無料の採用管理システム5選|有料版との比較や選定のポイントも解説
採用業務は、採用手法の多様化やスケジュールのタイトさから、どうしても煩雑になりがちです。
業務自体は定型的なものも存在しますが、応募経路が複数あるような場合など、マンパワーに頼ると非効率な応募者管理・選考管理になってしまうことも珍しくありません。
そこで期待されているのが、採用に関する諸々の情報を一括管理できる、採用管理システムです。
この記事では、無料の採用管理システムの利用を検討している人事・採用担当者の方向けに、採用管理システムの主な機能、オススメシステム5選、無料と有料の違いについて解説します。
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採用管理システムの主な機能について
採用管理システムは、採用管理ツールとも呼ばれ、応募から内定までの採用フローを一元管理するシステムのことです。
具体的には、求人情報・応募者情報・選考状況・面接情報管理など、現在「採用がどのように進んでいるのか」を可視化するためのツールといったイメージです。
以下、採用管理システムの主な機能についてご紹介します。
求人情報の管理
採用管理システムを利用することで、企業が求職者に対して公開している求人案件を、案件ごとに管理できるようになります。
具体的には、以下のような情報をまとめて管理するイメージです。
・求人情報
・採用予定人数
・採用が必要な部署
・求める人材
・求人ごとの募集期限
・公開した媒体名と媒体数 など
複数の媒体に求人情報を掲載して、幅広い人材を集めようと試みる場合、媒体ごとに募集状況を一元管理できるのは大きな魅力と言えます。
応募者情報の管理
様々な求人媒体から届く、応募者の情報を集約・管理する機能も、採用管理システムには備わっています。
情報をシステム内に自動で取り込めるシステムもあるため、上手く活用できれば応募者情報管理の作業効率が高まります。
応募者情報を管理するにあたり、企業が注意しなければならないのは、履歴書や紹介元などの個人情報です。
採用管理システムを使えば、システム内において閲覧者を制限することにより、個人情報を安全に管理できます。
セキュリティの強化や脆弱性対策に関しても、運営会社側で対応してくれるため、自社で面倒な手間をかけてセキュリティ体制を構築する必要がありません。
選考状況の管理
採用担当者にとって負担が大きい業務の一つに、各応募者が現在どのようなステージまで進んでいるのか、選考状況を管理する点があげられます。
書類選考の段階なのか、一次面接は終わって評価が済んでいるのかなど、応募者によって状況は異なります。
特に、面接の評価に関しては、個々の採用担当者によって属人化しやすい傾向にあります。
よって、それぞれの応募者の評価に関する情報を言語化・数値化することは、社内での情報共有の観点から重要です。
採用管理システムを使えば、応募者一人ひとりの選考状況や評価を、まとめて管理することができます。
そのため、応募者のデータや面接後のフィードバックなど、情報の受け渡しもスムーズになります。
内定者の管理
採用管理システムは、選考までの段階だけでなく、内定者の管理にも役立ちます。
内定を出したのに、辞退という形になってしまうと、自社でこれまで時間をかけて採用してきた意味がなくなります。
採用管理システムの中には、例えばLINEなどのコミュニケーションツールと連動しているなど、内定者と心理的距離を近づけるのに役立つ機能が備わっているものもあります。
自社がどのような人材を採用したいのかによって、必要な機能を優先して選びたいところです。
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無料のおすすめ採用管理システム5選
採用管理システムは、基本的に有料で利用するタイプのものがほとんどですが、機能のすべてまたは一部を無料で利用できるものもあります。
以下、無料で使えるおすすめの採用管理システムを5つご紹介します。
Airワーク採用管理
Airワーク採用管理は、株式会社リクルートが提供する採用管理システムで、主に求人募集・管理の観点から活用するシステムになります。
初期費用・求人掲載・月額費用・成功報酬はすべて無料となっていて、予算に限りがある企業でも採用管理システムに触れやすいのが特徴です。
自社専用の採用ページは、以下のテンプレートを使って作成することができます。
・80種類のデザイン
・50種類の画像(採用ホームページトップの背景画像)
また、応募者受付・管理の機能に関しても無料で利用できます。
Airワーク採用管理を通じて求人を公開すると、Indeed、Yahoo!JAPAN、Googleなどの検索エンジンにも自動で掲載される仕組みになっているため、自社の求人を幅広い層に露出させることができます。
複数の勤務地・職種での求人情報掲載も可能で、内容の更新や編集も随時行えます。
自社の状況に応じて、一時的に求人の掲載停止や再開を行うこともできるため、フレキシブルな採用が実現します。
