コンビニの人手不足改善はどう進める? 採用のポイントを解説!
採用に悩む経営者が増える中、コンビニエンスストアの人手不足も深刻になっています。
求人を出しても人が集まらない原因は、24時間という業務体制や売上の減少といった背景があります。
これらの問題を解決するためには、採用方法の見直しや、採用した人材定着のための施策が必要です。コンビニ求人の悩みを改善に導く方法を、解説いたします。
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コンビニ業界の求人実態
コンビニエンスストアの多くが、人手不足に悩まされています。
2018年に経済産業省が行った調査では、加盟店の約61%が「従業員が不足している」、34%が「従業員は足りているが、何かあれば運営に支障がでると思う」という回答結果が出るなど、深刻な状況が分かります。
出典:第1回新たなコンビニのあり方検討会事務局説明資料(コンビニの現状と課題)
2018年の時点で、充分に足りているという回答はわずか6%という厳しい回答になっているコンビニ人材の現状。
現在は、更なる人材不足が叫ばれているため、より人材獲得に苦労しているオーナーが多いと予測されます。24時間休みなく、営業を続けているコンビニ業界をどう運営していくのか、今後の対策が急務といえます。
コンビニ本部の求人対策
加盟店の人材不足を補うため、コンビニ本部も求人対策を実施しています。
大手コンビニエンスストアの多くが、公式サイト内にアルバイト募集ページを設け、最寄りの募集店舗を検索したり、Web上からメールやフォームを通じて直接応募できたり、といった体制を整えています。
従業員特典を掲載したり、前払い制度の案内をしたり、就職活動を支援したり、各コンビニで働く魅力を伝える施策もみられます。
また以前は、アルバイトスタッフの指導、育成は加盟店オーナーの仕事でした。しかし、人材の早期離職が相次いだことから、本部がサポートするケースが増えました。
人材が足りない期間、人材が育つまでの期間をカバーするため、本部から派遣会社に依頼の上、人材を補充する例もあります。
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コンビニ人材が不足している5つの理由
コンビニで働く人材が不足しているのには理由があります。
なぜアルバイトスタッフが集まらないのか、原因を見てみましょう。
- 理由1:人材が集まる時間帯が集中している
- 理由2:シフトが安定しない
- 理由3:コンビニ同士での人材の取り合い
- 理由4:時給などの待遇を改善しづらい
- 理由5:覚える業務が多い
理由1:人材が集まる時間帯が集中している
コンビニエンスストアの多くが24時間営業です。
そのため、早朝バイトや深夜バイト、日中、夕方など様々な時間帯で人材が必要です。
その一方で、学生は夕方から午後を希望、主婦は日中を希望するなど、人があつまる時間帯、集まりにくい時間帯が出てきます。
深夜、早朝は特に人が集まりにくい時間帯です。求人への応募はあるものの、店舗が必要としている時間は人が足りない、という悩みをかかえる店舗もあります。
理由2:シフトが安定しない
人手不足を補うため、既存のアルバイトが時間を延長したり、希望する時間帯以外に勤務したり、という例もあります。このような状況が続いてしまうと、アルバイトのシフトが安定せず、決まった時間に働ける別の仕事を選ぶ可能性が考えられます。
従業員が足りていないコンビニエンスストアは、少ない人材で協力するしかありません。その増えた結果、アルバイトへの負担が大きくなり、退職を選ぶケースもあります。
理由3:コンビニ同士での人材の取り合い
コンビニエンスストアの店舗数は、年々増え続けています。少し歩いただけで、何件ものコンビニを目にするケースがあるなど、一つの地域に多くの店舗が共存している状態です。
限りある人材を同じエリアで獲得し合うため、アルバイトの確保が難しくなっています。
理由4:時給などの待遇を改善しづらい
コンビニ業界全体が、売上減に悩まされています。物価が上がり続ける中、コンビニ同士の競争、スーパーなどのプライベートブランド、デリバリーサービスの拡大など、様々な要因がコンビニ経営を圧迫しています。
このような状態では、アルバイトへ時給や待遇の改善などの還元ができません。その他業種と比較して、低時給しか提示できない現実が、人材獲得を困難にしています。
理由5:覚える業務が多い
コンビニエンスストアの仕事は、扱う品目が多く、業務が多岐にわたります。支払い一つとっても、電子マネーやキャッシュレス決済の種類が増え、覚える内容がたくさんあります。
