土木・建設業の求人が厳しい理由は? 採用を増やす施策を解説
土木・建設業の求人は、厳しい状況が続いています。
人が集まりにくい業界ですが、環境改善や採用方法を変えることで、求人への応募や採用数を増やせる場合があります。
土木・建設業界の採用率を上げるために、どのような対策が必要なのか、詳しく解説いたします。
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土木・建設業界の採用状況
土木・建設業を営む多くの経営者が、人材不足の悩みを抱えています。
採用市場全体で少子高齢化などによる、採用難が続いていますが、土木・建設業界はとくに厳しいと言われています。
土木・建設業の中でも、大手ゼネコンと呼ばれる企業には、多くの求職者が集まっています。その一方で、現場で働く大工などの職人、技術者は人手が足りず、倒産する企業が増えているなど、大きな問題になっています。
土木・建設業の求人倍率
採用が厳しいと言われている土木・建設業。
厚生労働省の資料によると、2024年1月時点の現在の求人倍率は、以下の数値となっています。
建設躯体工事 9.66倍
土木 7.04倍
建築・土木・測量技術者 7.01倍
建設(建設躯体工事除く) 5.35倍
全体の平均が1.27倍という数値の中、土木・建設の仕事がワースト5以内にすべてランクインする結果になりました。土木・建設の求人倍率は、高値安定の傾向にあり、人手不足の厳しい状況が分かります。
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土木・建設業界の人手が足りない4つの理由
土木・建設業界の人手不足が深刻化しているのには、理由があります。総務省統計局調査によると、全体の2.4%にあたる163万人もの完全失業者が、求職しているにも関わらず、なぜ人が集まらないのか、理由を見てみましょう。
理由1:土木・建設業界への不安がある
土木・建築業界は景気と深い関係がある仕事です。景気が良いときにはどんどんビルやマンション、住宅が建てられますが、バブル崩壊やリーマンショックなどの不景気に転じると、重要が急激に減ってしまいます。
このタイミングでリストラされたり、会社が倒産してしまったり、という経験を持つ人材は、土木・建築業界以外の安定した仕事に就こうと考えがちです。
このような背景から、日本で頻発している巨大地震や異常気象により、土木・建設業のニーズが再び増えても、離れた人手がなかなか戻らない状況が続いています。
理由2:若い世代を採用できていない
土木・建築業界は、その他の職種と比較すると若い人材が少ない傾向にあります。採用してもすぐ辞めてしまうケースもみられ、29歳以下の人材は業界の1割程度、というデータもあります。
離職者が多い理由としては、
- 技術習得までに時間がかかり給与がなかなか上がらない
- 年功序列や終身雇用に考え方が根強く残っている
- 年の離れた社員が多く、若い世代がなじめない
などが挙げられます。
自由な働き方を求める若い世代と、昔ながらの考えで地道にこつこつスキルを習得する業界の慣習が合わず、応募を控えたり、早期離職を選んだり、という結果を招いています。
理由3:既存社員の高齢化している
若い世代の少ない土木。建設業界は、30代以上の既存社員の力で成り立っています。その一方で、長く働いてきた社員の高齢化が進み、毎年多くの人材が退職を迎えます。
身体を使う仕事のため、定年者の再雇用が難しいのも、土木・建設業が抱える問題です。子どもの出生数も、年々減少している状態です。今後ますます働く高齢者が減少し、土木・建築を担う人材が減っていくと予測されます。
理由4:大変そうなイメージがある
土木・建設の仕事は、体力勝負の大変な仕事、というイメージがあります。高所での作業や重い建築材などの運搬、泥だらけになる業務などから、3K業界とも呼ばれています。
「きつい」「きたない」「きけん」を理由に避けられがちなだけでなく、残業時間や休日出勤が多い、雨が降ったら給料が出ない場合がある、といった点も、採用難になっている理由です。
2024年4月以降。建設業界の働き方改革が始まり、残業時間の上限規制がスタートしますが、このような取り組みをまだ知らない求職者も多く、土木・建設業界のイメージを変えるには、しばらく時間がかかると予測されます。
総務省統計局/労働力調査(基本集計) 2024年(令和6年)1月分結果
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土木・建設業界の採用を増やす7つの方法
採用が厳しい土木・建築業界ですが、企業が環境や待遇を見直すことで、応募率や内定率の向上を目指せます。どのような施策を講じれば良いのか7つの方法をチェックしてみましょう。
方法1:働く環境を見直す
残業が多かったり、休みがなかったり、という状態が続いている場合、就労環境を見直すことで、求職者にアプローチできます。
- 週休2日制度を徹底
- 適正な工事期間の提案