電話サポートの体制も整っていますから、Web上でのやり取りに不安を感じている企業担当者も安心です。
採用管理システムはもちろん、自社でDX化が進んでいない場合にも、気軽に試せるシステムの一つです。
特徴 | ・初期費用・求人掲載・月額費用・成功報酬すべて無料 ・Indeed・Yahoo!JAPAN・Googleへ自動の掲載 ・自社専用採用ページ・応募者受付・管理機能あり |
料金プラン | ・無料 |
運営会社/URL | 運営会社:株式会社リクルート |
リクナビHRTech採用管理
リクナビHRTech採用管理も、株式会社リクルートが提供する人材紹介向けの採用管理システムです。
2020年1月時点で導入実績は10,000社となっており、Excelの操作感を維持したシンプルな画面設計は、採用管理システムを利用するのが初めての方でも利用しやすいスタイルとなっています。
初期費用・月額費用・追加料金などは発生せず、以下の登録についても上限はありません。
・ユーザーアカウント
・紹介会社
・候補者
全候補者の最新選考情報が一目瞭然となり、データの閲覧・ダウンロードだけでなく、合否判定も行えます。
エージェントとの日程調整もシステム上で完結させられるため、メールを個別に管理したり、面接の日程を手動更新したりする手間が省けます。
選考データは期間・エージェント軸で集計でき、書類選考から面接までの合格者・割合を算出して、過去の選考プロセスを分析することも可能です。
Excelによる手作業での更新に限界を感じて、リクナビHRTech採用管理を導入した事例もあることから、これまでExcelベースで情報を管理してきた企業にとっては、導入にあたっての負担は少ないものと推察されます。
特徴 | ・人材紹介向けの採用管理システム ・初期費用・月額費用・追加料金なし ・ユーザーアカウント、紹介会社、候補者ともに登録数上限なし ・Excelの操作感を維持したシンプルな画面設計 |
料金プラン | ・無料 |
運営会社/URL | 運営会社:株式会社リクルート |
エンゲージ(engage)
エンゲージ(engage)は、人材総合サービスを提供するエン・ジャパン株式会社が提供するシステムです。
以下の3つの費用を発生させずに、求人を掲載できるのが魅力です。
・初期費用
・月額費用
・成功報酬
何名採用しても「費用は0円」というキャッチコピーは、採用担当者にとってかなりのインパクトです。
一般企業だけでなく、経済産業省や防衛省など、官公庁も利用しています。
求人の入力フォーマットが分かりやすく、必要項目を入力するだけで、かんたんに求人情報を発信できます。
求人広告は、スマホでも見やすいレイアウトに自動変換され、自社サイトで表示できるリンク取得・バナー作成にも対応しています。
新入社員の入社後のフォローにも対応しており、フォローツール「HR OnBoard(エイチアールオンボード)」を使うことで、離職リスクまで把握できます。
後述するHirehubと一緒に運用することで、採用活動をより効率化できます。
特徴 | ・初期費用・月額費用・成功報酬すべて無料。掲載期間や求人件数の制限なし ・Indeed、Googleおしごと検索、求人BOX、スタンバイへ自動連携 |
料金プラン | ・無料 |
運営会社/URL | 運営会社:エン・ジャパン株式会社 |
Hirehub
Hirehubも、エン・ジャパン株式会社が提供する採用管理システムです。主に人材紹介向けの採用管理システムです。
応募から入社までの採用プロセスが、システムによって効率化でき、すべての機能は完全無料で利用できます。
システムとしての大きな特徴は、人材エージェントからの推薦を自動化できることで、複数のエージェントを担当者・候補者別に分けて管理できます。
複数のエージェントとやり取りする場合、個々のエージェントに社内の事情説明や詳細なヒアリング等に時間がかかってしまうことがあるため、推薦を自動化できる機能は採用担当者の労力・時間を節約することにつながります。
求人メディアからの応募者情報取り込みにも対応しており、エン転職の応募者は自動で集約されます。
先にご紹介した採用管理システム「エンゲージ(engage)」とも連携していることから、合わせて活用することでより効率的な採用活動が可能です。
求人・応募者・選考の管理機能は一通りそろっているため、初めて採用管理システムに触れる企業担当者の方にとって、利用するハードルは低いものと推察されます。
主に人材管理の観点から、無料でシステムを運用してみたい企業におすすめです。
特徴 | ・人材紹介向けの採用管理システム ・応募から入社までの採用プロセスが、システムによって効率化でき、すべての機能は完全無料 ・採用管理システム「エンゲージ(engage)」と連携 |
料金プラン | ・無料 |
運営会社/URL | 運営会社:エン・ジャパン株式会社 |
ジョブカン採用管理
