホやYouTube、SNS、オンライン授業が普及し、慣れ親しんでいるという特徴があります。
ネットで人とつながることに疑問を持たず、授業にはプログラミングが導入されているなど、ITリテラシーが極めて高い世代です。
数年後には、α世代が社会に進出します。
Z世代だけでなく、オンラインネイティブα世代をどう付き合っていくのか、将来の採用に備え、早い段階から検討しておきましょう。
Z世代が注目されている理由
今、世界中の企業がZ世代に注目しています。なぜZ世代が注目されているのか、その理由をみてみましょう。
情報に敏感で、拡散力が高い
Z世代は小中学生時代からスマホやタブレットを使いこなし、SNSや動画サイトなどを利用して情報を集めている世代です。
この世代は、自分が良いと思ったものをSNSでシェアすることが日常となっているため、この世代に興味をもってもらうことで、ツイッターやTiktok、インスタグラムであっという間に拡散されます。
若い世代で話題になれば、テレビでもTwitterトレンドとして紹介され、上の世代にも大きな影響を与えるようになりました。
拡散力が高いZ世代が流行の発信地になっていることが注目されている一つ目の理由です。
近い将来マーケットの主軸になる
現在はまだ10代も含まれるZ世代。
ですが、一番下の世代が成人するころには18~30歳がZ世代の主流になります。
このタイミングでZ世代向けのコンテンツを用意できれば、企業にとって大きな売り上げが見込める、これからが楽しみなマーケット市場といえます。
Z世代が自分の力で稼ぎだした時に、魅力あふれる商品やサービス展開ができるかどうか、今が種の撒きどころです。
企業の購買担当者や営業担当者は早いうちに情報収集の上、調査結果を分析しておくと、時代に適した対応が可能です。
今後マーケットの主軸となることが注目されている二つ目の理由です。
労働力としての魅力
少子高齢化が進む日本において、労働力不足は深刻な社会問題となっています。
「女性が働きやすい社会」「高齢者に働いてもらう」「外国人人材を活用する」など、労働力を補う様々な対策が打たれています。
一方で、若くてエネルギーや体力があり、まだ何にも染まっていない若年層は、企業とって非常に魅力的であることは間違いありません。
消費者としてZ世代をターゲットとしていない企業も、「労働力」として注目を集めているのが三つ目の理由です。
Z世代の特徴は?
Z世代には、その年代の特性があります。
若い世代は何を考え、何を大切にしているのか、特徴をみてみましょう。
分け隔てのない人間関係
学生時代からSDGsやLGBTQの考えに触れているなど、Z世代は多様な社会を当たり前に感じています。陰湿ないじめが少なく、男女仲が良いのもこの世代の特徴です。
「このドラマを見ていないと乗り遅れる」
「最新ヒットチャートを歌えないのは困る」
という感覚はなく、それぞれが自由に趣味を楽しみ、理解し合う様子が多くみられます。
人は人、自分は自分という考えが根付いているため、周りを気にせず行動できるのもZ世代ならではです。
「社会の問題に正々堂々と声を上げられる」
「困っている人のために、自ら動いて手を差し伸べられる」
という頼もしさも持ち合わせています。
意見をはっきり伝えられる強さ、どんな相手でも対等に付き合えるコミュニケーションスキルの高さで、企業にも新しい風を吹き込んでくれるでしょう。
無駄遣いのない堅実志向
Z世代は値上げや増税、リーマンショックなど、経済的に不安定な中で成長しています。
そのため、お金を無駄遣いせず、本当に買うべきか、利用するべきかをよく検討の上、判断する傾向にあります。
ゲームを購入する場合も、流行っているから買うのではなく、自分が満足できる作品かどうか、価格に対して内容が充分であるか、といった点を検索の上、納得できなければ手を出しません。
ブランド品や高級車に興味がないケースが多く、デザインや着心地の良さ、コンセプトやアイテムが生まれた背景などに惹かれた場合に購入する傾向があります。
価値を感じたアイテムだけを購入する「モノ消費」や「イミ消費」
そこでしかできない体験などにお金を使う「コト消費」
イベントやフェスなど限定された時間にお金を使う「トキ消費」
Z世代の消費には、このような傾向があります。
Z世代へ商品やサービスを提供する際は、安ければ良いではなく、お金を払った以上の価値が得られるかどうかを意識しましょう。
自分軸のライフスタイル
Z世代には、自分らしく生きたいという根本があります。
会社の飲み会に誘われたり、人数合わせの合コンに呼ばれたりした際も、興味を持てない場合は付き合いでの参加を極力避けます。
成人したからタバコを吸う、お酒を飲む、といった点にもこだわりが薄く、若者のビール離れやギャンブル離れ、クルマ離れは大きな社会問題になっています。
一方で好きな音楽、ファッション、ゲーム、食事、映画や遊園地などのアミューズメントなど、趣味にはしっかりお金や時間を割きます。
