コンピテンシー面接とは? 実施するメリットやデメリット・質問例を解説!
自社に必要な人材を獲得するために、従来の面接手法を見直す企業が少なくありません。
採用にはさまざまな方法がありますが、的確な人材評価を取り入れるなら、コンピテンシー面接がおすすめです。
コンピテンシー面接とはどのような手法なのか。
導入するメリット、デメリット・面接で使える質問例を紹介いたします。
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※構造化面接とは?導入するメリット・デメリットや導入方法を解説!
コンピテンシー面接とは? 目的や従来手法との違い解説
採用手法の一つであるコンピテンシー面接。
どのような目的で導入されるのか、従来手法との違いをまずはみてみましょう。
コンピテンシー面接を導入する目的
コンピテンシー面接は、人材一人ひとりが持つ特性、思考、行動力などを把握し、自社でどのような働きをしてもらえるのか、対話を通じて見抜く採用手法です。
もともとは、ハーバード大学の心理学者、D.C.マクレランド教授を中心としたグループが研究した内容です。
社内で活躍している人材は、適応力やコニュニケーションスキルが高い特長がある、という研究結果のもと、優れた人材モデルの行動や思考を参考に、面接で行動レベルを見抜くと良い人材採用にいたる、とう考えを取り入れたのがコンピテンシー面接です。
これまでの日本企業は、終身雇用や年功序列制度が主でした。そのため、人材の学歴や資格などのスキルが重視され、ある程度のレベルの人材を集め、時間をかけて自社で育成する、という育て方も多くみられました。
ですが現在は、少子化で採用自体が厳しいことや、若い世代がより良い環境を求め、転職するのが当たり前になっていることから、学歴やスキルの高い人材を採用しても、すぐ辞めてしまうケースが少なくありません。
コンピテンシー面接は、この問題を解決する手法としても注目されています。
面接官は候補者へこれまでの経験、行動に関連する質問を実施します。
回答の中から、応募者が潜在的にどのような能力を持っているのか、自社が必要としている考え、活動ができる人材であるかどうか、という点の事前評価が可能です。
採用活動の精度をアップできるため、ミスマッチを低減できる、即戦力になる人材を採用しやすい、という点もコンピテンシー面接の特徴です。
一つの企業で働き続ける時代ではないからこそ、不足している適所に必要な人材を採用できる手法が求められます。
採用がうまくいかず悩んでいるなら、コンピテンシー面接が、応募者をしっかり見極めるきっかけになるかもしれません。
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コンピテンシー面接と従来手法の違い
コンピテンシー面接と従来の採用手法は、考え方や評価方法に大きな違いがあります。
面接方法の違いを確かめておきましょう。
評価方法
従来の面接方法 | 候補者の学歴や経歴、年齢を重要視する。 面接の可否は人材の印象で大きく変化する。 面接官の主観が採用結果に影響を与え、採用担当者によって、評価に違いが生じる。
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コンピテンシー面接 | 候補者の学歴や経歴だけでなく、行動特性、考え方を重要視する。 面接の可否は、自社で活かせる能力があるかどうか、スキルを発揮できるかどうかで判断する。 評価基準が決まっているため、客観的な判断ができ、面接官が変わっても評価に違いが生じにくい。 |
面接時の質問内容
従来の面接手法 | なぜ自社を志望したのか、企業への思いを質問するのがメイン。 企業理念の理解や自己アピールの結果が面接結果を左右する。 面接での受け答えが上手い、見た目や話し方の印象などで面接官が判断するため、採用後にミスマッチが発生するケースが多い。 |
コンピテンシー面接 | 対話を中心とした質問がメイン。 過去のできごと、その時とった行動やなぜそうしたのか、といった部分を判断していく。 自社で必要としている人材に合った質問を用意するため、リーダーとして活躍する人材、企業の価値を高めてくれる人材と出会いやすく、早期離職を未然に防ぎやすい。 |
