面談と面接の違い|ビジネスシーンにおける使い分けや注意点も解説

面談と面接の違い|ビジネスシーンにおける使い分けや注意点も解説
目次

ビジネスシーンにおいて、面接は「お互いの提示する条件と合致するか」を確かめる場であるのに対し、面談は一歩進んで「お互いの強みや魅力を発信しつつ相性を探り合う」ものです。

競争が激化する採用活動のシーンでは、面接に加えて面談を取り入れる会社が増えています。

ここでは、面談と面接の違いについて、ビジネスシーンにおける使い分けや注意点に触れつつ解説します。

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面談とは

面談そのものの意味は、人と人とが「直接会って話をすること」です。ビジネスシーンでは、とくに「一定の目的に沿って、本質的な会話をすること」を指すのが一般的です。

■面談の具体例

  • 人事面談(評価・配置などについて話し合う)
  • 1on1ミーティング(業務の課題・進捗について話し合う)
  • 採用面談(採用企業と求職者の相性について話し合う)

人事の観点では、企業・社員の将来を見据えて、面談を活用する会社が増えています。面談の基本的な目的や方針としては、次のようにいえます。

■面談の目的
……当事者にとって建設的といえる結論を出すこと

■面談の方針

  • 双方向的であること(意見・主張・提案を双方が提示する)
  • お互いが本音で話し合う


面談と面接の違い

ビジネスシーンでは「面談」と「面接」を明確に異なる意味として捉えます。基本的には、面談のほうがより多様で、深掘りした内容を話し合うものと定義されます。


面談の目的は幅広い

面談の目的は多彩であり、それによって話す内容やボリュームも異なります。そのため、形式は自由とされ、建設的な話し合いとするため十分な時間を取るのが普通です。

■内定者と会社との面談の場合
……入社意思の再確認、入社前後のフォローアップなど、内定者と会社の双方が安心して今後の関係に望むための話し合いが行われます。

■従業員と会社との面談の場合
……個別の業務の課題の洗い出し、スキルアップ、フィードバック、キャリアプランの共有など、会社によって細かく目的を設定して実施します。最終的な目的として、早期離職防止や業務効率化などが設定されます。


面接と面談はどう違うのか

ビジネスシーンにおける「面談」は、一定の関係性が出来上がっている状況からスタートすることで、より具体的な目的・目標に基づいて深掘りしたコミュニケーションを目指すものです。

対する「面接」は、これから関係を構築しようとする間柄で、お互いの基本的な条件・要望をすり合わせるものです。

それでは、採用活動における面談と面接の違いはどのようにいえるのでしょうか。わかりやすく表にまとめると、次のとおりです。

比較項目 

面接

面談

実施する目的

企業・応募者が互いの
相性等を見極めるため

情報交換のため
入社意向を高めるため

求職者の応募意思

必要

不要

コミュニケーションの主導権

企業がメイン

対等な立場
(お膳立ては企業が実施)


ビジネスシーンにおける面談の特徴

ビジネスシーンにおける面談は、面談者と被面談者が情報共有を行い、お互いについて理解を深めるために行われるケースがほとんどです。

部下を監督・指導する立場の上司を例にとると、部下と面談を行うことによって、部下が現在任されている「仕事やミッションについてどう思っているのか」知りたいと考えている状況などが思い浮かびます。

もう少し踏み込んで考えて面談する場合、部下が今後自社でどのようなキャリア構築を目指せるのか、具体的に説明する場として面談を活用することも考えられます。

まだ自社との接点が薄い求職者に対して、自社のことを知ってもらおうと考えているなら、求職者が現在働いている社員と話ができる環境を整えるため面談を活用する方法もあります。

面接と違い、面談はどちらかが主導権を握るようなイベントではないため、企業としては基本的にお互いが対等な立場でコミュニケーションをとれるよう配慮する必要があるでしょう。


ビジネスシーンにおける代表的な面談:4つの種類とその目的

ビジネスシーンにおける「面談」は、企業と個人が相互理解を深めるための重要なコミュニケーション手段です。その目的は多岐にわたり、社内人材の育成から社外の優秀な候補者の獲得まで様々です。面談は、対象者や目的に応じていくつかの種類に分類され、それぞれに特徴があります。ここでは、ビジネスシーンで頻繁に行われる代表的な4種類の面談について、その概要と主な目的を解説します。


社内面談:社員の成長・組織活性化につなげる

社内面談は、従業員の育成、パフォーマンス向上、エンゲージメント強化などを目的として、社内で行われる面談の総称です。具体的には、上司と部下による目標設定面談、評価フィードバック面談、キャリア相談、1on1ミーティングなどが含まれます。

