エッセンシャルワーカーとは何か|職種や問題点・支援の必要性について解説
エッセンシャルワーカーとは、私たちが社会生活を営む上で他に代えがたい仕事に就いている労働者のことをいいます。
多くの方がイメージする職種として、医療・福祉や行政などがあげられますが、近年は日本国内の労働者が減少傾向にあることや、介護が必要な人の数が増えていることから、エッセンシャルワーカーはより必要とされています。
この記事では、エッセンシャルワーカーとは何か、具体的な職種や問題点・支援の必要性について解説します。
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「エッセンシャルワーカー」とはどんな仕事か
エッセンシャルワーカーのエッセンシャルは、英語で「essential」と記し、日本語に訳すと「必要不可欠な」という意味になります。
つまり、エッセンシャルワーカーとは、人々が社会生活を営む上でなくてはならない仕事を任されている労働者と解釈できます。
エッセンシャルワーカーという言葉を、新型コロナ禍の時期によく聞いた記憶がある方も多いかもしれません。
世の中が静まり返っていた時期、エッセンシャルワーカーは、淡々とそれぞれのミッションを遂行していたのです。
「社会生活に必要不可欠な職種」とは
一口に「社会生活に必要不可欠な職種」といっても、私たちの生活は多くの人の仕事で成り立っているため、社会を支えるために欠かせない仕事を一概にくくることはできません。
しかし、社会がいかなる状況に陥ったとしても必要な職種というものは存在しており、例えば以下のような職種は生活において必須といえます。
- 医療・福祉従事者
- ごみ収集業者
- 教師や保育士
- 小売業従事者 など
このように、普段私たちが「当たり前に」利用しているサービス等に従事している人は、エッセンシャルワーカーに分類されます。
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様々な職種分類とエッセンシャルワーカーの違い
エッセンシャルワーカーと似たような響きの職種分類としては、ブルーカラー/ホワイトカラー/ソーシャルワーカーなどがあげられます。
以下、それぞれの職種の分類について、エッセンシャルワーカーとの違いに触れつつ解説します。
「ブルーカラー」「ホワイトカラー」との違いは何か
職種を大まかに分類する際、ブルーカラー・ホワイトカラーという2種類に分類することがあります。
ブルーカラー・ホワイトカラーは、それぞれ次のような職種のことを指します。
ブルーカラー | ・主に生産現場などに従事していて、肉体労働に従事する技能系の職種を指す |
ホワイトカラー | ・主に企業のオフィス内で事務作業に従事する、事務系の職種を指す |
ブルーカラーだけがエッセンシャルワーカーに分類されるわけではなく、社会にとって必要不可欠な仕事をしている人は、もれなくエッセンシャルワーカーに分類される点に注意しましょう。
ソーシャルワーカーとの違いは何か
エッセンシャルワーカーと似た職業の名称に「ソーシャルワーカー」があります。
ソーシャルワーカーは、社会福祉に関する支援を行う、いわゆる「生活相談員」の総称となります。
具体的には、福祉・介護・医療・教育といった業界において、何らかの問題・悩みを抱える人を助ける役割を担います。
国家資格としてソーシャルワーカーという資格は設けられていないため、ソーシャルワーカーとして働くにあたり、原則として資格取得は要求されません。
しかし、社会福祉士・精神保健福祉士など所定の資格を保有している人は、働く場所を選びやすくなります。
エッセンシャルワーカーの主な職種一覧
人々が「社会生活を営む上で必要不可欠である」という観点から考えると、以下のような職種がエッセンシャルワーカーとして分類されるでしょう。
医療従事者
医師や看護師・薬剤師などの医療従事者は、人々が健康に生活していく上で欠かせない存在です。
病院が稼働しなければ、人々は持病の治療や手術などを受けられず、助かる命も助からないかもしれません。
新型コロナ禍では、感染者と接し、感染リスクと隣り合わせの中で使命を全うする医療従事者の姿が、多くの人の心を打ちました。
ソーシャルワーカー・病院で食事を作るスタッフなども、同じくエッセンシャルワーカーに分類されます。
福祉従事者
福祉従事者には、高齢者施設・障がい者支援施設などで働く介護職や、乳児から小学校入学前の子どもを預かる保育士などが該当します。