その他にも宅配便やタバコの取り扱い、惣菜やお弁当の調理、マルチコピー機でのチケット発券など、レジ以外の仕事が少なくありません。大変そう、覚えられなさそう、という理由で、応募を控えるケースがみられます。
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コンビニスタッフとして働くメリット・デメリット
コンビニスタッフの仕事には、下表のようなメリット・デメリットがあります。
メリット |
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デメリット |
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人材を獲得するために、メリットを積極的に提案しながら、デメリット改善を目指しましょう。以下、解説していきます。
コンビニでアルバイトするメリット
コンビニエンスストアのアルバイトは24時間営業のため、希望のシフトを組みやすい点がメリットです。フリーターとして働く場合、深夜や早朝の時間帯を選べば時給も高く、日中の時間を有効活用できます。
最近は、コンビニエンスストアの多くにセルフレジが導入されており、お金を取り扱うプレッシャーが少ないという利点もあります。
コンビニスタッフでアルバイトするデメリット
コンビニバイトのデメリットは、業務内容の煩雑さです。品出しのために、商品の置いてある位置を把握する必要があるのですが、慣れないうちは時間がかかってしまいます。
その他にも、商品の検品やホットスナックなどの調理、掃除、接客まで、幅広い仕事があります。覚えるのが苦手な場合は、対応に時間がかかるかもしれません。
コンビニエンスストアの立地によっては、通勤通学の時間帯に行列ができるほど忙しくなるケースもあります。急いでいる人が多いこともあり、クレームが起きやすい点もデメリットです。
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コンビニの人手不足を解決する6つの方法
コンビニの人材不足を解決するために、積極的に取り入れるべき施策があります。
できる方法から実践して、人材獲得を目指しましょう。
- 1:営業時間を変更する
- 2:セルフサービスを増やす
- 3:採用方法を変更する
- 4:シフトの作り方を変える
- 5:外国人材を雇用する
- 6:シニア世代を採用する
1:営業時間を変更する
加盟しているコンビニチェーンによっては、営業時間を変更できる場合があります。人が足りない時間はお店を閉じて、時短営業にすると、少ない人員で経営できます。
時短営業を取り入れると、全体的な売上は下がりますが、人件費や光熱費などの節約に繋がります。本部と相談の上、適した営業時間を検討してみましょう。
2:セルフサービスを増やす
セルフレジを導入したり、購入した商品の袋入れをお願いしたり、コーヒーを自分で入れてもらったり、セルフの仕事が増えると、従業員の負担を減らせます。特にセルフレジは、会計時のミスを減らせるためおすすめです。
便利なセルフサービスですが、年配のスタッフは対応に時間がかかる場合もあります。お客様側からも、慣れない操作でクレームが入る恐れがあるため、サポート体制を整えておくと安心です。
3:採用方法を変更する
現在の求人では人が集まらない場合、採用方法を変更すると、良い結果につながる場合があります。長く働いて貰えるフリーター人材、アルバイト人材を募集しながら、必要に応じて派遣などを利用すると、スムーズに運営できます。
最近は、必要な時だけ人材を募れる即日マッチングサイトが増えています。このような、スキマバイトサービスなどを上手に活用しながら、人が足りない時間を乗り切りましょう。
4:シフトの作り方を変える
コンビニエンスストアの安定した経営のために、人材の定着が欠かせません。アルバイト人員が長時間労働にならないシフト、急な変更をしなくても良いシフトを組めると、働きやすい環境にできます。
元アルバイトや家族などに頼れる体制を整えておく、派遣やスキマバイトサービスに登録しておく、シフト変更がある場合は、一人だけでなく平等にお願いする、といった配慮が大切です。
5:外国人材を雇用する
コンビニで働く外国人人材が増えています。マニュアル化されている仕事が多いこともあり、日本人でなくてもできる業務がたくさんあります。
外国人留学生や外国人の家族などは、1週間28時間以内の労働であれば「資格外労働」として業務に就けます。