これらの面談は、定期的に計画されるものと、必要に応じて随時実施されるものがあります。従業員のモチベーション維持、スキルアップ支援、早期離職の防止といった効果も期待され、組織力強化に不可欠な取り組みです。


カジュアル面談:求職者との相互理解を深める

カジュアル面談は、本格的な選考に入る前の段階で、会社と求職者がリラックスした雰囲気の中で情報交換を行う場です。主な目的は、企業側が自社の魅力や文化、仕事内容を伝え、候補者側は企業への理解を深め、疑問点を解消することにあります。

この面談は選考とは異なり、合否を判断するものではありません。本音で話し、会社と求職者が相互理解を深めて真の相性を確かめ合う機会となります。会社にとっては、潜在的な候補者との接点を持ち、採用ブランディングにも繋がる有効な手段です。


リクルーター面談:企業理解を促進し、魅力を発信する

リクルーター面談は、主に新卒採用の場面で、従業員(=リクルーター)が候補者と直接コミュニケーションを取る面談です。多くの場合、リクルーターの出身大学の後輩などが対象となり、OB・OG訪問に近い形で行われます。

この面談の目的は、候補者に対して企業の魅力、具体的な仕事内容、社風などを伝え、志望度を高めることです。カフェなど社外のフランクな雰囲気の場所で行われることが多く、候補者は選考よりも気軽に質問や相談ができます。会社にとっては、優秀な人材を早期に発見し、囲い込むための有効な手段となります。


内定者面談:入社前の最終調整を行う

内定者面談は、企業が内定を出した候補者に対して、入社前の最終的な意思確認や条件確認、不安解消などを目的として行う面談です。具体的には、労働条件、配属部署、入社後のキャリアパスなどについて説明し、内定者が抱える疑問や懸念点を解消します。

この面談を通じて、会社は内定者の入社意欲を再確認し、入社後のミスマッチを防ぐことを目指します。内定者にとっては、入社に向けた準備を具体的に進め、安心して社会人生活をスタートするための重要な機会です。


面談時の流れと注意点

面談の中では、比較的自由なコミュニケーションが許されているため、流れを意識しないと会話が脱線してしまうおそれがあります。

限られた時間を有意義なものにするため、以下にご紹介する流れを意識しつつ、それぞれのプロセスにおける注意点も把握しておきましょう。


アイスブレイクでリラックス

面談では、参加者が腹を割って話せるよう、緊張を緩和することが大切です。

まずは、参加してくれたお礼を伝えたり、交通手段や道のりに関することを聞いたりして、アイスブレイクを試みましょう。

アイスブレイクを行うメリットは、企業側の受け入れ体制が整っていることを、参加者に伝えられる点です。

ただし、参加者の回答を絞ってしまうような質問をしたり、アイスブレイクに時間をかけ過ぎたりしないよう注意が必要です。

面接でアイスブレイクを成功させるポイント|各種ネタや失敗例も紹介


自己紹介・自社紹介

参加者の気持ちがアイスブレイクで和んだところで、次は担当者の自己紹介と、自社の紹介へと進んでいきます。

面談は、参加者と担当者(企業)が話しやすい空気を作ることが重要なため、自己紹介等は率先して担当者から行います。

自己紹介等を先に企業側が実施するメリットは、心理学における「自己開示の返報性」によって、参加者からの本音を引き出すことです。

■自己開示の返報性とは
……自分が自己紹介することで相手が「自分も自己紹介しなければ」と感じ、同じレベルでの自己開示を行う特性のことをいいます。

自己紹介・自社紹介は、これから自社で働いてくれるかもしれない人材に対して、臆せず積極的に行いましょう。


傾聴と質問

担当者・企業の紹介が終わったら、次は参加者に話してもらいましょう。具体的には、参加者のこれまでのキャリアや、学生時代やプライベート等での取り組みなど、参加者の人材としての価値だけでなく「素顔」もわかる内容を聴取します。

参加者に話してもらう段階で会社の担当者側が注意すべきなのはは、参加者の話をさえぎらず、いったん最後まで聞いてから自社側の話をすることです。こうした話し方には、次のような目的があります。

  • 参加者の論理力を把握できる
  • 社会人としてのモラル・マナーが分かる
  • 傾聴の姿勢を印象づけ、会社の印象を良好に保つ


次回アポ獲得とフォロー

面談の中でやり取りを行い、応募して欲しい・採用したい人材だと感じられた参加者については、その場で次の約束(アポイント)を取り付けましょう。

アポイント取得では、求職者の温度感を確認しつつ、職場見学・企業説明会・先輩社員面談・面接など、いくつかの選択肢を用意するとよいでしょう。取得後も早めにフォローメールを送信することが大切です。