福祉従事者は、介護等を受ける人との接触が必須であることから、新型コロナ禍では医療従事者同様に感染症リスクと戦いながら職務に向き合うことが求められました。
介護・保育を必要とする人は今後も増えることが予想されており、福祉従事者はエッセンシャルワーカーの中でも特に人手が欲しい職種の一つに数えられるでしょう。
小中高校の教諭
有事においても、社会で子どもに対する教育を止めることはできません。
新型コロナ禍では、リモート授業が実施されることもありましたが、学校においては主要5教科を教えるだけではなく、教諭と生徒の間でコミュニケーションをとることも大切な教育です。
小中高校の教諭は、子どもたちとの接触がほぼ必須になるという点で、まさしくエッセンシャルワーカーといえるでしょう。
もし教諭がいなければ、子どもを持つ親は仕事もままならず、子どもの学業・成長にも支障をきたすかもしれません。
公務員
国家公務員や地方公務員は、国民や地域住民が安心して生活できるよう、それぞれの分野で業務に従事します。
警察官がいなければ犯罪がのさばってしまいますし、消防士がいなければ火事の際に甚大な被害が出るおそれがあります。
大規模な地震などに見舞われた地域では、自衛隊による早期の救援活動が求められます。
公共サービスの質を維持するためには、市役所等に勤務する公務員の存在は不可欠です。
まとめると、国家公務員・地方公務員の仕事は、エッセンシャルワーカーの要素を満たしているものと考えられます。
運輸・物流
電車・バスなどの公共交通機関の運転・整備等に携わる人や、モノを運ぶ仕事に携わる人も、エッセンシャルワーカーに分類されます。
有事の際に公共交通機関が止まってしまうと、それ以外に交通手段を持たない人々の生活が成り立たなくなってしまいます。
配達員やトラック運転手、物流センターで働く職員も、私たちが必要な物資を手に入れるために不可欠な存在です。
新型コロナウイルス感染拡大によって、外に出られない各家庭に商品を届ける「ラストワンマイル」の物流ニーズが高まったことも記憶に新しいところです。
小売・販売業
食料品・日用品などを販売しているお店で働く従業員は、私たちの生活にとってもっとも身近なエッセンシャルワーカーです。
スーパーマーケット・コンビニ・ドラッグストアなど、地域住民が買い物できる場所が閉まってしまうと、生活必需品が手に入らない人が続出し、社会が大混乱に陥るおそれがあります。
生活インフラ
生活インフラの整備・維持・管理に携わる職種は、住民が生活を営む上で欠かせないものです。
電気・水道・ガスが止まってしまうと、私たちの生活はたちまち滞ってしまい、集合住宅であればトイレで用を足すことさえ難しくなるおそれがあります。
また、ごみが街中にあふれた状態になると、動物などがエサを求めて住宅街などにもやってきたり、疫病を動物が媒介したりするおそれがあります。
ごみ収集は特に注目が集まる職種の一つで、社会衛生の観点から非常に重要な職種であるものの、収集作業員・ごみ収集車のドライバー不足に悩む地域も少なくありません。
農業・林業・漁業
第一次産業と呼ばれる農業・林業・漁業に従事する人々は、日本社会を根元から支えるエッセンシャルワーカーです。
収入が不安定などの理由から、従事者は年々減少・高齢化する傾向にあるものの、国内の食料自給率を維持する上では欠かせない職業です。
学校給食がなくなるなど、新型コロナ禍では販売先の確保に苦心する従事者も少なくありませんでした。
その一方で、インターネットを活用して、消費者と直接やり取りしながら商品を届けている農家なども増えてきています。
金融機関
お金は企業・組織にとっての血液であり、その血液を取り扱う金融機関は、エッセンシャルワーカーとして社会の生命線となっています。
万一金融機関が稼働を停止することがあれば、多くの企業のビジネスに甚大な影響をもたらすことが予想されます。
エッセンシャルワーカーが話題となった背景
エッセンシャルワーカーという言葉が世界中に広まった背景として、2020年の新型コロナウイルス感染症のパンデミックは無視できないものです。
各国で国民の外出・行動が制限される中、自分たちも色々なものを抱えながら懸命に働くエッセンシャルワーカーに対して、各国の大統領・首相が感謝の気持ちを伝えたことがきっかけとされます。
日本でもエッセンシャルワーカーの重要性は認識されているものの、エッセンシャルワーカーの数は十分でない状況です。
