内定式は必要? 学生の満足度をアップさせるポイントを解説!

内定式は必要? 学生の満足度をアップさせるポイントを解説!
目次

多くの企業が取り入れている内定式イベント。
参加者の満足度が高い内定式を実施できると、内定辞退や入社辞退を未然に防いだり、前向きな気持ちで入社して貰えたり、といったメリットがあります。 

内定式を成功に導くには、学生のニーズに合ったプログラムが必要です。
準備のポイントやコツを押さえて、明るい気持ちで入社したくなる時間を提供しましょう。 

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10月1日に開催される内定式とは

内定式は、ほとんどの企業で10月1日に開催されます。

就職活動はすでにスタートしていますが、「正式な内定日は卒業・終了年度の10月1日以降とする」と日本経済団体連合会(経団連)が定めているため、この日に合わせた10月1日に内定式を実施するのが一般的です。

企業によっては、独自のスケジュールで進めていたり、採用手続きの関連で11月以降になったり、というケースもあります。

10月1日頃に内定式を開催するため、6~8月になると候補者へ内々定が出されるなど、入社に向けた準備が進んでいくでしょう。

内定式だけでなく、内々定式入社式といったイベントを行う場合もあります。
内定式と何が違うのか、中身をみてみましょう。 

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内定式と内々定式の違い

内々定式とは、内定が決まったことを通知している、内々定者を対象に開催するイベントです。正式な内定通知は10月1日まで出せないため、内々定や内々定式はあくまでも非公式の通知、イベントとなります。

内々定式は、内定式を迎えるまでの間、内定者同士で交流できる場を持ったり、企業の雰囲気を知ってもらったりしながら、内定辞退を未然に防ぐ目的があります。

内々定式は、内定式よりも早い6月1日頃に行われるのが一般的です。内々定式という名前ではなく、懇親会という名目で、内定式に近い催しをしたり、学生と先輩社員が対話できる機会を設けたりしている企業もあります。


内定式と入社式の違い

入社式は主に、年度はじめの4月1日に開催されます。4月1日が土日の場合は、2日、3日に繰り下げたり、早めたりするケースが多いでしょう。

入社式では、正式に社員となった記念として、式典が執り行われます。
企業からの挨拶やオリエンテーション、資料の配付、入社辞令の交付、入社記念品の贈呈、写真撮影などのプログラムで、新入社員を迎えます。


2024年最新版! 内定式の実施率をチェック

内定式を実際に開催している企業は、何割くらいなのでしょうか?

次に、2023年9月に発表された、株式会社リクルート、就職みらい研究所「就職プロセス調査」のデータを参考にしながら、最新の傾向をみてみましょう。

株式会社リクルート/就職プロセス調査(2024年卒)「2023年9月1日時点 内定状況」

大学生、大学院生のモニターを対象にした最新調査結果では、全体の76.5%が「内定式が開催される予定」だと回答しました。

従業員の規模別では、社員数300人未満の企業で47.2%、300~999人の企業で74.4%、1,000~4,999人の企業で87.5%、5,000人以上の企業で88.1%となるなど、企業規模が大きくなればなるほど、内定式の実施状況が高まっています。

実施形態については、オンライン内定式が8.9%、対面内定式が79.6%という結果となり、約8割の企業が対面での内定式を予定している、という結果になりました。


内定式を開催する6つのメリット

内定式を開催すると、下記のような6つのメリットがあります。
費用や時間をかけてでも、内定式を開催する企業が多いのはなぜか、理由を探ってみましょう。

  1. 入社意欲が高まる
  2. 企業の考え・雰囲気が伝わる
  3. 入社前の不安を解消できる
  4. コミュニケーションが取れる
  5. 内定者フォローにつながる
  6. 実力や適性を確認できる


メリット1:入社意欲が高まる

内定式の大きな役割が「内定通知書」の交付です。
あらためて、書面で内定通知を渡すことで、社会人としての意識が高まります。 

内定承諾書(入社承諾書)の提出を合わせて行う場合が多く、企業側も入社の意志を確かめられます。より働きたくなるように、社長からの挨拶などを通じて、入社意欲を高めましょう。


メリット2:企業の考え・雰囲気が伝わる

内定式では、経営陣から企業のビジョン、ミッションなどを伝える機会があります。
面接やパンフレットなどでは伝え切れていない、会社の考えや雰囲気を直接話せるまたとない機会です。 

