【採用担当者向け】職務経歴書・履歴書の情報を面接時に活用するポイント
採用担当者が面接に臨む際、応募者の詳細を知る上で参考になるのが、職務経歴書・履歴書などの応募書類です。
例えば、質問すべき点を探ったり、受け答えに矛盾がないかどうか確認したりするために活用されます。
この記事では、主に面接官(採用担当者)が面接するケースを想定して、職務経歴書・履歴書の情報を面接時に活用するためのポイントを解説します。
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なぜ職務経歴書や履歴書から情報を得るのか
採用担当者は、複数の応募者の中から人材を採用するため、限られた面接時間を効率的に使う必要があります。
応募者が自社にマッチする人材かどうか入念に見極めつつ、面接の内容によっては早々に見切りをつけ、次の応募者に意識を向けなければなりません。
面接の時間には限りがあることから、多くの面接官はスピーディーかつ正確に応募者の情報を処理したいと考えます。
そこで役立つのが職務経歴書・履歴書といった応募書類で、面接官は応募書類からキャリアや人となりを確認し、能力・適性の判断スピード・精度を上げるのに役立てています。
情報の読み取りが適切でなく、質問が的外れのものになってしまった場合、採用後のミスマッチにつながるリスクが高くなります。
中途採用では特に重要
ポテンシャルへの期待値が高い新卒採用と比べて、キャリア重視で採用する中途採用の転職面接の場合、情報の読み違えが深刻なミスマッチを生むこともあります。
特に、中途採用における自己紹介(自己PR)は新卒採用とまったく異なる意味合いを持ち、応募者の能力・実績を確認する情報として処理されます。
質疑応答の時間も、応募者が一般的な回答例に終始することはほとんどなく、単純な面接対策だけで臨むケースはそれほど多くありません。
そのような中でポイントを絞り、自社に必要な人材かどうかを判断するには、職務経歴書・履歴書から得られる情報が大いに役立ちます。
採用担当者にとって、職務経歴書・履歴書から情報を得るスキルは、とても大切なものなのです。
職務経歴書や履歴書の情報を面接で活かすポイント
職務経歴書・履歴書から得られる情報については、要点を絞って事前に整理しておかないと、ピントのずれた質問が続いてしまう可能性があります。
以下、職務経歴書・履歴書の情報を面接で活かすための主なポイントを解説します。
「仕事の内容」と「責任の範ちゅう」
職務経歴書・履歴書に目を通す際は、応募者が経験した仕事の内容詳細と、責任の範ちゅうについてチェックを入れておきましょう。
提出された応募書類につき、書かれている内容が虚偽である可能性は低いとしても、この段階では応募者・採用担当者それぞれの理解は一致していないからです。
例えば「経理部門の管理職候補」として応募した求職者の職務経歴書に、全社的な会計ソフトの刷新に関する実績が書かれていたとします。
この実績は、自ら率先して支店等を回り導入を進めたのか、具体的な導入作業は会計ソフト会社側の担当者にすべて任せたのかによって、採用担当者の印象を左右するものになります。
採用企業が中小企業であれば、自ら率先して動いた実績を評価するかもしれませんが、一定以上の規模感の企業なら導入プロセスが効率的な方を評価するはずです。
業務内容を正確に評価するためには、任された仕事内容を具体的に確認しつつ、部署や会社が応募者に与えた責任の範ちゅうを把握する必要があります。
「成果の数字」と「難易度」
一般的に、職務経歴書には具体的な成果を「数字」として記載した方がよいとされます。
例えば、売上目標達成・拠店の順位などの実績を、応募書類に記載する営業志望者は一定数存在しています。
採用担当者としては、特にこの傾向自体を疑う必要はありませんが、数字を出すにあたっての「難易度」も確認が必要です。
面接においては、職務経歴書に書かれている目標・数値について、以下のような質問を応募者に投げかけてみましょう。
- 前年比または市場環境と比較して、目標は挑戦的なものだったか
- ライバルの人数や拠店の数はどのくらいか
- 数字を出せた理由として、何が考えられるか(チームワークなのか、個人的な能力なのかなど)
- 数字を出すために工夫・努力したことは何か
- 自社の環境において同レベルの水準を達成するには、何が必要だと思うか
採用担当者は、応募者に上記のような質問を投げかけ、自分が数字を出せた根拠を客観的に述べられるかどうか確認すべきです。
回答がたどたどしい、または主観的な理由に終始しているような人材は、検討・見送りが必要かもしれません。
転職理由
履歴書に書ききれないくらい転職回数が多い、一定期間内に転職が続いているなど、応募書類に目を通すと応募者の転職状況が分かります。
しかし、現代の転職市場は一昔前に比べて活発であり、日本でも転職者は珍しい存在ではなくなりつつあります。