厚生労働省が公表している「厚生労働白書」を紐解いていくと、令和2年度では「2040年に医療・福祉分野に従事する必要がある就業者の割合は約5人に1人(1,070万人)」という数字が示されています。
令和4年度では、医師・看護職員は増加傾向にあるとする一方で、地域別・診療科別・領域別偏在への対応が必要とされており、人員の偏りが問題になっていることが分かります。
令和5年度も引き続き、少子高齢化の進行に伴い看護ニーズが増え、さらなる看護職員の確保対策の強化が必要とされています。
エッセンシャルワーカーの重要性を理解している人は多いものの、人員確保につなげる施策の効果も含め、まだまだ必要十分な状況とはいえないのが現状です。
エッセンシャルワーカーが少ない理由は何か
エッセンシャルワーカーは、多くの人から尊敬を集める職種であるものの、働き手にとって必ずしも働きやすい環境とは言い切れません。
少なくとも、次にご紹介するような問題が解決しなければ、安定した人材確保は難しいでしょう。
賃金・待遇が改善されない
エッセンシャルワーカーは、人々の命や快適な生活などを守るという、非常に重要なミッションに従事しています。
それだけ一つひとつの業務に対する責任も重く、現場での肉体労働・長時間勤務にともなう心身の疲労も蓄積していきます。
しかし、給料が安い・労働時間が長いなどの状況に悩む労働者は少なくなく、賃金・待遇が向上しないことを理由に離職するケースは多く見られます。
慢性的な人材不足
先述した通り、賃金・待遇が改善されないことを理由に従業員が職場を離れてしまうと、なかなか新しい人間が定着しにくくなります。
その結果、普段の業務の中で一人あたりに任される業務量も増え、場合によっては休みが取れず苦労するケースも生じてきます。
逆に考えれば、エッセンシャルワーカーは仕事の重要性から「よほどのことがない限り仕事を失うことはない」立場ともいえます。
よって、エッセンシャルワーカーを雇用している企業は、何とかして“エッセンシャルワーカーとして働くことのメリット”を求職者に伝えていかなければなりません。
精神的ダメージを受けやすい
責任ある仕事を長時間にわたりこなし続けることは、本人が充実した時間を過ごしていると思っていても、知らないうちに精神的ダメージを蓄積することにつながります。
エッセンシャルワーカーの多くは感情労働に従事しているため、顧客とのやり取りや職場の人間関係に心をすり減らすケースは珍しくありません。
新型コロナ禍においては、SNS・インターネットユーザーによる心無い誹謗中傷がエッセンシャルワーカーに向けられたこともあります。
精神面での不調を放置して働き続けていると、やがて身体にも悪影響を及ぼす可能性がありますから、自治体や社会によるサポートが重要になってきます。
感染リスク
エッセンシャルワーカーは、基本的に「接触する人を自分で選べない」立場で働くことが多く、実際に様々な人々と接触する機会があります。
そのような事情から、新型コロナウイルス・インフルエンザなどの感染症にかかるリスクはどうしても高くなりがちです。
直接患者と接触する機会が多い看護師など、リモートワークへのシフトも難しいケースにおいては、いかにして感染防止を徹底するかが重要なポイントになるでしょう。
どうすればエッセンシャルワーカーが増えるのか
先にあげた理由から、就転職先としてエッセンシャルワーカーは選ばれにくい傾向にあるものの、エッセンシャルワーカーに対して好意的なイメージを持つ人は多く見られます。
日本国内で、エッセンシャルワーカーの人口が増えるためには、大きく分けて次の3つの点において改善が必要と考えられます。
就労環境
エッセンシャルワーカーとして働く場合、一定の体力が要求される職場が多く、身体的負担を敬遠して就転職を避けるケースが目立ちます。
その上で、長時間労働・過重労働が常態化している職場の場合、それがもとでケガにつながりやすいこともあり、求職者にとって著しく魅力は下がるでしょう。
子育て中・介護中などの理由から、フルタイムで働けずエッセンシャルワーカーの道をあきらめる人も少なくないはずです。
よって、労働時間短縮・休日の充実・労働災害防止といった点に注力することが、エッセンシャルワーカー人口を増やす上で重要になります。
協力体制
エッセンシャルワーカーは、チームとして動くことが多い職場で勤務するケースが大半のため、働く人がお互いに支え合える環境を構築することが重要です。