お店の求人ポスターに外国人も募集していると記す、外国語で求人ポスターを書いたり、求人サイトへ掲載したりする、といった方法で、外国人人材を歓迎しているお店だと伝えましょう。
6:シニア世代を採用する
会社を退職したシニア世代は、コンビニエンスストアにとって貴重な働き手です。これまでの経験から、優れたアイデアを出して貰えるケースもあります。
年配者は、学校や本職を持たないため、早朝や深夜アルバイトとして活躍してもらえる、といったメリットもあります。人材が思うように集まらない時は、シニア世代の積極的雇用を検討してみてください。
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コンビニ採用を成功させるコツ
コンビニ採用は、アプローチによって応募率、採用率が変わります。
必要としている人材の年齢、立場に合わせて、適した求人広告を作成しましょう。
学生向けアプローチ
学生向けの求人は、スマホでアルバイトを探すケースが多いことから、求人サイトを活用するのがおすすめです。週1~OKなど、学業と両立できる職場をアピールしましょう。
学生の中には、経験のなさから応募を取りやめる人もいます。このような層には、マニュアルがあること、少しずつスキルアップすれば良いことなどを、記載しておきましょう。
学生向けのアルバイト時給が、どの業界も高くなっています。学生であっても、一般と同じ時給に設定すると、応募が集まりやすくなります。
主婦向けアプローチ
主婦層は、子育てしながら働ける環境を求めています。幼稚園の送り迎えができる時間帯で募集する、急な熱などの時には休める、といった配慮を掲載すると、人材を集めやすいでしょう。
扶養の範囲内で勤務できる、といった点も主婦にとっては重要です。また主婦層は、過程を離れ、社会と触れ合うことで息抜きしたい、という人が少なくありません。アットホームな職場、仲の良いお店、など雰囲気をアピールするのも良い方法です。
フリーター向けアプローチ
フリーター人材は、毎月決まった労働時間を確保してもらえる職場を求めています。月収に変動が出ないように、月の勤務時間を約束できると、大きなPR材料になります。長期雇用可、正社員登用有、社会保険加入可、などのアプローチも有効です。
フリーター人材は、ハローワークを利用するケースが多いため、求人サイトと合わせて、フリーター向け情報を出しておくと、採用に繋がりやすくなります。
外国人向けアプローチ
外国人人材向けの求人は、必要な日本語力、経験やスキルを掲載しておきましょう。
難しい漢字は使用せず、優しい日本語で求人広告を作成するのがおすすめです。外国人材が活躍中!外国人応募歓迎!などの言葉で、応募を後押ししましょう。
シニア向けアプローチ
シニア層は、求人サイトよりもハローワークや紙媒体でアルバイト情報を探します。Webではなく、紙媒体の求人広告を活用して、中高年募集中!シニア層が活躍中!といった情報を掲載してみましょう。
店舗に求人を貼り出すのも良い方法です。マニュアルがあること、一からていねいなサポートを用意していることなども、合わせて記載しておくと、安心して応募できます。
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コンビニ求人に使える採用媒体5つをチェック
コンビニエンスストアの人材を獲得するために、使える媒体があります。
有効に求人を進められる5つの採用媒体を紹介いたします。
1:求人サイト
求人サイトは、コンビニバイト採用に広く使われている手法です。コンビニや飲食店などでのアルバイトを探している学生、主婦が一番に利用するケースが多く、多くの人材に情報を届けられます。
一方で、多くのコンビニが求人を出しているため、自店の情報が埋もれてしまったり、魅力が伝わらなかったり、という恐れがあります。
ライバルの情報をチェックしながら、より優れた条件で求人を出したり、広告機能などを活用して上位掲載したり、といった施策で、必要な相手へ求人内容を届けましょう。
※求人掲載におすすめの無料・有料の求人サイト21選を詳しく紹介【2024年最新】
2:求人検索エンジン
求人検索エンジンは、Web上にある様々なサイトの求人情報を、まとめて閲覧できるシステムです。一つの求人サイトで検索するよりも、多くの情報が得られるため、活用する人が増えています。
求人サイトの掲載した情報はもちろん、求人検索エンジン向けに直接登録した内容、会社の求人ページなども含まれます。求人検索エンジンは無料で利用できるため、積極的に活用してみてください。