以下、主な面談の内容に合わせたフォローメールの雛形(例文)・テンプレートをいくつか紹介します。


先輩社員との面談お誘い型

面談参加者と似たようなタイプ・同年代の現場社員に会わせることで、興味喚起できそうな求職者向けのフォローメールです。

<件名>
【先輩社員面談のお誘い】株式会社〇〇 

<本文>
〇〇〇〇様 

こんにちは。
株式会社〇〇の採用担当をしております〇〇です。
この度は弊社にお越しくださりありがとうございました。
〇〇様に興味をもっていただきとても嬉しく思います。 

〇〇様には是非、弊社スタッフとの面談を通してリアルな姿を知っていただきたいと思っております。
仕事内容についてや弊社の雰囲気を感じていただくことはもちろん残業や給与のこと、などイベントでは話すことができなかった部分についてもお話したいと思っております。

いただいたご質問についても、本音でお答えさせていただきます! 

面談可能時間:平日〇:〇〇~〇:〇〇(希望日時をお知らせください) 
所要時間:30分ほど
住所:〇〇市〇〇…
持ち物:特にございません
電話番号:〇〇…
担当:〇〇

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。
お電話でもメールでも構いません。 

よろしくお願いいたします。


職場見学お誘い型

実際の現場を見てもらうことで、仕事内容や会社の雰囲気をつかんで前進しそうな求職者向けのフォローメールです。

<件名>
【職場見学のお誘い】株式会社〇〇 

<本文>
〇〇〇〇様 

こんにちは。
株式会社〇〇の採用担当をしております〇〇です。
この度は弊社へお越しくださりありがとうございました。
〇〇様に興味をもっていただきとても嬉しく思います。 

つきましては、職場見学にお越しいただきたいと思っております。
仕事内容や職場の雰囲気についてお話させていただきましたが
実際に肌で感じていただくことが一番かと思いますので是非お越しいただければと思います。

見学可能時間:〇:〇〇~〇:〇〇
所要時間:30分ほど
住所:〇〇市〇〇…
持ち物:特にございません
電話番号:
担当: 

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。
お電話でもメールでも構いません。

よろしくお願いいたします。


会社説明会への参加お誘い型

面談時にじっくり説明はできていないものの、採用候補として有効そうな求職者向けのフォローメールです。

<件名>
【説明会のご案内】株式会社〇〇 

<本文>
〇〇〇〇様 

こんにちは。
株式会社〇〇の採用担当をしております〇〇です。
この度は弊社へお越しくださりありがとうございました。
〇〇様に興味をもっていただきとても嬉しく思います。 

つきましては、是非企業説明会にお越しいただきたいと思っております。
仕事内容や職場の雰囲気についてお話させていただきましたが
働くイメージをもっていただきやすいように、
より詳しい仕事内容や職場の雰囲気を感じていただければと思います。 

説明会日時時間:〇月〇日〇:〇〇/希望日時をお知らせください 
所要時間:30分ほど
住所:〇〇市〇〇…
持ち物:特にございません
電話番号:
担当: 

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。
お電話でもメールでも構いません。

よろしくお願いいたします。


面接のお誘い型

面談時に話が前進しており、クロージングに近い求職者向けのフォローメールです。

<件名>
【面接のご案内】株式会社〇〇 

<本文>
〇〇〇〇様 

こんにちは。
株式会社〇〇の採用担当をしております〇〇です。
この度は弊社へお越しくださりありがとうございました。
〇〇様に興味をもっていただきとても嬉しく思います。  

〇〇様には是非、選考に進んでいただきたいと思っております。
選考に進むにあたり、ご不明な点やご不安に思う点がございましたら遠慮なくご相談ください。
職場見学や先輩社員との面談などをご用意いたします。
不安を無くしていただいたうえで、選考に進んでいただきたいと思っております。 

面接時間:〇月〇日(〇)〇:〇〇~〇:〇〇
        〇月〇日(〇)〇:〇〇~〇:〇〇
                      〇月〇日(〇)〇:〇〇~〇:〇〇
※ご都合が合わない場合、候補日をいただけますと幸いです