行動を具体的にチェックするならコンピテンシー面接
企業活動をしていると、従業員自身がトラブルや課題を解決する場面が多くあります。
これらの問題をスムーズにクリアするためには、応募者自身の行動経験が重要です。
一例ですが、
「部活動のリーダーとして、チームを率いてきました」
という自己PRだけでは、どのような能力が発揮されてきたのか、把握できません。コンピテンシー面接では、
「部長として新しい練習を率先して取り入れ、志気が上がるように声をかけながら、創部以来はじめてのベスト8に進出しました」
といった具体的な行動を理解できるため、トラブルが起きたときに、どのような行動をしたのか、その理由は何か、といった部分を深掘りでき、人材が持つ能力や魅力、行動の傾向を浮き彫りにできます。
企業の「こうして欲しい!」を叶える人材を、面接の時点で見極めたいなら、コンピテンシー面接を導入してみましょう。
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コンピテンシー面接で企業が得られるメリット4つ
コンピテンシー面接を導入すると、企業に嬉しいメリットがあります。
どのような良い点が待っているのか、代表的な4つの例をチェックしてみましょう。
メリット1:評価のバラつきを減らせる
コンピテンシー面接を導入する際、まず評価の基準となる「コンピテンシーモデル」を策定します。企業によって異なるコンピテンシーモデルがあるため、自社に適した人材を見抜きやすい点がメリットです。
コンピテンシーモデルをていねいに作っておくことで、面接官ごとの判断のズレを未然に防げる点も良い部分です。一定基準をクリアした人材を採用できるので、即戦力になってもらえる、期待通りのパフォーマンスをしてくれる候補者を絞り込めるでしょう。
メリット2:候補者の本質を事前に見抜ける
コンピテンシー面接では、従来の採用手法ほど、学歴や資格を重視しません。
行動を重視するため、これまでは書類審査で落ちていた人材が、実はコンピテンシーが高く、活躍できる人材だった、という例も多くあります。
似たような人材が複数応募してきた場合も、経験や行動で比較できるため、より優れた人材を見抜けます。
従来の面接スタイルでは、候補者ごとの細かい部分を把握しづらい傾向にあります。
面接対応が上手な人員=ハイパフォーマンス人員ではないと心得て、内面や本質に目を向けてみてください。
学歴や履歴書、自己PR文の中身以上に、候補者が本来持つ特性やパーソナリティを大切にして、最善の人材を選択しましょう。
メリット3:応募者の嘘や誇張が通じにくい
採用面接を実施する際、小さな実績を大きく見せたり、実際とは違う嘘のPRをしたりする候補者がゼロではありません。従来の面接では、これらの嘘や誇張を見抜くのが難しく、「採用したものの、まったく仕事ができなかった」というトラブルが起きがちでした。
コンピテンシー面接は、応募者の過去を深掘りするため、簡単に嘘がつけないシステムです。面接で問いかける内容も、企業によってまったく違うため、面接対策がしづらいというメリットもあります。
人材の本音を引き出したい、嘘や誇張でだまされたくない、という採用担当者は、コンピテンシー面接を取り入れると、採用に関する不安やストレスを軽減できます。
メリット4:入社後の働き方を想像できる
コンピテンシー面接は、過去の行動やなぜその考えに至ったのか、と言う部分を重要視します。そのため、企業で新しいアイデアが必要な時、トラブルが起きたときなど、候補者がどのような行動を取るのか、見極めやすい点がメリットです。
「ミスをした後、自らリカバリーできる人材が欲しい」
「会議で積極的に発言、行動できる人材を求めている」
など、求める課題解決行動ができる人材を採用できるため、入社後のイメージが容易です。
ミスマッチを未然に防ぐためにも、自社に合ったコンピテンシーモデル、コンピテンシー面接マニュアルをしっかり作成しておきましょう。
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コンピテンシー面接のデメリット2つ
メリットがたくさんあるコンピテンシー面接ですが、デメリットもあります。
採用活動でつまずかないために、考えられるマイナス点も覚えておきましょう。