賃金・待遇をただちに改善することは、多くの職場にとって大変なことですが、働きやすさを意識した職場改善は、職員の心がけ次第ですぐにでも進められるでしょう。
もちろん、それに加えて賃金・待遇を改善することが理想です。
魅力の発信
自分たちの仕事に誇りをもって取り組んでいるエッセンシャルワーカーであっても、外に向けて「自分たちの仕事の魅力を発信する」機会は少ないものと推察されます。
新型コロナ禍をきっかけに、エッセンシャルワーカーに対するイメージが良くなった人も多いはずですから、積極的に職場の魅力を発信することで、仕事に興味を持つ人を増やせる可能性があります。
自治体の支援に学ぶエッセンシャルワーカーの魅力発信
新型コロナ禍で過酷な状況に置かれたエッセンシャルワーカーに対して、国だけでなく多くの自治体が支援を行いました。
自社で新たにエッセンシャルワーカーを募集する場合、自治体の支援内容を参考に、自社ホームページなどで魅力発信を検討してみましょう。
応援メッセージを掲載
自社での採用活動の一環として、自社ホームページやSNSアカウントから、日々の仕事や取り組みを発信している企業も多いでしょう。
その際、自社と同じ業務に従事するエッセンシャルワーカーを応援するメッセージを募集・掲載すると、読み手に良いイメージを与えることにつながります。
埼玉県川島町では、新型コロナウイルスの感染リスクと闘いながら、最前線で働くエッセンシャルワーカーへの応援メッセージを募集しました。
その結果、医師・看護師のほか、スーパー・ドラッグストアの従業員、ごみ収集の作業員など、様々な業務に従事するエッセンシャルワーカーへのメッセージが多数届きました。
集まったメッセージは町のホームページで公開されたため、多くのエッセンシャルワーカーがメッセージを読んで、癒し・励ましを得たものと推察されます。
不特定多数の読者に対して、エッセンシャルワーカーに関する良いイメージを植え付けられるだけでなく、同業者からの支持を得ることも期待できるでしょう。
事業継続支援給付金などの情報を発信
自治体の中には、新型コロナウイルスの影響によって経済的に大きな影響を受けた事業者を支援するため、事業継続支援給付金を支給した自治体もあります。
事業継続支援給付金は、新型コロナ禍によって危ぶまれていた企業の事業存続に貢献しています。
こういった「事業者支援等に関連する情報」を自社で分かりやすくまとめて発信するようにすると、業界内で自社の評価を高め、結果的に求職者を集めやすくなることにつながります。
青森県おいらせ町では、飲食店、タクシー業、自動車運転代行業、露天商、卸売業・小売業、サービス業が対象となり、所定の要件を満たした事業者に一定額が支払われました。
令和2年度の第2回交付では、基本額が1事業者につき20万円となっており、飲食店は宴会場の広さ、営業車は台数によって加算される場合もありました。
福岡県宇美町でも、感染症対応臨時交付金事業を実施しており、交通事業者向けに応援金を給付しています。
具体的な金額は、バス1台あたり5万円(1事業者あたり100万円が上限)、タクシー1台あたり2万円(1事業者あたり50万円が上限)となっています。
事業が始まった令和3年10月から、終了した令和4年3月までの間に、合計463万円が給付されています。
このような情報を知っている事業者と知らない事業者とでは、その後の対応に大きな差が生じるため、分かりやすく情報をまとめられているサイトはそれだけで評価されるでしょう。
加えて、エッセンシャルワーカーとして職務に従事している実績があれば、読者に「この会社は信用できる」というイメージを与えられます。
代替要員の確保
新型コロナ禍では、医療施設やスーパーなどで従業員が欠勤した際に、代わりの要員を確保する必要に迫られるケースも少なくありませんでした。
こうしたエッセンシャルワーカーの不足を懸念して、東京都では「欠勤者の代わりとなる要員の確保」にかかる費用の一部を負担する取り組みを行っています。
都内の介護保険サービス事業所等を対象にした代替要員の支援も行われており、代替職員の人件費は都が負担するため、派遣先の事務所の経費負担は発生しないのが特徴です。
多くの人が集まる東京都において、ソーシャルワーカー不足は都市機能の低下につながりかねないため、都としても人員確保に向けた対応策を取らざるを得なかったものと考えられます。
いち企業として、ここまで込み入った内容の支援は難しいところですが、社内で代替要員を確保できる仕組みを構築することは検討できるはずです。