よって、採用担当者は単純に回数だけを重視するのではなく、職務経歴書に書かれた「転職理由」に注目し、同じような理由で自社を離職するリスクがないかどうかを判断する必要があります。
志望動機
もともと、応募者は志望動機をある程度固めた状態で求人に応募しているため、面接時に「履歴書に書かれた志望動機と矛盾がないか」確認するだけでは不十分です。
応募者が回答した志望動機につき、より掘り下げた質問ができるよう準備しておくとベターです。
自社の新規事業に応募した人材であれば、厳しい環境になっても働ける覚悟があるかどうか確認するなど、応募者の志望動機の「底」を見極める意識が肝心です。
人物
応募書類には何ら問題がない人物であっても、面接で直接顔を合わせて話してみたところ、強い違和感を覚えることは決して珍しくありません。
社会人として備えておくべき常識・マナーだけでなく、面接官の聞きたいことに答えてくれているか、分かりやすい表現を心がけてくれているかなど、細かいと感じる点でもチェックを入れましょう。
他のスタッフ・取引先とトラブルに発展することがないよう、人間性は慎重に判断したいところです。
活かせるスキル
履歴書に書かれた資格、職務経歴書に書かれたスキルの中には、求人にマッチしないものもあります。
普通自動車免許など、世間一般的に必要とされるものを除いて、応募職種とマッチしないものがある場合は、取得やスキルアップの経緯を確認すべきです。
場合によっては、応募職種の詳細について求職者が誤解している可能性もありますから、違和感がある点は一通り確認するのが無難です。
なお、応募職種に必要な資格・スキルであっても、有効期限や実務経験は応募者に聞いておきましょう。
空白期間
履歴書・職務経歴書の中で、キャリアに空白期間や年度のずれがある場合、理由を確認しておきます。
具体的な理由としては、病気・介護・留学・その他の事情等が考えられますが、面接で直接本人の口から聞いておくことが大切です。
自社における早期離職のリスクを減らすためにも、応募書類との整合性をチェックしつつ、不安要素を面接の段階でつぶしておきましょう。
異動履歴
転職経験や回数がほとんどなく、前職一筋で長年勤めてきた応募者であっても、その事実だけで「自社で長期的に働いてくれるだろう」と判断するのは早計です。
仮に、同じ会社で10年働いていたとしても、2~3年単位で異動を経験している場合、各セクションでトラブルを起こした結果そうなった可能性はゼロではありません。
各部署で経験した業務内容や成果などを確認して、異動の度に業務の難易度が上がっているなら、ゼネラリストとしてステップアップしてきたことがうかがえます。
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面接前の重要な事前準備
面接を実りあるものにするために採用担当者ができることは、入念な事前準備です。
以下のポイントを押さえて準備を進めると、限られた面接時間の中で、応募者を理解しやすくなるはずです。
求人情報のインプット
求職者は求人情報をみて、「この会社いいな」と思って応募をしているはずです。
そのため、外部に開示している自社の求人情報は事前にしっかりと頭に入れておきましょう。
面接の際に、公開している求人情報と異なる内容を伝えてしまうと、応募者は不審に思います。
求人サイト・自社サイト・SNSなど、面接予定の職種の求人情報は一通りチェックしておき、応募者の回答に反応できるアンテナを立てておくことが大切です。
応募書類のインプット
求人情報をインプットしたら、次は応募者の情報、すなわち応募書類のインプットに進みます。
一言一句覚えるというよりは、読み込む中で気になる点にチェックを入れて、質問すべきポイントをメモするのが目的です。
面接以前の採用担当者がいて、申し送りを残している場合は、面接時の対応を検討します。
確認事項・説明事項の追記がある場合、その点も面接のタイムスケジュールに含めることで、面接の充実度が高まるはずです。
面接の評価基準を確認
面接官として面接に臨む前には、採用活動を統括する担当者から、具体的な評価基準を事前に確認しておきます。
評価基準が頭に入っていると、面接時の応募者の評価がスムーズに進みます。
また、面接評価シートを使っている場合は、どのフォーマットを使って面接するのか確認しましょう。
まとめ
職務経歴書・履歴書は、応募者の能力・適性・人物像を知る上で大いに役立ちます。
ポイントを押さえた活用を心がけることで、自社に必要な人材を採用しやすくなるでしょう。
チェックすべきポイントは多岐にわたりますが、時間と労力をかけた分、面接の精度も上がります。
優秀な人材を招き入れるためにも、事前準備を怠らず、応募書類を最大限活用したいところです。
面接での負担を減らす上では、自社が欲している人材からの応募を増やせるような「求人記事」の作成も重要なポイントです。
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