アルバイト採用率の平均値について|他社事例・採用戦略の見直し方も解説
アルバイトスタッフの採用活動中は、応募者の都合による辞退も含めると、なかなか思ったような人材が集まらないという企業も少なくありません。
採用率が平均値よりも低い場合は、これまでの採用戦略を見直すことも視野に入れる必要があります。
この記事では、アルバイトの採用率の平均値について、他社の参考事例に触れつつ解説します。
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採用率とは?どう計算する?
採用率とは、全応募者における「採用人数」の割合のことをいいます。
計算する場合は【(採用者数÷応募者数)×100=採用率】の式に、各種数値を当てはめて計算します。
仮に、応募者数が50人で、採用者数が10人だった場合、採用率は以下のように計算できます。
{10人(採用者数)÷50人(応募者数)}×100=20%
採用率および採用人数につき、どのくらいの割合が望ましいのかについては、業種・職種によって判断が変わってきます。
よって、単純な数値の大小に一喜一憂するのではなく、自社の採用活動における現状を把握するための情報として、有効に活用することが大切です。
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アルバイトの採用率の目安は?
アルバイトの採用率の理想的な数値について、一概に判断することはできませんが、その数値に問題があるかどうか大まかに基準を設けることは可能です。
採用活動の状況が良好か、あるいは不調かを判断する目安の数値としては、以下の基準が有名です。
- 採用率が“35%”以上:優秀なレベル
- 採用率が“15%”以下:危険(要改善)なレベル
端的にまとめると、100人の応募者がいて、そのうち35人以上が採用できれば優秀・15人以下しか採用できなければ改善を要することになります。
実際、採用人数が多ければ、その分だけ自社の平均採用コストを下げることにつながります。
採用率は、採用単価を意識した採用活動においても重要なポイントといえるでしょう。
採用率30%の意味を考えてみよう
仮に、自社の採用率が30%だった場合、どちらかというと優秀な部類に含まれるものと考えてよいでしょう。
しかし、ここで重要になるのは数字ではなく、その数字の「意味」です。
例えば、アルバイトとして求職者を採用するまでのプロセスが【応募→面接設定→面接→採用】の流れで進み、各フェーズにおける応募者の人数が以下の数字だったとします。
- 応募 :200人
- 面接設定:100人
- 面接実施:90人
- 採用 :60人
結果的に、採用率こそ30%(60÷200×100)という形ですが、各ステップにおける歩留まりはそれぞれ異なります。
どのステップでどのくらいの歩留まりなのか、歩留まりが低い理由や対策を検討して、すぐできて効果が高そうな対策から着手していくとよいでしょう。
ここから見える課題は?
最初の段階で200人いた応募者のうち、面接設定に至らなかったのは100人(応募者の50%)なので、応募からの面接設定率は50%と計算できます。
次に、面接設定後に何らかの理由で面接が実施できなかった人は10人(面接設定者の10%)なので、書類選考後の面接実施率は90%と計算できます。
最後に、面接で不採用となった人数は30人(面接実施者の約33%)なので、面接からの採用率は約67%です。
この結果を見る限り、まず取り組むべきは、最も割合が低い「応募からの面接設定率」の向上策であると考えられます。
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各フェーズにおける改善への取り組み
先の例においては、応募からの面接設定率の割合が低い結果となりましたが、どのフェーズにおける人数減が多いのかによって、改善への取り組みは変わってきます。
以下、フェーズごとの改善策・取り組みについて解説します。
「応募→面接設定」フェーズにおける人数減が多い
面接設定の段階に移行する際、人数減が目立つ場合は、次のような状況が考えられます。
- 企業担当者の応募者への対応に問題がある
- レスポンスが他社に比べて遅い
- 面接設定のメールをしたが、応募者から返信がない
上記の点における改善策としては、採用のためのコールセンターを導入したり、応募した時点で面接設定が完了する応募フォームを準備したりする方法が考えられます。
その他、電話・SNS・LINEといった「様々な方法で連絡する」体制を整えておくことも重要です。
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「面接→面接実施」フェーズにおける人数減が多い
面接実施時に人数減が目立つ場合は、次のような状況が考えられます。
- 面接を実施するまでに時間が経過したため、他社の選考が進んでしまった
- 面接実施を待つ間に、応募者側の気持ちが自社から離れてしまった
上記の点を改善するためには、面接日時の設定を早めること、可能であれば応募後3日以内を目指して対応することが有効です。
また、応募者が複数の企業に応募していることを想定して、面接前日に連絡を入れるようにすると、応募者の面接に対する意欲を高めることにつながります。
「面接実施→採用」フェーズにおける人数減が多い
面接を実施してから採用に至るまでのフェーズで人数減が目立つ場合、次のような状況が考えられます。
- 面接官・採用担当者の人材採用に対する意識が低い
- 他社の選考状況・内定者の意識等の変化による辞退が多い
改善策としては、面接官や採用担当者への教育を実施したり、面接から採用に至るまでの時間を短縮したりする方法が考えられます。
※初めて面接官を務める際の心得|役割・適性・選考時のポイント等を徹底解説
他社事例から考える採用率低下の原因と対策
アルバイトの採用率向上における課題は、企業により異なりますが、他社の事例を参考にして解決した問題も少なくありません。
以下、採用率低下の原因と対策について、他社の参考事例をもとに考察します。
例1:レジャー施設(面接率の低さが課題)
レジャー施設を運営するA社は、主に学生・フリーター層を募集ターゲットとし、アルバイトスタッフを募集していました。