内定者側に、期待している、楽しみに待っている、そんな気持ちが届くように言葉を選びましょう。


メリット3:入社前の不安を解消できる

社会人生活を目前に控え、内定者の多くが不安を抱えています。
学生から社会人へスムーズに移行できるように、内定式で安心感を伝えましょう。 

内定者研修を開催したり、実際の仕事に触れる機会を用意したりして、不安や疑問を解消できる場にしてください。


メリット4:コミュニケーションが取れる

内定式は、学生と先輩社員、経営陣が顔を合わせる貴重な時間です。
内定者懇親会を開催して、自己紹介をしたり、質問の場を設けたりすると、距離が縮まります。

積極的に対話をしながら、今後につながる人間関係を構築しましょう。


メリット5:内定者フォローにつながる

 内定通知を出していても、正式な入社を迎えるまでは、内定辞退や入社辞退の不安がつきまといます。予定通り自社に入社して貰うための内定者フォローとしても、内定式は重要な役割を果たします。

「内定式から春まで、時間が空いてしまうのが不安」

という場合は、内定式後に内定者向け講座やセミナーを開催したり、定期的に交流できる機会を持ったりするのも良い方法です。


メリット6:実力や適性を確認できる

内定式を通じて、面談や研修、学力テスト、適性検査などを行うケースがあります。

事前にどのような知識や特性を持っているのか、どのような働き方を希望しているのか、という点を確かめておくと、入社後の配属先を検討しやすいでしょう。


内定式のスケジュールをチェック

内定式では、さまざまな式次第が実施されます。
企業の規模、採用担当者や先輩社員の負担なども考えながら、自社に適したプログラムを検討しましょう 

主に内定式で行われている内容がこちらです。

・内定通知書や内定証書の授与

・社長や経営陣、人事部長などからの話

・仕事内容や事業についての説明

・内定者面談

・内定者同士の交流

・内定者と先輩社員との交流

・レクリエーション

・会社見学

・職業体験

・学力テスト

・適性検査

これらのプログラムから、内定者の希望に添った内容を選び、スケジュールを組み立ててください。

プログラムが多すぎるとストレスになる一方で、内容が薄い場合は不安を与えてしまいます。

この後、内定式について学生はどう感じているのか、実際の意見を紹介いたします。
プログラム選択の際の、参考にしてみてください。


学生はどう感じている? 内定式へのリアルな声を紹介!

内定式の開催や内容について、学生はどのように感じているのでしょうか?希望に近い内定式を開催するために、リアルな意見に耳を傾けてみましょう。

2022年、株式会社学情が大学生、大学院生を対象に行ったアンケートによると、内定式の参加形式として、「内定先企業を訪問したい」という意見が約7割という結果になりました。

オンラインで参加、どちらかと言えばオンラインで参加、という意見が約2割に留まるなど、多くの学生が実際に足を運びたいと希望しています。

また、内定先の社員、内定者同士で話す機会は内定承諾、内定辞退の判断にプラスになるかどうか、という質問では、84.5%の学生が「はい」と答えました。

この結果から、学生の声に応えるためにも、内定承諾率をアップするためにも、対面での内定式が必要だと分かります。

コロナの影響でオンライン化している企業もあると思いますが、入社を控えた学生たちは、直接顔を合わせての内定式、先輩社員や内定者との交流を求めているようです。

PRTIMES/株式会社学情・内定式アンケート結果


内定式に参加した学生の感想を紹介

実際に内定式に参加した学生は、どのような印象をもったのでしょうか?
SNSに寄せられていたリアルな声から、内定者の本音をチェックしてみましょう。 

「この会社に入れるなんてと、ワクワクした気持ちになれた」

入社後の未来を、良い形で想像できたケースです。
4月が楽しみになるような内定式を開催できると、ポジティブな気持ちで入社できます。

「良くも悪くもギャップを感じられた」

内定式を通じて、良い部分、悪い部分をリアルに感じられたケースです。良いギャップを感じてもらえる内定式にして、入社意欲を引き出しましょう。

「社員や内定者と話ができて楽しかった」

これから一緒に働く仲間、社員と対話を楽しめたケースです。緊張していても、楽しくコミュニケーションできる準備を整えておけば、参加者同士の距離が縮まります。 

「メタバースを体験できて嬉しかった」

メタバース空間で内定式が開催されたケースです。普通ではなかなか体験できない貴重な機会となったようです。オンライン内定式がマンネリ化している企業は、検討してみてはいかがでしょうか?