デメリット1:無意識の行動は評価できない
コンピテンシー面接の評価基準を作成する際、活躍している人材をモデルにするケースが多くみられます。この時、ハイパフォーマンス社員にヒアリングをしても、無意識にしている良い行動は見えづらい、というケースがあります。
プレゼン能力が高い社員がいたとして、事前に資料の入念なチェックをしている、多くの事例を参考にしながら計画を練っている、といった話が聞けたとします。
その裏で、資料作りの精度を上げるため独学で勉強していた、資料の配色や見やすさを学ぶためYouTubeなどを参考にしていた、といった行動があった場合も、本人が当たり前のことだと思っていたら、情報を集められません。
コンピテンシーモデルや面接マニュアルを作成する場合は、対象社員にささいなことまで細かく質問しておきましょう。
デメリット2:職種・配属先ごとにヒアリングが必要
どのような能力を持つ社員が必要なのか、職種や配属先によって違いがあります。
コンピテンシー面接を実施する場合、職種や業務内容に応じて、それぞれのコンピテンシーモデルや面接マニュアルが必要です。
中には、自社内に活躍している人材がいない、というケースもあり、想像で検討しなければいけない場面もあります。幅広い職場で多くの人材を採用する場合、ヒアリングやマニュアル策定に時間や人員が必要になる点もデメリットです。
コンピテンシー面接導入の手順をチェック!
コンピテンシー面接を実施するなら、正しく進めるための順序があります。
スムーズに進めるために、覚えておきたい6つの手順をみてみましょう。
手順1:コンピテンシーモデルを決める
コンピテンシー面接を成功させるために、まずは自社内で活躍しているモデル人材を探しましょう。この人みたいな人材が欲しい、と感じる社員を選び、ヒアリングを進めてください。
同じ職種内で複数人にヒアリングできると、よりコンピテンシーモデルが明確になり、適した人材採用につながります。
ヒアリングでは、成果を出してきた時に、どのような行動をしてきたのか。
なぜ行動しようと考えたのか、達成するためにした工夫があるかどうか、といった過程に注目しましょう。
複数人材に話を聞く中で、デキる社員がしている行動や考え方の共通点が見えてきます。
成果へ行き着くまでに、優れた社員はどのようなスキルを生かしているのか、という部分を判断して、コンピテンシーモデル作成へ生かしましょう。
コンピテンシーモデルに正解はありません。
企業にとって何通りもの基準があるため、完成したコンピテンシーモデルが自社の理念や風土、時代にあっているかどうか、という点も検討しながら、決定してください。
手順2:面接時の評価基準を決めておく
コンピテンシー面接は、誰が面接を担当しても同じ結果にするための評価基準が必要です。評価基準は、職種や配属先ごとに、それぞれ策定しておきましょう。
具体的には、質問への回答に対して、それぞれ点数をつけておきましょう。
この答えなら1点、この答えなら満点の5点、という風に基準を作っておくと、ムラのない評価につながります。
コンピテンシー面接で基準となる行動は、「受動行動」「通常行動」「能動行動」「創造行動」「パラダイム転換行動」の5つです。候補者の行動を5つに分ける設定も必要です。
ただ点数をつけるだけでなく、1番目の質問に対して、○点以上だった場合はさらに深掘りする、○点以下だった場合は次の質問へ進む、といった細かいマニュアルが求められます。
結果を数値で把握できるようにして、一人ひとりの点数を割り出せるようにしましょう。時間がかかる部分ですが、ミスマッチを避けるためにも、細かく定めておいてください。
手順3:評価テンプレートを作成する
コンピテンシー面接は、どの面接官が担当しても、同じ評価基準で結果を出せるのがメリットです。面接時に必要な質問をきちんとできるように、面接官向けの評価テンプレートを用意しておきましょう。
質問内容や回答によっての進め方、評価基準を記載するだけでなく、応募者がどのような回答をしていたのか、メモを取れるようにすると、後から振り返りができ便利です。
面接官一人ひとりに、コンピテンシー面接のメリットや活用する理由をしっかり共有して、スムーズな切り替えを目指しましょう。