ジョブカン採用管理は、シリーズ累計で導入実績150,000社以上という実績を持つ、新卒・中途・アルバイトを問わず人気の採用管理システムです。
無料アカウントが約1分で発行でき、初期設定はユーザー登録(採用担当・面接官)と求人登録で完了します。
リファラル採用向けの限定公開求人機能・候補者とLINEでやり取りできる機能など、採用活動を効率的に進められる機能が数多く備わっています。
応募者数や選考通過率を集計できる機能を使えば、グラフ化して施策を振り返ることもできます。
初期費用は発生せず、お試し無料期間は30日となっています。
ただし、機能に制限があり、求人媒体との自動連携機能はなく、候補者登録の上限は30名/月となっています。
お試し無料期間が終了した後も、継続してシステムを利用したい場合は、最初に作成したアカウントを引き続き利用できます。
なお、有料の料金プランは以下の通りです。
候補者登録/プラン | LITEプラン ※(求人媒体自動連携機能なし) | STANDARDプラン ※(求人媒体自動連携機能あり) |
~50名/月 | 8,500円/月 | 30,000円/月 |
51~150名/月 | 30,000円/月 | |
151~300名/月 | 70,000円/月 | |
301~1,000名/月 | 120,000円/月 |
特徴 | ・応募獲得から採用決定までの業務を一元管理できる ・初めての方でもシンプルで使いやすい |
料金プラン | ・無料期間 30日 ・有料プラン 8,500円~ |
運営会社/URL | 運営会社:株式会社Donuts |
HITO-Manager
HITO-Managerは、PERSOLグループが手掛ける採用管理システムです。
アルバイト・パートスタッフの採用管理システムとして、大手企業・中小企業問わず様々な企業で採用されています。
Hito-Managerの採用管理システムとしての特徴は、システムの「応募力」にあります。
Indeed・Googleしごと検索・Yahoo!しごと検索・求人ボックスといった、あらゆる求人検索サイトに求人を掲載でき、SEO対策も含め応募者数を増やす施策が充実しています。
採用ページのデザインに関しては、専用のデザイナーが採用ページを製作する体制が整っています。
タウンワーク・マイナビバイトなど、大手主要媒体を含めた多くの求人媒体から、応募者を自動的にシステムに取り込む機能も便利です。
具体的な料金プランは要問い合わせとなっていますが、自社HP求人機能に関しては、
・原稿作り放題
・応募獲得し放題
・修正は24時間可能
という条件でも、料金は一律となっています。
基本料金内で、200アカウントまで店舗ごとにアカウントを設定できるため、展開地域が広い企業も安心して応募者情報を店舗の採用担当者に共有できます。
特徴 | ・デザイナーが手がけたデザイン性の高い採用ページ ・求人媒体の応募者も自動取り込み ・IndeedやGoogleお仕事検索などあらゆる求人まとめサイトに連携 |
料金プラン | ・都度問合せ |
運営会社/URL | 運営会社:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 |
※求人のプロが作成代行!応募数最大化に特化した採用管理システム
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無料の採用管理システムの特徴
ここからは無料の採用管理システムの特徴および無料から有料への移行タイミングについて解説します。
費用をかけずに採用活動を効率化できる
無料なので、追加コストをかけずに今までの採用活動を効率化することができます。
無料といっても、求人情報・応募者情報・選考状況・面接情報管理ができるといった標準的な機能はそろっています。
自社にフィットしたサービスを選べばExcelで管理するよりも、各段に採用活動をスムーズに進めることができるでしょう。
無料なので気軽に試すことができる
気軽に試すことができるのも無料のシステムの良いところです。有料のシステムの場合、自社にフィットしているのか、費用対効果は適正かなど、慎重に検討する必要があります。
まずは無料で手軽に試してみて、他のサービスと比較することで最も使い勝手の良いサービスを選ぶことができます。
フォローアップ体制が限定的
採用管理システムは基本的に自社で運用管理していくものが多いです。
そのため、「使い方がよくわからない」「応募がないけど、どうしたらよいか分からない」と担当者が悩むケースが少なくありません。
サポートが付いているシステムも多いですが、有料の場合よりも限定的です。
こういったシステムに慣れていない、忙しくて自社で運用管理ができない担当者は、もしかして使いこなせないかもしれません。
無料から有料へ移行する場合のタイミングについて
現時点で無料の採用管理システムを利用している場合、そのまま継続して使い続ける方法もありますが、より効率的・効果的な機能を使いたいなら、ある段階から有料プラン等を検討することになるでしょう。