「感想文を送らなければいけないのが不満」
「入社までにするべき課題を出されてしまった」

このように、内定式に参加した感想を求めたり、内定式後に課題を出されたりして、不満を抱えている声が多くみつかりました。

学生が過度に負担になるような課題や感想文などの提出は控え、気楽に参加できる場を意識すると、内定辞退を予防できます。

「平日に開催して欲しかった」

学生の都合を考えて土日開催にした結果、平日が良かったという希望が寄せられたケースです。土日は忙しい学生が多い点も考慮して、スケジュールを決定しましょう。

「自分だけスーツで参加してしまった」

服装について、連絡が行き届いていなかったケースです。参加する学生が、肩身の狭い思いをしないように、服装や持ち物について、開催前にしっかり伝えておくと安心です。


内定式を成功させる! 準備のポイントを解説

内定式を成功させるために、企業がするべき準備があります。
スムーズに進行するために、押さえておくべきポイントを解説いたします。


開催日時・開催場所を決定する

内定式を開催すると決めたら、開催日時や場所を決定しましょう。
平日、もしくは土日にするのか、午前、または午後にするのかなど、決めるべき点がたくさんあります。 

負担なく参加してもらうなら平日の午前、懇親会などで食事をゆっくり楽しむなら午後など、学生の希望や内容に合った日時を検討してください。

参加人数に応じた会場の準備も、合わせて進めておきましょう。


内定式のプログラムを決める

開会から閉会まで、どのようなスケジュールで進めていくのか決定します。

終了時間を事前に決めておき、社長の挨拶に○分、司会進行で○分、自己紹介が一人○分など、細かいタイムスケジュールを作っておくと、当日スムーズに進行できます。

スライドなどの資料、当日参加者へ配る書類やノベルティグッズなどの用意も、早めに済ませておきましょう。


内定式の案内を送付する

内定式の内容が決まったら、スケジュールを空けやすいように、できるだけ早めに連絡します。メールもしくは郵送で、当日のプログラムや持ち物などを伝えましょう。

・日時

・会場の場所

・当日の服装

・持参するもの(筆記用具、印鑑、提出書類など)

当日連絡が取れる電話番号、事前に不明な点を問い合わせられる窓口を明記しておくと、参加者の安心につながります。


内定者アンケートの用意

内定式の最後に、感想を求めるアンケートを用意します。

感想が必須になってしまうと不満を感じる内定者もいるため、自宅へは持ち帰らず、任意でその場で出して貰うのがおすすめです。 

内定式で良かった点、改善して欲しい点など、集まった意見を来年に生かしてください。本音を書けるように、匿名で提出をできるようにしましょう。


満足度の高い内定式にする3つのコツ

参加者が入社したくなる、満足度の高い内定式にするにはいくつかのコツがあります。
どのような点に注意しながら進めるべきか、開催前に知っておきましょう。


1.内定式の目的やゴールを決めておく

なんとなく流れで内定式を開催してしまっては、先輩社員も学生も、ダラダラとした時間を過ごすだけになってしまいます。何のために内定式を実施するのか、どのような成果を得たいのか、事前に目的やゴールを決め、準備を進めておきましょう。

内定辞退が多くて悩んでいる場合は、内定式を通じて入社したい、という気持ちを引き出せるプログラムが必要です。

どのような人と働くのか不安、という学生の気持ちを払拭するなら、内定者同士や先輩社員と気軽に交流できる、コミュニケーションの時間を長く取る必要があります。

その他にも、

・企業の理念やビジョンを知って欲しい

・内定式を通じて、内定者の配属先希望を聞きたい

・職業体験や社内ツアーで仕事や企業の雰囲気を確かめて欲しい

など、さまざまな目的やゴールがあると思います。
プログラムを通じて、望む成果が得られるかどうか、事前によく検討しておきましょう。


2.当日のスケジュールを確かめておく

内定式の段取りが悪いと、学生に不審感や不安な気持ちを与えてしまいます。

司会進行を担当する社員は、何度も式次第を確かめて、万が一マイクや会場のトラブルが起きた場合にどうするのか、といった対応も考えておきましょう。

自社では上手くいかない場合は、社内イベントに強い業者に依頼する、という手段もあります。

社外の会場を借りる場合、オンラインで開催する場合は、特にトラブルが起きやすくなります。リハーサルの時間をしっかり設けて、予定通り進行できるように、準備を整えておきましょう。


3.時間厳守で進行する

内定式の中でも社長の話や事務的な内容は、学生にとってそれほど楽しい時間ではありません。企業の思いを知ってもらうのは大切ですが、飽きるほど長くならないように、目安の時間を設定しておきましょう。

長くなりそうな場合は、メモなどで時間を伝え、スケジュールが乱れないように注意してください。

登壇者の手元にタイマーや時計を用意して、時間が分かるようにするのも良い方法です。

内定者にとってストレスが少ない時間、楽しみが多い時間を意識しましょう。


まとめ

内定式を良い形で開催できると、前向きな気持ちで入社して貰えます。
学生の不安を解消できる時間、入社が楽しみになる時間を用意して、内定式を成功に導きましょう。 

できるだけ希望に近い内定式にするために、対面で話す機会を用意したり、テンポの良い進行を心がけたり、といった配慮も必要です。

満足度が高い内定式を開催して、内定辞退や入社辞退を未然に防いでください。




ヒトクル編集部
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ヒトクル編集部

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