3:ハローワーク
フリーターやシニア層を中心に、定期的にハローワークで情報を集めているケースがあります。無料で利用できる方法のため、採用コストが多くないコンビニ店でも求人掲載が可能です。
ハローワークのスタッフを通じて受付されるため、お店での問い合わせ対応を減らせるという点もメリットです。
便利な方法ですが、失業者が求職活動実績を作るため、応募している例もあります。人材によっては、働く意欲が薄いケースがある点を、覚えておきましょう。
※【画像&事例付き】ハローワークでの求人の出し方は?手続きの流れや注意点を解説
4:フリーペーパー
コンビニエンスストアやスーパー、ショッピングモールなどで、求人情報が掲載されたフリーペーパーが置かれています。無料で持ち帰れる媒体のため、求職中の人材の目に、情報が届きやすい手法です。
フリーペーパーを求めて、コンビニへ立ち寄る求職者もいます。入り口からフリーペーパー置き場の間に、店舗の求人情報を掲載しておくと、直接問い合わせに繋がる可能性もあります。
※無料求人誌(求人フリーペーパー)とは|求人サイトとの違い・地方誌も紹介
5:店頭ポスター
お店の出入り口や窓など、店頭に求人ポスターを貼っておくと、利用する多くの人の目に入ります。車の通行が多い通りにお店がある場合、車からでも見える大きな文字で情報を書いておくと、より興味を持たれやすいでしょう。
ポスターには求人条件だけでなく、デザインセンスも求められます。目に入りやすい色やデザイン、応募したくなる条件を記載して、応募に繋げてください。
※求人ポスターはどう作る? 掲載内容や7つのコツ・無料ツール3選を紹介!
コンビニスタッフを定着させる5つのポイント
人材不足が叫ばれるコンビニ業界だからこそ、スタッフの定着が欠かせません。
採用した人材を長く雇用できるように、やっておくべきポイントを解説いたします。
ポイント1:育成計画を立てる
採用したスタッフをどう育てていくのか、事前に計画を立てておくと、指導がスムーズになります。1ヶ月後には商品の位置を8割以上覚えて欲しい、3ヶ月後にはレジを任せられるようにしたい、など、具体的な計画を作成しましょう。
長く働いてもらうために、無理な計画は立てない、できていなくても叱らない、といった配慮が必要です。
ポイント2:順番に指導する
コンビニは、業務範囲が広い仕事です。いきなり複数の指示を出してしまうと、仕事を覚えられず、不安な気持ちになってしまいます。まずは基本の挨拶と品出し、次にレジ、その次は揚げ物の調理など、優先順位をつけて、一つ一つ仕事を覚えてもらいましょう。
ポイント3:経営者のスキルをアップする
コンビニ経営者の中には、できるアルバイトに仕事を任せて、裏方の業務をメインにしているというケースがみられます。この状態では、人手が足りない時間に動ける人材がおらず、派遣などの余計な費用がかかる場合もあります。
経営者のスキルを高めて、いつでもアルバイトのサポートに入れるようにしておくと、スタッフの負担が軽減され、働きやすくなります。
ポイント4:サポート用の人員を配置する
既存のアルバイトが、新人スタッフの指導をしながら、普段の業務も担う……このような働き方では、既存アルバイトの仕事が増え、仕事がつらくなってしまいます。新人を育成する期間は、サポート用の人材を配置したり、経営者の家族などがシフトに入ったりして、教えるスタッフの業務を減らしましょう。
ポイント5:声かけを大切にする
未経験からコンビニスタッフの仕事を始める場合も、経験者が別の店舗で働く場合も、新しい職場に不安をもっているものです。オーナーから積極的に声をかけて、分からないことや心配なことがないか確認する、できているところをきちんと褒める、といった気遣いができると、安心して働けるお店になります。
コンビニスタッフの募集はワガシャ de DOMOがおすすめ
コンビニスタッフの仕事は、人が集まりにくい職種です。
昼だけ働きたい主婦や、人とコミュニケーションを取りたいシニア層、しっかりシフトに入れる職場を探している学生など、ターゲットの応じた求人広告の出し方、採用手法を検討してアプローチしてみましょう。
同時に、人材定着に繋がる働きやすいお店づくり、きめ細やかな育成を実践すると、スタッフが次第に増えていきます。雰囲気が良ければ、スタッフが退職した後も、知り合いや友人を紹介してくれる可能性があります。
お客様もスタッフも居心地が良い店舗運営で、必要な人材を獲得してください。
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