サブスクサービスが全盛なこともあり、CDやDVD、ゲームを購入するのではなく、ダウンロードで済ませるのも特徴です。
スマホで音楽や動画などの趣味を楽しんだり、欲しいものを注文したり、お店で決済したり、日常のほとんどをデジタルで完結できる、ミニマリストな面もあります。
Z世代の働き方を紹介
Z世代は、「自由に自分らしく働きたい」「自分のスキルを生かせる職場で働きたい」という思いを強く持っています。
求人では、テレワークやリモートワークを希望するZ世代が多く、自分の価値を高められる職場に高い関心があります。
終身雇用には、あまり興味を持ちません。
転職によるキャリアアップや独立・起業を目指す気持ちが強く、経験と実績が高まったタイミングで脱サラを計画している若者が多くみられます。
パラレルキャリアにも興味が深く、本業以外に得意を生かした副業をはじめるケースが多いでしょう。
「家族や友人との時間を大切にしたい」
という気持ちが強く、フレックス制度がある企業、男性の育休取得実績が高い企業など、柔軟な働きかたができる企業が支持されています。
Z世代を採用する際のポイント3つ
Z世代が希望する働き方を実現するために、企業はどのように採用活動を進めるべきなのでしょうか? Z世代の採用で覚えておきたい、3つのポイントをご紹介いたします。
無駄のない職場環境
Z世代が気持ちよく働けるように、テレワークの整備やオンラインで完結できるシステムを構築しておきましょう。意味なくダラダラと続く会議や、仕事がないのに帰社時間までなんとなく過ごす、という時間をZ世代は嫌います。
希望に応じてリモートワークできる、会議はオンラインで完結、フレックス出勤可能、休日や休暇が多いなど、働きやすさをアピールできる求人票を作成すると、採用につながりやすくなります。
制限はできるだけ少なくする
Z世代はパラレルキャリアを築き、自ら資産形成したいと考えます。
- 「本業に影響がでない範囲で副業OKにする」
- 「営業などで外に出る場合は直行直帰できる」
- 「休み時間の過ごし方は、Z世代にまかせる」
など、安心して副業できる環境や、自由に使える時間がある企業は選ばれやすくなります。
希望キャリアを共有する
Z世代は転職を視野に、キャリアアップを考えています。
どのようなキャリアを形成したいのか、採用時にたしかめておけば、自社でのサポートが可能です。
希望に応じて、
- 「将来は○○のポジションを用意しています」
- 「キャリアアップ目的の資格取得をサポートします」
- 「○○のスキルを高められる講座やセミナーが受けられます」
といった考えや取り組みを紹介できれば、その企業で長く働きたいと判断されるでしょう。
Z世代の求職者の気持ちに寄り添って、メリットあふれる企業を目指しましょう。
Z世代を育成する際のポイント3つ
Z世代にはZ世代の考え方に合わせた育成が欠かせません。おさえておきたい3つのポイントをみてみましょう。
指導や教育は個別に進める
Z世代は、みんなと一緒に同じ教育を受ける、という行動を嫌います。
指導の際は、上司から個別に良い点、悪い点を指摘すると、自分事として捉えられるためおすすめです。
平均的な人間を育てるのではなく個性を大切に、良い部分を伸ばす声かけを意識しましょう。
「自分が若い頃は……」
「○○さんの時は……」
といった他人と比較する言動は、NGです。
Z世代を主語にして、会話を進めましょう。
成果は具体的に褒める
Z世代は頑張った成果や結果を、周囲に理解してもらいたいと考えます。
良い結果を残した時はどこが良かったのか、具体的に褒めるとやりがいにつながるでしょう。
表彰など、人前で褒めるのも良い方法です。一方で、実際よりも大げさに褒められることは苦手としますので、注意しましょう。
頑張った結果でどのような社会貢献ができたのか、だれを助けられたのか、しっかりと言葉で伝えながら、さらなる成長を促しましょう。
成長の機会を与え続ける
Z世代は、決められた仕事や決められた収入を望みません。
仕事を通じて、自分がどれだけ成長できるのか、将来必要なスキルを身につけられるのか、という部分を重要視します。
企業側は、Z世代がチャレンジしてみたいこと、資格取得などを全面的にバックアップすると良い関係を築けます。
難しいことでもまずはやってみる、チャレンジ精神の高さがZ世代の魅力です。マルチタスクが得意という特徴もありますので、本人の希望がある場合は、どんどん仕事を振ってみましょう。
まとめ
企業の将来を担う、Z世代の若者たち。
少子化が進んでいる背景もあり、今後積極的に雇用したい人材です。
Z世代が活躍できる職場にできれば、商品やサービス販売の売上やα世代の採用・育成に良い影響を与えてくれます。
ジェネレーションギャップを感じさせないように、古い慣習を一つひとつ減らして、Z世代を迎える準備を整えましょう。
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