ただ、どのタイミングで無料から有料へと移行するかについては、企業によってベストな時期は違ってきます。
一般的に、無料から有料へと移行するタイミングとしては、以下のような状況が考えられます。
・無料体験期間を過ぎて、そのまま有料プランへと移行する時期を迎えた
・自社の環境では、無料プランを使い続けていても、あまり変化がないように思えてきた
・採用にかかる時間の短縮以上に、応募者数の増加や採用率向上の方が自社にとって重要と分かった など
一概に、このタイミングを迎えたら移行すべきとは言い切れないものの、無料プラン・無料のシステムを利用するだけでは自社の課題が解決できないと分かった段階で、移行を検討すべきなのかもしれません。
どうしても有料化を決断できないようであれば、期間を決めて有料システムを運用してみて、期待していた効果が出なければ別のシステムに切り替えるなどの方法が考えられます。
自社に合った採用管理システムを選ぶポイント
応募者にとって使い勝手が良いか
採用管理システムを選ぶ際、企業はどうしても企業寄り(管理者寄り)でシステムの仕組みを判断しがちです。
人材の管理だけを目的にシステムを選ぶのであれば、それでもよいのかもしれませんが、応募者が採用管理システムによって何らかのメリットを得られるかどうかについても、選定時に考慮する必要があるでしょう。
いくつかの採用管理システムには実装されていますが、若年者とコミュニケーションをとる観点から考えると、LINEと連携しているかどうかは重要なポイントになります。
また、求人へのアクセスは、PCだけでなくスマホからも増えてきていることから、ユーザーフレンドリーな応募環境を整えられるかどうかも選定のポイントになるでしょう。
誰を、どのくらい採用したいか
システム導入にあたり、自社でどんな人材を採用したいのかイメージしておくことも、選定時のポイントです
大まかに考えても、新卒採用と中途採用、アルバイト採用では、必要とされる機能は異なります。
中途採用がメインなのに新卒向けセミナー配信機能が充実していても意味がありませんし、新卒採用で転職エージェントとの連携がとれていても、あまり効果的とは言えないでしょう。
さらに言えば、どれだけの人数を採用したいのか考えずにシステムを導入すると、自社にとってオーバースペックな機能にお金をかけてしまうリスクがあります。
例えば、数百人が同時に参加できるWeb会議機能を必要とするかどうかは、企業が採用したい人数によっても変わってきますから、本当に自社で必要かどうかはきちんと判断したいところです。
他システムとの連携はできるか
自社がこれから導入しようとしているシステムが、現在自社で利用している他システムと連携できるかどうかも、採用管理システムを選ぶ際の重要なポイントです。
日程や選考に関する状況を把握する上では、Googleカレンダー・Slackなどと連携していることがメリットになるでしょうし、他の人事管理システムを導入しているなら、労務・給与計算の面で連携できると担当者はありがたいかもしれません。
せっかく採用管理システムを導入するわけですから、単純に採用管理だけを効率化するのではなく、導入後に他の業務を効率化することも検討しながら導入しましょう。
ただし、連携機能をプラスすると有料になるシステムもありますから、料金プランはしっかりチェックすることをおすすめします。
トラブルが発生した際のサポートは充実しているか
初めて採用管理システムを利用する場合、利用者がトラブルに見舞われる可能性があります。
また、導入前の段階で分からないことがあった場合、お問い合わせフォームやメールだけでなく、電話でやり取りできた方が企業担当者としても心強いでしょう。
システム自体の機能だけでなく、サポート体制がしっかりしているかどうかも、導入前に確認しておきましょう。
株式会社アルバイトタイムスが提供する、中小企業向け採用サービス「ワガシャ de DOMO」は、サポート体制に非常に定評のあるサービスです。
忙しい採用担当者に代わって求人情報の作成、修正、改善までまるっと代行します。
採用のプロフェショナルの知見を活かし、求職者に刺さる記事を作成・運用することで、御社の採用力向上に貢献いたします。
まとめ
採用管理システムには、無料で利用できるシステムと有料のシステムがあり、無料のシステムであっても採用管理で発生する負担はある程度抑えることができます。
しかし、無料の採用管理システムは、有料のものに比べて機能に制限があることも珍しくなく、ライバルに差を付けたいと考えている場合は有料化を検討した方がよい場合もあります。
これから導入を検討しているなら、無料システムを実際に利用してみて感触をつかみ、不満が生じた点を解消する必要が生じてから有料のシステムに移行するのがよいでしょう。
「ヒトクル」は、株式会社アルバイトタイムスが運営する採用担当者のためのお役立ちサイトです。
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