※面接時に候補者を客観的に判断するために必須の面接評価シート
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手順4:面接の練習をしておく
従来の面接しか経験がない場合、コンピテンシー面接をスムーズに進めるための練習が必要です。コンピテンシー面接の実例を動画でチェックしたり、デモ面談を実施して実際にやってみたり、といった施策を取り入れてみましょう。
これから面接を担当する採用担当者のために、自社のコンピテンシーモデル向けの解説マニュアル、動画を作成しておくのも良い方法です。
応募者の答えによって、臨機応変に対応できるように、社内体制を整えておきましょう。
手順5:コンピテンシーモデルに沿った採用面接
社内マニュアルの作成、研修やロールプレイングの実施などで体制が整ったら、いざコンピテンシー面接を実践してみましょう。
コンピテンシー面接を成功させるなら、面接官が聞き役に徹する行動が重要です。
「自分の頃は……」「これまでにこんな事例を……」といった面接官の経験談や思いを伝えるのは控えて、話を引き出し、どんどん掘り下げていきましょう。
過去を振り返る過程で、候補者が言葉に詰まる場面もあると思います。
このような場合は、的確な声かけが、話を広げるきっかけになります。
上手に会話のキャッチボールをしながら、必要な情報を集めてください。
手順6:コンピテンシー評価をする
コンピテンシー面接では、「受動行動」「通常行動」「能動行動」「創造行動」「パラダイム転換行動」これらを5段階で設定するとお話ししました。
- レベル1「受動行動」
- レベル2「通常行動」
- レベル3「能動行動」
- レベル4「創造行動」
- レベル5「パラダイム転換行動」
というレベル分けとなり、レベルが高ければ高いほど、行動力のある人材となります。
面接が終わったら、候補者の行動を評価に当てはめて、レベルを決定してください。
レベルごとに、人材の評価が大きく変わります。それぞれのレベルと考えられる人材像を、事前にチェックしておきましょう。
レベル1:受動行動
受動行動は、いわゆる受け身の行動です。上司から言われてから動く、周りに頼まれたらやる、といった傾向が見られます。自ら動かないだけでなく、できれば動きたくない、という気持ちが裏に隠れているケースが少なくありません。
自ら考え、動ける人材を探している場合は、受動行動に分類される候補者は向かないケースが多いでしょう。
レベル2:通常行動
その名の通り、通常の行動ができる人材です。頼まれた仕事を正確に進められる、自分の仕事を理解して、マニュアルや手順書に沿った業務ができる、といったレベルの持ち主です。
最低限の仕事はできるけれど、創意工夫には長けていない、という人材が通常行動に分類されます。
レベル3:能動行動
能動行動は、ゴールに向かって自ら取り組める人材です。
この業務を達成するためにはどんな資料や段取りが必要か、指示を待たなくても行動できます。
失敗しないように幅広い可能性を検討できる、臨機応変に対応できる、といった行動ができるのもレベル3の能動行動です。コンピテンシー面接を実践する企業の多くが、レベル3以上の行動力を持つ人材の採用を検討しています。
レベル4:創造行動
コンピテンシーレベルが4まで上がると、自ら行動するだけでなく、周囲を巻き込んだ動きが見られます。これが創造行動です。
これまでにない、新しい施策を提案したり、そのために必要な準備を率先して進めたりする人材です。新規イベントを開催する際、必要なリサーチや下準備を行うだけでなく、今何をするべきか、周囲へ伝えるといった行動も見られるでしょう。
このレベルの人材を採用できると、既存社員やこれから採用する社員にも良い影響を与えられます。
レベル5:パラダイム転換行動
パラダイム転換行動ができる社員は、これまでの常識を覆せる人材です。
営業をする際に、今までになかったアプローチを提案したり、考えもしなかった相手をターゲットにしたり、独自の考えや行動をする点が特長です。
社内へ新しい風を吹き込む人材になれる可能性がある一方で、足並みを揃えて進みたい場合にトラブルが起きる可能性があります。
出会う可能性は多くありませんが、候補者の中にパラダイム転換行動をする人材がいた場合、社風や業務に適した動きをしてもらえるかどうか、慎重に判断しましょう。