といった方法で、働きやすい職場づくりをはじめましょう。
週休2日制度を実現するために、取引先の理解や連携も重要です。残業しなくても作業を完了できる、無理のない工事期間。誰もがきちんと週休2日休める体制を作って、土木・建設業界のイメージをくつがえせると、人材獲得が期待できます。
方法2:ターゲットを決めて募集する
若い世代の力を借りたい土木・建設業界ですが、現在のイメージのまま、若年層の採用を増やすのは現実的ではありません。今後の経営にどのような人材が必要なのか、検討の上、ターゲットに届く求人広告を作成しましょう。
- 建設業界に興味を持っている若い世代
- リストラや倒産などで仕事を探している40~50代
- 未経験を歓迎してくれる仕事、即採用の仕事を探している人
など、具体的なイメージをもとに、適した待遇やポジションを用意して、募集してみてください。
方法3:給与や保険の制度を変える
土木・建設業界に人材が集まらない理由の一つに、日給月給制度があります。雨の多い梅雨などは仕事がなく、給与が減ってしまうという問題がありました。
この制度を見直すため、月給制度に移行する土木・建設の企業が増えています。月給制度に加え、社会保険への加入や手当などの拡充、有給消化の徹底、手厚い福利厚生制度など、現状の制度を見直すと、働きやすい条件を提示できます。
どのような制度があったら嬉しいか、既存社員にアンケートを取るのも良い方法です。土木・建設に興味はあるけれど、給与面、待遇面で諦めていた、という人材を、積極的に採用できるように、環境を整えてみましょう。
方法4:技術習得をサポートする
これまでの土木・建設業界は、なかなか手に職をつけられない。技術が足りないから給与も上がっていかない、という悪循環がありました。
この状況を打破するために、社員がスキルを磨ける環境、技術を示せるシステムなどが求められています。何から導入すれば良いのか迷ったら、国土交通省が取り組んでいる「建設スキルアップシステム」がおすすめです。
システムを導入すると、これまでの就労履歴や保有資格、講習への参加履歴などを登録できます。どのような現場の仕事に携わったのか、簡単に把握できるようになるため、適した報酬・業務内容での就労に繋がります。
土木・建設業界にいる間はずっと使える制度のため、経験者採用にも役立てられます。
方法5:IT化・DX化を進めて人材不足をカバー
土木・建設業はITの導入が進んでいない業種です。人手不足を補うためには、足りない部分をテクノロジーの力に頼る必要があります。
- Webカメラなどを使って遠隔で作業の指示・確認をする
- 書類のデジタル化で、作成や管理、保管の手間を削減する
- 会計ソフトや自社独自の管理システムなどを導入する
- AIやドローンなどを駆使して質の高い作業を提供する
など、さまざまな方法が考えられます。時間がかかっている部分、作業を楽にしたい部分を考慮の上、ITやDXの力で改善できないか、検討してみてください。
方法6:求人内容を魅力的に変える
会社の待遇や環境を改善しても、求職者に伝わらなければ意味がありません。
逆に、現在の求人広告を見直しただけで採用に繋がった、という例もあります。
採用条件や企業の情報を分かりやすく掲載して、関心を持たれる企業を目指しましょう。
※求人票で大事なキャッチコピー作成のコツとは?求職者に刺さる事例を職種別に紹介
仕事内容はできるだけ詳しく
求人サイトの掲載する情報は、多ければ多いほど検索されたり、興味を持たれたり、といった結果に繋がります。必要な情報が不足なく書かれているかどうか、応募者目線でチェックしてみましょう。
年齢制限や資格制限などを設けている場合は、採用する年代の幅を広げる、働きながら資格を取得できるシステムを導入する、といった取り組みができると、応募しやすくなります。
その他にも、未経験の人材が業務内容を把握できる説明、雰囲気やイメージが伝わる画像の用意、他社よりも優れた待遇などを記載できると、応募や問い合わせ増に繋がりやすいでしょう。
※求人票の仕事内容の書き方|求職者に魅力が伝わるポイントを解説
キャリアパスも記載する
土木・建設業界で実際に働いている人の中には、
「もっと責任のある仕事がしたい」
「大規模な案件にチャレンジしてみたい」
「もっと幅広い経験を積みたい、技術を学びたい」
といった夢を抱いている人材がいます。このような転職を検討している層へ、自社のキャリアパスを伝えられると、理想の働き方を望んでの入社が期待できます。
これまでに携わってきた仕事内容、規模などをくわしく記載するなど、この会社で自分の力を発揮してみたい、と思える求人内容を意識してください。
方法7:自社採用ページを運用する
求人サイトや求人広告は、ありきたりな内容になりがちです。大企業の求人広告に埋もれ、自社情報が求職者に届かない場合もあります。
このような問題を解決するために、自社採用ページを持っておきましょう。
自社採用ページがあると、
- 手数料や広告料を支払わずに、一年中求人できる
- 写真や画像などをふんだんに活用して雰囲気を伝えられる
