仕事の取り組み姿勢を教える3つのポイント【主婦パート・アルバイト育成ノウハウ(4)】
今回のコラムを担当します、株式会社エスエスブレーンの関 美分と申します。
このコラムでは、主婦パートの「教育」「戦力化」「定着」について、現場ですぐに実践できるノウハウや主婦パート育成で押さえておくポイントなどを具体的な事例を用いて、解説させていただきます。
前回のコラムでは、2週間の価値観研修(新人研修)で最初に伝えている基本行動についてご紹介しました。
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今回のコラムでは、2週間の価値観研修(新人研修)で伝えている、プロとしての心構え「仕事の取組み姿勢」をご紹介します。
ポイントは3点です。
①仕事は気持ちよく受ける
②積極的に取り組む
③トップからの仕事は最優先
では、具体的にお話させていただきます。
上司に呼ばれた時は前傾姿勢で聞く
まず、一つ目は「仕事は気持ちよく受ける」ということです。
本来、当たり前の事だと思います。
しかし、皆さんもご経験がありませんか?
部下・後輩に指示を出した時に、とても嫌そうな、面倒くさそうな表情や態度で対応されたこと。そして、その態度を見て指示を出す側も一気に不快になったこと。
なぜ、あえて「仕事は気持ちよく受ける」ことを伝えているか。
それは、新人の指示を受けるときの態度一つで、その人の仕事への取組み姿勢が見て取れるからです。もし、先にあげたような態度を取ってしまえば、新人は悪気はなくても上司との関係性を悪化させてしまうことになりかねません。
そこで、入社した時点で「仕事を受けるときは気持ちよく受けてください」と伝え、その具体的な方法を伝え行動に移すことができるよう研修しています。
新人に質問します。
「気持ちよく仕事受けるには具体的にどうしたらよいですか?」
新人からあがった内容を踏まえ、足りない部分は補足します。
具体的には、
・まず呼ばれたら「はい」と気持ちの良い返事
・メモを持って、速やかに上司のところへ
・メモにとり、復唱確認し内容の確認
ここでもう1点大事なことを伝えています。
それは、聞く体勢です。上司に呼ばれた時は前傾姿勢で聞くように伝えています。
私も経験があるのですが、後輩に指示を出したときに、「えっ!」と嫌そうに体が引いて、後ずさりするような姿勢で聞かれたことがあり、とてもやりづらさを感じたことがありました。
その反対に、少し体制を前傾にするだけで積極的で協力的な姿勢に映り良好なコミュニケーションがとれるようになるのです。ちょっとしたことですが、最初に伝えておくことでお互いに気持ちよく仕事に取り組むことができます。
【まとめ】
・まずは呼ばれたら「はい」と気持ちの良い返事
・メモをもって、速やかに上司のところへ
・メモをとり、復唱確認し内容の確認
・指示は前傾姿勢で聞く
「できません、やれません、ムリ」と安易に口に出さない
次のポイントは「積極的に取り組む」ということです。
驚かれるかもしれませんが、うちでは「できません、やれません、ムリ」は禁句です。新人研修で伝えていることです。
それを耳にした新人は一瞬、固まった表情になりますが、理由を聞いて納得してくれます。
なぜなら、そもそも上司は部下に到底できない仕事を頼まないからです。
「この部下なら簡単にはできなくても、きっと努力してやってくれるだろう」と、日頃の仕事ぶりを見て判断し指示を出します。
上司は新人の成長を考えています。いつまでも現状維持ではなく、新たな仕事にチャレンジさせて、レベルアップができるよう育成していくことが役割です。
だからこそ、自分からチャンスを逃がすような「できません」「ムリ」と安易にあきらめの言葉を口にしないようにお願いしています。
そして次に大事なことは「どうしたらできるか」と前向きな思考に切り替えることです。ここで気を付けたいのは「一人で抱え込まないこと」です。
頑張り屋さんほど、なんとかしなければと一人で抱え込んでしまう傾向があります。それを未然に防ぐためにも、困った時は必ず上司に相談することを強調して伝えておきます。
このように、具体的に伝えておくことで、新人が自発的に考え行動できるように促すことができます。
【まとめ】
・「できません、やれません、ムリ」と安易に口に出さない
・「どうしたらできるか」前向きな思考に切り替える
・「一人で抱え込まない」困ったら必ず上司に相談する
優先順位をつける
3つ目のポイントは「トップからの仕事は最優先」ということです。
仕事の優先基準をしっかり伝えておくことは、とても大切なことだと考えています。
新人は上司や先輩から様々な指示を受けます。その指示に対して「うちはこのように判断してください」ということを伝えておけば迷いがなくなります。
当然期日期限を考えて優先順位をつけ仕事に取り組みますが、そこにもう1つ大事なことをプラスしています。それは「トップからの仕事は最優先」ということです。
もし、それが難しい時は上司に相談を掛け、可能な限りその対応ができるように心掛けてもらっています。
なぜなら、トップの仕事は組織の中でも重要で難易度が高い仕事です。しかも、そのような仕事をたくさん抱え、非常に忙しいです。
仕事の指示を受けたら、気持ちよく受け、最優先に取り組み、少しでも仕事の負担を軽くすることができるよう協力体制を取ってほしいことを伝え理解を促しています。
以上3点の「仕事の取り組み姿勢」を新人研修で伝えておくことで、職場の上司・先輩とのコミュニケーションギャップを解消し、スムーズに主婦パートの戦力化を図ることができると考えています。
いかがでしょうか。
今回のコラムでは、2週間の価値観研修(新人研修)で伝えている、プロとしての心構え「仕事の取組み姿勢」をご紹介いたしました。
ぜひ、御社の新人スタッフ研修の際にご参考にしていただければ幸いです。
静岡県浜松市生まれ。高校卒業後銀行へ就職。窓口や新人の研修トレーナーを担当した後、当時としては数少ない女性営業として活躍し、その実績を認められ、31歳で預金課長に抜擢される。出産を機に退職し、平成6年に同社にパート社員として入社。
研修トレーナーの実績を活かし、入社後から講師を担当する。現在は年間94日研修を担当する。
今までの職歴を活かし、その豊富な具体例を盛り込んだ研修内容でリピート率が非常に高い。単に研修を行なうだけでは、現場の課題は解決できないことから、事前の打合せや事後の報告など、きめ細やかな対応を行うことで、経営者・人事担当者から信頼を寄せられている。自社のパートスタッフの教育担当者として、『利益を生み出す主婦パートを育てるすごい方法』を鈴木と執筆。パート活用を事業として展開中である。
株式会社エスエスブレーン:https://ss-brain.com/