コンピテンシー面接を成功させる!4つの質問例
コンピテンシー面接を取り入れる際、もっとも頭を悩ませるのが、どのような質問をするべきか、という部分です。コンピテンシー面接を成功させて、ハイパフォーマンス人員を採用するために、選ぶべき質問を覚えておきましょう。
コンピテンシー面接では「STAR面接」という手法が主に使用されます。
「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」
これら4つの質問を通じて、候補者の考え、思考プロセス、行動特性を見抜きます。
今回は、それぞれの段階でどのような質問をするべきか、具体例を用意しました。
自社でコンピテンシー面接を実施する際に、参考にしてみてください。
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Situation(状況)の質問例
面接で候補者の話を掘り下げるために、きっかけとなるのがSituation(状況)の質問です。
これまでに企業や学校、プライベートの行動で、どのような組織に所属したのか、候補者が与えられた任務や大変だったことなどを聞き出しながら、会話を広げていきましょう。
Situation(状況)の具体的な質問例
「ケース1」
- 社会人になってから、力を発揮した事例を教えてください。
- その活動は、どのようなチームで進めたのですか?
- グループ内でのあなたの役割は、どのようなものでしたか?
- その行動は、グループや自分にとって難しいものでしたか?
「ケース2」
- チームで頑張った経験はありますか?
- プロジェクトに携わった人数や期間を教えてください。
- そのチームにおける、あなたのポジションは?
- 達成にあたり、どのような問題や課題がありましたか?
- チーム内でプレッシャーを感じた部分、嬉しかった部分はどこですか?
「ケース3」
- 仕事でトラブルを乗り越えた経験をおしえてください
- その時のチーム体制やあなたの立場は?
- トラブルの原因はどこにありましたか?
Situation(状況)は、チームでの経験、トラブルを乗り越えた経験など、一番に聞くべき事項を絞り込みます。その上で、実際の状況を掘り下げていきましょう。
Task(課題)の質問例
Task(課題)は、Situation(状況)で質問した際に出てきた課題を、どのような方法を検討したのか、候補者の考えた行動をチェックします。なぜそう考えたのか、提案した理由なども質問してみましょう。
Task(課題)の具体的な質問例
「ケース1」
- なぜあなたは、それが課題だと気付いたのですか・
- 課題を認識したとき、考えたことを教えてください。
- 課題を解決するため、掲げた目標はありますか?
- 課題解決に向けて、提案した行動はありますか?
「ケース2」
- これまでに仕事で経験したトラブルを教えてください。
- なぜそのトラブルが起きてしまったのでしょうか?
- トラブル解消のため、あなたが担った業務は何でしたか?
- そのトラブルは、企業の影響を与えるものでしたか?
「ケース3」
- 課題を乗り越えるにあたり、何が困難でしたか?
- 課題解決にあたり、活用したスキルはありますか?
- あなたに与えられた役割を教えてください
- 役割を果たすため、どのような行動を検討しましたか?
Task(課題)は、課題に対してどのような立場で、解決に向けてどう考えたのか、と言う部分を深掘りします。冷静な判断ができていたのか、工夫で乗り越えられたのか、と言った点に耳を傾けてみてください。
Action(行動)の質問例
Action(行動)は、課題解決にあたり、実際にどのような行動を起こしたのか、という部分を掘り下げます。解決に至る方法や悩んだこと、工夫したこと、といった行動から、候補者の考えを探ってみましょう。
行動に関連する質問は、従来型の面接でも多く採用されていますが、実体験に基づいた声を聞けるのがコンピテンシー面接のメリットです。応募者の良い点をしっかり把握するために、細かく情報を集めてみてください。
Action(行動)の具体的な質問例
「ケース1」
- 問題を解決するにあたり、まず何を実践しましたか?
