「男性育休取得は、会社全体の問題」コネヒト株式会社 高橋代表が語る、従業員家族に企業が寄り添う重要性

「男性育休取得は、会社全体の問題」コネヒト株式会社 高橋代表が語る、従業員家族に企業が寄り添う重要性
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※写真:2023年4月7日 新潟事業所開設

コネヒト株式会社(本社:東京 代表取締役:高橋 恭文)は、ママ向けアプリ「mamari(ママリ)」や育休取得促進のための「Reworkパッケージ」など、テクノロジーの力でそれぞれの「ありたい家族像」を実現するためのサービスを運営しています。

2022年4月の育児・介護休業法の改正を機に、男性育休取得促進に取り組む企業や自治体が増え、同社でも様々な取り組みをされています。

代表取締役 高橋 恭文氏へ「企業が従業員家族と向き合うことの大切さ」についてお話を伺いました。


高橋恭文氏 プロフィール
株式会社アルバイトタイムスに新卒入社し、求人広告営業を経て、外食起業支援・定着支援事業を立ち上げ。2010年に株式会社カカクコムに入社し、『食べログ』のマネタイズ草創期から、チャネル責任者、ビジネスプロダクトマネージャーとして食べログの課金店舗を拡大。その後、2014年にRetty株式会社に入社し、執行役員、営業責任者として『Retty』のマネタイズに従事。2018年にコネヒトに入社し、営業部責任者、社会発信を担当し、2019年より執行役員として企画戦略室で社会性事業を立ち上げ、2022年4月より代表取締役に就任。


制度だけ整えればよいわけではない

●企業との取り組みの中で感じる課題はありますか?

全体として考えたときに「法律ができて、会社から取れと言われたからとる=とるだけ育休」の問題があります。

子供が産まれるというイベントを前に、今後どう仕事と家庭をどう運営していくのか、しっかりとパートナーと向き合うことが大事です。

女性は、妊娠したら母子手帳をもらい、母親のスタートを切りますが、男性はそういう機会がほとんどありません。出産後までに、すでに知識や認識に男女間で大きな差が出てしまうのです。

でも、こういった話を改めて面と向かって二人で話すのは、照れくささが先立ち、なかなか難しいというのも実情です。
そこで第3者が入り、夫婦で話し合うためのきっかけを提供するのはとても良いことです。

コネヒトでも、そういった話し合いのフレームワークを提供しています。

特にコロナ禍以降、オンラインでもそういう場を提供できるようになったので、参加のハードルが下がりました。顔出ししないで参加することもできるので、他のカップルの意見も聞くことで、刺激を受ける方々もいるようです。

一方で、企業側ができることとしては、制度を整えることはもちろんですが、当事者へは「とるだけ育休」にならないような支援をすることが大切です。

また、育休自体は対象が限定された狭いテーマと考えがちですが、その背景には「家庭と仕事」という大きなテーマがあります。

生活と仕事をどう両立していくか、対象者以外も全員が自分ゴトとして考えてもらえるように、周知していくことが必要だと考えています。


男性の育休取得を考えることは、非当事者や組織にとっても重要なこと

●そういったテーマでオンラインセミナーを実施されたそうですね。

石井食品さんという食品メーカーで「全社員で考えよう、家族と仕事について」をテーマにオンラインセミナーを行いました。参加いただいたのは、パート社員も含めた工場のスタッフ120人くらいです。


※「全社員と男性育休取得の組織への影響を考えるオンラインセミナーを実施し、企業戦略に活用へ〜企業が従業員家族を応援する「Reworkパッケージ」に石井食品が参画〜」
https://connehito.com/news/ishiifood/

そこでは、「当事者以外に、会社の育休推進を自分ごととしてどう捉えてもらうか」「組織としてどんなメリットがあり推進するのか」「関心のない層にどう伝えていくか」という問題に対し、「男性育休の重要性」と「当事者以外にとってもプラスになる」ことを伝えました。

セミナー後のアンケートからは、「男性の育休取得を考えることは、非当事者や組織にとっても重要なことである」という質問に対し、重要なことであるという認識が参加前後で54.7%から92.4%に向上するという結果が出ています。

【参加者の声】
・育休を取得する家族のために「取得すべき」と思っていましたが、セミナー参加後は育休取得を通じて働きやすい環境になり、業績にもつながる可能性があることを学び更に重要度が増しました。(20代/男性/正社員)

 ・男性の育休に限らず、誰がいつ長期休暇を取得するのかは分からないので属人化を防ぐためにも日々の業務共有は重要だと思いました。(20代/女性/正社員)

・男性育休は全面的に賛成で取得する方を最大限応援したいと思いました。働きやすい環境が最大のパフォーマンスを生むということに納得しました。(20代/男性/正社員)


自分が理想とする働き方ができる会社を選ぶ時代

●育休取得に限らず、多様な「働き方」を認め合うことは、企業にとってどんなメリットがあると思いますか?