困ったときに誰かがサポートに入れる体制をあらかじめ整えておき、その点を求人情報などでアピールできると、求職者が抱くネガティブなイメージを払拭できるでしょう。
エッセンシャルワーカーへの法人による支援参考事例
国や自治体だけでなく、法人によるエッセンシャルワーカーの支援も行われています。
以下、代表的な参考事例をいくつかご紹介します。
日本看護協会の「ナースセンター登録者へ一斉メール」
公益社団法人日本看護協会では、令和2年4月7日に政府が発令した緊急事態宣言を受けて、翌日の8日にe ナースセンター求職登録者・届出制度登録者である約5 万人の看護職に対して、復職の依頼メールを一斉に送信しました。
eナースセンターとは、都道府県看護協会による無料職業紹介事業につき、その機能をインターネット上でできるようにしたものです。
その後は復職を希望する声が数多く寄せられ、令和2年5月18日現在で次のような反応・成果が出ています。
- 求職者数2,687人
- 求人数1,119人
- 施設・病院等に紹介した1,236人のうち696人が就業
- 求人充足率62.2%
また、復職を希望する看護職につき、経験を確認しながらマッチングを実施しています。
現場を離れて時間が経っている看護職に対しては、感染管理認定看護師が感染管理の講義・実習などの研修を行っており、復職希望者への支援体制を整えていることがうかがえます。
スーパー・ドラッグストアの動き
政府が緊急事態宣言を発令後、外食・外出の機会が減少して出かける場所が限られる中、多くの人がスーパー・ドラッグストアに集まったのは記憶に新しいところです。
スーパー・ドラッグストアが引き続き通常営業を求められている中、家庭の様々な事情がある中でも勤務を継続している従業員に対して、企業が従業員に「特別手当」を支給する動きが広がりました。
イオン株式会社では、グループで働く国内外の従業員に一時金・特別手当を支給しており、パート・アルバイトを対象に支給する特別手当には役員報酬の減額分が充当されています。
同じ時期、他にも従業員に特別手当を支給した企業は多く、現場で働いているエッセンシャルワーカーへの敬意を示した形といえます。
国際興業グループ事業協同組合の生活支援
新型コロナ禍にともなう外出自粛・県外への移動自粛などが続く中、タクシー業界でも業績の悪化は避けられませんでした。
観光地等でも人通りが少なくなり、タクシーに乗客を乗せようにも、そもそも人が歩いていないという状況が続いたためです。
九州を地盤として営業するタクシー会社の国際興業グループ事業協同組合も、同様の事態に陥りましたが、従業員への支援を優先する形で、約1,200人の運転手に対して2万円を支給しています。
特別手当の給付は、新型コロナ禍で先行きに不安を感じていたタクシー運転手に希望を与えると同時に、組合への信頼感もより強固にしたものと推察されます。
ダイアナ株式会社の「応援スニーカー」
シューズメーカーのダイアナ株式会社では、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、エッセンシャルワーカーにスニーカー1,000足を無償で提供する「ダイアナエッセンシャルワーカー応援スニーカー」というキャンペーンを実施しています。
応募総数は11,087名となり、コンピュータによる完全平等抽選が行われましたが、当初1,000足だった提供数は最終的に1,300足にまで増えました。
株式会社JHATの宿泊支援
訪日外国人に特化した宿泊サービスを提供する株式会社JHATでは、エッセンシャルワーカーへのサポートとして、自社が運営するホテルを格安で宿泊できる宿泊支援(特別提供)を実施しました。
特別提供は、薬剤師・保育士・介護士・宅配便の配達員・公共交通の運転手・スーパー勤務等のエッセンシャルワーカーを対象としたものです。
対象となるホテル「ICI HOTEL上野新御徒町」につき、30連泊以上限定で、1室1泊2,000円(食事なし)という破格の値段で利用できる支援内容となっていました。
まとめ
私たちが社会生活を営む上で、エッセンシャルワーカーの働きは非常に重要であるものの、エッセンシャルワーカーへの賃金・待遇は決して十分とはいえない状況です。
そのため、職場の人員が不足しやすく、職員が長時間労働に悩むようなケースも珍しくありません。
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