- どのような順序で行動を進めたのか、教えてください。
- なぜあなたは、その方法で問題解決しようと考えたのですか?
- 問題を解決するにあたり、苦労したこと、工夫したことがあれば聞かせてください。
「ケース2」
- トラブル解決のために、何を最優先しましたか?
- その行動を最優先したのはなぜですか?
- トラブル解決にあたって、どのような部分が大変でしたか?
- イレギュラーな行動はありましたか?
- (イレギュラーな行動がある場合)どのような対策を実施しましたか? 行動を起こした理由もお聞かせください。
「ケース3」
- 問題解決のため、自ら働きかけたことはありますか?
- 行動を起こした理由を教えてください。
- 問題を解決するにあたり、生かした長所やスキルはありますか?
- どのような部分でチームに貢献できましたか?
Action(行動)は、候補者の考え方、行動パターンを測る指針になります。
過去と同じ行動を選ぶケースが多いこと、成長した現在であれば、さらなる行動を期待できることから、しっかり情報を集めておきましょう。
課題解決にあたり、活用したスキルや資格、知識などがあれば、合わせて掘り下げておくと、候補者の魅力に触れたり、自社との相性をたしかめたりするきっかけになります。
Result(結果)の質問例
Result(結果)は、課題解決までの流れの中で、どのような成果が得られたのか、候補者の行動でどのような学びがあったのか、周囲の反応や周囲からの評価はどうだったのか、という点たしかめます。
ただ問題を解決した方法や結果を聞くだけでなく、候補者によってどのような気づきがもたらされたのか、影響を受けたのか、といった成長部分に目を向けてみてください。課題解決の行動で成長できている人材は、今後もトラブルを糧にできる可能性が高いでしょう。
Result(結果)の具体的な質問例
「ケース1」
- 行動してみて、どのような結果が得られましたか?
- 今回の課題解決が、周囲に与えた影響をおしえてください。
- 一連の行動について、あなたはどのように評価されましたか?
- 課題解決までの過程で学んだこと、今後に生かしたいことはありますか?
「ケース2」
- 今回の行動で、その後の業務に変化が起きましたか?
- トラブル解決までの過程を振り返って、もっと改善できたと思える部分、反省点などがあれば教えてください。
- 次に同じトラブルが起きたとき、どのようにしたら解決できると思いますか?(良い結果にならなかった場合)
- トラブル解決する中で、成長したと感じる部分はありますか?
- そのトラブルを経て、企業や周囲に変化はありましたか?
「ケース3」
- 問題に取り組み、課題はどのくらい改善できましたか?
- 問題解決にあたり、自身が得られたことを教えてください。
- 問題と向き合う中で、失敗したこと、反省するべき点はありますか?
- この問題と向き合い。どのような手応えを感じましたか?
企業活動において、問題解決やトラブルは必ず発生する事由です。
その時、どのように反省したのか、上手くいかなかった場合も、今後につながる気づきが得られているかどうか、と言う部分も重要なポイントです。
課題やトラブルをどのように受け止めて、将来に生かしていくのか、候補者の考えをよく観察してみてください。
まとめ
人材の本質を見極めるなら、コンピテンシー面接を取り入れるのがおすすめです。従来の構造化面接では、思うような採用結果にいたらない、ミスマッチが減らない、と言う場合は、コンピテンシーモデル作成からはじめてみましょう。
準備は大変ですが、一度コンピテンシー面接マニュアルを作成すれば、面接官の性格、考え方にこだわらず、一定の評価ができるというメリットがあります。
考え方や価値観、思考を大切にする採用手法で、候補者の行動を判断してみてください。
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