今まで、従業員は個人として会社に向き合ってきました。でも家に帰ると父、母、妻、夫、子供・・・様々な役割があり、時には会社との板挟みとなることもあります。この板挟みが減ると、仕事も家庭も好循環になると考えています。

転職でよくある「旦那ブロック」「嫁ブロック」、最近はあまり聞かなくなってきました。きっと家族単位で仕事に向き合う方が増えているんだと思います。

「仕事や家庭で、こうありたい」とお互いの希望を伝えることで、無駄な対立をなくせば、おのずと仕事の生産性は上がり、企業にとってもメリットしかないでしょう。

最近、新卒採用をしている会社の経営者の方から聞いたんですが、新入社員が先輩社員に「男性も育休をとれるのか?」と聞くことが増えたそうです。

あー、そういう時代になったんだな、価値観が変わってきたんだな、と思いましたね。今までは給料が高いとか、大企業がよい会社という画一的な価値観でしたが、「よい会社」の定義が多様化しているんだと思います。

自分が(家族が)理想とする働き方ができる会社を、自分のモノサシで考え、選んでいく時代になってきています。


あえて無駄話をする機会をつくり、認め合う風土をつくる

●地方の中小企業の人事担当者は、ダイバーシティ(「多様な働き方」「多様な価値観」を認め合う)を推進するうえで、どのように進めるのがよいでしょうか?

中小企業は無理してガチガチの制度をつくる必要はないと考えています。今まで僕が見てきた中小企業は、制度がなくても従業員の家族に寄り添い、柔軟に対応してきいました。

今まで自然とやってきたことが、時代が追い付いてきたんですね。

一つアドバイスするとしたら、仕事の話だけをしない、ということでしょうか。「どんなものが好きか」「推しは何か」、その人がどんなことに興味を持っているのかを、ぜひ聞いてみてください。

オンラインミーティングが増えると、無駄話をしなくなりますが、あえてそういう機会をつくるのが大事だと思います。

自分の好きなモノを聞いてもらうことで、人は肯定されていると感じますし、他の人の仕事以外の多様な価値観に触れ合うことができるからです。

(取材日:2023年4月6日)


コネヒト株式会社が静岡県内の企業や家族を対象に無料セミナー開催


コネヒト株式会社代表の高橋氏と、産業医・産婦人科医の平野翔大先生の対談形式でセミナーを実施。企業の観点と従業員の観点の両方から、仕事と家庭の両立をどのように捉えればよいかを、参加者のみなさんと一緒に考えていきます。


セミナーお申し込み方法


参加を希望される方は以下のフォームよりご応募ください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScmPmq8LkzKXloJjLDKgJzpR1efScKxpKYH1JycnmMcodiiCA/viewform


セミナー概要


【第1回テーマ:従業員の育休支援】
健康経営や人的資本経営などの観点から、採用力強化や離職率低下につながるヒントをお伝えします。オフラインとオンラインのハイブリッド開催です。

・日時:2023年4月20日(木)18:00〜19:30(開場17:30)
・オフライン会場:静岡市男女共同参画センター「あざれあ」第1会議室(静岡市駿河区馬渕1丁目17-1)
・オンライン配信:zoomにて(視聴方法はお申込み後にご案内します)
・対象者:企業の人事担当者様や採用ご担当者様

【第2回テーマ:家事・育児分担のコツ】
夫婦で分担するための秘訣や、家事・育児に関する不安や悩みの解消につながるヒントをお伝えします。

・日時:2023年4月22日(土)10:00〜12:00
・オンライン配信:zoomにて(視聴方法はお申込み後にご案内します)
・対象者:妊娠中や育児中の方、これからご結婚や育児をされる予定の方

※セミナー内容は変更になる可能性があります。
※上記対象者に限らず、テーマにご関心のある方であれば、どなたでもご参加いただけます。
※セミナーのご案内ページはこちら


セミナーに関するお問い合わせ


コネヒト株式会社 コーポレートブランドグロース
E-mail:pr@connehito.com

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