住所:〇〇市〇〇…
持ち物:特にございません
電話番号:〇〇…
担当:〇〇 

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。
お電話でもメールでも構いません。 

よろしくお願いいたします。


面談が企業にもたらすメリット

会社の採用活動で面談を導入するメリットは、採用競争を勝ち抜くため必要な「その会社だけの魅力」のアピールが可能になることに加え、ミスマッチのリスクを軽減できることです。

具体的には、次のようにいえます。


知名度に左右されず魅力を伝えられる

面談の導入が採用企業にもたらすメリットは、面談=求職者にじっくりと自社独自の魅力を伝える機会を設けることで、規模や知名度にかかわらず「選ばれる会社」になれることです。

近年の人材確保の実情として、リーマンショック以降続く「売り手市場化」が挙げられます。2010年代前半には求職者数が求人数を上回り、今や有効求人倍率は1.20台、新規求人倍率は2.20台に達しています。背景には労働人口の減少や景気回復があり、この先も求職者の奪い合いは激化するでしょう。

求職者の意向に着目すると、多くの場合は「認知度や規模のより優れた会社に入りたい」と考えます。所在地や待遇を考えてのことです。これに伴い、社風、提供できるキャリアプランやスキルなどに自信があっても、認知度が低い・規模の小さい会社は採用競争において不利になるといわざるを得ません。

採用活動で導入する面談は、会社や募集する職の表面的な情報だけでなく「隠れた魅力・求人情報では伝えきれない魅力」をアピールする機会です。こうした機会を持つことで、知名度などに左右されることなく求職者に入社意欲を持ってもらうことができます。


ミスマッチのリスクを軽減できる

採用活動において、候補者が増えることは望ましいものの、その全員を見極めるのは相応の時間と労力を要します。面接の段階では期待値が高かった人材であっても、採用後にミスマッチが発生するリスクは避けきれません。

面談を活用することで、担当者と求職者がフランクに意見効果できれば、個々の人材の分析材料を増やしつつ、コミュニケーション時の違和感などに気付きやすくなります。

面談は、採用活動全体の流れを見通した際、かえって時間がかかるようにも思えるプロセスです。

しかし、その分時間をかけて人材の能力・適性を見極めることができるため、結果的に入社後の早期離職リスクを減らすことに繋がります。

ミスマッチはなぜ起きる? 原因と未然に防ぐ予防法を解説!


面接に比べて担当者の負担が軽い

面接を行う場合、関係部署や人事で面接を担当する面接官同士が、採用したい人材像を共有したうえで面接にあたらなければなりません。

その分準備には時間がかかりますし、求職者側も面接に対して慎重になります。

しかし、面談の場合、面接に比べると比較的カジュアルな雰囲気でやり取りができます。

主催する側である担当者は、相応の準備こそ求められますが、選考・採用ミスのリスクを考えて人材を判断する必要はありません。

総じて、担当者の負担は面接に比べて軽くなるため、結果的に先入観を持つことなく人材のありのままを判断しやすくなるのです。


採用活動における面談導入の4つのポイント

導入する面談では、これと思った求職者に「この会社で働きたい」と強く意識してもらわなくてはなりません。

このようにして採用競争を勝ち抜くには、環境整備から担当者選定、対話内容の設計、そして得られた情報の適切な管理などが必要です。


話しやすい環境を整える

面談にあたっては、求職者と本音で話すための環境整備が必要です。有意義な会話をするにあたっては、適切な場所や提供すべき情報、求職者への理解が欠かせません。

■求職者がリラックスできる環境を整える
……プライバシーに配慮した落ち着いた場所(会議室や個室のあるカフェなど)を確保しましょう。求職者の緊張をほぐし、本当の考え・価値観をスムーズに聴取できるようになります。

■会社の情報をスムーズに提供できるようにする
……企業概要やパンフレット、仕事内容がわかる資料を準備し、求めに応じてスムーズな情報提供を心がけましょう。限られた時間を有効活用し、会話を深めるために必要です。

■事前に求職者の情報を収集・整理しておく
……面談の直前には、求職者のパーソナリティに関する情報を整理しておきましょう。会話のきっかけとして活用できるだけでなく、求職者と真摯に向き合う姿勢を印象づけるのに役立ちます。


適切な面談担当者を選定する

面談の成果を最大化するためには、候補者の状況や面談のフェーズ(選考前・選考中・選考後など)に合わせて、もっとも適切な社員を担当者として選任することが不可欠です。

■面談の目的・段階に応じた担当者を選定する
……面談の成果を最大化するためには、候補者の状況や面談のフェーズ(選考前・選考中・選考後など)に合わせて、最も適切な社員を担当者として選任することが不可欠です。これにより、候補者に合わせた情報提供や関係構築が期待できます。