応募者数は確保できるものの、面接率が50%よりも低く、面接率に課題がありました。
主な原因としては、採用担当者が1人で対応していたため、面接設定が先延ばしになってしまっていたことが考えられます。
このケースでは、面接設定機能が付いていている採用管理システムを導入することが対策として考えられます。改善する可能性が高いでしょう。
応募者との面接日時を調整・連絡をスムーズにする機能や外部カレンダー連携などで、面接設定を素早くすることで面接率の向上が見込めます。
例2:飲食業(面接設定率向上のための対応が課題)
飲食業を営むB社は、複数の飲食店舗を経営しており、店舗アルバイトスタッフを募集していました。
アルバイト採用は各店舗が行っていたため、採用業務の効率化・費用対効果の向上を目指し、一括採用のため本部を立ち上げています。
しかし、求人媒体への出稿・電話対応・進捗や歩留まりの管理など、応募者に対するレスポンスを早める点が新たな課題となりました。
このケースでは、電話対応を外部のコールセンターに任せることで、よりスピーディーな対応を実現できる可能性が高いでしょう。
例3:小売業(書類選考のハードルが高く、面接率が低い)
小売業のD社は、アルバイトスタッフの採用にあたり、面接率の低さに悩んでいました。
内訳を見てみると、応募から書類選考段階で4割にまで減少していることが分かりました。
このケースでは、書類選考で履歴書や職務経歴書を送付してもらうことをやめて、ダイレクトに面接に進んでもらう選考ステップに変更することで、面接率を向上させることができるでしょう。
例4:アパレルチェーン(面接実施者に対する採用率の低さが課題)
たくさんの応募者が集まるアパレルチェーンのD社では、採用率が芳しくないことを課題としていました。
求人によっては、応募者の約50%が面接を受けるものの、最終的な採用率は10%前半というケースもあったようです。
このような課題を解決する上では、採用判断のハードルを下げること・面接実施後の連絡を早めることが有効です。
新入社員が入社してからの教育カリキュラムを見直し、まずは「可能性のある人材を集めること」を優先できれば、採用率の向上につながるでしょう。
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採用目的の明確化、採用計画策定の項目について
事例を確認し、自社の現状が把握できたら、次は採用率向上に向けて具体的な施策を考える必要があります。
その際に重要になってくるのが、採用目的の明確化と、採用計画の策定です。
採用目的の明確化
採用目的の明確化とは、採用活動の動きを踏まえ、以下の2点を明確にすることです。
- 募集する職種・業務内容・部門
- 募集予定のポジションで人材が必要な理由
例えば、欠員補充のため新しい人材を迎え入れる場合、前任者と同じスキル・適性を持つ人材を採用したいと考えるでしょう。
新しい事業に取り組むための人材確保であれば、新事業の分野に精通したプロフェッショナルの採用が必要になるかもしれません。
このように、採用目的に応じて採用すべき人材の条件は変わってくるため、採用目的の明確化はおろそかにしないことが大切です。
採用計画策定の項目のすり合わせ
採用目的の明確化が終わったら、次は採用計画の策定に移ります。
計画に複数の項目を盛り込むにあたっては、以下の点につき、採用担当者・面接官・採用部署等ですり合わせを行いましょう。
求める人物像の設定
これから採用したいと考えている人物像については、採用に携わる人材・部署の中で、以下の点を検討・設定しましょう。
- どんな立場で働いて欲しいのか(即戦力なのか、ポテンシャル採用なのかなど)
- 必要なスキルは何か(資格・実務経験など)
求める人物像があいまいな状況だと、その分ミスマッチが生じやすくなるため、できる限りイメージを具体化します。
例えば、すでに同業種・別会社での実務経験がある場合、そもそもアルバイトとして採用するのが難しい可能性もありますから、その場合は中途採用の方向で検討した方が賢明かもしれません。
採用目標・スケジュールの設定
複数人を採用する場合、いつまでに、何人、どのような人材を採用するのか、採用目標を決める必要があります。
採用目標という達成すべきラインを設定し、具体的なスケジュールを決めることで、効率的に採用活動を進められます。
アピールポイント・待遇の見直し
同業他社・ライバル社と比較して、待遇面も含めアピールできるポイントがあると、そちらも計画に盛り込みます。
差別化を図るヒントとして、例えば株式会社マイナビの「2022年12月度 アルバイト・パート平均時給レポート」では、アルバイト・パートの2022年12月度平均時給が全国で1,177円と発表されています。
大都市圏以外で、この条件を上回る給与・待遇を設定できるのであれば、採用活動において大きなアドバンテージとなるでしょう。
採用手法(採用方法)の選定
採用手法の選定も、採用計画の策定にあたっては重要になります。
例えば、求人サイトに広告を掲載する場合、申し込みから所定の日数・時間がかかるため、採用スケジュールにも影響が及ぶものと考えられます。
また、求人掲載時の費用も各種採用サービスによって変わってくるため、費用対効果が高い採用手法を選定することが大切です。
求人広告を出すだけでなく、リファラル採用のように自社で活躍してくれる確度が高そうな人材を採用する方法も、計画策定にあたり検討しておきましょう。
採用現場の責任の所在も明確にする
採用は、目当ての人材を採用してゴールではなく、むしろそこからがスタートです。
採用後の研修・教育につき新入社員が不満を感じてしまうと、早期の離職につながるおそれがあります。
人事・採用担当者は、採用現場の責任の所在を明確にして、新入社員が配属した後のサポートを充実させる体制を構築しましょう。
まとめ
採用率は、すべての業種・職種に共通する理想的な数値こそありませんが、低いよりは高い方が望ましいものです。
自社の採用率向上を妨げている原因がある場合、応募から採用までのどのフェーズで問題が生じているのか、把握した上で対策を講じることが大切です。
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