- ホームページの問い合わせフォームから直接人材と繋がれる
といったメリットがあります。
取り組んでいる事業だけでなく、働く魅力や企業理念、代表挨拶などで候補者との距離を縮めて、「話を聞いてみたい!」と思わせるページを作成してみてください。
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土木・建設業におすすめの募集方法
土木・建設業の求人を有利に進めるために、使えるサービスは幅広く利用するのがおすすめです。取り組んでおきたい6つの募集方法を見てみましょう。
1:求人サイトへの掲載
土木・建築業界の仕事を探したり、地域の情報を集めたりする場合、求人サイトが選ばれやすい傾向にあります。ハローワークとは違い、全国の求職者へアプローチできるのも求人サイトを利用するメリットです。
条件で求人を絞り込めるため、自社と相性が良い人材と出会いやすいという特長もあります。転職顕在層に情報を届けたい、まとめて採用して採用コストを抑えたい、という企業にも向いている方法です。
※求人掲載におすすめの無料・有料の求人サイト21選を詳しく紹介【2024年最新】
2:Indeedへの掲載
Indeedは求人検索エンジンの一つですが、利用者数が圧倒的に多いメリットがあります。
意欲が高いユーザーが多く、キーワードで検索するため、土木・建築系の経験者に向けて効率よくアピールすることも可能です。
また、基本は無料掲載ですので採用コストを抑えたい場合に活用できます。
また、有料掲載でもクリック時に課金される仕組みとなっているため、余計なコストが発生するリスクを減らせる点もメリットと言えるでしょう。
※Indeedで効果を出すには「キーワード」が超重要!応募を増やす求人作成のポイント
3:人材派遣サービスを活用する
急ぎで人材が欲しい場合、短期間だけ人材を雇用したい場合などは、人材派遣サービスが役立ちます。人材派遣会社を通じて採用できるため、必要なスキルや資格を持つ人材をお願いしやすい点もメリットです。
4:人材紹介サービスを活用する
人材派遣ではなく、自社で長く働いてくれる人材を探したい場合は、人材紹介サービスを利用してみましょう。人材紹介会社、転職エージェントから、自社に適した人材を紹介して貰えます。
人材を採用して初めて報酬が発生するケースが多いため、採用コストを減らしたい場合にもおすすめです。人材紹介会社へ相談することで、採用担当者の負担を減らせるため、社員のサポートやその他業務に集中できるというメリットもあります。
5:SNS
若い世代は特に、求人情報や企業の情報をSNSで集める傾向があります。SNSを通じて求職者と繋がりをもったり、自社情報を発信してファンを増やしたり、社員が踊る動画を配信して興味を惹いたり、さまざまな活用方法が待っています。
若年層の採用に力を入れたい場合は、SNS運用を検討してみると、採用につながる可能性を高められます。
6:土木・建設業界に強い採用サイトを利用する
採用サイトの中には、土木・建設業界に特化して運用しているサイトがあります。このようなサイトを利用すると、業界に興味を持っている人材、業界内で転職したい人材と出会いやすくなります。
土木・建設業界向け採用サイト5選
【職人さん.com】
https://www.shokunin-san.com/
職人さん向けのショップ情報から新商品情報、求人情報まで網羅する、職人さんのためのサイトです。職人検索機能からの人材スカウトも可能です。
【ジョブケン】
https://jobken.jp/
土木・建設関連企業が求める人材を、職種から探せるサイトです。細かい職種からスキルにあった求人を探せるため、ピンポイントで欲しい人材とマッチできます。
【パワーワーク】
https://powerwork.jp/
建設や運送、警備など、採用が厳しい業界に強い採用サイトです。建設業界を力強くサポートするサイトの力を借りて、人材獲得を目指せます。
【施工管理求人ナビ】
https://sekokan-navi.jp/
施工管理技士の求人に特化しているサイトです。日本最大級の求人数を誇る専門サイトが、施工管理技士が必要な企業の強い味方になってくれます。
【A-worker】
https://a-worker.com/
A-workerは、建築設計者向けの求人サイトです。土木・建設業界の中でも、建築設計軸書を経営している企業に適しています。
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土木・建設業におすすめはワガシャ de DOMO
採用が厳しい土木・建設業界ですが、休日や待遇などの環境を整えたり、採用手法を工夫したりといった方法で、応募数や採用数アップを目指せます。人材獲得のために、できる施策から取り入れてみてください。
もし応募数不足に悩む場合は、土木・建築業の実績がある「ワガシャ de DOMO」がおすすめです。
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