■選考前のカジュアル面談では、多様な社員の参加を検討する
……選考前のカジュアルな面談では、人事担当者に加え、候補者と年齢や経歴が近い現場社員や、異なる職種の社員に同席してもらうと効果的です。候補者は親近感を抱きやすく、具体的な仕事内容や社風について多角的な情報を得られます。

■選考段階が進んだら、専門性と権限を持つ担当者をアサインする
……選考が進み、より専門的な質疑応答や条件交渉などが想定される段階では、必要な知識や情報提供の権限を持つ担当者(例:部門責任者、役員など)が対応することで、スムーズな意思決定と候補者の不安解消に繋がります。

■リクルーターを任命する際は、目的とNG項目を明確に共有する
……社員をリクルーターとして面談に任命する場合には、面談の目的、企業として伝えたいメッセージ、そしてコンプライアンス上伝えてはいけないNG項目などを事前にしっかりと共有し、認識を統一しておくことが重要です。これにより、一貫性のある情報提供とトラブル防止が図れます。


本音を深掘りできる質問設計を行う

面談は、企業と候補者が相互理解を深めるための貴重な機会です。一方的な情報伝達に終始せず、候補者の本音や潜在的なニーズを引き出すための質問設計とコミュニケーションが求められます。

■候補者の本音とニーズを引き出す質問を準備する
……面談の目的を達成するためには、事前に「候補者からどのような情報を引き出したいか」「何を確認したいか」を明確にし、具体的な質問リストを準備しておくことが重要です。これにより、話が脱線することなく、必要な情報を効率的に収集できます。

■尋問ではなく、自然な会話の中で質問する
……準備した質問は、あくまで自然な会話の流れの中で、相手の反応を見ながら投げかけることが大切です。一方的な質問攻めは候補者を萎縮させてしまうため、対話を通じて徐々に深掘りしていく姿勢が求められます。

■傾聴の姿勢で、候補者が話しやすい雰囲気を作る
……候補者の話に真摯に耳を傾け、共感や相槌を交えながら、安心して本音を話せる雰囲気を作ることが何よりも重要です。些細なことでも質問しやすい空気感を醸成し、候補者からの積極的な発言を促しましょう。

■キャリア観や価値観を理解するための質問を盛り込む
……スキルや経験だけでなく、候補者のキャリアプラン、仕事に対する価値観、企業選びの軸などを丁寧にヒアリングすることで、企業文化との適合性や入社後の活躍イメージを具体的に把握し、的確な情報提供や動機付けに繋げることができます。


終了した面談の情報を蓄積・共有する

面談で得られた貴重な情報を最大限に活用し、採用活動全体の質を向上させるためには、情報の適切な蓄積と共有体制の構築が不可欠です。

■面談で得た情報を一元的に管理する
……面談で得られた候補者の情報(スキル、経験、価値観、関心事、懸念点など)や面談の記録(日時、参加者、会話の要点、所感など)は、採用活動全体で活用できるよう、一元的に管理する体制を整えましょう。これにより、情報の散逸を防ぎ、効率的な振り返りが可能になります。

■関係者間でスムーズに情報を共有できる仕組みを構築する
……蓄積した情報は、採用に関わる担当者間でスムーズに共有できる仕組みを構築することが重要です。担当者が不在の場合でも他の社員が対応できたり、異なる視点からの評価を加えたりすることで、より客観的で多角的な選考判断に繋がります。

■面談記録を分析し、採用戦略の改善に活かす
……過去の面談記録を定期的に分析することで、面談の進め方、質問内容、候補者の反応パターンなどを把握し、今後の採用戦略や面談の質の向上に役立てることができます。成功事例や課題点を共有し、組織全体の採用力を高めましょう。

■情報管理ツールを活用して効率化を図る
……候補者情報や面談記録の管理・共有には、採用管理システム(ATS)や情報共有ツールなどを活用すると効率的です。手作業による煩雑さを軽減し、担当者がより本質的な業務に集中できる環境を整備します。


まとめ

少子高齢化等の理由で人材不足が進む中、求職者に精神的負担をかけず自社とのマッチングをはかるうえで、面談の重要性はより高まるものと考えられます。

面談で魅力的な人材を発見した後、すかさず面接の約束を取り付けるのが、企業の採用活動においてスタンダードになる日は近いかもしれません。

なお、面談のノウハウが不十分なため、まずは求人情報のブラッシュアップにより応募者を確保したいとお考えの方は、ワガシャ de DOMOの利用をご検討ください。

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ヒトクル編集部
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ヒトクル編集部

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